VTuberなんだけど百合営業することになった。   作:kattern@GCN文庫5/20新刊

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第822話 トップVTuberとトップゲーマー その2

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV

津軽りんご  DStars特待生 きまぐれ僕っ娘

祇園ちまき  DStars1期生 おまつり女

網走ゆき   DStars零期生 よく炎上する

 

【シチュエーション】

ばにらさん、無自覚トップVTuberマウントを取ってしまう。

まあ、それはそれとして、それを息をするようにできるのはすごいよね。

そういうところだぞ――川崎ばにら。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

ちまき「まあ、ちまきからこの件について言わせてもらうと」

 

   「ばにらちゃんはそういうことを無自覚にやれるからこそ」

 

   「トップVTuberになることができたんだよ」

 

 

   「さっきしれっと、それって当たり前のことだよねって言ったけど」

 

   「ゆきちがすぐ反発したみたいに、簡単にできることじゃないんだよ」

 

   「ばにらちゃんはそれくらいすごいことをやってみせてるの……」

 

 

ばにら「そうなんバニですかね?」

 

   「リスナーのことを思えば、配信者はなんだってできるような」

 

   「そんなものだと思っていましたけれど……」

 

ちまき「そんなわけない。ばにらちゃんが特殊なの」

 

   「どんなに好きなものでも、頑張れる限界ってものはあるわ」

 

   「そこを踏み越えられるのはれっきとした才能なの」

 

 

   「私だって、もっとAPEXの配信がうまくなりたい」

 

   「雑談配信がうまくできるようになりたい」

 

   「清楚()キャラに頼らずに、笑いを取れるようになりたい」

 

   「そんな風に思って、いつも配信してる」

 

 

   「けど、まだまだでしょ?」

 

   「三期生たちやゆきちみたいに、輝くことはできない……」

 

 

ばにら「ちまき先輩! そんなことないですよ!」

 

   「たしかに清楚()キャラはキツいなって思っていますけど」

 

   「ちまき先輩が頑張ってるのは、ばにらもちゃんと分かってますから」

 

 

   「DStarsで唯一無二の清楚()キャラなんです」

 

   「うみが裸足で逃げ出す程のセンシティブなんです」

 

   「胸を張ってくださいよ!」

 

 

ちまき「ありがとね、ばにらちゃん」

 

   「けど、アタシには張る胸が、残念ながらないんだなこれがw」

 

 

ばにら「こんな時に冗談とかいいバニですから!」

 

 

ゆ き「ばにら。ちまきの気持ちを汲んでやってくれ」

 

   「ちまきだって、こんなこと後輩の前で言うのは辛いんだ」

 

   「それでもばにらのことを思って言ってくれてるんだよ」

 

りんご「人間、どうしようもならないことだってあるんだ」

 

   「それを直視できるのもまた強さなんだよ」

 

   「もちろん、ちまきちゃんが今のままだとは言わないけどね」

 

 

   「こんな骨太のVTuberが」

 

   「DStarsを初期から引っ張ってきたアイドルが」

 

   「十把一絡げのVTuberで終わるはずがないさ」

 

 

   「けれど、それはそれとして」

 

   「先輩の心からの声にちゃんと耳を傾けてあげなよ」

 

   「それが本気で自分に相対してくれている」

 

   「先輩への礼儀だと、僕は思うよ。ばにらちゃん」

 

 

ばにら「りんご先輩……!」

 

 

ゆ き「ばにら、お前が学ばなくちゃいけないことは二つだ」

 

   「まずはお前は、お前が思っているほど」

 

   「普通のVTuberじゃないってことだよ」

 

   「好きを原動力にどこまでも頑張れるモンスター配信者」

 

 

   「それが川崎ばにらの正体って奴さ」

 

 

   「そして、もうひとつ学ばなくちゃいけないのは」

 

   「何か大切なことを語ろうとするとき、人間が捨て身になるってこと」

 

 

   「ちまきがお前に見せてくれた、先輩としての在り方を」

 

   「もう一度よく、自分のなかで考えてみるんだ」

 

   「そうすれば、かりんちゃんにどうやって接すればいいのか」

 

   「先輩としてどういう態度で接すればいいのか」

 

 

   「お前にもきっと分かるはずだ……!」

 

 

ばにら「ばにらは、ばにらが思っているほど、普通のVTuberじゃない」

 

   「大切なことを語るには、捨て身にならなくちゃダメ……!」

 

 

   「分かったバニよ、ゆき先輩、ちまき先輩、変態ネッコ!!!!」

 

   「まだちょっと自分の中で、うまく整理できていないけれど」

 

   「かりんちゃんとどう向き合っていけばいいか」

 

   「ばに~らにも分かってきた気がするバニ!」

 

 

変態猫「うんうん、その意気だにゃぁ! きっとばにらちゃんならできるにゃぁ!」

 

   「変態猫も草葉の陰からそっと見守っているにゃねぇ~~~~!」

 

ゆ き「まあ、あんまり気負いすぎるなよ」

 

   「そういうところも、お前の悪いところだからよ」

 

   「ちまきみたいに自然体でぶつかっていけ!」

 

ちまき「ばにらちゃん」

 

   「かりんちゃんはばにらちゃんのことをすごく慕ってる」

 

   「だから、ばにらちゃんしか彼女に伝えられない」

 

   「VTuberとしての心意気みたいなものも」

 

   「きっとあると思うの」

 

 

   「どうかそれを、彼女に届けてあげて……!」

 

 

ばにら「わかったバニ! 絶対に届けてみせるバニよ!」

 

 

   「今度会った時に!!!!」

 

 

三 人「いや、いまやないんかーい!!!!」

 

   「この筋金入りの陰キャゲーマー!!!!」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

ばにらさん、まさかまさかの陰キャゲーマームーブをしてしまう。

次に会うっていつだよ。かりんちゃん最近出番まったくないぞ。

このまま第四部がはじまってしまうんじゃないのか……。

 

と、このシリーズが始まったばかりということに注目。

かりんちゃんの相棒になるはずのちまき先輩がいるのにも。

 

次回、颯爽と事務所を去ろうとするばにらちゃんを、かりんちゃんが襲撃する。はたして、ばにらは無事に自分の気持ちを彼女に伝えられるのか! 先輩後輩百合たまらねえぜという方は――ぜひぜひ評価・レビュー・感想・フォローよろしくお願いいたします。m(__)m

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