ポケモン博士ヒイラギは伝説を見る   作:藍戸優紀

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パルデアでの話をすると言っているのに、まだついていない件


博士、パルデアへと向かう

 はっきりと言えば前世も含めて、僕は人にものを教えるといったことをしてきたことはない。

 

 正確には教える立場に立ったことがない。前世の記憶も正直あやふやではある、が悪人ではないけれども賞賛される側でもなかった、よくいる凡人だったと思う。そんな奴が誰かに教える側に何て立つはずもなく、むしろ教わる側だったのは考えなくてもわかることだ。実際どうかは僕が覚えてないからわからないけれど。

 

 さて、そんな正直不安を感じている僕ではあるが、ポケモン博士として未知のポケモンへの興味がないわけではない。

 

 いや、実際には既知だけど僕が知らないだけなのだが。

 

 さて、特定の地方のポケモンに無知でポケモン博士が務まるのか? という疑問が湧くかもしれないが、結論から言えば勤まると言える。

 

 そもそものポケモンについて我々が分かっていることが少ないというのもあるのだが、ポケモンというくくりが広すぎるというのも大きい。前世の感覚で言えばポケモン博士とは、哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、節足動物、軟体動物に植物、なんなら歴史とか生物以外の分野も含めめて全部まとめて研究している存在となる。

 

 正直なところ、自分でもなれたことが奇跡のような職業ではなかろうか。少なくとも前世の人間でこれをしている奴がいたら、他の学者から常軌を逸した何かを見るような目で見られるのではないかと思う。

 

 まぁ、故に把握すべき事象が多すぎる故に、ポケモン博士はまず自分が担当する地方のポケモンの知識を徹底して学ぶ。

 

「だからこそ、ポケモン博士でも知らないポケモンというのはいっぱいいるのだ」

 

 

 

 さて、そんなどうだっていい言い訳をしながら、僕はパルデアに連れて行くポケモンを選んでいた。

 

 カントー地方を筆頭に、いろいろな地方を研究のために旅してきた。その中で多くのポケモンを捕獲してきたが、地方の生態系を守るために、持ち込んでいいポケモンというのは実はある程度ルールがある。

 

 ガラル地方では、ガラル地方で捕獲することができるポケモン……と、そもそもそんなもん捕獲してる奴いねぇだろってポケモンが許可されている。まぁ、つまるところ前世のゲームで使えたポケモンということだ。

 

 正直な話、伝説のポケモンの持ち込みが可能というのは、どちらかと言えば伝説のポケモンの行動をどうこうすることなど人間にはできないので、もしかしたらガラル内で自然に現れるかもしれない、とかそういう話だと僕は考えている。

 

 さて、そんな持ち込みが可能なポケモンを決めるルールはパルデア地方にも存在している。

 

 一応いくつかの例外規定は存在する。

 

 例えばポケモンリーグのチャンピオンや四天王、ジムリーダーといった、公的に認められたポケモントレーナーの交流試合。

 

 例えば危険地帯の調査のための選抜メンバーとして選ばれた場合。

 

 例えば国際警察のような、地方を股にかける犯罪に立ち向かうトレーナーのポケモン。

 

 いずれもが連れていかなければならない理由が存在する。そして僕の場合、その理由はないのだ。

 

 故に、僕も選ばなければならない。僕にとっては苦渋の決断、夢幻にも等しい時間を悩みぬいて―。

 

 

 

「よし、このメンバーで行こうか」

 

 そう言いながら六つのモンスターボールをボールホルダーに入れる。

 

 それぞれが僕の旅を支えてくれた精鋭たち。きっとパルデアでも僕を支えてくれるだろう。

 

「……それはそれとしてやっぱり不安だ」

 

 だが、いかにポケモンが頼りになったとしても、僕の教師という慣れない仕事が待っているのもまた事実。

 

 とは言え初めての仕事なんてのは不安で当たり前、できることをやろうではないか。

 

 

 

 

 そう決心をしてから出発の日。パルデア地方へと向かう飛行機に乗り込んだ僕は、機内でふと大事なことを思い出した。

 

「パルデア地方の伝説のポケモン、なんて話は今の所聞いた覚えがないんだが……何かいるんだろうか」

 

 教師としての仕事はしっかりとするが、それでも本職の方も手を抜くつもりはない。伝説のポケモンについての研究をする必要がある。

 

 聞いたことがないだけで、きっといるのだろう。

 

 僕も知らない伝説のポケモン……ちょっとワクワクが止まらないではないか。




伝説のポケモン、調査ができると良いね(準伝と今後あるであろうDLCにかかっている)
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