バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
前回のあらすじ
シモンズ撃破


76.海底油田施設

近海、海底油田施設。

表向きはそうであるが、海底にはネオ・アンブレラの巨大な研究施設が建設されている。

よくもまぁ、EDF含む様々な監視の目を掻い潜り建設出来たものだ。

そして、大抵この手は碌でも無い研究をしている訳であり、蓋を開ければ中身は巨大な蛹。 ハオスと呼ばれる巨大BOWで、外に解き放たれたなら、僅か1、2日で地球の汚染率100%というトンデモ能力だ。

 

何としても阻止するべく、先ずEDF海軍の陸戦隊が突入。 次にBSAAクリスとピアーズが突入した。

遅れて只野が到着。 施設を目前に燃料が尽きて機体を海に捨てたが、そこからは自力で泳いで辿り着く。 帰り心配は後だ。

 

 

『ゲホッ、只野軍曹、無茶苦茶ですって』

「いつもの事だろ」

 

 

エレベーターに乗り込むは只野ひとり。

後は地上に残してきた。 この先は閉所な上にヤバい事になるので、人数が多いと犠牲が増える。 ここは事情を知る只野のみで行く。

 

 

「本部、これよりネオ・アンブレラの海底研究施設に突入。 海軍陸戦隊とBSAAのクリスとピアーズの捜索をしつつ、底へ向かう」

『本部了解。 通信強度低下中、以後の通信は困難だ、増援は送るが注意して進め』

「了解」

 

 

エレベーターは深層へ沈む。

やがて海底内を進むパイプが透明になれば、その海底研究施設の広大さ、大規模な具合が露わになる。 どうやって建造したのか知らないが、この技術の上で悪党がアレコレしてたのは違いない。

 

 

「見慣れたがな」

 

 

只野は冷めた視線で一瞥するのみ。

後は手元の銃を弄り調整。 戦闘に備える。

 

ヘリで来た制圧部隊の武器をパクった只野。

武装は多砲身小銃M3レイヴンSLS。

背負うはセミオートショットガンSGN-8。

バックパックには初期型自動歩哨銃。

 

1、2歩前の旧式だが、使える分には構わない。

只野は準備すると、ドアが開いた瞬間駆け出した。 レーダーには味方を既に捉えている。

 

 

「生存者はいるかぁー!?」

 

 

只野、真面目半分に叫んでみる。

この一連の事件ラストステージとなるであろう施設だ。 ここでミスる訳にはいかない。

 

すると、遠くから銃声が響いてきた。

それも1つや2つではない。 小銃によるフルオートやショットガンの重い音も。

 

 

「数的に陸戦隊もいるんだろうさ」

 

 

それに妙な安心感を覚えつつ、合流急ぐ。

本部に報告したいが、既に通信不可。

出来る事は先を急ぐのみ。

 

 

「クリスは心配するだけ無駄だけど、ピアーズは死ぬ可能性があるし、陸戦隊は更に死ぬ可能性があるよね」

 

 

独り言を呟きながら駆け足。

ループしているとはいえ、ルートまで細かく覚えていない。 ましてやバイオ6の段階、だいぶ後半戦とも言える。 後になるほど記憶も曖昧だ。

 

 

「それが良い事か悪い事か知らんがね」

 

 

部屋を次々に進むばかり。

爆発痕やBOWの肉片を跨いでいけば、やがて見えて来る友軍の背中。

クリスとピアーズだ。 陸戦隊はいない。

 

 

「クリス、ピアーズ! 無事だったか!」

 

 

声を掛ければ振り返るクリスとピアーズ。

只野がいる事に驚きつつも挨拶を交わす。

 

 

「只野! どうしてここに?」

「陸地の仕事を済ましたら、後こっちだろ」

「もうバイオテロを鎮圧したので?」

「軍港や空母といったデカい奴だけな」

「そうか。 後はここの制圧のみと」

「失敗すれば世界は終わるぞ。 頑張れよ」

「勿論、軍曹も一緒に戦うんですよね?」

「そりゃそうよ。 でなきゃ来ない」

 

 

自分だけ考えるならクリスに丸投げだが。

思ったが言わない。 知り合いがいない陸戦隊が死ぬのは仕方ないが、顔見知りのピアーズが死ぬのは目覚めが悪い。

この辺、命に対して不平等だと批判もあるだろうが、ループ系只野君としては、良い加減に先へ進みたい。 その上で出来る限り普通に生きて死んで終わりたい。 その為に名も知らぬ兵士が土台となるのには目を逸らす。

 

良くも悪くも兵卒である只野にモブ含む全部を救う力もない。 プライマーとの大戦時の英雄、ストーム1の様に戦闘技術が洗練された超人でもありゃしない。

逆に干渉した事で陸戦隊含む隊員が死ぬまである。 つまり、歴史通り事件が起きて同じ様に犠牲者が出た後にEDFが干渉した際、只野の情報により兵士の被害が増える事もある。 それでもそれはEDFや上の判断の結果だと割り切るし、1番悪いのはバイオテロだ。 ラクーンのクズライの様に嵌めてる訳でも無い。

 

この考えだとピアーズを助けようとするのは、人情だけでなく打算もあっての事。

トールオークスでEDFが助けた人々が戦力となり好転した様に、優秀な兵士で、ここまで来れるだけの実力があるピアーズを助ければ今後役に立つかも知れない。

クリスも自分、BSAAの後継者として後をピアーズに任す発言をする位だし。

最悪、歴史通りになっても前には進める。 自分さえ生き残れば。

 

 

「だから死ぬなよ、俺の為にも」

 

 

良くも悪くも自分勝手であり続ける。

それが今の只野である。

 

……出来れば、多く助かって欲しいとも。

そう思える内はまだ、人間性は残っている。

 

 

「ええ、迷惑は掛けません。 其方も頼みます」

「任せろ。 でクリス、俺以外のEDFは?」

「まだ会っていない。 この先だと思うが」

「そうか……銃声がする内は良いだろうさ」

 

 

只野を先頭に、クリスとピアーズは往く。

現場に寄っている筈なのに、段々と聞こえなくなる銃声。

逆に大きくなる悲鳴に顰めっ面をしつつ、グリップを強く握るのだった。




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