休日、学校も部活もない日、そんなの何もない日でも俺には行くところいくつかある。
今日はその俺の変わった休日の話・・・
「・・・」
「Zzz・・・」
俺は今、この子の隠れた才能に驚き、とても動揺していた。
遡ること数日前、俺は初めて乃木園子に勉強を教えていた、初めは起きていたが徐々に彼女の瞼は閉じていき、眠理想になった時、俺が不意に問題を投げかけた時には、眠ったまま答えていた。
そして今日、俺の作った抜き打ちテスト行った結果・・・国語、数学、英語ともに100点、裏で必死に勉強したか?と聞くとしてない、殆どボーとするか寝てたと言ったので多分この子の才能なんでなぁと思うことにした、しないと俺の心がポッキリと折れる。
(でも、積み重ねの勉強は確かに土台はしっかりするが、長続きしないのが事実、ここらで息抜きもいるよな)
「まぁまぁ、ちゃんと覚えてるようでよかった、今日はお勉強なしでいいぞ」
「本当〜!やった〜!」
俺がそういうと、園子は満面の笑みを見せた。
「何かしたいことあるか?」
「んーとね、恋バナ!」
「多分それだと1分も続かないぞ。」
「それじゃあ・・・私を病院から連れ出して」
「あぁそれぐらい・・・え?」
なぜなのかと俺が聞くと園子は話してくれた。
園子は勇者システムの散華を発してから、ほとんど病院から出られなかった、そして今、代償がなくなったとはいえ2年近くの年月は長かった・・・
まともに立つことですら思い通りにいかないものだったが、園子頑張りのおかげで今では少しの間なら立っていたり、重いものを持ち上げたりできるが、流石に長時間疲れが出るらしい。
そして、彼女の家系・・・乃木家は大赦の中でも最高権力ってこともあり、もしもの事があってはいけないと、病院内の庭ぐらいしか外に出ることができない。
(かわいそうと思うが、流石に病院の外に連れ出して無理に疲れさせるのは園子の体にも悪いし、それに病院や大赦の事もあるかな)
「ダメかな?」
俺が頭を抱え悩んでいると園子俺に少し顔を下げ悲しそうな表情しながらこちらを見ていた。
(やめてくれ〜、そんな目で頼みこまれると俺断れないんだ〜)
「わかったけど今日限りだぞ」
「やった〜!ちょっと外で待ってて」
園子にそう言われ、外に出て待ってると入っていいよ〜と言ってきたので俺が入ると園子は着替えを済ませていた。
「よーし!それじゃあ行こう!」
「ご機嫌だな・・・」
この時点で俺は園子のテンションについていけなくなっていた。
「どこか行きたい場所あるか?」
「んーとね、イネスの醤油豆味のジェラートがある店!」
「それどこにあるんだ?」
俺はスマホの地図を出し園子に見せると園子は慣れた手つきでスマホを操作し、ここと指でさし示した。
地図を頭の中に叩き込み、忘れ物が無いかと確認をして、園子をおんぶする体制をとったが園子は不機嫌そうな顔をした。
「どうした?」
「どうせなら姫様抱っこがいいー!」
「はー、わかったよ、姫さん」
俺が園子を姫様抱っこをしてから勇者に変身をし、俺は窓から跳躍した。
(これ絶対大赦の人と病院の人から怒られるだろ、まぁでも園子が嬉しそうだからいっか)
一般人にバレないように家の屋根をうつりながら目的地に向かった。
俺は目的地周辺にたどり着くと人目の付かないところで園子をそっとおろし変身を解き、少し前を歩く園子について行った。
「わー久しぶりだー!」
園子はまるで小学生が新しい場所に来た時と同じ反応をしながらはしゃいでいた。
「おい、あまり無理するなよ」
「わかってるよ〜」
俺の方を向いた園子が段差に躓き倒れそうになったところを間一髪俺が体を支えたことで園子は倒れずに済んだ。
「って言ってる側から」
「えへへ、なんか照れるな〜」
「俺はもう少し危機感を持ってほしいと思ってるよ」
イネスのフードコートにワクワクしながら行ったが園子は悲しそうな表情をして帰って来て俺にこう言った。
「なくなってた・・・」
園子は真っ先にここに行きたいと言った、彼女にとってはとても大事な場所だったのであろう。
(辛いだろうな、大切な場所がなくなるのは・・・とても・・・)
俺は園子の頭を優しく撫でて言葉をかけた。
「椅子に座って休もうか」
「はいこれ、水、キャップ開けて緩めて閉めてあるか気をつけろよ」
「せっかくならジュースが良いー!」
「だめだ、病人は大人しく水を飲みなさい」
「ブーブー」
園子はそう言いつつも俺が差し出した水飲んだあとしばらく俺たちの間で無言が続いた。
「どうする、病院に戻るか?」
「ごめんね、もうしばらく外にいたいだ。」
「そっか」
「ねぇ」
「?」
「花屋さんないかな?」
少し悲しげな表情をしたまま言ってきた園子、俺は椅子から立ち上がり、園子に向けて手を差し伸べた。
「あるだろ、イネスなんだし!」
園子は俺手を握りしめて立ち上がり、俺は園子の手を引き花屋さんに向かった。
「お花さんって何が良いかな」
「んー、用途によって違うからな」
「例えば?」
「例えば、そうだな例えばお墓参りとかの花は心を華やかにする意味などあるから季節を代表したものとかあとは香りのいいものとかを選ぶ、まぁそう言うのは建前でトゲや毒、匂いがキツすぎないものだったらなんでもいいとは思うけどな」
「じゃあこれにする」
俺の説明を聞いて園子が選んだ花は寒牡丹、本来牡丹は4月から6月の開花だが寒牡丹は大体11月から1月、しかし今は10月、少し早いが咲かないわけではない。
「そうか、それにしたか・・・ところでその花はどうするんだ?」
「えーとっね」
園子が教えてくれた場所に行くとそこは沢山の墓が並んで建ててある場所だった。
「久しぶりだね、ミノさん」
「ミノさんって、先代の?」
「そう、三ノ輪 銀」
親父の書物や園子の話から俺は姿は知らないが彼女ことは多少知っている、とても勇敢で強い勇者だと聞いている。
「あのね・・・ミノさん・・・」
園子は今の俺が見てもわかるぐらいに涙を堪えていた、そんな園子に俺はハンカチを渡してこういった。
「ほら、泣きたい時は泣いたって良い」
それから園子は泣き始めた、俺はそんな園子の背中を撫でることしかできなかった。
「落ち着いたか?」
「うん、ありがとね」
俺は園子の背中を撫でていた手をそっと離し、三ノ輪 銀と書かれた墓石を見つめていた。
「悪い、やっぱり2人で話しててくれ、俺はそこの柱で待ってるから」
園子にそれを言い残し俺はその子から離れた。
(やっぱり、お墓参りは嫌いだ、色んな思いが溢れ出てくるから・・・ほんと・・・嫌いだ)
俺は園子が話しが終わるまでただひたすら天を見て待っていた・・・
「よかったか?久々に話せて」
「うん、よかったよ〜」
「そっか、どうする、そろそろ日が暮れそうだけど」
「いや、大人しく帰ることにするよ〜」
「・・・わかったよ」
俺は変身して園子をお姫様抱っこをし病院に帰ることにした。
「ムサリン・・・」
「?」
「今日はありがとね」
「別に・・・感謝されることは・・・いや、素直に受け取っとくよ」
この時俺は、いや今日で何かが変わった、それを知るのはまだ先の話・・・
(あれそういえば何か忘れてるような・・・あ!)
この後、病院に戻ったら大赦の人がいてこっ酷く怒られた。
ほんと最近見返してて、徐々にオロチが空気になっていっているのなぜだろうと思っていたら、僕(作者)が書き始める時に忘れているのが原因だったですよね・・・本当に次の章では存在を表していかなくちゃ
次回も短編?ほのぼの回にしようと思っているので楽しみにしてくださいね!
今回は色々と難しい回だったですね(銀ちゃんは本当に幸せになって欲しかったです・・・)