バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前回のあらすじ
只野、村の近くへ。


96.工場へ

ヴィレッジは4貴族と呼ばれる存在がいる。

寄生体カドゥを植え付けられて適合した存在で、ライカンより見た目と知能を残している傾向にある。

その内の1人、工場長の男ハイゼンベルクは適合率が高かった。 見た目は人間そのもので、その上、発電器官が出来て金属を操る力を獲得。 バイオ恒例の何でもありの変化だ。

他の貴族に関しても、それぞれ別の能力があるが……何故そうなるのか謎である。 あまり深掘りしてはいけない。

 

さてもハイゼンベルク。

ミランダからの解放を望んでいる。

ゲームでは3貴族を倒したイーサンに、ヤベェ力を持つとされるローズを利用して共にミランダを倒そうと取引を持ち掛けた。

だがイーサンは拒否。 結局敵対。 最後はクリスが改造、用意したポリマー製の自走砲で倒されて終了した。

 

只野准尉は、その未来を知っている。

だが必ずしも通らなくて良い筈だ。 最終的にミランダを倒し、菌根を吹き飛ばせれば良い。 EDFが大部隊を送れない現状、味方は多い方が良いのだ。

 

 

「行くぞ、機械の嬢ちゃん」

「はいよ童貞ーッ!」

「黙れ鉄屑」

 

 

只野准尉と人形は寒村を往く。

向かうはハイゼンベルクの工場だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイゼンベルクの工場へ行くには、ゲーム的には謎仕掛けの橋を渡らねばならない。

が、バイオの意味不明な謎解きを馬鹿正直に解決するEDFではない。 無視して脳筋プレイだ。 工場と村を離す崖下の濁流を気合いで泳ぎ切り、そこからは気合いで崖登り。

ロックフォートに乗り込んだクリスのよう。

違うのは装備を落とす真似はしなかった事か。

 

 

「まさかの崖登り。 只野って脳筋だよね!」

「そう言って付いてくるんだな」

 

 

アンドロイドに煽られるが、その通りである。

ただ一応、これにはアンドロイドがどれくらいの能力があるのか理解する面も含まれた。

 

結果としては、普通について来たから驚きだ。

 

脱落するようなら、そのまま水に流して別れるつもりであったが故に。

大戦時のプライマー軍が投入したアンドロイドは、ビル壁を登る能力が備わっていたが、アレらは武装のバリスティック・ナイフ類を駆使しての行動であろう。 高機動型はワイヤー(?)を射出、壁に突き刺して動いていた。

 

彼女にはソレが見当たらない。

見た目で分かるモノが少ないのだ。

 

 

「電位差で壁に貼り付けるんだよ。 人間の様に苦労はしないからへーき」

「すまん、脳筋だから理解できん」

「あはは、だよね、ごめんねぇ!」

 

 

仮にも上官に軽口を叩くアンドロイドに相槌を打ちながら工場の門まで近付いた。

周囲はスクラップが大量に転がり、中にはEDF印の錆びた戦車なんかもある。 動く様に見えないが、警戒はする。

 

 

「……工場にEDFのビークルが?」

 

 

只野は呟いた。

EDFは昔から世界規模の軍隊だ。

世界中に拠点があり兵器がある。 田舎の奥地だろうと大戦時の名残が未だあるから、特別珍しくはない。

問題なのは、それを悪用される事だ。 ハイゼンベルクなんて機械化屍兵なBOWを量産するだけのスキルがある。 身構えたくもなる。

 

そんな只野に説明する お喋り人形。

多少の知識は備えている様で、ひけらかす。

 

 

「ブラッカーE1。 主砲105ミリ榴弾砲。 辛うじて使用されている中では最も旧式の戦闘車両。 部品の生産はとっくに終了。 田舎基地の防衛用か訓練用として使用させているのが精々かな。 最前線では使われてないね。 ただ大量生産したツケで、解体されず人知れず山林に放棄されたり、予算が厳しい小国やテロリストに流出してる。 ここには巡り巡って流れて来たんだろうね。 珍しい話じゃないよ」

 

「他にもありそうで怖い」

「KG6ケプラー自走高射機関砲の残骸があるよ」

 

「わざわざ正式名称を覚えてるのかい」

「EMCが何の略か聞く?」

 

「そのストレージを別に活かせ」

 

 

門による間、レーダーは敵性反応を多く捉えた。

真っ赤である。 地下で量産されているゾルダートシリーズに反応しているのだ。 素体は死体だが、カドゥを植え付けて電気を与えるなどして動かしている。 種類も様々だ。

 

 

「ようこそ、天下のEDF様。 アンタは噂の只野といったかぁ。 その分は連れの嬢ちゃんも普通じゃないんだろうなぁ」

 

 

ダンディな声がスピーカーで聞こえれば、門が開いて現れる、グラサンのダンディなおじさまが。

ハイゼンベルクだ。 デカいハンマーを担ぐ。

笑ってこそいるが、内側はミランダへの憎しみで溢れている。 それを今回、利用したい只野。

 

 

「名が知れ渡っている様で何より」

 

「おたくらの鉄屑には世話になってるからな。 で、だ。 ここには"商談"か何かだろ?」

 

 

デュークの様に、とはいかないが。

話の切り出しとしては上等か。

 

 

「話が早くて助かるよ。 先ずは入れて欲しい。 工場で作ってる兵隊向けの兵器なり何なりの取引でもしようじゃないの。 それともココで話してお母様にバレたいかい?」

 

「はっ、お見通しって訳かい」

 

 

一瞬不機嫌になるも、意図を察してか素直に通される。 ここで早々始末するのはメリットがない。

手の内がEDFにバレてるなら騒ぐほど不利だし、只野の身に何かして部隊が押し寄せても面倒極まりないとの判断だ。

随伴している女も不気味だ。 人間の皮を被った化物なのかも知れない。 経験的に警戒を強めるハイゼンベルク卿。

 

が、実際のところは、只野が独断先行しているだけで組織ではないので杞憂であった。

共にいる女が人間の皮を被っているのは正解だが、BOWではなく機械だ。 相性は良いだろう。 破壊するにも改造するにも。

能力を使えば気付きそうなものだが、妙に堂々し過ぎているので、内心ビビって危機回避している只野であった。

 

 

「さて」

 

 

只野は切り出す。

工場内は彼方此方から狂気の機械音が聞こえるが、気にせず会話を始める。

 

 

「EDFはミランダを潰す。 構わないな?」

 

 

相手のプライドに触れない様に進める難しさ。

只野は慎重に行こうとしている刹那。

 

 

「ハッキリ言っちゃえ。 協力するか否か!」

 

 

お喋り人形が口を挟んできた。

やはり連れて来るんじゃなかった。 崖登りの時に蹴り落とさなかった事を後悔するも、先に立たない只野であった……。




更新未定
人形を作ってしもうた以上、何かしら絡まねば……
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