カァー カァー カァー カァー
ザッパーン
キャー
灼熱の日差しとそれに比例する強い照り返しのもと俺たちはトレセン学園恒例
夏合宿に来ていた
ルドルフ「ふっ!」
ブライアン「っ!ふんっ!」
エアグルーヴ『はあっっ!!』
春翔「よ~しそこまで!一旦休憩だ!戻ってこい!!」
ブライアン「おい、私はまだ走り足りないぞ」
春翔「ダメだ。続きは昼飯食ってからな?」
ブライアン「ちっ」
『文句を言うなブライアン!』
春翔「まあまあ」
春翔「因みに昼飯は俺特製のバーベキューを予定している」
春翔「肉もたっぷりあるぞ?」
ブライアン「なら仕方ないな」
ブラトレ「野菜もちゃんと食えよ?」
ブライアン「ふんっ」
—なぜ生徒会メンバーで集まっているかというと
夏合宿直前
ブラトレ「はぁ」
春翔「どした?」
ブラトレ「ブライアンが早く誰かと並走させろってうるさくてな」
ブラトレ「夏合宿に入ると仕事量もえげつないしなぁ」ハァ
ルドトレ「確かになぁ」
ルドトレ「ルドルフも菊花賞前に並走させてあげたいし」
春翔「ならさ」
春翔「3組合同でやらねぇ?夏合宿」
春翔「そしたら俺らは仕事分担できるし、担当たちにも良い刺激になるだろ?」
ルドブラトレ「「それだ!!」」
ルドトレ「お前天才だよ!まじで!」
—
春翔「よっしゃ!肉とニンジンも大方焼けてきたぞ~!」
春翔「早い者勝ちだからな!」
ルドルフ「では早速頂くとしよう」
『えぇ』
みんな「「「いただきます!」」」
ルドトレ「うんま!スゲーなお前!料理も出来んのかよ?」
春翔「まあ一人暮しして長いからな」
ブラトレ「おいブライアンピーマンも食え!」
ブライアン「お前が欲しそうにしていたからやっただけだ。感謝しろ」
『このホタテも美味しいな』
春翔「そこに気がつくとはお目が高い」
春翔「さっき地元の漁師さんと仲良くなってな、魚介類をたくさん分けて貰えたんだよ」
ルドトレ「相変わらずコミュ力やベーなお前、初日だぞ?」
春翔「夜は宿泊所でお刺身でもやろうかと思ってる。まだ沢山あるからな」
ブラトレ「こっちには冷えたドリンクもあるぞ~!」
モブ娘たち「良いなぁー先輩たちの所」
「ねっ!めっちゃ美味しそう!」
「私たちも頑張んなきゃだね!」
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ブラトレ「それじゃ、今日は皆これで終わりな?」
ブライアン「物足りないぞ」
ブラトレ「初日から飛ばしすぎは良くない。明日からは合宿が終わる頃には後悔するくらいのメニューやってくからな?」
ルドルフ「それは骨が折れそうだ」
ルドトレ「片付けは俺らがやっておくから、お前らはさっさとシャワー浴びてこい」
『了解だ』
ルドルフ「分かったよ」
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合宿所にて
合同ミーティング
春翔「みんな体の調子はどうだ?違和感があったりとかしないか?」
『トレーニング後の疲労感はいつも通りだが、いつもよりふくらはぎと脛の疲労が強いように感じる』
ルドルフ「私も概ねエアグルーヴと同じ感想だな、腿の前側が張っている気がする」
ブライアン「問題ない」
春翔「そしたら、みんな寝る前に疲労感の強い部分のアイシングといつもより入念なストレッチをしようか」
ルドトレ「これ今日の最初と最後の3人の並走の動画なんだけどな—」…
春翔「んじゃミーティングも終わりってことで夕飯の準備でもしますかねぇ」
『私も手伝おう』
春翔「サンキュー」
ルドトレ「俺らは他の宿舎の見回り行ってくるわ」
ルドルフ「私も同行しよう」
ルドルフ「ブライアンは海周辺を見回って、忘れ物やまだ居残っている生徒を保護して欲しい」
ブライアン「面倒だな」
ルドルフ「頼んだよ」
ブラトレ「行くぞ、ブライアン!」
ブライアン「はぁ」
「エアグルーヴは魚介類の下処理したことあるか?」
『いや、無いな』
「そっか、したら野菜の下処理とカットをお願いして良いか?」
『もちろんだ、と言いたいところだが』
「?」
『貴様は出来るのか?』
「もちろん出来るぞ」
『では、やり方を教えて貰えないだろうか?邪魔はしない』
「いいよ」
「そしたら、まずは—」
「うん、大体出来てきたな!後は本調理だけだ」
『あぁ』
『なあ、以前貴様の家に行って共に台所に立った際に言っていたことがあるだろう』
『あれは、どういう意味だったんだ?』
「え?何か言ったっけ?」
『こういうの良いな と』
「あぁ、あれな?別に深い意味はないよ。言ったろ?口に出す気は無かったんだ」
『そう、か』
「うん」
『もう一つ良いか?』
「うん」
『なぜ貴様はああも私に尽くすんだ、明らかにトレーナーの仕事では無いだろう。水やりも朝トレも後輩の指導も生徒会の仕事も』
「そりゃ、俺はエアグルーヴの杖だから」
「トレーナーはそこまではしないのかも知れないけど、俺は杖だ。エアグルーヴ専用のな?だからそこまでする。努力なんていくらしてもし足りないもんなんだよ。エアグルーヴのためなら俺はなんだってするさ」
『だが、』
『だがな、私はどうすれば良いんだ?』
「どうするって?」
『杖として粉骨砕身の努力をして私に尽くしてくれる貴様に、私は何も返せないんだ』
『どうしたら良い?どうしたら返せるんだ?』
「何もしなくて良いよ」
『でもっ』
「俺は杖だ。主は杖を使うだけで、恩返しなんかするもんじゃないだろ?」
「それに、俺はもう充分に貰っているよ。」
『えっ?』
「俺はな、俺たちトレーナーはお前たちが怪我なく、楽しんで走ってさえくれればそれで充分なんだ。なのにエアグルーヴはそれだけじゃなく勝利まで持って帰ってくるんだからお釣りが出るくらいだ」
『しかし、それは、貴様の力があったからで』
「それでももし、もしも何かしないと落ち着かないってんなら、たまにメンテナンスでもしてやってくれよ」
『メンテナンスか』
『具体的には何をすれば良いんだ?』
「さぁな?それは自分で考えてくれ」
ずるい ずるすぎる
ヒトの気も知らないで
私は何をしてやれるんだ