バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

99 / 137
前回のあらすじ
ハイゼンベルクに会う


97.取引

余計な真似をされた只野は頭を抱える。

チラリと双方見やれば、人形様は胸を張ってハイゼンベルクを見下した。

相手の嫌う振る舞いをする様は、最早狙っている様にすら感じられる。

 

 

「……躾がなってねぇ様だな?」

「悪かった。 壊してくれて構わない」

 

「酷ッ! 折角話を進めてあげたのに!」

「逆に進まなくなるんだよ、黙ってろ」

 

 

抗議する人形を只野が冷酷に鎮める。

立場というものを弁えた方が良い。 社会に溶け込むなら重要だろう。 可愛いだけで乗り切れるのは猫といった動物だけだと思う。 たぶん。

コト今に至っては下手すると殺される訳だし。

 

 

「話を戻そう。 EDFはミランダを始末する方向で準備を進めている。 ただ証拠探しだの戦力集めだので3年は掛かる」

 

 

などと言っているが、急げばその前に間に合いそうなもの。

だが修正力に合わせて言っておく。

イーサンがいないといけない、なんて事はないが、弄りすぎると分からないので。

 

 

「なんだそりゃ。 EDF程の力があるなら、さっさと殺っちまえば良いだろう」

 

 

ハイゼンベルクとしては、さっさとミランダを始末したい。 早く解放されたいから。

けれど只野は待ての姿勢を崩さない。 変に早めたくないのだ。 急いで準備出来ないと、そのぶん仕事が増えるし。

 

 

「訳あって部隊が動けない。 なので、そっちの鋼の軍団と足並み揃えたい」

 

「そこまでハッキリ言われちゃな。 カマかけてる訳でもねぇってか」

 

 

上手くいくよう記憶も利用する。

ミランダに叛逆する為の戦力、鋼の軍団ゾルダートシリーズを指摘すれば互いに縛り合う鎖の出来上がり。

こうなると安易に殺し合う訳にもいかない。

ハイゼンベルクとしては情報を持っているEDFが気に食わないし不気味に映る。

 

 

「互いに兵器開発に難儀していると思うが、その手助けを出来たらなと」

 

 

そう言うと、商談モドキを始める。

そうした才能は無いままに話を進めていく。

只野が資料を渡せば、取り上げるように読み始めるハイゼンベルク。

その内容は旧式EDF製兵器群の譲渡。 その中には某鉄屑も含まれている。

 

 

「……マジでくれるってなら、最高の軍団を作り上げてやる。 良くも悪くも3年あるんだ、互いに投資といこうじゃねえか」

 

「そうしよう。 また追って連絡する」

 

 

そうして工場を後にする只野と人形さん。

初手で迷惑を掛けた以上に暴れなかった事は、一応でも感謝するべきだろうか。

 

 

「まるでFBC長官殿とテロリストじゃん」

 

 

が、余計な口は閉じ切れないらしく。

工場の外に出た途端に只野に絡む。

拗ねてるのか、備わる人格からか、悪党の様に只野を責めて反応を楽しむ。

 

 

「テラグリジアの時とは違うだろ」

「ウィルスじゃなく鉄屑だから?」

 

「状況そのものがだ。 共犯じゃなく共闘だ」

 

「どちらにしても誰か死ぬんだろうね! そうなったら只野の所為だよ?」

 

「嬉しそうに言うな。 それに相手は人道を外れた屑共だ。 生かす理由がない」

 

「ハイゼンベルクも外れてない? 選んで殺すのってさぁ、そんなに上等なの?」

 

「倫理観の問答が好きなのか?」

「んー、人間が好きなだけ!」

 

 

あっそ、と打ち切る只野。

人形にアレコレ言っても仕方ないとの判断だ。

こんな歪んで面倒な奴を相手にするだけ、時間の無駄である。 大切なのは現実への対処。

 

 

「それより、工場に鉄屑を納品していこう」

「了解だよ。 パーツをバラして送っとく」

 

 

仕事を頼む分には従ってくれる人形。

口が余計なのだ。 物言わぬ機械が欲しくなる。

 

 

「情報部所属ってメリットを活かしてくれ」

 

「分かってるよー。 改竄した補給指示書を関係各所にバラ撒いたり、紛失顛末書を撒いて倉庫のゴミを掠めていくから」

 

「ゴミはテメェだ」

 

「因みに書き手は只野という事にしとく!」

 

「ザケンなよ悪辣人形が!?」

 

 

本当の敵は無能な味方、と言いたいが。

中途半端に無能印を押せないからタチが悪い。

 

取り敢えず工場にはEDF印の鉄屑が送られる運びとなり、細かい事は現場に任していく。

 

他にも仕事はある。

只野は戻りつつ、次を考えるのだった。




更新未定
薄味感……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。