VTuberなんだけど百合営業することになった。   作:kattern@GCN文庫5/20新刊

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第139話 紫の芋の人 その7

【登場人物】

 

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber

トキワいま  DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV

宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫

 

【シチュエーション】

 

たるととばにら、事務所で3D撮影の楽屋待ち。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

ばにら(よく分からないけど、たると先輩って思い込み激しいんだなぁ)

 

   (配信のイメージどおり、清楚で大人しい人だと思ってた……)

 

たると(ばにらちゃんの前でなにやってるさー!)

 

   (こんな限界ファンみたいなことになって!)

 

   (アイドルとしてもオタクとしても、こんなの失格だよぉ!)

 

   (うぅっ、穴があったら入りたい……)

 

 

   (そもそも私のような、歌がうまいだけのオタクの女の子が)

 

   (アイドルVTuberなんて無理無理の無理だったさー)

 

 

―――――――

補足 宮古島たるとの来歴と才能

―――――――

 

沖縄生まれの沖縄育ち。好きな音楽はBEGINとアニソン。

そんな彼女は今時の少女らしく、YouTubeで弾き語りとかしていた。

その音域豊かな歌唱力は本物。すぐ目をつけられ、VTuberのガワでデビューすることになったのだが――本人は自己肯定感の低いジメジメ系女子。

 

つまり、ばにらとあんまり変わらないタイプの、無自覚天才VTuberである。

 

―――――――

 

 

ばにら(たると先輩、たぶん収録で疲れてるんだな)

 

   (ここはちょっと空気を読んで、席を外すバニ……)

 

たると(だめよたると! こんなことでくじけちゃいけないさ!)

 

   (うちなーに残してきて家族に顔向けできないさー!)

 

   (ここは席を外してメンタルリセット……)

 

 

二 人「あ……(同時に立ち上がる)」

 

 

ばにら(なんで立ち上がるバニか、たると先輩!!!!)

 

   (これじゃばにーら、席を外せないバニよ!!!!)

 

たると(なんでばにらちゃんも一緒に立つの!!!!)

 

   (やだ、もしかして――私たちって息ピッタリ⁉)

 

   (もしかして相性いいのかしら……)

 

 

   (これは結婚するしかない⁉(おめめぐるぐる))

 

 

ばにら「た、たると先輩? どこか行くバニか?」

 

   「それだったら、ばにーら楽屋で休んでるバニから」

 

   「行ってきて大丈夫バニよ」

 

たると「うぅん、大丈夫だよばにらちゃん!」

 

   「それより、何か大事な用事があるんじゃないの?」

 

   「私が残るから、遠慮せずに行って来なよ!」

 

ばにら「いやいや、ばにーらが残るバニ」

 

たると「いやいや、私が」

 

ばにら「いやいや、ばにーらが」

 

たると「いやいや、私が……」

 

 

二 人「どうぞどうぞ!」

 

 

   「って、ダチョウ倶楽部かーい!」

 

 

ばにら(…………)

 

   (息ぴったりでボケがあっちまったバニ!)

 

 

   (ミラクルだけれど……ちっとも嬉しくないバニ!)

 

 

たると(…………)

 

   (っはぁ~~~~~~~!!!!)

 

 

   (推しとダチョウ倶楽部コントたまんねーなぁ!!!!)

 

 

ばにら「…………」

 

   「あの、すみません、たると先輩」

 

   「やっぱりばにーら、ちょっとお手洗いに行ってくるんで」

 

   「残ってもらっていいバニですか?」

 

たると「いいよいいよ! ぜんぜん!」

 

   「ゆっくりしていってね!(霊夢)」

 

ばにら(なんでゆっくり実況のものまねするバニか)

 

   (今日のたると先輩、よく分かんないバニ……)

 

 

   (けど、思ってたより面白い人バニな)

 

   (事務所の方針が変わったら、コラボしてみたいバニ)

 

 

   (……なんてね(楽屋から出て行く))

 

たると「…………ふぅ」

 

   「どうやら、うまく誤魔化せたみたいさ」

 

   「もう少しで、私がカメコだってバレる所だったさー」

 

 

   「さぁ、ここいらで気持ちを切り替えて」

 

   「もう一本の収録に向けて、英気を養う――」

 

 

視 線【机の上に置かれた、ばにらの飲みかけペットボトル】

 

 

たると「ほっ、ほぁあああああああっ!!!!」

 

 

たると(ば、ばにらちゃんの飲みかけのペットボトルが目の前に⁉)

 

   (いや……だめよたるきち正気に戻って!)

 

   (いくらなんでも、それは越えちゃいけない一線)

 

 

   (ファンとしても、先輩としても、間接キッスはいけないわ!)

 

 

たると「…………(そっと立ち上がりペットボトルに近づく)」

 

   「…………(ペットボトルを手に取る)」

 

   「…………(キャップを外す)」

 

 

たると(てぇええええええええっ!!!!)

 

   (なにをナチュラルにペットボトルの蓋を開けてるのぉ!)

 

   (ダメよだめ駄目! ばにらちゃんの唇を汚すなんて!)

 

   (まだ誰にも汚されていない、純真無垢なばにらちゃんの唇――)

 

 

   (いや、誰かに奪われる前に、私が守護した方がいいのでは?)

 

 

   (ずんだちゃんや、ゆきちゃんと、しれっと間接キスするのでは?)

 

 

たると「…………」

 

   「私が! 私がばにらちゃんを守護らねば!」

 

   「DStarsの清楚の化身! 宮古島たるとが!」

 

   「ばにらちゃんの唇を守護らねば!」

 

 

   「というわけで! イッタダキマース!(満面の笑顔)」

 

 

い ま「たるきち~? なにしてるのかなぁ~?(暗黒微笑)」

 

 

たると「ピァアアアアアアアアアアアッ!!!!(絶叫&赤面)」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

ほんと、なにしてるんですかねたるとさん。

ボロボロと清楚の仮面が崩れ落ちていくこの有様よ。

これがDStarsの歌姫。絶対的清楚枠の正体。

 

だめだ、もうすっかり暗黒面に落ちておられる……。(諦め)

 

氷の女王(溺愛)&紫の芋の人(清楚)に囲まれたばにらはいったいどうなってしまうの! ちなみに、たるとちゃんはDStars内では特殊な立ち位置なので、本編で絡めるのはだいぶ先だぞ――ということで、番外編だけでどんどん濃いキャラを極めていこうと思うので、たるとちゃんイイねという方は、ぜひとも応援・評価・フォローよろしくお願いいたします!m(__)m

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