VTuberなんだけど百合営業することになった。   作:kattern@GCN文庫5/20新刊

176 / 811
第173話 青葉ずんだの知らない世界 その5

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

網走ゆき   DStars零期生 よく炎上する

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber

八丈島うみ  DStars3期生 センシティブ委員長

 

【シチュエーション】

ゆ俺恥ブームに傷ついたゆきを慰めるオフ(ゆきち宅)会。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

―――――――

補足 葉鍵

―――――――

 

古のオタクならばこのワードを知らない者はいない……くらい有名な単語。

 

エロゲ黎明期――というよりもギャル&泣きゲー黎明期を切り開いた「Leaf」と「Key」という二大ブランド。その名前を「葉」と「鍵」訳してくっつけたもの。このブランドから発表されるゲーム作品の影響力はゼロ年代において絶大で、エロゲでありながら一般向けに移植されたり、アニメ・映画が作られたりと、オタクコンテンツの最高峰であった。なお、現在「Leaf」は「とらのあな」さんの傘下に収まり、「Key」は「テンセント」さんに買収されている――。

 

ちなみに筆者は「アリスソフト」と「elf」派です。

 

―――――――

 

 

ずんだ(はかぎ? はがきじゃなくて?)

 

   (聞いたことないけど?)

 

う み「あー! はいはいはい!」

 

   「葉鍵ね! わかるわかる!」

 

   「私もリトバスやABを見てたわ!」

 

ずんだ(リトバス? AB?)

 

   (なんの略だ……?)

 

 

   (さっぱりわからん……)

 

 

う み「あーね! なるほどね!」

 

   「そりゃたしかに口に出しては言えないわ!」

 

ばにら「分かってくれてサンキューバニな」

 

ゆ き「まぁ、ばにらと私が仲良くなったのはそこからでね」

 

   「お互いどっぷり葉鍵信者だったから……」

 

   「いうて、ばにらは一般向けしかやってなかっけど(フォロー)」

 

う み「うちらの世代は仕方ないですよ!」

 

   「そうと知らずに触れる人も多いし」

 

ずんだ(一般向け? 知らずに触れる?)

 

   (どういうこと? 普通のゲームじゃないゲーム?)

 

   (ゲーオタなのに……さっきからまるで話が見えない)

 

ばにら「そうなのよ」

 

   「私はほら、ゲームもだけど深夜アニメもよく見てて」

 

   「それで……とある作品にドハマリして」

 

う み「ばにらがそんなにハマるなんて珍しいね」

 

   「なんてアニメ? よかったら教えてよ?」

 

ずんだ(ナイス質問ようみちゃん!)

 

   (アニメなら私もちょっとくらいは分かるよ)

 

   (さぁ、なんのアニメか、教えてもらおうじゃんか!)

 

ばにら「えっと、その、あの……」

 

 

   「『うたわれ』なんだけれど……」

 

 

ずんだ(うたわれ?)

 

   (なに? どういうアニメ?)

 

   (プリキュアみたいなアニメ?)

 

   (女児アニメ?)

 

 

―――――――

補足 うたわれ(うたわれるもの)

―――――――

 

Leafが世に送り出した伝奇大河ファンタジー。ケモ耳美少女&アイヌ文化の良さを世に普及させた功績もさることながら、ギャルゲーとは到底思えないハードで骨太なシナリオで一世を風靡した。PC版、PS2版、アニメと経てそれは洗練され、本編終了後もネットラジオやオリジナルドラマなどファンに長く親しまれた。さらに初代発売から十数年後に続編を発表。往年のファンを歓喜させる。現在もソシャゲ「ロストフラグ」が展開されており、今なお現役のコンテンツだ。

 

―――――――

 

 

う み「うわぁ~、めっちゃ懐かしい!」

 

   「見てた見てた! 私も見てた!」

 

   「『うたわれ』は面白かったよね!」

 

ばにら「うみ! 分かってくれる!」

 

う み「分かるよ! 委員長、声優オタだからサ!」

 

   「声優目当てだったけど……いやぁ、最高に熱かったよね!」

 

   「ハクオロさんの正体とか鳥肌が立ったよ」

 

ばにら「そうなの! あのアニメ版のラストが最高で!」

 

   「あとあと、PS2版ゲームのクオリティも高くて!」

 

う み「分かる!!!! よく考えたら私もやってた!!!!」

 

   「SRPGも、あの頃は熱かったもんね!!!!」

 

ばにら「そうそう!」

 

   「FE、東京魔人学園、サモンナイト、サクラ大戦!」

 

   「そして『うたわれ』……もうドハマリのドハマリよ!」

 

ずんだ(分からん)

 

   (なにを言っているのかさっぱり分からん)

 

   (かろうじてFEとサクラ大戦は分かる)

 

   (けど、他がまったくわからん)

 

 

   (ゲームって奥が深いんだなぁ……)

 

 

ゆ き「納得してくれたかな?」

 

   「ばにらとゆきは『うたわれ』が縁で仲良くなったのよ」

 

う み「へぇ、なるほどね……」

 

 

   「けど、それだけで仲良くなるって、ちょっとおかしくないです?」

 

   「まだ隠してません?」

 

 

二 人「…………ソンナコトナイヨー(目を逸らし)」

 

ずんだ(隠してる顔だこれ)

 

う み(隠してる顔だこれ)

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

絶望的に嘘がヘタクソな二人。

あっさりとうみ(とずんだ)に最後の嘘まで見抜かれる。

まぁ、ここまで来てしまえば、何を隠しているかはおわかりでしょう。

 

なんでもそうですが『原典』に触れないと、ファンとしては気が済まないものですよね――。そして、それを語れるなら、苦労はしませんよね。

 

伝われ、この絶妙な気まずい空気!

 

こういう苦い経験をしたことがあるオタクのみなさ~ん(箱根のみなさ~んのイントネーションで)、共感羞恥が刺激されたという方は――ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いいたします!m(__)m

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。