バーテックスとの戦いも幾度か終えた頃、巫女の神託にとか何やらかで襲撃がしばらく起こらないことがわかった、そのため勇者たちは休養として、大社から貸切温泉で過ごすことが許可された。
俺は最初行くことを拒んだが伊予島に頭を下げられたので仕方なく行くことにした。
「二度目の露天か〜」
ぱぱっと身体を洗い流し露天風呂に入り、一息ついた。
(本当、何でこっちの世界に来たんだろ、オロチも何もわからないと言っていたし、本当どうして俺だけ・・・ダメだダメだとりあえず今はあいつらを守ることだけ考えろ、例え、俺が死んでも・・・)
そんなことを考えていると隣の女湯から声が聞こえてきた。
(あいつらか、本当、勇者というお役目が無ければ普通の中学生なんだけどなぁ)
俺は彼女達が入って来たと同時に風呂を出た、入っている時間はとても短かかったけど俺の今の体からすれば少し長かったぐらいだ・・・
それから少し時間が経って昼食の時、俺はあらかじめ自分の部屋に料理を置いておくように旅館の人達に伝えていたが伊予島が一緒に食べませんかとメッセージを送って来たけど俺はそれを断り一人で豪華な料理を食べていた。
(友奈もこんな感じだったのかな、味がしないのはやっぱり寂しい感じがする・・・)
飯を食べ終わった後は部屋から見える景色を見ていた。
何も変わり映えがしない空はまるで今の自分の心を表しているようだった。
長い時間景色を見ていると眠くなったので俺は布団を用意しようとした時だった激痛が俺の体を襲った。
(痛い・・・苦しい)
俺はあまりの激痛に血を吐き倒れてしまった。
そんなときだった・・・
誰かが俺のいる部屋をノックした。
「武蔵くん入るよ」
(やめてくれ今は・・・)
ドアが開くと同時に声の正体は明らかになった。
「武蔵君!」
「高嶋・・・l
高嶋はすぐに血を吐いて倒れている俺ところに真っ青な顔をしてやってきた。
「すぐに、みんなに・・・」
高嶋はすぐにみんなを呼ぼうとしたので俺は高嶋腕を握り、激痛の中必死になって伝えた。
「ダメ・・・だ、みんなにだけは・・・」
「でも・・・」
「なら・・・水をとってくれないか?」
「わかった、ちょっと待ってて」
高嶋は急いで近くにあったペットボトルを取り、俺の体を優しく起こし
水を飲ませてくれた。
「すまない、助かった。」
俺は高嶋にそういい高嶋が用意してくれた布団に入り横になった。
「ねぇ、いつからなの?」
「もうずっと前から・・、酷くなったのつい最近だ」
「やっぱり、みんなに・・・」
「話したら今の俺の状態が変わるか?・・・」
俺は少しきつめに言葉をいってしまった。
「悪い、お前に当たっても今が変わるわけではないな、結城」
「結城?」
「・・・。悪い、間違えた、お前も早く戻って寝ろよ」
「うん、辛かったらいつでも言ってね」
「あぁ」
高嶋は俺の部屋を出る時も心配そうな顔をしていた、当然と言えば当然なんだろうが、そんな優しさをどっかの誰かと一緒だったからこそ呼び間違えて、思い出していたのだろう。
(いつからだろ、彼女たちの事忘れていたのは)
俺は気づいた時には涙を流しながら彼女たちに謝っていた、いつも一人でいると思っていたがそれは違うと彼女たちがいたのだからだと・・・
それから時は流れ半月後
バーテックスの襲撃
「・・・多い」
俺は気配で察知し、彼女たちは端末で敵の数を確認した。
過去のバーテックス、襲撃では、精々数百体、だが今回は数千体・・・
(多勢に無勢、本気で来られたら負ける・・・かな)
「私が先頭に立つ」
「待ってください、若葉さ・・・」
伊予島は一人で戦おうとする乃木を止めようとしたがもうすでに乃木は前に行ってしまった。
変化が起きたのは乃木が行った後だった。
「動きが変わった・・・あいつら(バーテックス)、乃木からやるつもりだ」
俺はバーテックスの動きで読みぼそりと呟き、その呟きをきいた高嶋はすぐに行動に移っていた。
「私が連れ戻してくる!」
「待て、高嶋!一人では・・・」
高嶋はすぐさま乃木を追いかけた後、すぐに俺たちの所にもバーテックスが大量に現れて迎撃を余儀なくさせられた。
(くそ、二人を連れ戻したいのに・・・この数では・・・)
手一杯だった、圧倒的なバーテックスの数に俺はかすり傷俺をたくさんおいながら必死に戦っていた、無理に押し切って乃木達を助けに行くことも可能だったけど、今ここで俺がいなくなれば彼女達に俺の分の負担がかかってしまう、そんな複雑な気持ちを抱えながらたたかっている俺に不幸が訪れた。
激痛、立っているのもやっとだった、俺は自分の身体に負担をかけすぎていた。
しかし、バーテックスは攻撃をやめない、気づいた時には俺の目の前にいたのだった
(やばい・・・俺はまだ・・・死にたく・・・)
郡は血を吐き倒れそうになっている俺の体急いで持ち上げ何とかバーテックスの攻撃間一髪のところで避けて助けてくれた。
「あなた無茶がすぎるわよ」
郡は俺のことを思って言った言葉だが、俺はあの死を悟った瞬間、気が動転していた。
「ダメなんだ・・・ダメなんだ、俺はいくら・・・傷ついてもいい・・・だけど・・・あの二人と・・・みんなだけは・・・」
「ちょっと!」
俺は助けてくれた郡の腕を払いのけて二人が帰って来れる道を作ろうと必死になって戦った。
その行動を誰も止めれなかった、血を吐き、今にも倒れて死んでしまいそうな彼を誰も止めることは出来なかった。
かつてないほど大規模なバーテックスの攻勢、勇者たちは負傷と疲弊していた。
俺と高嶋は大社管理下の病院に搬送された。
その後・・・
乃木の頬に平手打ちが入った。
「乃木さん・・・どうしてあなた、あんな勝手な事をしたの・・・!?」
「あなたが一人だけ勝手に戦おうとするから・・・高嶋さんと彼が・・・!」
乃木は頬の熱を感じながら、郡の言葉を受け止めていた。
それを土居と伊予島は何も言わずに見守っていた。
勿論、二人は止めようか迷っていた・・・けど彼女ら二人は止めに入ることが出来なかった、千景の言っていることが心のどこかで共感しているのだろう。
「自分勝手に特攻して・・・高嶋さんを巻き込んで・・・!せめて神樹の精霊の力を使って戦ってたいれば、高嶋さんの負担は減っていたに・・・
あなたはそれをしなかった・・・!」
郡の言葉は事実、だからこそ乃木は何もいい返さなかった。
「ねぇあなたは知らないでしょう・・・けど私達は見てたのよ・・・彼がどれほど血を吐き・・・涙を流して・・・戦ってたことを・・・!少しでもあなたと高嶋さんが戻って来られるように道を切り開き続けたことを・・・!」
郡の口から彼のことが出るのは意外だった、少なくとも郡は彼のことを毛嫌いしていた、だけど彼は血を吐き、涙を流しながら戦っていたことに郡は何か思っていたのだろう。
「あなたは・・・周りが何も見えてない・・・!自分が・・・勇者のリーダーだってこと・・・もっと自覚すべきよ・・・!!」
郡の言葉は乃木若葉の心に冷たく重く突き刺さった。
主人公君の体のこと考えると、四国外調査体持たなそう・・・(ネタバレするともっと傷つける予定です。)
次回からはみんなとの絡みが増えるかも?