世界一のゴミクズに生まれた   作:Dr.凡愚

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 初めての作品投稿です。至らぬ点が多々ございますがご了承願います。


世界一のゴミクズに生まれた

 俺が生まれる前から連載してた大人気漫画。

100巻を越えてまだ続いているこの作品は、俺のオタク人生の中でもトップクラスに気に入っている作品の1つだった。

 俺は連載雑誌で最新話を追いかけつつ、単行本やアニメ等もほぼ全て購入、視聴しているためそこそこに詳しい。真のマニア達には負けるが、それなりによく知っている方だと思う。

 最近はクライマックスに向けて、今までの伏線を回収しつつ新しい話に入ったばかりで、今後どうなっていくのかが大変楽しみだったわけなのだが……

 

 

 最悪なことに俺は事故で死んだ。

 

 何が原因だったかはよく覚えてないが、多分どこかで足を滑らせて頭でも打ったんだろう。部屋はちゃんと片付けておくべきだったな。

 

 

 そんなわけで俺は死んだはずなのだが、気がつけば自分よりも遥かにデカい人間らしきものに囲まれていた。更に、なんじゃこりゃとつぶやこうとして自分が口にした音でも驚いた。

 

「あぶぶぶぁ」

 

 そう、俺は赤子になっていた。

 周りにいる人間らしきものは多分大人だろう。生まれたばかりの赤子は目も耳もほとんど機能してないと聞いた覚えがある。

 なにか騒いでいるようではあったが、よく見えないし何を話しているかも聞き取れない。俺は次第にまぶたが重くなり、一旦眠りについた。

 

 

 

 

 何日経ったかはよくわからないが、次第に目が見えるようになり言葉も聞き取れるようになってきた。だが、自分の世話をしに来るのはほとんどが死んだ顔をして、首に何かをつけている人たちだけだった。

 

 まさかなとは思っていたが、俺の想像が正しかったと確認できたのは俺の親が顔を見せたからだった。

 

 

 その日俺の顔を覗き込んだのは、独特の髪型をし、弛みきった面をしたおっさんだった。ジロジロと俺の顔を眺め、にちゃりと笑いながら俺の世話をしてくれる人たちに話しかけた。

 

「これが我が息子かえ? わちしにあまり似ておらん気がするが…まあいいえ。お前たち、息子になにかあったら犬の餌にしてやるから覚悟しておくんだえ」

 

 そう言い捨てると、俺の親らしきおっさんは重そうな体を揺らしつつ部屋を出ていった。

 そして俺は悟った。俺が生まれ変わったのは、この世界で最も地位が高く、最も嫌われている天竜人(ゴミクズ)らしいと。

 

 

 実に最悪である。大好きな作品の世界に転生できたという事実には感謝しよう。しかしながら転生先がよろしくない。何を好き好んで天竜人(ゴミクズ)なんぞに生まれなければならなかったのか。

 赤子の体ではできなかったが、できるのであれば顔を覆って叫んでいたところだ。

 

 とはいえ、この世界は前世のような優しい世界ではない。海賊が海を荒らし、政府の手の届かないところでは犯罪が横行しているような厳しい世界である。

 そんな世界で、命や生活の心配をする必要がない天竜人に生まれることができたのは、一応いいことだったと思うことにした。

 

 

 

 そんなこんなで私は3歳になった。

 

 私の親は子供にあまり興味がないらしく、年に数えるほどしか会うことはなかった。特に母親は年に一回顔を見ればいい方だった。生活や金についてはいくらでも出してくれたので、そこはやはり天竜人なんだなと納得した。ついでに言えば、私専属の奴隷以外は1年と経たずに顔ぶれが変わっていくので、やっぱり天竜人(ゴミクズ)天竜人(ゴミクズ)なんだとも再確認した。

 

 原作の何時頃なのか調べるため情報収集したところ、そろそろホーミング聖のところで第一子が生まれると聞いた。ありがたいことに本編よりも大分昔だった。

 

 

 

 

 

 

 そして私は目標を定めた。

 今の天竜人(ゴミクズ)としての金や権力をフル活用して、原作における不幸をなるべく減らす事を。

 

 

 

 

 

 

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