前回のあらすじ
面倒臭い人形が来た。
書き直しと迷走あれど後悔先に立たず。
素直にゲーム通りの展開にするべきだったか、と恥ずかしくなりつつも。
バイオ展開へ軌道修正しなきゃ……
メモ
村娘:エレナ 避難所の家の女性:ルイザ
父レオナルド
銃持ちの見張り やや若い男:ユリアン
消えたエルネスト 酒飲みアントン
亭主を亡くしたロクサーナ
マザーミランダ
城娘:ベイラ ダニエラ カサンドラ
商人:デューク
貴族ドミトレスク ドナ モロー ハイゼンベルク
人形アンジー
城内 使用人の日記1958年6月9日〜
2017年 ダルヴェイ 有毒ガス事故
近隣に住むジャック・ベイカー(当時57歳)
ヴェレッジ 2021年 2月9日 ヨーロッパ
ローズマリー・ウィンターズ
誕生日:2020年8月2日
視診・触診・聴診 全て問題なし
追加実施:
真菌感染症検査は検査協力機関BSAA
DNAシークエンシング
ダルヴェイの特異菌と99.95%一致
差分は人為的加工 ヴィレッジ側が原種
コネクションは どうやって菌を見つけた?
→調査が必要
94.今後の確認
執筆現在、ゲームではルイジアナの事件から3年後の話、ヴィレッジ編に続き、更に約16年後なのかローズマリーの話が続くが、その間に何が起きたかを描写していく。
注意するべきは作者の知識不足も含め、後々発売や公開される作品群で未回収の伏線や設定が足されたり、途中の時系列に事件が捩じ込まれる可能性がある事だ。
なんなら今の設定が無かった事にされる。 その辺の曖昧さを容認した上で進んで欲しい。
閑話休題。 物語を進めよう。
今の状況。
クリスはウィンターズ家をヨーロッパに引越しさせて匿い、イーサンに戦闘訓練を施している。 特異菌に絡んだ以上、コネクションの工作員であった妻のミア共々悪党に狙われる可能性もあるから、さもありなん。
また治療したとはいえ、1度は感染したミアとイーサンの間に生まれたローズへの影響が懸念された。
他にもルイジアナの不祥事をBSAAがカバーストーリー(有毒ガス事故)で隠蔽したものだから不信感が募り、クリスは不正アクセスして探りを入れたり、特殊部隊ハウンドウルフ・スクワッドを私兵化して独自に探りを入れていく。 その流れで上層部とは仲が悪くなり、とうとう処分を考えられる方向になっている途中。
正史ではそのまま構わず特異菌、その菌根の出所を調査。 時間が掛かり過ぎたとしながらも3年後に突き止めて、N2爆弾で菌根を村ごと吹き飛ばして特異菌の原種、根幹に決着をつけた。
その時イーサンが犠牲になるが……ルイジアナの時点でカビ人間化しているので、この世界線でも遅かれ早かれ彼の体は崩壊するだろう。
ただ正史にて幸運だとするなら、末期に自分が人間じゃないのを知れた事だ。 何も知らずに突然体がボロボロ崩れたら本人や周囲はパニックものである。
それでも3年は猶予があるから、その間にも戦闘訓練をして強くなり、子作りしてローズマリーが生まれ、大凡正史通りの展開をし、未知の未来へ続かねばならない。
ソレ以外の件、BSAAと青アンブレラが何をしているのかとか、コネクションはどうなったのか、ローズが成長する過程の苦労は想像の範疇を抜けないが、只野准尉はクリス共々銃を握り続けるだろう。
世界の軍隊であるEDFも、延々と続くバイオテロと戦い続けている。
が、しかし。 民間、世論の一部は陰謀論による根拠なき批難と冷めた目を向けていた。 それに辟易しつつも、なんだかんだ戦う他ない。
単純な火力任せでBOWを屠るだけでなく、それらを製造、研究している組織と個人を可能なら潰さねばならない。
これが一体いつまで続くのか。
人類は薄氷の上をひた歩く。 その平穏が崩れない事を切に祈りながら。
暫く休暇だというので、宿舎以外の理由でベース228や251に滞在するでもなく、俺はクリスやイーサンと連絡を取り合っている。
正史を当てにするなら、事件発生まで猶予は3年以上ある筈だ。 EDFの早期介入が功を成したかは断言出来ないものの。
取り敢えずこうして休める訳だ。 白米と味噌汁、漬物。 うん最高。 生まれて良かった。
次食えるか分からんからね。 食える内に食わねば。 うん。 美味い。 今までレーションばかりで、民間の飯があまり食えなかった。 食えても、その中に日本食はなかった。
「最後の晩餐じゃないと良いね!」
などと余計な発言をするメスガキ型アンドロイドの妨害が無ければ、もっと美味く素晴らしい時間になったに違いない。
「お前は俺をサポートしたいのか嫌がらせしたいのか、どっちなんだ?」
「両方。 マリス仕込みだよ!」
「可能ならAI共々デリートしたいわ」
「只野准尉はマリスの事をどこまで?」
「だから只野で良い……戦闘訓練で何度か。 奴の作る仮想現実の戦場は度が過ぎてる。 防弾ヘルメットとアーマーを付けたゾンビの大群が全力疾走してくるし、ハンタータイプは透明化の能力に足して全身鎧という完全装備。 タイラントタイプなんてフェンサー装備でワラワラ出てきた。 しかも高機動とか、殺意しか感じない面子で笑いを禁じえなかったね」
AIマリス……兵士どころか人類の敵めが。
VR空間に収まってるから良いものの。
奴が兵士を訓練する為に作る戦闘シミュレーターは、現実を大きく剥離した無理ゲーである。 人によってはトラウマを植え付けられるレベルなのだ。
戦時のプライマー軍を強化再現したモノや、最近はラクーン事件等をよりインフェルノ化したフィールドを仮想体験させてくる。 具体的にはゾンビの大群とBOWが足の踏み場も無いレベルで全て一直線にプレイヤーに全力疾走してくるのだ。 軽く死ねる。
クリアさせる気ゼロの悪意そのもの。
名に違わぬ素晴らしい働きだ。 その上でガタガタ震える兵士の男らに恍惚とした声で「ザマァ見ろ♡」と煽りよるメスガキ風AIマリス様であった。
全てわざとらしいんだがな。 兵士のメンタルを鍛える為なんだと。 本当なのか怪しいがね。 鍛えるを通り越して精神崩壊するわ。
それでも唯一、大昔にクリアした奴がいたという。 言わずもがな、伝説の兵士ストーム1だ。 マリスの用意したミッションを悉くクリアする化物振りにマリスが逆にバグって崩壊、色々あって停止させられたとか。
ザマァ見ろ。 人間様に分からされて……あいやストーム1を人間扱いして良いのか分からないんだが。 情報部に残されたレポート内容を観閲すると、戦果が滅茶苦茶過ぎて草も生えない。
「さっすがマリス先生! 馬鹿な お猿さん達をミンチにして楽しんでらっしゃる♡」
一方、目の前の機械はキャッキャしてる。
分からされたいが、俺なんかじゃ返り討ちに遭いそうで怖い。
まだ様子見しつつも、皮肉止まりにしておく。
「AIって人類の敵だわ やっぱ」
アレを言えば、コレを言う。
「生物兵器も人工知能も人間が生み出して、その癖、いざ牙を剥いたらポイする人間も敵かもですねー?」
そう嬉しそうに笑う彼女の真意は何処か。
俺の反応を見て楽しんでいるのだろうが、今後もある。 ここは付き合おう。 不本意でも。
「人間の敵の中には、同じ人間も含まれるが」
「それが馬鹿だって言うんですよ。 人間は私達機械と違い、非合理的な指示に制圧されて予期せぬ行動を引き起こします。 その結果、悲惨な末路を辿る事も少なくありません」
「感情って奴はな、厄介なんだ。 君だって初対面の時から様々な行動、人間の為だの嫌がらせだのと言ったが、とっくに……人間に何らかの意味を見出してるんじゃないのか? 本当は好きだったりしてな、好きな子には嫌がらせしちゃうみたいな」
「なんです? 私が人間と違わないとでも?」
「自分で考えろ。 流行りで天下のAI様だろ」
「そうします」
戦時から続く技研の【魂なき兵士計画】も何処まで行くんだか。
それはそうと沢庵漬けを二重の意味でパクっていく彼女。 ソレも非合理的じゃね、と思うが何も言わない。
既に色々と非合理的な存在なんだよ、君は。
人に嫌がらせして反応を楽しんだりとかさ。
まだ戦場にいない段階で察せるものがある。
そして、彼女は失敗作だとも。 それを上層部は押し付けたんだろうとも。
人間が兵器に意図的に感情を持たせるのは考え難い。 俺は科学者じゃなく兵士だが、だからこその疑問も湧き上がる。
兵器とは殺傷等で制圧するのが主目的の器具だ。
それを効率良くするには、火力や機動力、連帯力や統制等、様々な面が求められるが、不確定要素を生み出す様な感情は要らないと思う。
恐怖や怒り、緊張で効率が下がり事故が起きる事さえある。 生物としては当然かも知れないが、兵器としては要らないのだ。
つまり、トワが言ったように非合理的な部分の代表例であり、それを人間が理解していないとは思えない。
生物兵器に関してはまぁ……人間らしい理性や思考を持たない獣であろう。
にも関わらず彼女は感情を、否、らしきものを持たされている。
なんならその、セッ……クス機能もあるとか。
自己学習や思考を行えるらしき機械仕掛けの頭脳の弊害、との見方もあるが……技研が無駄に玩具を作る暇人集団とは思えないから、たぶん戦闘面以外に主眼が置かれたか。
コストだって掛かるだろうし。 戦闘機にAI積んで無人機にした方が良いだろうに。
これも俺個人の素人意見に過ぎないが。
ここで俺が云々妄想しても仕方ない。
今後の話をした方が建設的だな。
「それはそうと状況を整理しよう」
「ボケ防止ですね分かります」
コイツの煽りを無視しつつ話を続ける。
「恐らく約3年後、ヨーロッパ某所の寒村でイーサンがまたバイオハザードに巻き込まれる。 娘のローズマリー絡みでな」
「イーサンも不幸だよねー!」
だから人の不幸を嬉しそうにするなよ。
戦場で泣きべそ かかないか、見ものだな。
「そんなイーサンだが、今はクリスがアメリカから引っ越しさせて、軍事訓練を施しているところだろう。 時間を見て俺も見に行く」
「私も行くね! 出来れば苦しんでると良いなぁ」
マジ歪んでるなぁ……。
上層部もナニを思ってマリスを教育係にしたんだろうか。 実験かナニか?
「で、肝心の舞台の村だけど。 イーサンが訪れる前から数十年、いや、それ以上前からBOWがいるっぽい癖して村人は普通に生活してんだよね。 イーサンが来るまでは」
「BOW? ライカンって奴?」
「そう。 現地の村人が崇拝しているマザーミランダという者が作り出した。 奴の実験の犠牲者だね」
あの村にいるBOW、狼男なライカン共は先史者達の遺跡とやらに隠れ住んでいたのか何なのか。
イーサンが来てローズへの儀式とやらの影響で活性化したのか、村が崩壊してしまう事態に発展するのだが、どうしてそうなったのかよく分からない。
ローズが娘のエヴァの依代として完璧とでも思ってか、実験場と化していた村が要らなくなったとしても、わざわざ潰す程だろうか。
まぁ俺が色々考えても仕方ない。
何か変わる訳でもあるまい。
「実験ねー……ミランダは100年前の、スペイン風邪で死んだ娘のエヴァを復活させようとしてんだよね。 偶然見つけた特異菌の力で」
「らしいぞ。 ベイカー邸のE型特異菌の原種でもある。 コネクションはどうやってかミランダとも関わって、菌を手に入れたんだろうな」
「でも菌根……大元が村の何処かにあるんだよね。 それをクリスがドカンとやってお終い!」
「それがギリ思い出せる範囲。 それすら曖昧だが……その先、ローズが16歳くらいになるまでの過程や、その後を思い出せそうで思い出せないな」
後の細かい事は今は良い。
取り敢えず大まかな今後の流れを再確認した。
後はどう転ぶか。 正史通りに行くにしても、EDFが関わる以上、把握するべきモノは多く感じる。
「まぁ思い出せなくても戦うんでしょ?」
「そりゃな。 サポートしてくれよ?」
「モチのロン。 1発だけなら誤射かも知れないから、勘弁してね♡」
「ザケンナ、真面目にやれ」
コイツ、近々訓練場か何処かで実力の程を見ないとな。 役に立たないなら戦場で連れ回したくない。 それで壊れても気分悪いし。
「ところでEDFは何処まで村を調査した?」
「スカウトが近くで監視中。 只野の情報を元に事実確認もしつつ。 既にBOWがいる事は分かったから、最悪は戦闘部隊を押し込めると思うよ」
「特殊作戦コマンドか? 火力任せのEDFが穏便に事件を片付けるとは思えないが、今回は慎重か。 BSAAや青アンブレラが不穏だからな。 そっちも何処まで調べがついたんだか」
不確定要素が未だ多いというか。
何にせよ、この猶予期間。 どうしようかね。
「クリスは特異菌の調査もしているだろうし、イーサンも訓練はする。 そこに割り込む余地はあるか。 そうでなくても村に先乗りするのも手か」
慌てる時間じゃない。
そうやって後悔したくないが、何もしないよりマシだろうさ。
俺は取り敢えず飯をかき込んだ。
出来れば、この世界線で終わりたい。
ゴールなんてあるのか知らないが、少なくとも無駄死には避けたいところだった。
更新未定