あと、Qubit:0 巨神(3)は長くなったので前後編に分けます。
南米ペルーのマチュピチュ遺跡…
南米有数の世界遺産であり古代インカ帝国の痕跡を示す古代遺跡が今…一体の巨神によって蹂躙されている。
GR-3よりも太く長い頭部の一角と黄色の巨体、重厚な脚部が特徴的な巨神…GR-5だ。
GR-5の周りを戦闘ヘリ部隊が包囲する。
戦闘ヘリ部隊が次々と対戦車ミサイルを放ち命中するが、GR-5にダメージは無い。
するとGR-5の一本角から稲妻が走り、両拳を打ち付ける事で強力な電撃を放つ…『グランド・サンダー』にて展開していた戦闘ヘリ部隊を全滅させる。
すると上空の戦略爆撃機が地中貫通爆弾を多数投下し、爆弾はGR-5に殺到する。
次々と命中するが貫通するに至らず、爆発。
爆煙が収まるとそこには傷一つ付いていないGR-5が立っていた。
既に遺跡を破壊したGR-5は大きな振動を発生させ、土煙を上げながら地中へと姿を消す。
「…これが南米にて現れた新型GRです。」
エルフナインがそう説明する。
GR-2とGR-3が出現し、その対応に追われる事になったS.O.N.Gの面々は新たに出現したGR-5の映像を見ていた。
特徴をまとめると、
・全長約40m
・出現時に強力な振動を確認した事から、振動を操る特性を持つ
・武装は頭部の角から放つ電撃、脚部から放たれる超振動波
・先述の能力により、地中を液状化し掘り進む事が可能
このようにGR-2は水中戦用、GR-3は空戦用の機体なのに対し、今回現れたGR-5は地上戦用の機体である事が伺える。
次にGR-5が現れた箇所を確認する。
分析の結果、GR-5の破壊対象は古代遺跡であり、既にマチュピチュ遺跡をはじめ中南米の遺跡が破壊されていた。
「破壊対象は各オペレーターごとにバラバラ…はっきり言って組織の目的は不明だ。」
弦十郎の言う通りダブリンは沿岸都市、キエフは軍事施設、そして今回のオペレーターは古代遺跡とターゲットがバラバラであり、GRという兵器を使って何をしているのか……それが分からない。
GR-2が初めて現れてから3ヶ月が経過しており、その間にGR-2とGR-3は暴れた。
特に1ヶ月前に起きた横浜防衛戦では横浜をGR-2が、横須賀基地をGR-3が破壊の限りを尽くし、オペレーターのダブリンとキエフが装者を相手取るなど戦いは苛烈を極めた。
さらに問題は他にある。
奴らの組織についてGRを輸送できる超大型航空機の他に、同じくGRを輸送できる超大型潜水艦が確認された。
この航空機と潜水艦によって、GRを世界各地で短期間で展開できる機動力を持っている事が分かり、ますますこの組織の危険性が高まった。
組織の目的について考察している最中、警報が鳴り響く。
「メキシコの古代遺跡テオティワカンにて新型GRが出現!」
映像が映し出される。
そこには世界遺産のテオティワカン近くの地中からGR-5が現れる。
GR-5は腰部から二門のキャノン砲を展開し、砲弾を放つ。
キャノン砲によってテオティワカンのピラミッドが破壊されていく。
「遂に捕捉したか、さて……」
弦十郎は後ろを振り向く。
そこには6人の装者の他に一人の少女がいた。
黒髪ショートと後頭部に大きな白いリボンを結んだ少女の名は
特異災害対策機動部二課とS.O.N.Gの民間協力者として親友である響のサポートをしていた彼女だが、シェム・ハとの戦いにてファウストローブ『
「未来君、敵の攻勢が激しくなった今君も戦いに赴かないといけなくなったが、心の準備は?」
「大丈夫です。私も響達と一緒に戦うと決めました。」
彼女の決意に弦十郎は頷く。
一方、テオティワカン遺跡はGR-5によって壊滅的な被害を受けていた。
無論メキシコ軍も応戦したが、全く効果が無い。
メキシコ軍を退けたGR-5は両脚に内蔵された装置を起動。
するとGR-5の周囲に強力な振動波が放たれ、辺り一面を破壊する。
これこそGR-5最大の武器…『アース・クエイク』だ。
これにより地面が隆起し、遺跡付近は完膚なきまでに破壊された。
破壊活動が終わるとGR-5は辺りを見回す。
辺り一面瓦礫の山しか無く、
GR-5が帰ろうとすると、ミサイルの雨霰が降り注ぐ。
着弾するもGR-5に目立ったダメージは無い。
攻撃したクリスをはじめ装者達(未来を含む)が次々と降りてくる。
GR-5は降りてきた装者達を見下ろす。
戦闘が始まると思った矢先、上空から何かが飛んできて、上を見上げるとミサイルらしき飛翔物が6発飛んできた。
その飛翔体の弾頭部が割れると、中から人が飛び出して次々と着地する。
降りてきた連中はバイザーに黒を基調としたボディを持つ…所謂サイボーグだ。
そのサイボーグが1発あたり3体、計18体が装者達の前に現れた。
「これは…?」
「アインヘリヤル…私の兄弟達だ。」
何処からか声が聞こえ、装者達が構えるとサイボーグ達が降り立った場所の空間が歪み、そこから人が現れた。
それは緑色のベレー帽を被ったスキンヘッドの巨漢で、私服の上にミリタリーベストを装備している。
「初めまして装者諸君。私はカンザス。GR-5のオペレーターだ。」
彼はそう自己紹介する。
「GR-5…」
「GIANT ROBO…GR一体で国一つを滅ぼすといっても過言では無い、超高度先史文明の遺産にして素晴らしい兵器だ。」
「ふざけないで!それのせいでどれだけの人が犠牲になってると思ってるの⁉︎」
響が怒るが、彼にはどこ吹く風なようだ。
「そうかそうか…それは結構な事だ。GRのデモンストレーションとしては上々だな。」
「デモンストレーション…?」
「この3ヶ月ダブリンとキエフが暴れてくれたお陰で、GRの兵器としての優位性を世界に知らしめる事が出来た。今やBFNを通じてGRの力を世界中に喧伝する事に成功した!」
「…まさかその為だけにあんな真似を?」
「そうだ。そうした活動の結果、一部の人々は思うだろう…あの力が欲しい、と!無論GRは
装者達はカンザスがGRを用いて新たな火種と混乱を齎そうとしている事に戦慄する。
「…まぁ、私としては“楽しい戦い”が出来ればどうだっていいがね。」
「“楽しい戦い”だと?」
「私の両親は一軒家を構える位にはそこそこ裕福だった。そこで比較的不自由無く暮らせたが、私自身、物心ついた時から世の中のあらゆる事がつまらないと感じた。遊ぶ事も勉強も、食事や寝る事も何もかもがつまらない。そんな中、楽しいと感じたのが銃を撃つ事。」
「銃を…?」
「親父が生粋のガンマニアだったから家には様々な種類の銃火器が置かれていた。休日親父と一緒に射撃を…銃を撃つ事に対して楽しいと感じた。」
「・・・」
「だが次第に飽きた。動かない的目掛けて射撃する様な単純作業に何か物足りなさを感じた。」
カンザスから語られる昔話に困惑しながらも聞く。
「そんな思いが燻っていたある日の事、家に強盗が押し寄せ、両親が殺された。」
「っ‼︎」
「強盗の数は5人。私は自分の部屋にいた為、すぐには殺されず隠れたが見つかるのも時間の問題だった。幸いにも自分の部屋にも拳銃はあった為、反撃に出た。強盗を全員射殺するのに一晩掛かり死にかけた時もあったが、得たものがあった…生き甲斐だ。」
「…は?」
彼が発した言葉に装者達は理解が追いつかない。
「息を潜めての射撃、敵の銃撃を回避しての反撃、初めて経験した銃撃戦に私は恐怖を忘れるくらい熱中した!特に敵を射殺した時は高揚感すら覚えた!今までつまらない、退屈だと思ってた人生に唯一、心の底から楽しいと思える瞬間に出会えた‼︎銃撃戦の末、瀕死となり命乞いをしてきた最後の敵を射殺した際、実感した。闘争こそが私にとって唯一の生き甲斐である事に‼︎」
困惑する装者達を他所にカンザスは話を続ける。
「生き甲斐を見つけた私は進学はせずに陸軍へと入隊、優秀な成績を叩き出し
「…テメェ、自慢のつもりか⁉︎」
「当たり前だ。戦争におけるモチベーションは人間の持つ残虐性によって齎される。私はその本質において君達以上に純粋だ。恥を感じた事など一度たりとて無い!」
「…狂ってる!」
「なんとでも言え、それが私だ。…話を戻そう。ある日の事だ、私の元にグリーンベレー時代の上官…いや、この時既に退役してたから“元”といったところか…その人から誘われたのだ。自分が所属する組織の戦闘員になってほしい、と。そして一枚の写真を見せた。その写真にはアルゼンチン山中にて発掘されたGR-5が写ってあった。私は見たことない兵器に興味を抱き、GR-5のオペレーターとなる事を了承した。すべては私が心の底から楽しめる闘争の為にな‼︎」
そう言うとポケットから禍々しい色合いの杭を取り出し、自らの胸に突き刺す。
するとダブリン同様、禍々しいオーラが彼の身体を覆う。
オーラが晴れると彼の姿が顕になる。
頭部のベレー帽はそのままに、腕部、脚部、腰部に黒色の装甲、緑色のインナー、黒い眼に緑色の瞳と全体的な変化はダブリンのものと酷似しているが、特徴的なのは6枚の盾を背中から伸びているアームを介して装備している点である。
その姿は当世具足の草摺と袖の様だ。
変身が完了したカンザスは腰付近に装備してある盾から、2本のマチェーテ型アームドギア【
そしてサイボーグ部隊もアームドギアを装備する。
大きく分けてトンファーを装備した格闘型、右手にマチェーテ、左腕に籠手を装備した剣術型、クリスのより一回り大きいクロスボウを二丁装備し脚部のイオノクラフトで浮いている射撃型の3つで、それぞれ6体ずつである。
「さぁ、ショータイムだ‼︎」
マチェーテを装者達に向け、言い放つ。
それを合図にサイボーグ部隊が襲い掛かる。
格闘型と剣術型のサイボーグが近接戦を仕掛け、射撃型が着弾したら爆発する光の矢を放つ。
尚、GR-5は待機したままだ。
GRも一緒に戦えば楽に済ませられるが、それでは面白くないとカンザスが判断したからだ。
先手を取られたが、装者達も応戦する。
響、切歌、調が格闘型、翼とマリアが剣術型を相手取り、クリスと未来が射撃型に対して牽制射撃を行う。
格闘型はトンファーを駆使した格闘戦を展開し、響の徒手空拳、切歌と調のアームドギアからの攻撃を防ぎつつ突きや回転させての殴りつけ、長い部位を相手の方に向けて棍棒のように振り払う、長い棒の部分を持ち握り部分を相手に向けて鎌術の要領で振り払う等で応戦する。
しかも装者一人につき格闘型二体がかりで襲い掛かっている為、響、切歌、調は防戦一方である。
そんな中、響と戦っていた格闘型が彼女の腹部に強烈な蹴り…俗に言う“トンファーキック”を浴びせ大きく吹っ飛ばす。
吹っ飛ばされた響だが、素早く体制を整え着地する。
そのまま両脚のパワージャッキを起動し地面を蹴り砕き、その勢いのままサイボーグを殴り飛ばす。
そのサイボーグは防御の構えを取っていたが、勢いを殺せずそのままぶっ飛ばされ、静観していたカンザスに激突しそうになる。
だが彼は2枚の盾を前方に展開し構える。
意図を察したサイボーグは空中で体制を整え、そのまま垂直で盾に着地する。
すると、着地した瞬間盾が爆発しサイボーグはまたしても吹っ飛ばされるが、その時生じた爆風を利用して加速、響に向けて縦に一回転してからのキックを浴びせようとする。
幸いにも響はすんでのところで回避し、サイボーグはそのまま通り過ぎる…かと思われたが、予想外の行動に出る。
なんと脚部のパワージャッキを起動、そこから発生させた衝撃波で空気を蹴り込み響に猛追、その勢いのまま蹴りを浴びせる。
予想外の行動に対応が遅れ、蹴りを受けてしまい地面に激突する。
「「響さん‼︎」」
追撃に入るサイボーグだったが、調と切歌が丸鋸や刃を飛ばして牽制する。
その間に響は体制を立て直すが…
「今のは…!」
先程のサイボーグの攻撃に彼女自身見覚えがあった。
脚部のパワージャッキにそれを利用した技“インパクトハイク”…
格闘型サイボーグのトンファー以外のギア構造と戦い方が明らかに響に酷似していた。
その頃、剣術型サイボーグを相手していた翼とマリアは…
「はぁ‼︎」
ーーー『千の落涙』
「たぁ‼︎」
ーーー『SILVER GOSPEL』
翼は空から大量の剣を出現させての攻撃、マリアは蛇腹剣を新体操の様な動きでサイボーグ達の攻撃を捌きながらの反撃で善戦していた。
剣術型といってもマチェーテを大振りに振っている為、繊細な剣捌きが出来ず日本刀を扱う翼と短剣(蛇腹剣)を扱うマリアの剣捌きに対応出来ない。
そんな中、翼の『千の落涙』の回避の為に距離を取った三体のサイボーグに動きがある。
一箇所に集まったかと思えば、脚部のバーニアを起動。
ホバー走行をしながら彼女目掛けて突進する。
さらにその三体は一列に並び、スピードを緩めず突き進む。
その様子を本部内のモニターで見ていたオペレーターの藤尭朔也が反応する。
「こ、これは!複数人が直線的に並ぶ事で、相手の視覚認識に誤りを起こさせ、連携して攻撃を仕掛ける!かのジェットストリーム…」
「気を付けて下さい!相手は直線に並んで来ます!」
解説しようとした藤尭朔也であったが、同じオペレーターの友里あおいに遮られる…
それはさて置き、一列に並びながら襲い掛かるサイボーグ達を前に翼は刀を構え迎撃の準備をする。
猛スピードで迫ってる中、先頭のサイボーグに動きがあった。
先頭のサイボーグが左腕を突き出すと、籠手がガトリング砲に変形し発射する。
翼は巧みな剣捌きで弾丸を斬り伏せるがサイボーグ達はさらに加速し、マチェーテの刀身を展開してプラズマの刃を出す。
そして先頭のサイボーグが横薙ぎで斬りつけようとしたその時…
翼はマチェーテが当たる寸前にジャンプし、そのまま先頭のサイボーグを踏み台にして高く飛ぶ。
次の列にいたサイボーグが飛び斬りかかろうとするが、翼は強烈なキックをお見舞いする。
その結果サイボーグは悶絶し失速、そのまま落ちてしまうが、落下しながら左腕のガトリング砲を連射し継続的にダメージを与える。
最後の列にいたサイボーグが前のサイボーグを踏み台にして飛び上がり、踏み台にしたサイボーグのガトリング砲で怯んでいる翼に斬りかかる。
プラズマの刃を展開し、縦一文字斬りしようとする。
それに対して翼はアームドギアを大型化し、振るうことで青いエネルギー刃を纏いながら斬り掛かる。
ーーー『蒼ノ一閃』
プラズマ刃と青いエネルギー刃がせめぎ合い、激しい火花が飛び散る。
数秒後、互いに弾かれ距離を取る。
その間に他二名のサイボーグも体制を立て直し、対峙する。
一方、マリアと戦っていたサイボーグにも動きがある。
マチェーテでは分が悪いと判断した3体のサイボーグは、マチェーテを腰部アタッチメントに納刀、左腕の籠手から電磁鞭を引き抜く。
脚部バーニアで加速してマリアを取り囲み、三体同時にマリアに向けて電磁鞭を振るう。
マリアは次々と向けられる電磁鞭を捌きながらも、遂には身体に巻き付けられ身動きが取れなくなる。
すると鞭の柄から強力な電撃が放たれ、マリアの身体に巻き付いた電磁鞭伝って感電する。
「あああああああッ‼︎」
電撃をもろに浴びたマリアは感電し悶絶する。
「マリア!」
翼は慌てて救援に向かおうとするが、もう三体のサイボーグが執拗に攻撃し、彼女を妨害する。
その間にもマリアに電撃が浴びせ続けられている。
だが、タダでやられる程甘くは無い。
電撃を浴びながら、力を振り絞り左腕の籠手から小太刀を引き抜き周囲に展開、それらを広範囲に放出し三体同時にダメージを与える。
ーーー『INFINITE CRIME』
マリアの反撃により拘束が解かれ怯んでる隙に、アームドギアを左腕の籠手に接続し大剣状に変形させ、腰部のブースターで突撃しつつすれ違い様にサイボーグの一体を斬り裂く。
ーーー『SERE NADE』
斬られたサイボーグから火花が飛び散り、動かなくなってしまった。
サイボーグの一体を撃破したマリアだが、嫌な予感がし後ろを振り向く。
そこにはなんと残り二体のサイボーグが籠手を砲身に変形させ、エネルギーをチャージし今まさに放とうとしていた。
そしてそのまま二本のビームが放たれる。
マリアは間一髪のところでジャンプし回避に成功するが、動けないサイボーグはそのまま二本のビームが命中し、消し炭になった。
味方をも巻き込む攻撃を躊躇なく行うサイボーグ達に戦慄しながらも、彼女は籠手から複数の短剣を周囲に展開、回転させて竜巻を発生させる。
竜巻を纏ったマリアはそのまま突っ込み、二体のサイボーグを吹き飛ばす。
ーーー『TORNADO IMPACT』
剣術型サイボーグに対し善戦している翼とマリアだが、相対しているサイボーグのギア構成や武装が自分達と酷似している事を確信する。
そして射撃型を相手取っているクリスと未来は…
「おらおらおらおらーーーッ‼︎」
「当たって!」
ーーー『MEGA DETH PARTY』
クリスはガトリングと小型ミサイル、未来は円形状のビットから放たれるビームを放つが、射撃型サイボーグは脚部のイオノクラフトによる高い機動力によってビームを回避される。
ミサイル等の誘導兵器が彼らに喰らいつくが、クロスボウが変形しそこから多数のエネルギー矢を散弾の如く放ち、ミサイルをすべて撃ち落とした。
お返しとばかりにクロスボウを大口径三銃身ガトリング砲に変形させた上に両肩のアーマーが上下に開くと、彼らは一斉に放ち弾丸とミサイルの雨霰を二人にお見舞いする。
クリスと未来はガトリングとビームで迎撃しながら回避する。
「クリス、大丈夫?」
「ああ、なんとか……っていうか、アイツらのギア完全にあたしのパクリだろ!」
クリスが言う通り、射撃型サイボーグのアームドギアといい兵装といい、明らかにクリスの技に酷似していた。
さらに脚部のギア構造も未来が以前身に纏っていた神獣鏡のシンフォギアにそっくりである。
そんな中、カンザスは装者達の戦いぶりに感心していた。
「ほう…約三倍の戦力差でここまでやるとは、幾多の敵と対峙しその都度葬ってきただけの事はある。…いやはや感心感心。」
「あなたに褒められても嬉しくなんか無い…!」
「だからこそ戦い甲斐があるのだ…!」
そう言って獰猛な笑みを浮かべたカンザスは両脚部のホバーを起動し、彼も戦闘に加わる。
未来に狙いを定めたカンザスは、ホバーによる高速移動で一気に接近する。
急接近してきたカンザスに対し未来は鞭で応戦するものの、一対の大型マチェーテによる猛攻で未来は防戦一方になる。
クリスが援護に向かうとするも、射撃型サイボーグの妨害によって阻まれる。
そうしている間にカンザスは背中から伸びているアームを起動し、盾を鈍器の如く振り回す。
盾が未来に接触した瞬間…
ドゴォォォ‼︎
大きな爆発が起き未来は吹っ飛ばされる。
3対6枚の盾はすべて
「未来ぅ‼︎」
未来の親友である響が叫ぶ。
吹っ飛ばされ体勢が崩れた隙に、一体の射撃型サイボーグがクロスボウを未来に向ける。
するとクロスボウがYの字状に変形し、そこから青いレーザーで繋がった三つの弾丸もといアンカーが発射され、合計六発のアンカーが未来に向かう。
爆発の影響で身動きが取れない未来に命中する直前に、レーザー状のワイヤーが実体化、未来の身体を雁字搦めにした後アンカーが地面に突き刺さり固定、拘束されてしまう。
「う、動けない…!」
「まずは君から退場してもらう…この
次の瞬間、マチェーテのジョイントパーツを接続すると刀身が異様な程伸び、巨大な鋏となった。
そして鋏の両刃が拘束された未来に狙いを定めると、彼は鋏の取手を閉じる。
すると鋏の両刃も閉じ始め、未来を文字通り両断しようとする。
これこそカンザスの必殺技…
ーーー『
「ジ・エンドだ‼︎」
彼の言う通りこのままでは未来は巨大な鋏で両断される…
そんな最悪な事態を親友である響が許す筈も無く、全力で阻止を試みる。
「未来ぅぅぅーーー‼︎」
彼女は戦ってたサイボーグを蹴散らし、未来の元へ急行する。
他のサイボーグが響を妨害しようとするも、他の装者の援護もあって妨害を受ける事なく駆けつける。
その間にも鋏はどんどん閉じられていくが、閉じ切る前に未来の元に辿り着く事に成功する。
そして…
ガァァン‼︎
「…ん?」
何か硬い金属に当たった様な音がしたと同時に鋏が閉じなくなった。
再び閉じようと力を込めてもうんともすんとも言わない。
彼が二人の方を見ると、響の姿が変わっていた。
以前の外殻プロテクターが無くなった代わりに花を模した意匠のデザインのスーツになり、響の周りには黄金のバリアフィールドが展開され
この姿はサンジェルマン達が遺したラピス・フィロソフィカスのエネルギーがシンフォギアと融け合う事で誕生した決戦機能…アマルガムである。
その第一形態【コクーン】は防御特化の形態であり、攻撃力・機動力が大きく落ちた代わりに黄金のバリアフィールドで防御力を底上げしている。
やがて鋏の両刃にヒビが入り、砕け散った。
「
カンザスは次の策を用意していた。
六体全ての射撃型サイボーグがクロスボウを四つの大型ミサイルランチャーに変形させ照準を二人に向ける。
そして合計48発の大型ミサイルを一斉に放つ。
大型ミサイルの大群は如何にコクーンであっても防げるかは怪しい。
「響!」
「大丈夫ッ‼︎」
響がそう言うとバリアのエネルギーを分解、右手に花弁状のエネルギー体として再構成され、やがて花弁を全身に纏うと両肩に黄金の巨腕が現れた。
これこそ攻撃特化の第二形態【イマージュ】である。
迫り来るミサイルに響はどうするか…
すると驚くべき行動に打って出る。
次々飛んできた大型ミサイルをなんと一つずつ巨腕で掴み取り、もう片方の巨腕で抱え込む。
その方法で48発全ての大型ミサイルを両腕で掴み取る事に成功する。
ポカンとするカンザスやサイボーグ達を他所に、彼女は彼らに狙いを定めて…
「全部…お返しします‼︎」
全ての大型ミサイルをまとめて投げ返した。
大型ミサイルはそのまま彼ら目掛けて飛んでいく。
ギャグみたいな展開に呆然とするカンザス達に対し、装者達の反応は…驚きつつも納得した様子だった。
というのも、ミサイルを掴み取り投げ返す戦法はS.O.N.Gの司令官にして響の師匠でもある風鳴弦十郎が装者との模擬戦で披露した戦法で、そのことを思い出した響が実践したのだ。
無論それを即興で出来た事に(響自身も)驚いている。
それはさておき投げ返された48発の大型ミサイルは、まっすぐカンザス達に向けて飛んでいく。
このままいけばカンザス達に命中する…その時だった。
ドゴォォォン‼︎
突如として巨腕が地面を殴りつけ、そこから地面が隆起する。
隆起した地面や土埃によって大型ミサイルは破壊されたり、軌道を逸らされたりして全て爆発する。
土埃や爆煙で視界が遮られるものの、巨腕が振り払われ視界が晴れる。
そこには待機していた筈のGR-5がいた。
ミサイルが当たる直前に拳に振動エネルギーを収束させて放つ鉄拳…『ハンマー・フィスト』で地面を殴りつけ、そこから振動エネルギーで地面を隆起させミサイルを防いだ。
カンザスはというと…
「…ククク、クハハハハハハッ‼︎」
思いっきり笑っていた。
まるで待ち望んでいたかの様に歓喜していた。
「全く…君達には驚かされるよ。君達は予想の斜め上を行く!これほど楽しい戦いは初めてだ‼︎」
歓喜するカンザスに対し、装者達は気を引き締める。
戦いはまだ終わっていない。
「そんな君達に敬意を表して…全力でお相手しよう。行くぞ、GR-5。」
ゴオォォォ…‼︎
装者とカンザス達&GR-5の戦いは第二ラウンドに移った………
皆さんお久しぶり、初めましての方は初めまして、あーくこさいんです。
この度は更新が途絶えしまい申し訳ございません。
(主に就活や卒業研究などで)
ようやく『巨神絶唱シンフォギアGR』を投稿できた訳ですが、新規に小説を投稿しようと思っています。
あくまで構想段階の為投稿するかどうか、また投稿するにしてもいつになるかは未定です。
◯『GAMERA大怪獣絶唱 -Rebirth- 』
【戦姫絶唱シンフォギア】と【GAMERA-Rebirth- 】のクロスオーバー。
人を炭化させる特異災害“ノイズ”に加えて人を捕食する超常生物“怪獣”が現れる中、怪獣を駆逐する怪獣“ガメラ”が現れる。
そんなガメラに助けられた少年は装者となり、ガメラや他の装者と共に戦う………
◯『黄金髑髏絶唱シンフォギア』
【戦姫絶唱シンフォギア】と【黄金バット】のクロスオーバー。
三人目の装者として風鳴翼と天羽奏と共に戦うオリ主は、ある日謎の敵の襲撃で命を落とす。
しかし、太古の守護神“黄金バット”の依り代として復活し、宿敵にして太古の邪神である“ナゾー”との戦いに巻き込まれた………
◯『燼滅絶唱シンフォギア』
【戦姫絶唱シンフォギア】の二次創作小説。
雪音クリスの兄である雪音レイジは妹を逃す為に囮となり、謎の組織に拉致されてしまう。
その組織によって彼は聖遺物レーヴァテインと融合したサイボーグへと改造されてしまうものの、組織を裏切ろうとする科学者の手引きで施設から脱出する………
◯『ロックマンエグゼStream codeαΩ』
【ロックマンエグゼStream】の二次創作小説。
光熱斗の学校に転校生“帯広シュン”がやってきた。
地球外からのネットナビ“デューオ”の試練に熱斗達が奔走する中、“ネオ・アルカディア”を名乗る組織の刺客が現れる。
刺客を前に熱斗は苦戦するが、謎のクロスフュージョン戦士が現れて………
◯『ブルーアーカイブ(仮題)』
【ブルーアーカイブ】の二次創作小説。
学園都市キヴォトスにてシャーレの先生が殺された。
突然の訃報に生徒達は悲しみ混乱が訪れるが、それに呼応するかの様に“統一学園 グノーシス”と名乗る勢力がキヴォトス統一を掲げキヴォトス各地を侵攻し、大部分を制圧下に置く。
一方その頃、グノーシスの秘密基地にて一人の生徒が目覚め………
◯『天空の富嶽 極東大戦』
【天空の富嶽】のリメイク作品。
舞台は2035年になり、原作に登場した兵器のデザインを一新し、それに加えてオリジナルの兵器が登場する。
また、既存の小説も更新出来るようコツコツと執筆していこうと思います。