前回のあらすじ
ゾイと出会う
『只野曹長!』
怒鳴る様な兵士の声を無線越しに聞いた只野は、それが何かを察しつつも聞き返す。
「なんだ」
『野営地に爺さんを嗾けましたね!?』
「生存者だ、保護しろ。 これ上官命令ね」
廊下を塞ぐモールデッドに、イーサン共々フルオートを喰らわしつつも会話する。
『野営地が荒らされたんですが。 老夫婦と話して、ゾイを助ける助けないで揉めて』
「そこで押さえろ、こっちに来たら迷惑だ」
予想は出来た事である。
正史でも自ら動いていたし。
が、今来られたら困る。 カビと人間の区別無く殴り殺してきそうだ。
それでミアが死んだら困るし、逆に殺害対象にしている屑野郎やクソガキを助ける事になったら胸糞悪い。
『そうしますが、仕事を増やさないで下さい』
「元より人命救助と制圧が任務だろ、遂行するんだ。 こっちも忙しい、以上!」
そこら辺から湧き出て押し寄せるカビ人間に撃ちまくりながら先を往く。
只野はPA-11SLSだが、イーサンと弾薬を共通しているであろうPA-11だ。 互いに弾薬を共用し合い戦う。
「只野、それはパワハラって奴か?」
イーサンが撃ちつつ言う。
外に部隊、共に只野がいるのと、持たされたEDF製武器もあってか少し余裕の表情。
対して只野不満顔だが。
「遠慮せずアレコレ言ってくるんだぞ。 細かい事を気にしてる暇あったら目の前に集中して生き残りたいんだよ、俺も相手も」
リッカーみたいな奴を踏みつけ、デブ野郎にはグレランUMAXの榴弾を喰らわせ吹き飛ばす。
弾切れになれば即座に手榴弾MG40を投擲、周囲の構造物ごと敵を吹き飛ばす。
UMグレラン決戦モデルのUMAXもMG型ハンドグレネードの最終作戦仕様であるMG40にも更に上があるが、今はあるものを使うのみだ。
そんな情け容赦なく、良く言えば頼もしい只野であるが、イーサンも思う所あってか反論する様に物申す。
「生き残るだけじゃ駄目だろ。 俺は少なくともミアを助けたい。 アンタだって言ったろ、人命救助が任務だと」
「先ず自分の命だぞ」
「アレを言えばコレを言う。 面倒臭い奴だ」
「屑共よりマシだね」
レーダーを頼りに壁や扉を破壊し、謎解きを飛ばしまくりつつミアを捜索。
やがて時間も掛からず女性を見つけた。 ミアだ。
「ミア!」
「イーサン! ごめんなさい、私……!」
ミアがイーサンに謝罪の言葉を述べ始めて時間を浪費しようとしたので、只野は遮る。
只野も記憶は曖昧ながらも、ミアがコネクションの工作員である事や、どうしてベイカー邸にいるのかも何となく覚えている。
人生RTAをしているつもりは無いが、何度も同じムービーを見る気もない。 というか単純に命が惜しい。 2人がイチャついてる間に死ぬ可能性もある。
「話は安全な場所でやってくれ……本部、要救助者1名発見。 これより避難させる」
『本部了解。 速やかに脱出し、退避せよ』
「……と言う訳だイーサン。 ここからはミアを守りながら外に連れ出すんだ。 部隊には伝えておく」
弾薬をイーサンに押し付けて、仮にも一般人を自力で外へ行くよう促す只野。
それには流石に文句が出るイーサン。
「おい、最後まで守ってくれないのか!?」
「悪いが一刻も惜しい。 この先にいるであろうエヴリンっていうクソガキを始末しなきゃならなくてね」
「待って! あなた、エヴリンを?」
ミアに驚かれ、只野は頷く。
「特異菌、少女の姿をしたBOWだろ」
「EDFに情報が漏れていたのね。 なら狙われているという情報の正体も」
「どうかな、俺は現場の兵士に過ぎなくてね」
「……私の事も?」
不安そうに尋ねるミア。
イーサンは「何の話だ」と交互に見てくる。
それを面倒に思いながらも、只野はとぼけた。
「知らん。 とにかくEDFに保護して貰え。 その後はBSAAのクリスって奴も来るだろうが、信頼は出来ると思う……イーサンにも言ったが、先ず自分が生き残るのを考えろ」
そう言って、只野はPA-11SLSを渡す。
戸惑いながらも受け取るミア。
弾倉を抜いて残弾を確認したり、初弾やセレクタを見る動作は慣れた者の雰囲気を出していた。
「……そうする」
「是非そうしてくれ。 で、イーサン」
「な、なんだよ」
置いてけぼりを喰らっていたイーサンに、下手すると最後になるかも知れない言葉を掛けておく。
「出る前にミアにワクチン打っとけよ」
「あ、ああ……そうだな」
「それと」
「まだあるのか」
「死んでも諦めるなよ。 俺もそうした」
「なんじゃそりゃ。 死んだらどうしようもない、みたいな話をしてなかったか?」
「そうなんだがな……まぁ気にするな」
只野はそう言ってイーサンと別れた。
向かう先はエヴリンだ。
EDFによる早々の襲撃に発狂してそうだが、容赦なく始末する事にする。
その為の薬物は持っていないが、外にいる部隊や後から来る青傘が何とかすると信じよう。
更新未定