VTuberなんだけど百合営業することになった。 作:kattern@GCN文庫5/20新刊
【登場人物】
出雲うさぎ DStars3期生 妹系巫女さん
宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
【シチュエーション】
収録スタジオの機材トラブルが解消し、タクシーで移動中のたるととうさぎ。
◇ ◇ ◇ ◇
たると(はぁあぁ、今日はいい日だったなぁ)
(憧れのばにらちゃんの家に上がることができて)
(さらに濃厚なオタトークもできて)
(カメコ(ばにらのリスナー)のみんなには悪いけれど)
(ばにらちゃんと友達になっちゃった)
たると「でへ、でへへぇ」
うさぎ「なんか、機嫌いいですねたると先輩?」
「ばにらと何かありました?」
たると「え⁉ いや、なにも⁉」
「ぜんぜんなにもなかったよ⁉」
うさぎ(……怪しい)
たると「けど、そっか、ばにらちゃん引っ越しちゃうんだね」
うさぎ「あぁ、そうみたいですね」
「私たちも『ここはやばいから、もっといいとこ住め』って」
「前から言ってたんですけど」
「ずんだ先輩に言われて、ようやく引っ越す気になったみたいです」
たると「へぇ、ずんだちゃんが……」
うさぎ「正直、ばにらの家だとオフコラボがしづらくてですね」
「回線は強いんですけど、五人とか集まれないんですよ」
「なので、広い所に引っ越してくれるのはありがたいなーって」
たると「そっか。家が広くなると、オフコラボもしやすいもんね」
うさぎ「ずんだ先輩が部屋を紹介してくれたみたいなんですけどね」
「いやー、百合営業さまさまっすわ!」
たると「…………」
「へ、待って?」
「二人は
うさぎ「って、ばにらは言い張ってますけど」
「アレは完全に、ずんだ先輩に惚れちゃってますね」
「最近、話をしてても……」
「ずんだ先輩がぁ!(声マネ)」
「前にずんさんが言ってたバニ!(声マネ)」
「って、うるさいんですよ(けらけら)」
たると「そ、そうなんだ……(顔面蒼白)」
うさぎ「たると先輩?」
たると(ばにらちゃんとずんだちゃん)
(てっきり会社の命令で、組んでいるんだと思っていた)
(けど、そうじゃなかったんだ)
(本人たちは百合営業って言ってるけど、本当は……)
(待って? そういえば、なんでずんだちゃんはばにらちゃんの家に?)
(なんの用事があってやって来たの?)
(突然現れたショックで、すっかり忘れていたけれども)
(もしかして、二人はこれから…………!!!!)
ずんだ『ほら、ばにら。私以外の女と、いったい何を喋っていたの』
ばにら『何も喋ってません。本当です、信じてください、
ずんだ『私が遊びに来るって知ってて、ホイホイ他の女を入れたのかい』
『あてつけかな? それとも、お仕置きされたかったのかな?』
ばにら『あっ、待って、お姉さまそれは――』
たると「ダメェエーーーーーーーッ!!!!(絶叫)」
うさぎ「たると先輩⁉」
たると「運転手さん、今すぐ引き返してください!」
「このままだと、ばにらちゃんの貞操が!」
「ばにらちゃんの純潔がァ!」
うさぎ「ちょ! なに言ってるんです!」
「貞操とか純潔とか、この世で一番似合わない女ですよ、ばにらは!」
たると「私は守護らないといけないんです!」
「ばにらちゃんとずんだちゃんの秘密を知ってしまった者として!」
「そして、カメ――同じオタク仲間として!」
「だから戻ってください運転手さん! 今すぐ、ばに~らハウスにぃ!」
運転手「もうスタジオつきましたけど……」
たると「NOOOOOOOOOO!!!!!」
◇ ◇ ◇ ◇
ずんだ「まったくもう。どうせ、引っ越しの準備が進んでないとは思ってたけど」
「まさかこんな直前で泣きつかれるとは思わなかったわ」
ばにら「すみません、美月さん!」
「けど、助けに来てくれてありがとうございます!」
「一人じゃうまく仕分けられなくて……」
ずんだ「たいしたもんないんだから、適当にダンボールに詰めればいいじゃない」
「ほら、ちゃっちゃと終わらせて、焼き肉でも食べに行くわよ」
ばにら「はーい! もちろん、奢らせていただきますよ!」
ずんだ「ほーう? じゃあ、上カルビとか頼んじゃおうかな?」
「日本一のVTuberのお金で、高いお肉を食べちゃおうかなぁ~?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
普通に引っ越し準備のお手伝いにきてあげたずんさんなのでした。
後輩のために、プライベートを割いてくれるなんて、いい先輩やでホンマ。
そして、オタク脳をフル回転させて、みごとに勘違いするたると。
彼女の清楚が剥がれ落ちるのは、時間の問題なのかもしれない……。
というわけで、着々とばにらの引っ越しの準備が進んでおります。第三部は、四期生のチューターとばにらの引っ越しが、主軸になると思っております。楽しみに待っていてくれる方は――もうしてるかもしれませんが、ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いします!m(__)m