春翔の誕生日
『そういえば、春翔さんの誕生日はいつなんだ?』
「んー、来週末?」
『そうか、はぁ!?来週末!!?』
「たしか」
『むうぅ』
『なぜ早く言わなかった!』
「え、えぇ…?別に良いんだよ俺の誕生日なんて」
『良くない!』
『いいか!誕生日というのはな、貴方が生まれてきた1年に1度の尊い日なんだぞ!!それを私が祝わずにいられるとでも思っているのか!?』
「ご、ごめんなさい」
『はぁ、とにかく来週末の予定は空けておけ』
『私が全力を賭して祝ってやる』
「ありがとうございます…?」
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前日 夜
23:50
『ん、んうぅ…』
『も、ちょっと』コクコク
23:59
『よし後1分』
24:00
『春翔さんっ!誕生日おめでとう』
「あぁ、コレのために…」
「ありがとうエア」
『ぷりぇじぇんとは…』
「ふふっ、まあ、そろそろ寝よっか」チュッ
『う、ん』
7:00
ユサユサ
『起きてくれ、春翔さん』
「んー」
「ん?」
『朝ごはんの準備ができたぞ』
「あぁ、今起きるよ。おはようエア」チュッ
『お、おはよう///』
スタスタ
「!」
す、ごいなこれは
部屋中飾り付けされてて
俺が起きる前にやったんだよな…?
「エア、これ…」
『あぁ極力壁や天井などを傷めず片付けも簡単なように工夫したつもりだったのだが…ダメだっただろうか…?』
「ううん、ぜんぜん」
「ありがとうエア、俺こんなの初めてだ」
『ふふっ、そうかそれは良かった。さあ、食べよう』
「あぁ」
「『いただきます』」
「うんっ、流石エアだな。今日も美味しいよ」
『それはなによりだ』
「『ごちそうさまでした』」
すっ
『いや、春翔さんは座っていてくれ』
「でも、」
『今日は春翔さんの誕生日なんだ、ゆっくりしてほしい』
「わかったよ」
「それで、この後はどうする?家でゴロゴロするか?」
『たわけ』
『この後は少し出かけるぞ』
「ん、どこ行く?」
『トレセン学園だ』
「へ?えー、俺エアとイチャイチャしてたいなー、仕事とかクソだよ?マジで」
『たわけが、別に労働を強いるつもりはない』
『春翔さんに見て欲しいものがあるんだ』
「ほぇー、そりゃ楽しみだな」
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トレセン学園グラウンド
『よしっ、』
「いやいやいやいや、よしっ、じゃないよ!」
「なにジャージに着替えてアップ済ませてるの!?仕事やだよ!」
『はぁ、貴方はなにもしなくて良い』
『さっ、背中に乗ってくれ』
「はっ?」
『早くしろ』
「え?でも『はーやーくーしーろー!』はいっ」
ギュッ
「重くないか?」
『私はウマ娘だぞ成人男性の一人くらいなんともない』
「かっこよ」
『そんなことより、しっかり捕まっていろよ』
『いくぞ!』
たったったったったったったっ
「!」
『ふぅ、どうだった?私が普段感じているものは』
「なんか、すげーすごかった」
「風が気持ちよくって、すげー速いし」
『ふふっ、なんだその小学生みたいな感想は』
『この景色を感覚を教えてくれたのは春翔さんなんだぞ』
「そんなこと『ある』」
『貴方に出会うまで本当の意味で楽しいと思って走れたことが無いんだ』
『はやく強く、速くなって目標にたどり着かねば、理想を体現せねばと追い詰められてて』
『スズカのような走りはできていなかった。あなたに出会うまでは』
『今の景色は今の私は貴方が居てくれたからこそのものなんだ』
『だから、生まれてきてくれてありがとう春翔さん』
「なっ」
『あなたのような人に出会えて幸運だよ私は。この後もずっと幸せで居させてくれ』
「エア…ずるいよ、急に、そういうの…」
『すまないな』
『でも、ちゃんと伝えたかったんだ』
『貴方は、四宮春翔という人は私にとって必要不可欠な存在であると。私はあなたを望んでいると』
『貴方はいらない人なんかじゃない』
「っ、え、あっ」グス
その後は2人仲良く手を繋いで家に戻り、俺の好物のみで構成された昼食や夕食を食べた。エアはケーキまで作ってくれていた。そしてそれぞれ入浴もすませた。
エアにもう遅いから、と先に寝室に居るよう言いつけられた俺はベッドに腰かけて愛する彼女を待ちわびていると…
ガチャ
「!」
「なっ、あ、エアっ!?それっ」
『あ、あまり、見ないで、くれ///』
「でも」
寝室とリビングとを隔てる扉がゆっくりと開き、目に入ってきたのは
かわいらしい水色のネグリジェに身を包んだ彼女の姿だった
『春翔さん』
「は、はい」
『その、これが、今日の最後のプレゼントだ…///』
そう言って俺の手を両手で彼女の胸に導くと
『…好きにしてくれ』
ああ、止まれないかもしれない
[newpage]
エアグルーヴの誕生日
後輩「おめでとうございます!」
後輩「エアグルーヴ先輩!お誕生日おめでとうございます!」
同級生「エアグルーヴ!誕生日おめでとう」
今日は愛しの彼女エアの誕生日だ朝イチで彼女に会い祝おうと思ったのだが
当事者は登校して以降ずっっっっっと他の生徒たちに囲まれている
それもそのはずだ本日は水曜日なんらかわりのない平日だ
彼女は皆からの人望も厚い
簡単に会えると思っていた俺のミスだ
「はぁ、」
今日のうちに会えるのだろうか
結局
会えずに1日が終わってしまった
弁当は手渡して貰えたが、感謝の言葉を述べる隙も貰えず後輩たちに連れ去られた
トレーニングも誕生日だからといってオフにしていた
「どうしよう」
このままでは本当に会えないかもしれない
そんなの嫌だ
俺はエアの彼氏なのに、他の奴らより仲も良いし、俺の方がエアのこと好きだし、いっぱい知ってる
なのに
俺は祝うどころか会話や挨拶すら出来ていない
2ヶ月前俺の誕生日は短い準備期間で盛大に祝ってくれたのに
俺はずっと前から知ってたのに言葉すら交わせない
「はあ」
幻滅、されたよな
電話…は迷惑だろう、LANEでも送っておいた方が幾分かマシだろう
そう思ってスマホをとりだ…せなかった
「…エア?どうしたの?皆は?」
『すまない』
『皆はもう、寮に』
「エアは」
『この後、時間、あるか?』
「う、うん、俺は良いんだけど、エアは?門限とか」
『問題ない外泊届を出しておいた』
『元より、貴方との時間を作れなかったのは私の問題だ。すまない、こんな時間まで』
「エア」
「俺こそ遅れてごめんね」
「誕生日おめでとう」
『ありがとう』
「来年こそは俺が1番に祝うからな!予定空けとけよ!」
『!あぁ』
そのあとは
2人で家に帰って、風呂に入って
そして…ナイショだ
※プレゼントは無事に渡せました