VTuberなんだけど百合営業することになった。   作:kattern@GCN文庫5/20新刊

688 / 814
【宣伝】
「バイト先のネットカフェが、なぜかクラスの美少女たちの溜まり場になった件。」発売中です! 会社帰り・学校帰りにぜひぜひよろしくお願いいたします!m(__)m

○GCN文庫さま 商品ページ
https://gcnovels.jp/book/1872

○メロンブックスさま 通常版(SS付き)
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2905033

○ゲーマーズさま 限定版(アクリルプレート)
https://www.gamers.co.jp/pd/10794723/


第666話 四阿遍史郎のささやかな誠意 その2

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

高峯 愛   女探偵 できる女の匂いがするが……?

 

【シチュエーション】

再び、ばにらの前に姿を現した高峯愛。

どうやらまた四阿に頼まれ事をされているみたいだが……?

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

高 峯「さあ、どうします?」

 

   「受け取っちゃいますか、マンション?」

 

 

   「悪い話ではないと思うんですけどね?」

 

   「VTuberが共同で生活する住宅だなんて」

 

   「これからの時代を考えれば、あって当然というか」

 

   「むしろ会社側で社宅なりなんなり整備しろと」

 

 

   「便宜上は個人事業主ということにして」

 

   「会社と契約しているとはいえ」

 

   「その辺りの配慮は当然企業としてするべきでしょう……」

 

 

ばにら「…………なら、この鍵は私じゃなくて」

 

   「四阿さんが社長に直接渡すべきです」

 

   「私はこれを受け取ることはできません」

 

 

高 峯「なるほど、分かりました」

 

   「実にばにらさんらしい回答ですね」

 

 

   「確定申告の書類を書くのが面倒くさかったんですね?」

 

 

ばにら「マンションなんてもらっちまったら」

 

   「ばに~らの税金がえらいことになっちゃいますって!」

 

   「今もお母さんと税理士さんに相談して、節税いろいろしてるのに!」

 

 

   「というか、ばに~らに物件の管理なんて無理です!」

 

   「高級マンションって柄でもありません!」

 

 

高 峯「なら、もらうだけもらって、会社に売っちゃえばいいじゃないですかw」

 

ばにら「あ……その手があったバニな」

 

   「って! 税金が跳ね上がるのは変わりないバニよ!」

 

   「贈与税はマジ勘弁バニ! ちょっとした贈り物でいいバニよ!」

 

高 峯「では、こちらは四阿さんに返しておきますね」

 

   「きっと残念がるとは思いますよ」

 

   「なんだかんだで、ばにらさんのことは気に入ってましたから」

 

 

ばにら「…………えっと、用事ってのはそれだけバニですか?」

 

 

高 峯「おや、するどい」

 

   「もちろん、そんなわけないじゃないですか」

 

   「この鍵はあくまできっかけに過ぎません」

 

ばにら「……ですよね」

 

高 峯「ずばり言わせていただきますと」

 

   「これはばにらさんへのお詫びであり手切れ金です」

 

   「この鍵をやるから――これ以上、娘さんに関わるな」

 

   「そう言い含められています」

 

ばにら「だったら、なおのこと受け取るわけにはいきません」

 

   「私は……百合営業相手《パートナー》として、ずんさんのそばにいます」

 

   「誰になんと言われようとも離れることはありません」

 

高 峯「ですよね、まあ、そこまでも折り込み済みでした」

 

   「すみませんね、こんなことを言わせちゃって」

 

   「お二人の間に水を差すようなこと、するもんじゃないとは」

 

   「私も思ってはいたんですけれども……」

 

ばにら「あの? なんで四阿さんは、美月さんに対して」

 

   「ここまで神経質に構おうとするんですか?」

 

 

   「芸能界から引退に追い込んだのだって」

 

   「別に、そこまでしなくてもよかったですよね?」

 

   「そういう有名人もいっぱいいますし」

 

 

   「今だって、私から彼女を引き離そうとしている」

 

   「とても、親の子供への接し方として」

 

   「適切な距離だとは私には感じられません……!」

 

 

高 峯「そうですね。たしかに、四阿さんはちょっと偏執的かもしれません」

 

   「まあ、そこには美月さんのお母さまの存在があります……」

 

ばにら(そういえば、美月さんのお母さんについて聞いてなかった)

 

   (私生児ってことは、やっぱり相手も芸能人なんだろうか)

 

 

   (あれ、けど? 美月さんって、仙台市でお婆ちゃんと暮らしてたんじゃ?)

 

 

高 峯「美月さんが、四阿さんの私生児というのは先に説明しましたね?」

 

   「けど、そもそも変な話じゃないですか?」

 

   「四阿遍史郎さんは、戸籍上は独身男性です……」

 

 

   「別に籍を入れていたって、おかしくはないはずです」

 

   「いえ、むしろベテラン俳優の遅い結婚を、世間は祝福するでしょう」

 

 

ばにら「…………たしかに」

 

   「そうすると、なにか公表するのに不都合があるってことなんですか?」

 

高 峯「えぇ、そこです!」

 

   「青葉ずんだにしてmimiという、隠し子がいることではない」

 

   「その隠し子を産んだ相手が、ちょっと問題なんですよ……!」

 

ばにら「問題って! いったいなにが!」

 

 

???「失踪してるのよ、青葉ずんだの母親は」

 

 

二 人「…………え?」

 

 

???「こそこそと、本人に隠れてそういう話やめてくれる」

 

   「花楓、次やったら、嫌いになっちゃうからね?(圧)」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

ずんさん、ついに百合営業相手《パートナー》に迫る魔手の存在に気がつく。

ばにらと高峯の間に割って入ると共に、スキャンダルの本質へと迫るのだった。

 

そう、娘がいるくらいそう大きな問題ではない。

問題なのは、その娘がどういう出来でできたのか。

どういう相手との間に生まれた子供なのか……。

 

そして、明らかになる美月の母の現在。

失踪中とは、これは穏やかではないが……?

 

【註 正直、元ネタのころねさんが、お母さまやお父さまと仲良しなので、この展開にするのずっと躊躇してたりしました。やっぱり、現実を限りなく意識した作品というのは、フィクションとの折り合いが難しいですね】

 

娘の口から語られる衝撃の事実。なぜ彼女の母は失踪してしまったのか。そして、その失踪がどうして、四阿遍史郎に娘の存在を秘匿させるに至ったのか。今、開けてはならない芸能人の闇が暴かれる――ちょっとシリアスが過ぎるんじゃない? そう思った方は、ぜひぜひ応援・評価・フォローなどなどよろしくお願いいたします。m(__)m

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。