バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
前回のあらすじ
ハオス撃破


78.続くバイオハザード

中国方面の大部分は鎮圧。

ネオ・アンブレラが関与している施設は粗方抑えられ、調査が進められる。

海底研究施設や他の一部の研究施設は破壊されていたか証拠が持ち去られていたが、恐らく本物のエイダ・ウォンが関与したものと思われる。 最高傑作とかいう蛹も殺されていた。 ナニが生まれる予定だったのか定かではないが、たぶんカーラの見た目的に理想のシモンズでも作っていたのではないだろうか。

何にせよ災いの種は無い方が良い。 証拠もあったらあったで他の組織が流用して厄介であろうし。

代わりに何故かシモンズがバイオテロに関与した証拠が流出、犯罪幇助のヘレナは罪に問う程ではないとし、DSOの仕事を続ける事になる。 また、彼女の妹であるデボラはEDFの医療施設で治療のち社会復帰する予定だ。

 

一方、アメリカのトールオークス。

教会は封鎖され、同じ様に調査が入る。

DSOのレオンやマヌエラ、BSAAのパーカー達が引き続き居残り調査。 大部分が崩落してしまったが、ファミリーの関与を疑うだけの証拠を押さえられた。

それでもシモンズらファミリーの権力を考慮されてか、公開される事はなかった。

マヌエラやレイチェルなど納得出来ない者もいたが、出来る事は全てやったとパーカーら先輩陣に抑えられ収束していく。

レイモンドやジェシカ、レオンは慣れているのか皮肉を言うばかり。 その実、裏で何かやらかしそうで怖くもある。 特に元FBC組。

 

シェリーとジェイクは、というと。

EDFに保護された後、落ち着いたのを見計らい解放。 任務を達成したシェリーは帰還、ジェイクは傭兵稼業に戻った。

おおよそ正史通りで、EDFに血を抜かれた事もなく(ホントォ?)それぞれの仕事に戻っているが、ジェイクは献血に5千万のところ50ドルにした下りもあったりと、何処をどうしたのか史実通りの心境の変化も見せていたりする。

もしかしたらEDFに保護された際、情報部に父親の事を教えられたり、クリスの話も言われたのかも知れない。

 

どちらにせよ、只野にはどう影響するのか。

誰彼が死んで"目覚めが悪い"よりは良いが。

 

そんな只野君、軍曹から曹長に昇進。

下士官の最上位にまで上りついた。

だからと本人にとっては喜ぶ事ではなく、今後も続くバイオハザードの現場に向かい戦わねばならない。

少なくとも記憶にある事件は解決したくもあり、除隊して銃を置くのは少し先になりそうだ。

記憶にある、というのはE型特異菌絡み。

ベイカー邸。 そして、あの村(ヴィレッジ)。

 

歴史は繰り返すのか、それとも。

 

 

「只野、具合はどうだ?」

 

 

病室に入って来るゴリラ、じゃなくゴリス。

あいやクリス。 まだ筋肉が目立つが今後は歳の所為か落ち着くのだろう。

 

 

「だいぶ良くなったよ。 ぼちぼち退院だ」

「そうか良かった。 それで、だ」

 

 

横になっている只野の横に座り、本題に入る。

それは単刀直入にバッサリと。

 

 

「結局、お前は何者なんだ?」

 

 

今まで感じた違和感。

その疑問を形にし、言葉としてぶつけた。

ただ歴戦の戦士として片付けるには不足する振る舞いは、長く戦場に立つクリスから見ても異端に見える。

いや、長くいたからこそ感じるものか。

クリスは只野が苦笑いして口を開こうとする前に釘を刺しておく。

 

 

「今度は誤魔化すなよ」

 

 

ぴしゃり、と逃げ道を無くす。

戦友であるが、それ故に本当を知りたかった。

 

 

「分かったよ」

 

 

只野も真顔で向き合う。

前置きしつつ、自分の正体を打ち明けた。

 

 

「つまらない話でな、"死に戻り"なんだ」

「なんだそれは」

 

 

聞き慣れない言葉に疑問符を浮かべるクリス。

説明しつつ只野は続ける。

 

 

「タイムリープかな。 死ぬと、ラクーン事件の起きた時間まで戻されるんだ。 少なくとも今までは。 次に死んだら分からない」

「おい、真面目に聞いてるんだぞ」

「俺も真面目に話してる……それが、どこぞのカビによる幻覚だとか、妄想だって方がまだ信じられる。 いや信じたい。 或いは、未来予知出来る超能力者、BOWとかな」

 

 

クリスは理解が追いつかない。

確かに、今まで多くの生物兵器と対峙してきたし、様々な形や能力を持つ敵と殴り合ってきた。 その中には現実味の無いものもあった。 だが確かに存在し、敵として押し寄せてきたのだ。

けれど只野はどうだ。 タイムリープ、なんだそれは。 それこそ現実味がない。 時間を戻るなんて生物兵器や装置があるとは到底思えない。

 

 

「バカな……」

「バカげた話だろ、俺も思う。 けれどそれが俺なんだ。 この先に起きる事件も多少知っているつもりだ。 EDF上層部は何故か信じてくれるが……たぶん、最高機密レベルで何か知ってるんじゃないかとも考えている」

「……なら、お前の身に起きている事の原因は上の所為という訳だ」

「そんな単純な話かな。 とにかく、死んだらやり直しだから死なぬ様に生きるしか無い訳だ」

 

 

ひと通り話し終え、ふーと溜息。

クリスも何を話せば良いのか分からない。

只野とは長い付き合いだし、今更嘘を吐いているとも思いたく無い。

けれど打ち明けられた情報は荒唐無稽、バイオテロよりふざけたナニかだ。

 

 

「……なら」

 

 

やっとクリスは顔を上げ、声を発する。

 

 

「除隊しろ」

「考えたさ」

 

 

即答していく只野。

 

 

「けどさ、この先もバイオテロは続くんだ。 少なくとも薄ら記憶はある、外れたら良いなと思ってるけど、今まで起きてきたから、また起きる可能性は高いと見る」

「だったら」

「だからこそだよクリス。 あんたもだろ」

 

 

何か知っている様な口ぶりに、クリスは顰めつつ耳を傾けた。

 

 

「まだBSAAに籍を置いてるな?」

「ああ。 だが、この後」

「ピアーズに任すのは反対しない、けど現役を引退するには少し早いんじゃない?」

「知っているんだな」

 

 

驚きもせず、何かを諦めるクリス。

只野は色々知っているのだ。

 

 

「誤魔化すなと言ったんだ。 そして俺はもう少し戦い続ける。 クリスも同じじゃなきゃフェアじゃないだろ?」

「まだ働かす気か?」

 

 

思わずフッと互いに笑ってしまう。

そりゃそうよ、と只野。

 

 

「お互いに縛られるなぁ?」

「今は、只野に縛られた気分だが」

「そう? 最後に決めるのは自分だぞ?」

「いうな……はぁ、銃を握り直さなきゃな」

「次も宜しくクリス」

 

 

只野は握手を求め、クリスは握り返す。

戦友はまだ少し先も戦友であり続けそうだ。




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