バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
前回のあらすじ
ベイカー邸突入†


84.ゾイ・ベイカー

 

 

「謎解きは苦手なんだ!」

「何を偉そうに叫んでるんだ」

 

 

只野曹長とパンピーモドキのイーサンは、狂気のベイカー邸を捜索している。

穏便にではなく、爆発物で荒らしながら。

 

バイオ名物の謎解き。

それを正直にやるEDFではないからね。

ここまで来たなら今更説明するまでもないが、只野は工作爆弾やグレランUMAXで次々吹き飛ばす。 謎仕掛けの壁ごと。

EDFを止めたかったら、耐爆性の壁や扉を用意しないと駄目だろう。 そこまでしても突破しそうであるが。

 

 

「仮にも人の家だろ。 乱暴過ぎないか?」

「今は化物の家だ。 遠慮するだけ損だぞ」

 

 

イーサンが咎めるも只野は気にせず話す。

 

「そもそもさ、民家に意味不明な仕掛けが盛り沢山過ぎるだろ。 謎解きは薬の材料探しと調合で十分だ」

「確かにな」

 

 

最もである。

こじつけとして色々あるにせよ。

 

 

「アンタは手元を疑え」

「何の話だ」

 

 

只野はイーサンが自分の体に疑問も持たない事にツッコミつつ、先を往く。

装備さえあれば一般カビ野郎の襲撃なんて怖くない。 登場するや家財ごと吹き飛ばしてサヨナラだ。 特筆する事がない。 よく言えばそれだけEDFは頼もしく、悪く言えば雑なのだ。

 

 

「都合良く進む分には万々歳だけど。 足を止めたくないだろ、イーサンも」

「そうだな。 一刻も惜しい」

 

 

スムーズに進めば今日中に解決しそう。

正史では血清を作るべくイーサンは奔走。

D型被験体の頭と腕が必要だとかで、謎解きして護衛を倒しながら、最終的にミアを助けて脱出している。 間接的にだがゾイも助けた。

後々のヴィレッジにて生存者の村娘を助けられなかったが、この世界線ではどうなるのか。

とにかく、今は今。 カドゥ云々よりコネクション絡みのE型特異菌……エヴリンを始末しなければ。 あと屑野郎。 最悪はクリスが始末する。

菌根がゲノム編集を受けたもの含めて全て記憶しているならば、何処かで復活しそうで怖いものの……大丈夫だろう。 たぶん。

 

 

「さっさと終わらせよう。 ミアとゾイを助けてな。 老夫婦は助けたから妨げにならないし、この段階ならルーカスは罠を張り巡らせる余裕も無い。 邪魔なのはモールデッドと親玉のエヴリンくらいだ」

「ブツブツと……お前、何か変だぞ」

「元からだよ悪かったな」

 

 

多くは語らないが、ループ系只野君だ。

何度も臨死体験をしていると、正常ではいられないのだろう。 少なくとも普通じゃない自覚はある。

突然語り出す事あれど、自我を喪失したり発狂したり乱射魔にならないだけマシだと褒めて欲しい。

……これ以上、ループしたら分からないが。

 

 

「……まぁ加速はしているよ。 見た目以上に歳だよ俺。 記憶も最近は曖昧だ。 なので若者のイーサン、最悪は君1人で何とかしろ」

「税金で飯食ってるプロの発言か?」

「必ずしも税金とは限らんよ。 それにプロを名乗るほど高貴じゃない、寧ろ不良さ」

「よく首にならず済んでるな」

「そろそろ肩を叩かれるさ。 俺もそうなる事を願ってる。 いい加減に戦い疲れた」

「金貰ってる内は働いてくれ」

「働いてるじゃないか」

「家と化物を吹き飛ばすのがEDFの仕事か」

「お前の車も吹き飛ばしてやろうか?」

 

 

ミアを捜索、血清を打つべく、持ち込まれてる筈の材料を探し回る2人。

早期介入しているし、手遅れでないならアンブレラに丸投げしても良いが、早い方が越した事ない。

その道中でカスとクソガキがいたら始末してやろうと考えている只野である。

 

そうこうしている内に材料を集め終わり、取り敢えずゾイに届ける事にした只野ら。

 

 

「ミアは、屋敷の何処かにいる筈なんだ」

「当てもなく彷徨うとかカビ人間の仲間だな。 俺は違うからゾイと先に合流する、じゃあの」

「……血清が無いとミアも屋敷から出られないんだろう。 今はアンタに付いていくよ」

 

 

部隊による派手な戦争音を聞きながら、庭に出る。

そこに鎮座するキャンピングカーに入れば、待ち受けていたゾイ・ベイカーと顔合わせとなる。

 

 

「ゾイ、材料を持ってきた」

「早かったね……って、あんたは? 外で戦争やってる仲間?」

 

 

警戒の目を向ける女性、ゾイ。

3年も経ってないからか声色が若干震えているが、只野は気にせず話を進めた。

 

 

「初めましてか……俺はEDFの只野だ。 このバイオテロの鎮圧とアンタら生存者救助の為に派兵されている。 落ち着いたら部隊が来るから、それまで下手に動かない方が良い。 巻き添え喰らうから」

「そのつもり。 でもバイオテロだなんて、何で私達が巻き込まれるの?」

 

 

憂いと戸惑い、怒りの感情を混ぜた複雑な表情をするゾイ。

イーサンもそうだが、一般人なのだ。 本来ならEDFやBSAAといったプロが戦うべきである。

が、他にどうしようもないが故の戦いがコレだ。

未然に防げなかった落ち度はあれど、努めて起きている事象を鎮めるのもプロの仕事、責任か。

只野はループ系で階級もあがっているとはいえ、現場の兵士に過ぎないし、話を聞いている筈なのに防げていない本部の所為にしたい気持ちはある。

が、それをしたところで仕方ない。 まさか死んでやり直す事もしたくない。 起きた件を処理する、現場の仕事を熟すのみ。

 

 

「察してるだろうが、原因はエヴリンっていう少女の姿をしたBOWだ。 ミアって女性は同伴していただけだよ」

 

 

突き詰めるとミアはコネクションの工作員で、悪党サイドであるが、そこまで言う程に只野は意地悪くない。 というか面倒だから言わない。

それでもイーサンはミアの仕事を知らなかったのか、只野に問いたい気持ちに駆られるも、先に口を開いたのはゾイである。

 

 

「聞きたいのはそうじゃない!」

「分かってる。 だが今の時代、バイオテロは世界中で頻発している。 生物兵器の運用そのものを入れたなら紛争地帯でも……それこそイドニアとかな。 EDFやBSAAが努力しているが、どうしても防げない事もある」

「どれだけ私が怖い思いをしたと思って!」

「だから何年、何ヶ月と待たせず来たんだ」

「待たずに来たってなら、こうなると分かっていたんでしょ。 何でこんな……」

 

 

正史の事情なんて知る筈がない。

現状に不満がある限り、この手は続く。

 

それ以上は互いに口を閉じた。

今はどうするべきか。

イーサンは口を挟み進行を促した。

 

 

「……生き残るんだ。 血清を作ってくれ、頼む」

「分かってる……それこそね」

 

 

ミイラ化した材料を受け取った彼女は、影で少しの間何か作業をすると、注射器を1本イーサンに渡した。

 

 

「これを打てば、ミアは助かる筈だよ」

「ありがとう。 落ち着いたら俺たちに構わず逃げるんだ、良いな?」

「ええ。 イーサン、気を付けてね」

「部隊には伝えておく。 保護して貰え」

「……タダノ」

「なんだい」

「ごめん。 それと……ありがとう」

「いったろう。 助けに来たって」

 

 

良くも悪くも、どこまでいけど感情的な会話を終わらせつつ先を急ぐ。

人間らしさや、その人間が引き起こすバイオテロに自滅しながらも、それでも尚、足掻く。

 

人間も組織も一枚岩ではない。

人工的に弄られる生物、その細胞、遺伝子レベルの自己進化/改変に期待するのが無駄か危険か、如何に希望があるのか分からない。

治療という名目にせよ、その裏で何が起きているのかなんて、多くは知らない。

救う命がある一方、失われていく命がある。

これが何処まで容認されるべきか、或いはそのものを否定するべきか。

漠然と見え隠れする真実に、必死に目を逸らす。

ある者は白日の下へ晒そうとする。

何が正しいか間違いかなんて分からない。

自然淘汰というには介入し過ぎな分野に、人々は何処まで切り込むべきなのか。

それに素人がどうこう言って良いのか分からないが、ただ言えるのは。

 

 

「俺の救いはあるのか?」

 

 

バイオハザードは忌むべき存在に違いない。




後書き
更新未定
中々進展がありませんね(殴
エヴリンとのドンパチ、はよ……はよ……†
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