詰んでる国の王女様   作:花見月

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※今回から、R-15と残酷な描写、アンチ・ヘイトのタグをつけることにしました。
 残酷な描写が今後出てくるので、R-15と共に元々つけるつもりではあったのですが、アンチ・ヘイトのつもりはなかったんです。でも、原作キャラの状態が変わるのがアンチ・ヘイトに当たるらしいので(´・ω・`)
 
 
 
 


05

 前世? の記憶が戻ってから、本当に色々あったけれど、私は四歳になった。

 

 

 ブレインとデイバーノックを部下として迎えたり、ラキュースと友人関係になったり。

 

 あ、ちなみにデイバーノックの魔法研究所は、ブレインに与えた家の地下にある。

 元は大きな商家だったらしく、奉公人のための部屋も多く、地下に大きな倉庫があったのだ。

 前にも言ったけど、服飾品や化粧品類を開発と販売する自分の商会を持ちたいんだよね。

 その時に、この家を店として利用できたらいいなあと思って、確保していたのだ。

 

 他にもやりたいことがあるし、もっと人手が欲しいなあ。

 でも、なかなかいない。

 良さそうだと思ってもどこかの貴族の紐付きだったりして難しい。

 

 んー……どこかの商会を買収するか、一から商会を立ち上げるか。

 

 時間だけはまだあるから、動けるうちにやれることはやっておかないと。

 

 

 一応、公的な仕事(いわゆる公務)や貴族達にお披露目するのは五歳になってからだと母や乳母からは聞いている。

 だから、相変わらず公務らしい公務はなく、それなりに姫として恥ずかしくないマナーや、淑女の嗜みと言われる刺繍なんかのお勉強をして、ラキュースの家に遊びに行ったり、来てもらったり、図書館に籠もったりしてる。

 

 ああ、それで私の四歳のお祝いと称して、すでに嫁いだ腹違いの姉二人も、お祝いの品を持ってきてくれたの。

 

 レナーテお姉様*1は、フリルとレースいっぱいのフリッフリのドレスをちょっとしたデザインと色違い(ローズピンク、ペールピンク、ルビーピンク)で三着。サイズはどこで調べたのか、もう少し大きくなっても着れる大きめな物だった。

 お姉様の旦那様のペスペア侯も一緒に来ていたので、初めて会ったけど、すっごいイケメン。

 正直、バルブロお兄様より年上なのに逆に年下に見えるし、めちゃめちゃ整った凛々しい王子様顔。

 え。レナーテお姉様、実はすごい勝ち組……?

 

 サーナお姉様*2は、レナーテお姉様と合わせたのか、同じデザイナーに頼んだと思われる靴と手袋、そしてヘッドドレスのセットを同様に三点。

 残念なことに、旦那様は忙しくていらっしゃらなかった。

 

 貰ったものに文句を言うのはアレだけど、どっちも良い品だと思うし、確かに似合うんだよ?

 けど、私は青系の色が好きだから、ピンク系ばっかりなのは、正直微妙。

 これ、間違いなくレナーテお姉様の好みで選んだんだろうなっていうのがわかる。どうせサイズを調べるなら、好みもわかるだろうに。わからないなら、せめて聞いて欲しかった。貰ったからには着るけどさ……

 ごめんね、お姉様達がわざわざ持ってきてくれたのに。

 

 でもね、私は知っているんだ。

 私に贈物を持ってくるということを大義名分に登城した帰りに、父王に貰ったらしい宝飾品をたくさん持って帰ったのを。

 

 あれ、宝物庫にあったやつよね。

 国宝は流石に持っていかなかったみたいだけど、王家の資産は減る一方……本当、お父様もお父様だ。

 

 とはいえ、どうもあの二人に入れ知恵してる主犯は正妃っぽいから、あまり下手なこと言えないんだよねえ……

 もう、ほぼ実権は第二妃が握っているけど、名ばかりとはいえ、正妃は正妃。

 国母であり、女性貴族の頂点である、『王妃様』だ。

 

 正妃、実家はすでに没落しちゃってるから、第二妃みたいに強力な後ろ盾がない。

 そして、第二妃が正妃になりたがらないから、公務をほとんど押し付けられ、住まいとする宮殿さえもあまり良いとは言えない。

 いわゆるお飾りで、虐げられている可哀想な妃ってやつ。

 

 こういう状況だと、そのうち第二妃がとんでもないザマァをされそうな気がするのは、私が悪役令嬢モノの小説を前世に読みすぎたせいだろうか。

 

 正妃はこう言ってはあれだけど……太った上品なマダムと言う言葉がよく似合う人。下品さはないし、痩せれば美人なんだろうなという雰囲気がある。ただ、どうにも見た目では第二妃に劣る。

 実子の姉二人が胸が大きくて全体的に華奢っていうより肉感ある……だからといって太ってるわけじゃない。伝わるだろうか、この感じ……いわゆるグラマラス美人で、きっと気をつけないと太り易い体質なんだろうね。

 

 そういえば、ザナックお兄様って、正妃やお姉様達に似てる。特に目の部分がそっくりだ。

 あの体型とか、吊り目がちのハッキリした二重の目とか。

 

 逆にバルブロお兄様は間違いなくお父様の王家の血筋が出てる。

 性格が先代王そっくりって話したじゃない? それだけじゃなく、見た目も瓜二つ。

 王子時代の肖像画がほんとよく似てるんだ。国王になってからの肖像画は威厳の為にかアゴヒゲが生えているので、将来は是非ともバルブロお兄様もヒゲを生やしてほしい。

 

 ほんと、あの二人の遺伝子ってどうなってるんだろう。

 同腹三兄妹なのに、唯一第二妃(お母様)そっくりなのが私だけっていうのがホント不思議。

 

 

 

 

 ……あれ?

 

 ――――まさかと思うけれど、ザナックお兄様の本当の母親って正妃なのでは……?

 

 そう考えると、腑に落ちる点がいくつかある。

 

 まず、実は正妃は第二妃がザナックお兄様を妊娠していた時期に、同じく妊娠していたのだ。

 色々あって早産になり、結果は死産であったらしい。そのため、心を病んだ正妃は暫く療養の為に王城から出て、離宮にいた。

 そして、ザナックお兄様が生まれてから、少しして帰ってきた。

 

 この時期、侍従長が自殺するなんていうちょっとした事件があって、宮殿内の人事がシッチャカメッチャカになっていたんだそう。

 

 ちなみにこの侍従長自殺事件だけど、実は他殺だったみたい。私も魔法に詳しいデイバーに指摘されるまで自殺だと思っていたし。だから、オリジナルちゃんもそう思ってたらしくて、あまり詳しい事がわからない。

 

 あからさまにあやしすぎない?

 

 それでもって、正妃は第一王子のバルブロお兄様を王太子にすることは反対している。

 基本スタンスは「ザナック殿下がもう少し育ってから様子を見てはいかがですか?」というやんわりとしたものだけど、もうこのスタンスからあやしい。 

 

 

 

 もしかして、生まれた子供を入れ換えたのでは――――?

 

 

 

 そう思ったら、背筋が寒くなった。

 つまり、これって私の同腹兄は、十中八九処分されてるってことだ。

 

 

 正妃がどうして、こうしたのかは理由がわかる。

 

 

 正妃は王妃だから、その王妃に男児が生まれたら王位継承権一位はその子供になる。

 しかし、彼女の家は没落しているから、後ろ盾にならない。

 もちろん、ある程度成長後ならば、旨味を感じて後ろ盾になる貴族も出てくるだろうけど、それ以前に殺されてしまってはどうにも出来ない。

 継承権一位の正妃の子供として育つよりも、第二妃の子供として同腹の継承権二位として育てば殺されることはないし、場合によっては王位も転がり込むかもしれない。

 

 

 

 ええ……国が二つに割れて、内乱になるかもしれない本当の原因って、コレだったってこと……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
元第一王女

*2
元第二王女




※2023/02/04 個人的に色が分かりづらかったので、色名に変更
(濃ピンク、パステルピンク、赤系のピンク)

(ローズピンク、ペールピンク、ルビーピンク)
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