巨神絶唱シンフォギアGR   作:あーくこさいん

1 / 7
『GR-GIANT ROBO-』の二次創作小説を書こうと思い、考えた結果『戦姫絶唱シンフォギア』とのクロスオーバー作品として投稿します。

読んでくれると嬉しいです。


Qubit:0 巨神(1)

ここはシンガポール。

東南アジアにおける経済と観光の要所。

そんなシンガポールが今………

 

()()()()()

 

東南アジア有数の観光地が見るも無惨に破壊され、かの有名なマリーナ・ベイ・サンズもまた跡形も無く()()()()()した。

 

シンガポールを火の海にした張本人は近くにいた。

それは黒鉄のボディ、頭部に三日月状の角を持つ30m級の巨人…

 

所謂、巨大人型ロボットだった。

 

さらにそのロボットの右肩には人が立っていた。

破壊活動を終えたロボットは海の方を向き、そのまま潜りシンガポールを去った。

 

それから30分後、ブルネイが襲撃を受けシンガポール同様壊滅した………

 

 

 

 

 

国連直轄超常災害対策機動タスクフォース…

Squad of Nexus Guardians…通称『S.O.N.G』

 

その本部である潜水艦には司令室と言われる巨大な部屋があった。

そこにはいくつものモニターが存在し、同じ制服を着た職員達がコンソールを弄りながらモニターを見ている。

中には白衣を着た少女もいたが、司令室の真ん中に赤いシャツを着た見るからに屈強で勇ましい雰囲気の男性とその男性の近くにいる六人の少女。

 

立花響(たちばなひびき)

風鳴翼(かざなりつばさ)

雪音(ゆきね)クリス

マリア・カデンツァヴナ・イヴ

月読調(つくよみしらべ)

暁切歌(あかつききりか)

 

国連直轄の組織に少女がいるのは疑問だが、少女達の前に立っていた屈強な男性…『風鳴弦十郎(かざなりげんじゅうろう)』が口を開く。

 

「皆よく集まってくれた。早速だが本題に入る。」

 

彼はS.O.N.Gの司令官である。

彼から放たれる威厳は只者ではないが、少女達は真っ直ぐな眼差しで向き合っていた。

 

次の瞬間、部屋の上に設置されていた巨大なモニターに画像が映し出された。

そこにはーーー

 

 

 

 

 

30m以上の大きさを誇り、黒鉄のボディに頭部の三日月状の角、さらに口から高出力のビームを放ち都市を焼き尽くすロボットだった。

 

『……っ』

 

その画像を見た瞬間、少女達の表情が真剣な物になった。

 

「司令、これは一体……?」

 

青髪ポニーテールの凛々しい雰囲気を出す少女…翼が弦十郎に疑問をぶつける。

少女達は皆同じ疑問を持っていた。

 

「皆もテレビで見ただろう。シンガポールとブルネイが正体不明の兵器によって壊滅した事を。これがその正体だ。」

 

「これって、聖遺物なのかしら…?」

 

次にピンク色の髪を猫耳のように纏めた女性…マリアが疑問を投げ掛ける。

 

聖遺物とは異端技術(ブラックアート)によって産み出された存在であり、世界各地の神話や伝承に登場する武器やアイテムの名を冠している様に強大な力を有している。

だが、その殆どが長い年月の果てに朽ち果て機能を停止している。

そこで歌に込められた力…フォニックゲインによって聖遺物を再び起動させる。

 

それはさておき、マリアの疑問に白衣を着た金髪の三つ編みの少女が答えた。

 

「現段階ではまだ不明です。このロボットについて分かっている事はまだ殆どありませんので…」

 

彼女の名は『エルフナイン』

とある過去の事件をきっかけに、現在はS.O.N.Gに所属する錬金術師である。

 

「だが、一つだけはっきりしている事がある。都市を破壊するのもそうだが、このロボットを“操る”奴がいるという事だ。」

 

『………っ⁉︎』

 

弦十郎から発せられた事実により一同は更なる緊張感に包まれる。

このロボットを操る…

それはパヴァリア光明結社の様な黒幕がいるという事に他ならないからだ。

 

「操るって…このロボットを保有する組織がいるって事か⁉︎」

 

襟足の左右を長く伸ばしおさげの銀髪の少女…クリスが質問する。

クリスの質問にエルフナインが答える。

 

「根拠は2つあります。1つはこのロボットが発している通信波は軍用の物を流用しているのと、もう1つの根拠は…」

 

そう言うとモニターの画像を解析する。

画像がより鮮明になり、そこには…

 

『………っ⁉︎』

 

ロボットの右肩に人影らしきものがあった。

これでも驚くに値する事実だが、エルフナインは映像を出す。

ロボットの右肩に立っている人物がビルの方向に指を指すと、そのロボットが右腕を指差す方向に出し右腕部のバーニアを噴かしながら射出、まさに“ロケットパンチ”でビル群を破壊している様子が映し出されていた。

 

明らかに右肩に立っている人物がそのロボットを操っているのは明白だった。

 

「…この映像から見て分かる通りロボットの操縦士だけで無く、操縦士に指示を出す人、そのロボットを輸送する部隊、そしてそれらを秘密裏に収容する施設…この事から組織の規模はパヴァリア光明結社と同等だと推測出来ます。」

 

エルフナインの推測に皆押し黙る。

敵の規模から見てパヴァリア光明結社と同等…それは彼女達にとって戦わなければならない()()()()となりゆる存在故に…

 

沈黙する彼女達に弦十郎は再び言葉をかける。

 

「現在、自衛隊や米軍、中国軍がこのロボットを捜索しているが未だに見つかっていない。またロボットが現れ、都市や人々に危害を加えるやもしれぬ。そうなれば、お前達にはまたしても戦場に立つ時が来るかもしれない。故に…」

 

その時、警報音が猛々しく鳴り響いた。

 

「何事だ⁉︎」

 

「たった今香港に先程のロボットが出現!破壊活動を行なっているとの事‼︎」

 

「何だと⁉︎」

 

「映像出します!」

 

オペレーターの友里あおいが映像を切り替えると、そこには香港の街を口から放つビームで焼き払う様子が映し出されていた。

ビル群がバターの様に溶け、都市全体が焼き尽くされる事態に少女達は絶句した。

 

「酷い…」

 

あまりの凄惨さに襟足が広がった茶髪のボブカットの少女…響が呟く。

皆唖然となるが、弦十郎は我に帰る。

 

「…どうやら恐れていた事態が起こったみたいだ、総員出撃せよ‼︎」

 

『了解(デース)!』

 

弦十郎の命に応えるべく少女達は一斉に息を合わせて声を上げた。

そう、この少女達は()()()()()()のだ………

 

 

 

 

 

場面変わって香港…

ここもシンガポールやブルネイ同様、未知のロボットによって蹂躙されていた。

都市全体が焼け野原となりロボットが歩き出す。

もちろん中国軍も黙って見ている訳にはいかない。

 

バババババババババ‼︎

 

中国軍の戦闘ヘリ部隊がロボットの周りを包囲し、一斉に対戦車ミサイルやロケット弾を発射する。

数秒後、戦闘ヘリからの攻撃はすべて命中した。

 

だが、ロボットに損傷は無かった。

ロボットは両目を見開き口のマスク部が展開・開口し『ヘキサ・クォーク・キャノン』と呼ばれる高出力のビームを放つ。

ビームは戦闘ヘリ部隊を一撃で薙ぎ払い、全滅した。

 

次に海上に展開している中華人民解放海軍の駆逐艦3隻が艦砲やミサイルにて攻撃する。

いずれも命中するが効果はない。

 

するとロボットの右肩に立っている人が艦艇の方を指差す。

ロボットは右腕を指差した方角に向けると右腕からバーニアが展開され轟音と共に『反物質・フィールド・ロケットパンチ』が射出される。

射出され一直線に飛んでくるパンチに海軍の艦艇は機関砲などで迎撃を試みるが、撃墜する事は叶わずロケットパンチは3隻とも命中し轟沈した。

彼らは負けじと戦闘ヘリにて攻撃を継続するが、ロケットパンチを射出した右腕には巨大な刃物…『反物質・フィールド・ロケットパンチ・カッター』が展開し、その刃物を薙ぎ払う様に動かす事で斬撃波を放ち他の戦闘ヘリ部隊を全滅に追いやった。

通常兵器で倒せないと悟った中国軍はある作戦を実行する。

直後、2機の戦闘攻撃機がロボット上空に展開し、計2発の爆弾を投下する。

無論ただの爆弾では無い。

その2発の爆弾がロボットに命中した瞬間、ロボットはともかく都市を包み込む爆発が起こった。

 

そう、先程投下したのは『燃料気化爆弾』でありその威力は戦術核に匹敵する程だ。

中国軍上層部は勝利を確信する。

戦術核に匹敵する爆弾を喰らっては一溜りもあるまいと…

 

その時だった。

突如爆心地からビームが打ち出され、離脱しようとした戦闘攻撃機2機を撃墜した。

やがて爆煙が晴れると、そこには傷一つついてないロボットの姿があった。

そう、戦術核に匹敵する燃料気化爆弾の直撃にも耐えたのだ。

 

このロボットには防護フィールドが張っているのか右肩に立っている人も無傷だった。

燃料気化爆弾での爆撃ですら耐えてしまうロボットになす術はない。

 

すると何やら歌が聞こえてくる。

この地獄絵図に似合わない程綺麗な歌声にロボットの操縦手(オペレーター)は何かの気配を察知する。

 

「…おいでなすったか。」

 

男がそう呟くと、ロボットは両腕を構えた。

次の瞬間…

 

光を纏いながら()()がロボットに殴り込みをかけた。

ロボットは両腕で防御し事なきを得たが、すかさず胸部に重い一撃を浴びせロボットをのけぞらせた。

さらにロボットの上空から赤い矢が大量に降ってきた。

ロボットに矢は効かなかったが、オペレーターは回避する為右肩から降り着地した。

男が着地するとロボットを強襲した戦士達が男の近くに着地する。

 

そこにいたのは“響”と“クリス”だった。

だが、その姿は先程とは変わっていた。

 

体にぴったり合ったインナーに脚や腕に装甲、頭部にはヘッドホンを思わせるギアを身に付けている。

響のは黄色とオレンジを主体とし、クリスのは赤のインナーに両手にはクロスボウを構えている。

 

この2人以外にも続々と着地し、最終的に6人の少女が同様のインナーと装甲を纏っていた。

 

彼女達が纏っているのは『シンフォギア』

 

聖遺物を核とし、フォニックゲインによって稼働する特殊兵装である。

それぞれ、

 

響…『ガングニール』

翼…『天羽々斬(あめのはばきり)

クリス…『イチイバル』

マリア…『アガートラーム』

調…『シュルシャガナ』

切歌…『イガリマ』

 

の聖遺物を核としている。

 

着地した彼女達は男の方を見る。

ツーブロックに金髪碧眼といった顔立ちにラフな格好をしている。

 

「アンタらが“装者”って奴かい?」

 

男が飄々とした態度で聞いてくる。

 

「テメェか、あのロボットを操っているのは‼︎」

 

男の質問にクリスが怒りを露わにしながら食って掛かる。

他の装者達もクリスと同じ感情だった。

 

「おっと、自己紹介が遅れたな…俺の名は『ダブリン』、俺の相棒『GR-2』の操縦手(オペレーター)さ。」

 

男はそう名乗る。

 

「なんで…なんでこんな事するの⁉︎」

 

続いては響が質問する。

 

「なんでか?そんなの簡単だ…海を綺麗にする為だよ。」

 

彼の答えに少女達は困惑を深める。

海洋保全の為に都市を破壊する理由が分からないからだ。

 

「何を言って…」

 

「俺は海が好きだ。俺の唯一の楽しみは綺麗な海で泳ぎ、景色を堪能する事…それ故に俺が嫌いなのが(おか)の連中さ。」

 

最初は楽しげに話していた彼だったが、途中から怒りを露わにする。

 

「連中は海は無限にあると思っている、故にいくら海を汚しても平気だと勘違いしている!確かに海は広大だが無限にある訳じゃねぇ、それを理解しない馬鹿が多すぎる!」

 

『………』

 

「まぁ連中も好きで海を汚してる訳じゃねぇ…だかな、人間って奴はその気が無くても海を汚してしまう…そんな生き物だ。」

 

「…それとこれに何の関係が?」

 

今度は調が質問する。

 

「最初は海洋保全活動で現状を変えようとした。だが、俺一人の力ではどうする事も出来ねぇ…だがある時、()()の仲介でGR-2に出会ってから俺はある事を思い付いた。GR-2を用いて海に近い都市などを破壊すれば人口を減らせるし海の近くに住む奴らは恐れ慄いて内陸部へと逃げる…そうすれば海の美しさは保たれ汚染も自浄作用によって自ずと綺麗になる。そしてGR-2と俺が抑止力として存在すれば、もう誰も海に近づこうなんて考えは抱かなくなる…そういう事だ。」

 

彼女達は言葉を失う。

あまりにもぶっ飛んだ考えに理解が追いつかない。

するとマリアが口を開く。

 

「ふざけないで!貴方のせいでどれだけの人が犠牲になったと思ってるの!」

 

マリアがそう抗議するが、彼は反論する。

 

「何を言うのかと思えば…小せぇんだよ。」

 

『⁉︎』

 

彼が放った言葉に皆絶句する。

 

「なんだと…!」

 

「俺の目的は海を綺麗にすると言ったはずだ。海に汚れを垂れ流す人間が減ればそれだけ海の美しさは保たれる。そうすれば俺の“海洋保全計画”も進めやすくなるっつーワケだ。」

 

「…自然が大切なのは理解出来る、だけど他に方法があった筈よ!」

 

「だから小せぇって言ってんだよ。特にマリア、アンタそれでもテロリストだった女か?」

 

「っ!」

 

マリアはルナアタックの影響によって起こる惨劇から人類を出来る限り救済するべく武装組織『フィーネ』の首領として世界に宣戦布告した過去があった。

彼は続け様に言い放つ。

 

「手段にこだわる様な奴じゃ大海原は守れねぇさ!」

 

彼女達は絶句する。

海洋保全の為に大多数の人々を犠牲にし、あまつさえそれを『小さい』と一蹴する彼の態度に…

 

「……るな。」

 

「あ?」

 

「ふざけるな‼︎」

 

皆言葉を失う中、口を開いたのは翼だった。

 

「小さいだと…海の環境の事しか目を向けず他人を犠牲にする事を“小さな事”で片付ける貴様の矮小な心で守れる海なんて無い‼︎」

 

翼はそう批判し、刀型のアームドギアを構える。

彼女達も同じ心境だった様だ。

次々とアームドギアを構える。

 

「…そうかい、なら……」

 

彼はポケットから禍々しい色合いの杭を取り出す。

そしてその杭を…

 

「海の藻屑となってもらう。」

 

()()()()()()()()()()()

突然の事で装者達が呆気に取られる中、禍々しいオーラが彼の身体を包む。

彼女達はこの光景に見覚えがあった。

 

それは本部内のモニターを見ていたエルフナインが一番分かってた。

 

「そんな…あれはイグナイトモジュール⁉︎」

 

イグナイトモジュール…それは聖遺物『ダインスレイフ』の特性である“心の闇を増幅する作用”により意図的に暴走状態にし、装者の強い心と英知で制御する追加搭載決戦ブースターである。

 

そのブースターは剣状に変化したマイクユニットが胸に突き刺さるという点でダブリンの纏うシンフォギアと一致していた。

 

「アウフヴァヘン波形を探知!未確認の反応です!」

 

「解析急げ!」

 

「波形照合終わりました!出ます!」

 

そう言ってモニターに表示されたのは…

 

【Trident】

 

「トライデントだと⁉︎」

 

トライデント…ギリシャ神話の海神ポセイドンが持つ三又の矛の名を冠した聖遺物である。

 

周りが騒然とする中、ダブリンの姿が露わとなる。

 

頭部に三又の槍の刃先を模した冠を被り、両腕・両脚・腰部に黒色の装甲を纏い青を基調としたインナーを装備した姿だ。

まさにシンフォギアだ。

ただ、彼の髪は青色に変化し目の色は黒、瞳の色は青とシンフォギア装者には無い変化をしている。

 

「あれって…」

 

「イグナイトモジュール⁉︎」

 

彼女達がそう驚く中、彼のアームドギアが生成される。

身の丈に匹敵する長い柄に錨状の刃を持つギアだ。

彼はそれを大きく振り回して刃先を向ける。

 

「さぁ、大暴れの時間だ‼︎行くぞ、GR-2‼︎」

 

ゴガアアア‼︎

 

彼の掛け声と共にGR-2が雄叫びを上げながら装者に向かって突進する。

彼女達も応戦する。

ダブリンの相手は翼、マリア、切歌が、GR-2の相手は響、クリス、調がする事になった。

 

GR-2が装者目掛けてパンチを繰り出すが装者達は避ける。

響がロボットの顔目掛けて重い一撃を繰り出し仰け反らせた。

その隙を見逃さず、クリスと調は攻撃を仕掛ける。

 

ーーー『MEGA DETH PARTY』

 

ーーー『γ式卍火車』

 

クリスは多数の小型ミサイル、調は2枚の巨大鋸をGR-2に向けて発射する。

多数の小型ミサイルはモロに受けたが、2枚の巨大鋸は両腕で防ぎ切る。

その隙に響はGR-2の胸部に右腕のギアを変形して強烈なパンチを叩き込む。

その一撃でバランスを崩し、転倒する。

 

「吹っ飛びやがれ‼︎」

 

ーーー『MEGA DETH INFINITY』

 

クリスは大型ミサイルと小型ミサイルを一斉発射し、すべて転倒しているGR-2に命中する。

激しい爆発が起こり辺り一面が煙に撒かれる。

やがて煙が晴れると…

 

「…なッ⁉︎」

 

「嘘…」

 

「そんな…⁉︎」

 

()()()()()起き上がるGR-2がいた。

装者の攻撃をものともしないGRに驚愕する彼女達だが、GR-2はクリスを見つけるとマスク部を開く。

すると、口内からエネルギーが貯められ輝きを増す。

 

「まずッ…!」

 

何が起こるか直感で理解したクリスは急いで回避する。

エネルギーチャージが終わり目を見開くと、GR-2の口内から大出力ビーム砲『ヘキサ・クォーク・キャノン』が放たれる。

 

クリスはビームが当たる前に間一髪で避けるものの、放たれたビームは一瞬にしてビル群を文字通り()()()、焼き尽くす。

ビームが照射され終わるとそこには、ビル群は愚か地面諸共抉り取られた地獄絵図が広がっていた。

 

「ウッソだろ、オイ…!」

 

クリスはGR-2の力に戦慄する。

その間に調は再び『γ式卍火車』を放つが、頭部の三日月型の突起物『グラビトン・エッジ・カッター』を発射し巨大鋸を粉砕する。

調が驚きつつも回避し、発射されたカッターは数棟の半壊したビルを切断した。

 

このようにGR-2との戦いは拮抗しているが、ダブリンとの戦いも激しさを増していた。

 

「そ〜らよっ‼︎」

 

「くっ…」

 

ダブリンのアームドギアが振り下ろされ、翼は紙一重で避ける。

彼のアームドギアは重量でもって敵を粉砕するタイプであり、当たれば致命傷は避けられない。

その間にマリアは蛇腹剣で彼のアームドギアを巻き付け動きを封じた。

するとダブリンの右腕の装甲が変化しリング状に展開、回転しながら青いエネルギーが集約すると…

 

ーーー『龍河鞭攻(フラッドストラップ)

 

リングから激流状の鞭が出現しマリアを縛り付ける。

 

「くっ⁉︎」

 

「マリア⁉︎」

 

マリアは振り解こうとするがびくともせず、彼が右手を振り上げると彼女も浮き上がる。

そのまま振り下ろすと思いっきり地面に叩きつけられ、マリアはダメージを受ける。

次に切歌が仕掛ける。

 

「くらうデス!」

 

ーーー『切・呪リeッTぉ』

 

切歌はアームドギアの刃を3枚に分裂させ、その刃をブーメランの様に飛ばした。

だがダブリンはアームドギアを振り回して防ぎ切り、その刃先から水の球弾を発射する。

放たれた球弾は切歌に命中、そのまま身動きを封じた。

 

ーーー『龍河苦玉(トラジェディーオブザボール)

 

彼は追撃に出る。

彼の周りに水が大量に出て、10本の槍を形成する。

 

ーーー『噴龍水槍(アクアジャベリン)

 

彼が切歌の方を指差すと槍は次々と飛んでいく。

 

「串刺しになっちまいな!」

 

このままだと切歌が危ない。

だが彼女は肩部プロテクターからバーニアを噴射、コマのように高速回転して拘束から逃れる。

 

ーーー『災輪・TぃN禍ぁBェル』

 

高速回転しながらアームドギアで飛んできた槍を切断する。

そのままの勢いでダブリンに迫るが、彼のアームドギアで防ぐ。

その間に翼とマリアが彼の背後を攻撃しようとするが、突如として背後から水の渦が舞い上がりやがてダブリンと瓜二つの形を形成する。

 

ーーー『二重海神(ドッペルダゴン)

 

分身は翼とマリアを同時に相手取る。

分身でもダブリン本人と同じ技を発動する事が出来る為、装者達は苦戦していた。

 

 

 

 

 

GR-2とダブリンとの戦いを本部内のモニターで見ていた。

 

「何なのだ、あれは…」

 

「分かりません、あんなシンフォギア見た事ない…」

 

弦十郎を始めとする人達は装者と渡り合える力を持つGR-2とダブリンと呼ばれる装者に皆驚愕していた。

するとレーダーが何かを探知し、オペレーターの友里あおいが叫ぶ。

 

「司令、レーダーより機影を探知!」

 

「中国軍か⁉︎」

 

「いえ、識別装置に反応ありません!このルートだとまもなく戦闘区域に到達します!」

 

「何が起きているんだ…?」

 

突然の報告に困惑を極める。

 

 

 

 

 

一方、装者達と戦闘を繰り広げていたダブリンはこの区域に接近する機体に気付き、さらに()()()()()()()も受け取った。

彼は攻撃を中断しGR-2の右肩に飛び乗る。

 

「悪いな、今回はここまでだ。続きはまたの機会にしよう!」

 

「待て!」

 

「逃げれると思ってんのか!」

 

「ああ、()()()()()。」

 

彼は不敵な笑みを浮かべる。

装者達が警戒していると、向こうから何かが接近してきた。

その全容が明らかになると、彼女達は驚愕する。

 

その機体はアメリカ軍のステルス爆撃機を彷彿とさせる形状をしているが機体下部にGRを収容出来る巨大格納庫を備え、全幅が150mと尋常じゃない程の巨人機である。

その巨体に圧倒された装者達だったが巨大格納庫のハッチが開く。

ハッチが開くと巨人機は速度を落として接近する。

そのまま通り過ぎるタイミングで、ハッチから紫色のビームが放たれた。

ビームはGR-2に命中し、なんとGR-2が宙に浮かび上がった。

そしてそのまま勢いよくハッチに引き寄せられる。

ハッチに到達すると格納庫内のアームで固定し、ハッチが閉じる。

GR-2を収容した巨人機はエンジンを勢いよく噴かし、あっという間に戦闘区域から離脱した。

 

彼女達はGRを取り逃した事を悔しがっていたし、何よりGRを操る組織との戦いになるという事を実感した。

 

これが後に『GRO』と呼ばれる敵組織との戦いの始まりだった………




このコーナーではBFNが独自に入手したGRに関する裏情報を皆様にお届けします。

今回はGR-2のオペレーターダブリンについて。

本名はトーマス・ラヴクラフト。
海を愛し海を汚す地上の人々を極度なまでに嫌っており、海洋保全の名目で爆破テロを行う生粋の環境テロリスト。
彼の凶行で数千人のも犠牲者を出しているが、彼自身はそれを『小さな事』と片付けている事から興味のない事にはとことん無関心・無頓着な性分でしょう。

彼が纏うシンフォギアは『トライデント』
ギリシャの遺跡から発掘した聖遺物であり、追加搭載決戦ブースターであるイグナイトモジュールをシステムの根幹として組み込んだ新世代型シンフォギアとして纏っています。
従来のシンフォギアとは異なり歌を介さずともフォニックゲインを生成するという画期的な機能を搭載。
一体どういう仕組みなんでしょうね。
アームドギアは身の丈並に長い柄に錨状の刃であり、内部に鎖を仕込んでいるので近距離でも遠距離でも充分な殺傷力を誇ります。
さらに水を操る能力を持つ猛者相手に装者達は対抗できるのでしょうか…?

さて次回は、パキスタンとインドの軍事基地を襲撃した飛行型GRことGR-3。
装者達は急行するがGRの圧倒的な力に苦戦する。
さらにそのオペレーターキエフの正体にマリアは驚愕する。

次回、『Qubit:0 巨神(2)』にご期待ください。

BFNのマックス・チャンプリンでした。

※Qubit:0『巨神』編は五つに分けて投稿します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。