幸せになりたいトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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妻なエアグルーヴさんとひざまくら

土曜日午前10時

ピーンポーン

「はーい」ガチャ 

「いらっしゃい」

『おはようトレーナー』

「おはようエアグルーヴ」

『あがっても?』

「どうぞー」

『お邪魔します』

「ごめんな、最近忙しくて本当にきたないぞ。」

『その方がやりがいもあるというものだ。』

『早速取り掛からせて貰うが、構わんな?』

「俺も手伝うよ?」

『言っただろう。これは私のストレス発散だと。貴様はテレビでも見るか、眠っていろ』

「それじゃあお言葉に甘えて」

「向こうにいるから、何かあったら声かけてね」シゴトスル

『あぁ』

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なんというか、こう、すごく様になっているな

彼女 というよりは、妻だろうか

妻 エアグルーヴが? 誰の?

俺か? いや、違う

俺は教師で 彼女は生徒だ 許されない

第一恋愛関係にすらない

あり得ないな

 

 

 

12時半

『よし、これで概ね合格点だろう』

「お疲れさま、ありがとうな」

「何か飲むか?つってもお茶かコーヒーくらいしか出せるもん無いけど」

『ではお茶を頂こう』

「ん、冷たいので良いか?」

『あぁ』

グゥー

『!』カオマッカ

「もうこんな時間か」

「うちには何もないし、どっか食いに行くか?」

「何が良い?」

『そうだな、ではニンジンハンバーグが食べたい』

「よしっ、行くか」

 

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「飯も食ったし、この後どうする?」

「まだ、掃除するか?」

『いや、少し買い物に行きたい』

「りょーかい」

「どこ行くよ?」

『近くのスーパーだ』

「?何しに?」

『食材を買いに行くに決まっているだろう。たわけ』

「なんの?」

『貴様のだ』

「どうして?」

『さっき自分で言ったことをもう忘れたのか貴様は』ハァ

「俺なんか言ったっけ?」

『うちには何もないと』

『実際冷蔵庫は空だった』

「でも食材買っても俺きっと自炊しねーぞ?」

「出来ない訳じゃないが、時間がない」

『たわけ』

『貴様このままの生活をまだ続ける気か?』

『どうせ昼の弁当以外はまともな食事を摂っていないのだろう』

『私が何品か作って行ってやる』

「良いのか?」

「さすがに申し訳無いんだが」

『ならば、また掃除させてくれ』

「まぁ、構わないけど」

 

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帰宅 15時半

「ただいまー」

『お邪魔します』

 

『では時間も限られているし作るとするか』

『キッチンを借りるぞ』

「どうぞ」ツイテク

『?』

『どうした?』

「何が?」

『なぜ着いてきたのかと聞いているんだ』

「俺も一緒にやるよ」

『だが「時間は限られているとさっき言ったのはエアグルーヴだろ?」』

「二人でやった方が早く終わる」

「俺も普段はやらないだけで、出来ない訳じゃないからな」

『分かった。お願いしよう。』

 

『貴様はまず、この野菜類を洗って、皮を剥いてくれ』

『私は下拵えをする』

「りょーかい」

 

「なんか良いなこういうの」

『なっ、なんだ急に!』

「えっ、あっ、悪い声に出てたか」

「すまない」

『ええい、そんなに謝るな!』

『さっさと続きをやるぞ!』

「おう」

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良いな? そう言ったのか?奴は

何が良かったんだ? こういうのが?

こういうのってどういうのだ?

料理をすることか?

それとも…私と料理をすることか?

わからん 何を考えているんだ 落ち着け

落ち着くんだ エアグルーヴ

私はどうなんだ?

良いと 思った、のか?

嬉しいのか?

わからない だが、この家に来てから、いや彼に会ってからどうにも心臓がうるさい、尻尾も言うことを聞いてくれない。

あぁ わからない

どうしたら良いんだ?

私は彼を男性として好いているのか?

彼は私をどう思っているんだ?

私は彼とどうなりたいんだ?

これは恋なのか?

わからない

 

 

「ーヴ」

「エアグルーヴ!」

『えっ、ああ、どうした?』

「皮剥き終わったよ」

『そうか、ありがとう』

「次は?何したらいい?」

『では—』

 

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『よしっ、これで概ね完成だな』

「ありがとう」

『後は時間をおいて味を染み込ませるだけだ』

『少し休むとしよう』

 

ソファーにて

コクリ コクリ

『貴様眠たいのか?』

「…いや、大丈夫だよ」

『たわけ』

『覚えていないのか?私は貴様の"大丈夫"は信用してないと言ったはずだが』

「うっ」

『それに貴様、先ほど私が休んでいろと言ったはずなのにも関わらず仕事をしていたな?』

「すみません」

『謝るくらいなら休め』

『ほら』ヒザポンポン

「?」

「何してるの?」

『それは、こっちの台詞だ。』

『早く横になれ』

『膝を貸してやる』

「!」

「良いのか?」

『構わないと言っている』

『早くしろ!』

「では、失礼して」ゴロン

『よし、そのまま目をつむり、少し寝ていろ』

『時間になったら起こしてやる』ナデナデ

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あぁ 心地良い 暖かい 頭がふわふわしてきた

なぜ、彼女はここまで 俺を気遣ってくれるのだろう

なぜ、彼女といると俺はこんなにも安心するのだろう

なぜ、こんなにも満たされるのだろう。

 

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やっ、やって、しまった

ひざまくら

どうしたものか、彼に心音が聞かれているのではないか?いや、そうに違いない

こんなにもうるさく、その上この至近距離だ

聞こえているだろう

 

寝顔 初めてみたな 意外と幼いが結構整っていて、いや、まて、ダメだ、近すぎる

これじゃ、もう少しで、キ

いや、ダメだ、離れなければ、そうでなければ

私は担当トレーナーの寝込みを襲った変態になるぞ?それは、避けなければ

離れろ、離れるんだ、

 

 

「おいっ!起きろ、もう夜だぞ!」トントン

『ぅ、うん?』ボンヤリ

「早く目を覚ませ、夕飯にするぞ」

『ん、おはよーェァ』

「あっ、ああ、おはよう///」

今エアって!私のことエアって呼んだのか!?

ダメだ寝起きも可愛い上に心臓に悪すぎる

 

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「「いただきます」」

「うんっ!うまいっ!さすがエアグルーヴだ」

『誉めてもなにも出んぞ』

「お世辞じゃないよ!」

「毎日でも食べたいくらいだ!」

『まっ毎日だと!?』

それは、そういうこと、なのか?

毎日 私の ごはんを 食べたい

わからん 何を考えているんだこやつは

「「ごちそうさまでした」」

「今日はありがとうエアグルーヴ」

『気にするな。私も良いリフレッシュになった』

『時間も遅いから、そろそろお暇させて貰うぞ』

「あぁ、またいつでも来てくれ」

「それじゃあ」

『おやすみ』

 

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