VTuberなんだけど百合営業することになった。   作:kattern@GCN文庫5/20新刊

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第763話 滅びの宝剣ラグナロック その4

【登場人物】

種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV

KON    元VTuber四天王のおきつねおじたん……?

ゆの     ぽやぽやした喋り方をする女性

レオン    だいさんじの新人VTuber 声が大きくて元気

牧野     だいさんじ男性トップVTuber 元ゲーマー

カー公    かりんさん大好き 一般人女性ゲーマー

Mr.天狗  天狗のお面を被った変態……のはずだった

 

【シチュエーション】

KONからかりんに提示されたお詫び。

それはFPS大会への参加のオファーだった。

ゲーマーとしては嬉しい申し出だが、経緯が経緯だけに受けていいものか……。

 

はたして、かりんちゃんはどうするのか?

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

かりん「KONさんが絡んでるFPS大会って……」

 

   「まさかとは思うけれど!!!!」

 

KON「APEXVY最強マッチだよ」

 

   「その枠をかりんちゃんのために特別に用意しよう」

 

―――――――

備考 APEXVY最強マッチ

―――――――

 

VTuber&YouTuber入り乱れてのAPEXチーム戦。

多くのAPEXプレイヤーを抱えているだいさんじとでじすぽ、そこにAPEXのプロリーグプレイヤーや個人勢配信者が混じり、有志によって運営されている大会。

この大会に出ることは、配信者にとってはひとつの到達である。

 

なお出場はエントリーではなく指名制で、明確な選考基準がある。

オープンにはされていないが、APEXの配信時間、現在のランク、チームプレイの適正などを見て、その年に最も旬な配信者にオファーが行く……とされている。

 

とはいえ。

 

―――――――

 

 

牧 野「師匠ってば、ほんと顔広いよなぁ~~~~!」

 

   「まあ、黎明期からネットで活動してるゲーマーだし」

 

   「そりゃそれなりに人脈もあるか」

 

 

   「けど、まさかVYマッチの運営にまで顔が利くなんてなw」

 

 

 

レオン「この大会に出られるのは、配信者としての栄誉!」

 

   「正直……出られるものなら僕が出たい!」

 

   「かりんさん、いらないのなら出番を譲ってくれないか!」

 

ゆ の「まあ、みんなそういうよねえ」

 

   「けど、こういうのはほんにんのきもちがだいじだから」

 

 

カー公「KTMさま、どうするんですか……?」

 

 

かりん(嘘でしょ⁉ こんなにはやく、VYマッチのお誘いが⁉)

 

   (これはあきらかにチャンスだけれど……)

 

 

   (けど、絶対に違う! これは私の実力じゃない!)

 

   (こんな取引で参加しても、絶対に後悔するだけ……!)

 

 

KON「まあ、真面目な君のことだ」

 

   「普通に誘ったところで断るだろうってのは分かってる」

 

 

   「だがね、これは君が起こしてしまった不祥事の」

 

   「損失を補填する行いだってことを」

 

   「事務所に所属するVTuberなら理解した方がいい」

 

 

かりん「損失を……補填?」

 

 

KON「USO松に脅されていたとはいえ」

 

   「君は()()()()()()()()()()()()()コラボ配信に手を出した」

 

 

   「事前にば……三期生たちとのコラボで」

 

   「運営に釘を刺されていたにもかかわらずだ」

 

 

かりん「なっ! どうしてそのことをKONさんが知って!」

 

ゆ の「わたしがしらべました」

 

   「ちょうほうかつどうとくいですので」

 

   「どや!」

 

レオン「まあ、広いようでこの業界も狭いからね」

 

   「特に近い立場の事務所の事情なんかは」

 

   「何もしなくても聞こえてくるもんなんですよ」

 

かりん「おめーもたいへんだなKMT」

 

   「ちゃんと着いていく先輩は選んだ方がいいぞ」

 

   「間違っても、こんな暴力鉄拳おいたんなんかに師事したら」

 

   「後悔することになっちまうぜ……!」

 

KON「君たちの事務所事情については把握している」

 

   「そして、今回の出演で君の信用は地に落ちた」

 

   「なにかで事務所に貢献して、世間での認知を矯正する必用がある」

 

 

   「このままなにもしなかったら」

 

   「事務所の許可もなく、勝手に暴露配信に出演した」

 

   「考えなしのVTuberと思われるよ?」

 

 

かりん「…………それは、かりんのしたことだから」

 

   「正直、USO松の配信に出た時から、覚悟はしてた」

 

   「そこの責任はかりんが取る」

 

 

   「だからこそ逆に、そんな筋の通ってない話は受けられない」

 

 

   「たとえそれで事務所を追い出されても」

 

   「種子島かりんとして二度と活動できなくても」

 

   「私は、私が誇れる、私でありたい」

 

 

   「VYマッチのステージには! かりんの実力で上がってみせます!」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

きっぱりとKONからのお誘いを断ってみせたかりんちゃん。

あえて茨の道を行く。楽な道や誘いに乗らない。それでこそゲーマー。

とはいえ、ちょっと自分に厳しすぎる感もありますね。

 

今回の件はかりんちゃんに非はなかったのだから。

そこは甘えてもよかったのかもしれません。

 

ただ、これくらいきっぱり言える心の強さは持ちたいものです。

 

とはいえ、それじゃ話が回らないから困るんだ……!

 

次回、KONの老獪な根回しがかりんちゃんの意志を絡め取る。彼女にうんと言わせるために巧妙に張り巡らされた罠に、はたしてかりんちゃんは気づくことができるのか。彼らの駆け引きにはらはらとした読者の方は――ぜひぜひ、応援・評価・フォローなど、よろしくお願いいたします!m(__)m

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