今回で結城友奈の章は最終回です。
それから数日、俺は・・・
病室で包帯でぐるぐる巻きにされていた。いや正確には右の頬の部分そして右目、手足の切り傷、左脇腹の刺し傷を数針縫ったのち今言った場所を包帯でぐるぐる巻きにされ、病室で寝込んでいた。
(もっと巻き方どうにかできなかったのかな、これじゃあしばらく喋れないじゃないか)
「入るわよ、武蔵―」
病室の奥から聞こえる声に俺は喋れないので俺は入ってくるのを見ているだけだった。
「やっぱりいつ見ても違和感しかないわね」
風が俺の病室に入るといきなり言われたことに俺は手元にあるスケッチブックに急いで書き、風に見せた。
『俺もそう思う、てかこれとりたい』
「ダメよ、そんなことしたら治るものも治らないでしょ!」
『それもそうか』
風は病室に置いてある椅子を持ってきて俺の隣に座った。
『他のみんなは?』
「今友奈のとこに行っている、後少ししたらくると思うけど・・・」
『そうか』
しばらくの無言・・・
「ごめんなさい」
『いいよ』
「でも・・・」
拳を強く握り込み俯いていた風に俺は力強くスケッチブックに書き込んだものを風に見せた。
『自分で何もかも抱え込まない!』
俺が書いた言葉を見せると風さんは顔をあげた、彼女の目は少し涙目になっていたが心のモヤが晴れたような顔をしていた。
『風の周りには勇者部のみんながついてるから、悩んだら相談!勇者部五ヶ条の一つ!』
「そうわよね、いつも言ってるのに、部長がこんなんじゃだめわよね?」
俺は静かに泣いている風の頭を撫でて落ち着くのを待った。
「落ち着いたか?」
「うん、ありがとう」
風が落ち着き、いつもの風に戻った時俺の病室扉をノックする音が聞こえた。
「入るわよ!」
『タイミングがいいな』
「いつ見ても違和感しかないわね、その包帯の巻き方」
夏凛は俺が少し前に聞いたことあるようなことを言って松葉杖を突くながら入ってくると他のみんなも次々と入っていった。
『みんな思ったより元気そうでよかったよ、友奈もな』
「・・・」
「先輩も元気そうでよかったです」
『まぁな、みんな大きな怪我もなくて副部長としては、喜ばしいことだ』
「そう言って、あんたが一番の大怪我をしてるんだけどね」
夏凛に的確なことを言われ、何も言い返せなかった。
「そうよ、そうよあの後緊急手術したって聞いて嫌な汗出たんだから」
風がそう言うとみんなは頷いた。
『ほんとごめんなさい』
「いえ、謝るのは私の方です、武蔵先輩、私があんなんことをしなければ・・・」
『東郷が気に止むことではない、この怪我は俺の腕が未熟だったからだ・・・』
「このことは誰も悪くないよ、誰も悪くない」
風さんがそう言うとみんなは俯き始めたので俺はスケッチブックに文字を書いてみんなに見せた。
『暗くならない、みんなにそんな顔されると俺の傷がもっと広がる・・・』
俺の書いたことを見て、みんなはそれぞれの顔を見た。
「そうわね、明るい話でもしましょうか」
それから俺たちは日が暮れるまでみんなで話した。
「じゃあ私たちはこれで」
『そうか、気おつけて帰れよ』
みんなが病室を出た後、俺は何をしようか悩んでいる時、「ごめん忘れ物があった」と言い風が戻ってきた。
『どうしたんだ、風?』
「いやー渡したいものがあったことすっかり忘れてた、はいこれ!」
俺は風のことを少しおっちょこちょいだと思いながら、風が渡してきたものを受け取り袋から出すと一冊の本だった。
「後数日は病院生活って聞いて、暇だろうと思って買ったのよ」
『それは助かるけど・・・この本買ったお金、まさか部費からじゃないよな』
俺がそう書いたスケッチブックを見せると風は苦笑いをして、俺は頭を抱えた。
『とりあえず、ありがとう、部費のことは後で俺がなんとかする・・・』
「あぁ、私が帰る前に聞いていい?」
俺はハテナマークを浮かびながら頷き風さんの質問を聞いた。
「いつから私たちのことを素直に呼べるようになったの?」
『いやだったか?』
「そう言うわけじゃないのよ、ただ嬉しくてね」
風さんは照れた顔したが、この時の俺はそれに気づいてなかった。
『気づいた時にはこうなってた、後こうやって呼べば友奈も驚いて目覚めるかなって思っただけだ・・・』
俺はそう言うと風はただ一言だけ言って悲しそうな顔をして俺の病室を出ていった。
そしてまた数日後
俺は顔の包帯が取れたがみんなに見せれるようなものではないのでいつも通り眼帯と頬の肉がえぐれているのでマスクをしとある場所に出かけた。
(ほとんどの外傷は治ったが、やはり内側の傷は治らないか・・・)
俺は激痛に耐えながら確実に一歩一歩前に進んだ先に会ったのは乃木園子にいる病院だった。
病院の受付を済ませ、乃木さんの病室に行くとそこには包帯がとれ、乃木さんがいた。
「包帯だいぶ取れたね乃木さん・・・」
「およよ、ムサリン」
「それ俺のあだ名か」
「うん、そうだよ〜」
「悪くないな」
「やった〜、お墨付き貰っちゃった」
そう言って乃木さんは笑顔を見せ、俺はその笑顔に見惚れてる状況だった。
「その顔の眼帯とマスクは?」
乃木さんが俺に最初に出会って聞いたことはそれだった、まぁ乃木さんじゃなくてもこの眼帯とマスクを見れば誰だって聞きたくなる、人間の探究心ってやつだ。
「あぁ最後の戦いにこっぴどくやられた怪我だ、まぁこれに関しては気にしてないんだがなぁ」
俺はそういうと乃木さんは悲しそうな顔をしたが何を思ったのか
「わっしーにたくさん謝れられたでしょ」
「乃木さんに言う通りだよ、たくさん謝られたよでも、みんなの代償が治り始めてよかったよ」
「ムサリン・・・」
それから俺たちはいっぱい話した・・・未来のことを・・・ちょっとしたこと・・・
「え、それじゃあ、小学校から中学2年までの勉強してないの?」
「そうなんよ」
「そうか、よければ俺が教えようか?」
「いいの?」
「俺なんかでよければな、まぁ東郷さんとかがいいよな・・・」
俺が言ったことだが乃木さんも年頃の女性だ、それを考えたら俺なんかよりも友達の東郷や同い年の友奈たちの方がいいと思い、俺は乃木さんにそう言ったが・・・
「じゃあお願いしようかな」
「いいのか?」
「別にいいよ〜」
(意外性・・・と言うより心が広いんだな、こういう心の広い人間が将来大物になるって親父も言ってたなぁ〜懐かしい〜)
この時、俺が思ってことはのちに本当に・・・それはまた別の話になる・・・
「さてと、じゃあ俺帰るわ」
「えーもう帰っちゃうの?」
「流石にな、十分迷惑かけたからな、また迷惑かけにくるけど」
俺はそう言い、帰る準備をして乃木さんの病室を出ようとした。
「乃木さんまたな2、3日後な!」
「またね、ムサリン」
乃木さんは笑顔で俺を見送ってくれた。
帰り道、突然俺のスマホに電話がかかってきた。
「もしもし東郷?そうか、うん、分かった」
電話を切り、空を見上げた。
(そうか、友奈の意識が・・・)
俺は嬉しさのあまり涙を流していた。
しかし・・・
(代償は治った・・・それは友奈たちだけだ・・・俺の体に刻まれていく蛇の鱗は消えることはない・・・それでも俺は・・・生きなければならない)
文化祭の劇のところまで書こうかなと思ったけど流石にそこまでは力は僕には無かったです・・・皆さんご想像にお任せします。(一応考えてた案はあって聞きたい人は感想でもTwitterのどちらかで聞いてください)
個人的、不安な気持ちのまま章が終わるのが好きです
次回はのんびりと日常回を出したいと思います、(3、4話ぐらいしかないけど・・・)それが終わり次第次の章に行きたい。