REDロスがこんなに響くとは……
ソルド王についていき、リスタ妃が寝ている部屋の前まで着いた。部屋の扉をノックし中に入っても大丈夫か確認すると、リスタ妃から返事が帰ってきた。
「お義父様、どうぞお入りになってください」
「あの、だなリスタ。ガルフレド聖も来ているのだが……入っていただいてもいいだろうか」
遠慮気味にソルド王が私達も入ってよいか聞く。しばらく沈黙が続いていたが、落ち着いた声で了承された。
「良い……ようだな。ソルド王、先に入ってくれ」
「は、はい」
ソルド王を先頭に、扉を開け部屋へと入る。リスタ妃は寝台の上で体を起こしており、こちらをじっと見ていた。
「元気かい? リスタ。昨日も会ったが、こちらがガルフレド聖。その後ろにいるのがゼファー中将だ」
「昨日は大変失礼をいたしました。ソムニアの王太子妃、リスタと申します。このように寝台の上からの挨拶で失礼ですがお許しくださいませ」
こちらをじっと見つめながら頭を下げられる。その姿から感じ取れるのは素直な謝罪の気持ちと、その裏に隠された恐怖。
この恐怖は昨日の事……だけでもないのか?
「昨日のことであれば気にすることはない。それに、リスタ妃は妊婦だろう。なるべく体に負担をかけんようにした方がいい。と、自己紹介を返すのが先だな。私がガルフレドである。世界貴族の末席に名を連ねてはいるが、今はそこまで堅苦しくしなくともよい」
「そうですな。この場においてはこの小僧はただの3歳児のガキだ。おっと失礼、自己紹介が遅れましたが、私はゼファーと申します」
「おいゼファー。ここでそのような態度でいいのか? 後で誤魔化せんぞ」
「いい。リスタ妃にお前が安全だと知ってもらわんといかんだろうが」
「そうか。感謝する」
自己紹介でゼファーは私に気安い態度で接してきた。これを知る者を増やしていいものかと思うが、ゼファーなりの気遣いらしい。リスタ妃に安心感を与えて話しやすくするために、わざとこのような態度をとってくれた。
「あの、失礼ですがガルフレド聖とゼファー様は仲がよろしいのですか?」
「そうだ、といえばそうだな。このような閉じた場所で、他の天竜人等に密告するような者がいない場合はこの態度でも許している」
「ガルフレド聖はあのような接し方も許してくださる。リスタ妃もそこまで怖がるようなことはないですよ」
ゼファーの行動と言葉で少しは納得できたようで、感じられる恐怖が薄れている。実際の表情もだいぶ柔らかくなり、硬かった笑顔が自然なものになってきた。
「さて、リスタ妃。体の具合の方は大丈夫だろうか」
「おかげさまで今は安定しております。お医者様も大丈夫だとおっしゃっておりましたし」
「そうか、それは良かったな。お腹の子の方はどうなのだ?」
「順調だそうです。近日中に陣痛が来ると言われております」
そう答える表情はとても優しいものだった。しかし、その表情に少し影があるように見えるのは気のせいだろうか。ソルド王やゼファーは気づいていないようだが、何か憂いのある感情が僅かながら感じ取れる。
リスタ妃の様子を見ていて、ふと思い至った。もしかすると……
思い立った事を確認したいが、それを聞くのであれば一対一で話したい。
「リスタ妃。すまないが、貴女と二人きりで話がしたい。ソルド王達に席を外してもらっても良いだろうか」
「え?」
私の問いにリスタ妃は困惑した声で聞き返してきた。
もう一度だけ、お願いをしてみる。
「貴女と二人で話がしてみたい。絶対に危害などは加えん。駄目だろうか」
「あの……」
「おい小僧。妊婦相手に無理を言うな。リスタ妃の様子も見られたんだ。そろそろお暇させてもらうぞ」
「そ、そうですな。リスタ、何かあれば控えている医者に声をかけるんだぞ」
答えをもらう前に、ゼファーに猫の子のように持ち上げられ部屋から連れ出されかける。だが、扉をくぐり閉める直前でリスタ妃が答えてくれた。
「あの、私も、ガルフレド聖とお話してみたいです」
「……いいのか?」
「はい。お父様、ゼファー様。よろしいでしょうか」
「ソルド王」
「リ、リスタがいいのであれば……」
リスタ妃の答えを、ゼファーは不承不承。ソルド王は混乱しながら受け入れ、私とリスタ妃は二人きりで部屋に残されることになった。ゼファーが出ていく際、耳元で絶対にリスタ妃に能力を使うなと釘を刺された。最初から使うつもりなどなかったが、やはり先程使ってみたことに警戒は差れているのだろう。
苦笑を浮かべつつ、寝台の側に置かれている椅子へと登り腰掛ける。そして、こちらをじっと見ているリスタ妃に向き直った。
「さ、て。何から話そうか」
「お話してみたいとは言いましたが、いざ二人きりになると何を話していいものか分からなくなってしまいますね」
「実にそのとおりだな」
いざ話すとなると二人とも何から話すか迷ってしまった。そんな相手の様子に、二人して苦笑を浮かべた。二人きりになったことでまた少し固くなった空気が緩くなる。
緩んだ空気をありがたく思いながら、リスタ妃に質問を投げかけた。
「リスタ妃。貴女は、なぜ私を怖がっているのだ?」
「え……」
「最初は、私が天竜人だからだと思っていた。だが、それとは関係なく貴女は私の何かを怖がっていた……ように感じた。違うか?」
私が一番聞きたかったのはこれだ。リスタ妃は私に対して何かしらの恐怖を抱いていた。最初は、昨日天竜人たる私に無礼を働いてしまったからだと思った。だが、よくよく思い出してみれば、昨日の時点でも私に怯えていた。その理由を問い詰めるようなことはしたくはないが、どうしても知りたかった。
どう答えていいものかと悩んでいるのだろう。しばらく黙っていたリスタ妃だが、ゆっくりと口を開いた。
「それは……その通りでございます」
「ふむ、なぜだろうか。答えにくいのであれば答えずとも良い」
「私は、昔から人の"声"を聞くことができるのです。人の心が発する"声"を聞き、人と関わってきました」
「なるほど」
「そして、昨日。ガルフレド聖がいらっしゃった時、私はガルフレド聖の"声"を聞くことができなかったのです」
「? なぜだ?」
「分かりません。今までこのようなことは無かったので……」
リスタ妃が聞いていた"声"というのはおそらく見聞色の覇気だろう。しかし、私の"声"だけが聞こえなかったというのはなぜだ?
「その、"声"が聞こえなかったというのはどのような感じで聞こえなかったのだろうか」
「どのような……。何か、壁のようなものがあって、その奥に"声"が隠れている? でしょうか」
「壁か……。それは今もか?」
「あの、昨日よりは壁が薄くなっているようですが…が」
「そうか」
心に壁。単純に考えるのであれば、他者との関わりを避けたい者は心に壁を作り、人と距離を置く。だが、私は関わりを避けているつもりはない。むしろ関わらなければ今後の行動に支障がでてしまう。
全くこのような事で他者に恐怖を与えてしまうこの身分は大嫌いだ。その身分を捨てることもできずに甘んじるしかない自分も憎たらしい。
「ガルフレド聖? 何が、嫌いで憎たらしいのですか?」
自分の中でぐるぐると思いを巡らせていると、リスタ妃に声をかけられた。
「どうかしたのか? 私は何か口にしていだろうか」
「いえ、ガルフレド聖の"声"が少し聞こえたのです。何をそんなに思いつめていらっしゃるのですか?」
「思いつめて……か。リスタ妃は先程、私の"声"に壁があると言っていたな」
「は、はい」
「私なりに考えた。なぜそんなものがあるのか、と。今の事でようやく思い至った。私の醜い内面を見せたくないからだ」
「そんな。ガルフレド聖はこの国を助けに来てくださいました。昨日は責めたてもしましたが、その事実に変わりはありません。そんな方の内面が醜いなど」
「いいや、私はゴミクズだ。私がこの国を助けに来たと言ったな。それは違う。私は私の利のためにこの国を利用しようと考えてここに来た。そして、この国の現実を知った。考えの足りんバカ小僧が偉そうなツラをして、この国を己のものにする等とのたまって、それを貴女に怒鳴りつけられた。こんな醜悪な者であるなど、誰にも知られたくはないだろう。そのせいだ。私の"声"に壁があったのは。リスタ妃のお陰で私の愚かさを再認識することができた。ありがとう」
笑いが抑えられない。蛙の子は蛙ということか。
己が、自分は違う、あんなゴミクズにはならないと嫌っていた存在と、何ら変わりのないゴミクズであると理解した。理解できてしまった。
くつくつと声を抑えるように笑っていると、急にリスタ妃に抱き寄せられた。なぜこのようなことをされたのか分からず目を白黒させていると、リスタ妃が泣きそうな声で話しかけてきた。
「そのように、自分を卑下しないでください。貴方は優しい子です。他の天竜人のような非道なモノではありません。人のことを思いやり、涙することができる貴方はゴミクズなんかじゃありません」
涙を流している? 疑問に思って手を目の下にやると、確かに涙が出ていた。
「なぜこんなものが……」
拭っても、拭っても後から涙が溢れ出す。
「止まれ……止まれ……!」
私はこんなものを流していい人間じゃない。こんなことで涙を流す権利もない
すると突然、顔をパチンと叩かれた。
それは軽いもので、ほとんど痛みを感じなかった。
しかし、突然叩かれたことに驚きつつ叩いた当人の顔を見ると、私などよりも酷い顔で泣いていた。
「あなたのような幼子が、そのようなことを思うのは止めなさい!」
リスタ妃は、顔を歪めて大粒の涙をボロボロとこぼしながら私を見ていた。叩かれた事よりも、なぜそんなに涙を流しているのか。なぜこんなゴミの為に泣いてくれるのか。
それが理解できなかった。
「リスタ妃?」
「あなたが、どのような経験をしてそのような考えに至ったかは分かりません。どうして、そこまで自分を苛むのかも分かりません。ですが、この国の為に動いてくださったことは事実です。この国の現状を憂いてくださったことは事実です。そんな優しいあなたが、自分のことをゴミなどと思わないでください。そんなに幼いのに、自分に絶望なんてしないでください」
更に大粒の涙を流しつつ、私のことを擁護してくれる。
こんな優しい言葉を受け取っていいのだろうか。
何もできないくせに。人に頼るしかできないくせに。私なんかが、一生懸命生きている他の人達と同じように笑ってもいいのだろうか。泣いてもいいのだろうか。
「泣くことに誰の許可もいらないんですよ。ここには私と貴方しかいません。お好きなだけ、泣いてくださいな」
「ウッ……ウァァァアアーッ!!」
生まれてはじめて。私は大声で泣いた。
自分でも知らないうちに、ずっと溜め込んでいた涙をすべて出し切るように。リスタ妃の胸の中で、泣き叫び続けた。
しばらくして、ようやく感情が落ち着いた。
先程までの醜態を思い出し顔が熱くなるが、リスタ妃はそんな私よりも赤くなった顔を隠しながらうつむいていた。
「リスタ妃。貴女のお陰で気分が楽になった。ありがとう」
「う、ううう……自分のことでもないのにあんなに泣いて……恥ずかしい……」
「……それは貴女が人のことを自分のように感じられるからだろう。恥ずかしがる必要はない」
「ううう……ありがとうございます」
この程度のことで感謝されるのも座りが悪い。
1度、溜め込んでいた感情を吐き出したことでスッキリできた。こんな風に感情をさらけ出すことになるとは思ってもいなかったが、改めて自分自身と向き合ういい機会になった。
「リスタ妃。いい加減に恥ずかしがるのはやめてくれ。私も何か……その……居心地が悪いというか、むず痒くなる」
「そ、そうですね。ごめんなさい」
「謝らなくてもいい。貴女のお陰で肩の力が抜けた。もちろんいい意味でだがな」
「フフッ。それは良かったです」
「それに、貴女だけじゃなく、私も恥ずかしかったのだぞ? あのように人前で泣いたのは生まれて初めてだ」
そんなことを言い合いつつ二人して笑いをこらえていたが、次第にこらえきれなくなり小さく笑い始めた。大きく口を開けて笑うほどではなかったが、何故か抑えることもできずしばらく笑い続けた。
「はあ。そこまで面白いわけでもないのになぜこんなに笑えたのだろうな」
「なぜでしょうね。でも、久しぶりにこんなに笑えました。ありがとうございますガルフレド聖」
何気ないリスタ妃の言葉が、少し寂しく感じた。
なぜだろうと首を傾げて考えてみて、ふと思い立った。
「リスタ妃。ガルでいい」
「はい?」
キョトンとした顔をするリスタ妃に、もう一度言う。
「私の呼び方だ。貴女にはガルと呼んでもらいたい」
「それは……なぜですか?」
当然の疑問だろう、突然天竜人から愛称で呼んでほしいと言われれば誰でも疑問を持つ。
「貴女と、友達になりたいからだと言ったら……笑うか?」
「友達……ですか?」
「そうだ。私には友と呼べる者が殆ど居なくてな。貴女と、友になりたいと……すまん。忘れてくれ」
話した時間は短いが、ここまで心を許せると思った相手はリスタ妃が初めてだった。だからこそ、友といった近い関係になりたいと思った。だが、急にそんなことを言われてもリスタ妃は困るだけだろう。この言葉は無かったことに――
「いいですよ」
「え……?」
「ガル。私とお友達になりましょう? そうだ。でしたら私のこともリスタと呼び捨てになさってください。その方がお友達らしいですよね」
リスタ妃の答えは、是だった。
受け入れてもらえるわけはないと思っていた。しかし、受け入れてくれた。
「ほ、本当にいいのか?」
「はい。ガルと私は今からお友達です」
「あ、ありがとうリスタ妃」
「違いますよ、リスタです」
「そうだな。ありがとう、リスタ」
「そう、それでいいのです。これからよろしくお願いしますね。ガル」
私がリスタ妃と呼ぶと少しムッとした表情で訂正を求められた。慌てて言い直すと、パッと顔をほころばせて頭を撫でてきた。子供扱いされて嬉しいような、くすぐったいような、不思議な感覚だったが、不思議と振り払おうという気にはならなかった。
「そうだ。伴になってくれた礼といっては違うような気もするが、私にしてほしいことはあるか?」
「してほしい。ですか?」
「その通りだ。私にできることであれば何でもしよう」
「むぅ……」
ふと思いついたことをリスタに聞いてみると、リスタは不機嫌な顔になって私の頬を両手で挟み込んだ。
「
「友達相手にそんなつまらないことを言わないでください。怒りますよ」
そのまま頬をぐにぐにと揉まれる。少々馬鹿なことを言った自覚もあったのでされるままにしていたが、いつまで経ってもやめる気配がない。
「
「ハッ。あ、あんまりにもさわり心地が良すぎてつい夢中になってもみ続けてしまいました。痛くなかったですか?」
「いや、別に痛くはなかったが……そんなに楽しかったか?」
「あんなに柔らかい頬は初めて触りました……もう少し触っても?」
「すまんがまた今度にしてくれ。それで、だ。先程の何でもするというのは無しにしよう。そんなのは友とは言い難いからな」
「そうですね……じゃあ、友達同士の約束にしましょう!」
いいことを思い付いたというように、リスタが手を叩いた。
「約束?」
「そう、約束です。何がいいでしょうか……」
リスタはそう言いつつ考え込み始めた。しばらく首を傾げつつ悩んでいたようだったが、ふといいことを思いついたように手を叩き言った。
「そうです! ガルはこの国を自分の所有物にすると言ってましたよね」
「あ、ああ。世間知らずのガキの世迷い言と思うかとしれんが、私の夢のために必要なことだからな」
「じゃあちょうどいいですね。この国と、これから生まれてくる私の子のことを、愛して守って欲しいです。私たちと一緒に、この国を守ってくれると約束してもらえますか?」
やけに真剣な顔で言ってくるので、少し驚いた。それでもじっと見つめてくるリスタに、しっかりと目を合わせて答える。
「その程度のことならいくらでも約束しよう。それに、この国を守るというのは私がこの国を所有物にすると決めた時点で絶対にしなければならない事だ。安心してくれ」
「ありがとう。約束ですよ」
「ああ、約束だ」
私がしっかりと約束だと答えると、リスタは安堵したように体の力を抜いた。
だが、体の力が抜けたのは安堵だけでもなさそうだ。長く話していたことへの疲れなどもあるかもしれないため、起こしていた体をゆっくりと寝台へ横たわらせた。
「ごめんなさい。少し、疲れてしまいました」
「問題ない。むしろ、長く話させてしまってすまん。腹の子のこともある。早めに休んだほうがいい」
「うーん。でもそんなに早く眠れないですよ」
「心配はいらん。いい夢が見られるようちょっとした呪いでもしよう。そのままゆっくりと目を閉じろ……”眠れ"」
私が能力を使うと、リスタはすぐに穏やかな寝息を立て始めた。ゼファーにかけたときのように夢の中に意識を移すようなことはせず、リスタが望んでいる夢が見やすいように少しだけ働きかける。寝顔が柔かくなったのを見届けてから、音をたてないようにリスタの部屋を出た。
部屋を出ると直ぐ側にゼファーが座り込んでいた。目を瞑り、腕組みをしている姿は石像のようで、誰かが見に来たとしてもすぐに引き換えしてしまうだろう。これでは、誰も私とリスタの話を邪魔することなどできなかっただろうな。
「ずっとそこで待っていたのか?」
「ああ。貴様がなにか馬鹿なことをしでかさんか見張る為にな」
「で、何か聞こえたか?」
「生憎、連日の疲労が祟ったか居眠りをしてしまってな。まともに見張りができんかったわ」
「……そうか。ならいいが、話は終わった。今日のところは船に戻らせてもらうとしよう」
ゼファーは”偶然”話を聞いていなかったらしい。
この男らしいが、目元の充血を隠せていない時点で本当はどうだったのか察することができる。どう思われたのかは分からんが、男の情けをかけられているのだろう。それに免じて、目元のことを聞くのは止めておくとする。
「さて、この部屋を離れる前に誰か呼んできてくれ。リスタ……妊婦を一人だけにしておくのは危険だからな」
「そうだな。しばらく待っていろ。すぐに呼んでくる」
ゼファーは私一人を部屋の前に置いたまま、人を呼びに行った。それほど時間をおかず、ゼファーに呼ばれたソルド王とお付きの侍女がやってきた。
「長らく待たせたが、話は終わった。リスタ妃は疲労で眠っている。ソルド王にも心配をかけただろうが、もう問題ない」
「そ、そうですか。それで、この後はどうなさいますか?」
「ゼファーと共に船に戻らせてもらうとしよう。また明日も避難民たちを見に来る。では行くぞ、ゼファー」
「ああ」
ソルド王の見送りを受けつつ、私たちは船へと戻った。他には、一部の要員を残した海兵たちと、地下から引きずり出した者たちと共に。
船に戻ってからは特に変わったこともせず、普段通りの鍛錬を行い、本日のことについて改めてゼファーから説教をうけ、就寝時間を迎えた。
私は、ちょっとした事をした後に眠りについた。