オラーシャに日はまた昇る   作:vespa MDRN

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前回のあらすじ……
未来が視えて何がいいものか。悲劇を知りながら、見過ごすことの何がいいものか。
フリーダはケンプフェルの未来を変えられなかった。いくら経験してもこの苦しみには慣れない。慣れてはいけない。何度も自身の瞳を恨もうと、能力が消えることも無ければ、目を抉ることもできない。


Ⅲ…視る者たち

 ケンプフェル軍曹が怪我を負ってから一週間が経った。彼女はあの時に頭も打ったようで未だに意識が戻っていない。命に別条はないがいつ目覚めるのか、後遺症が残らないかはわからないらしい。

 そうして僚機を失った私は夜間哨戒の任務に舞い戻ることになる。魔導針などの能力は使えないが一応ナイトウィッチという括りに入れられているからだ。一人は寂しいけど未来視で誰かが傷つくのを見ることがないから気は楽ではあるが、ネウロイと一人で戦わなければならないのは楽ではない。

 今日もまた暗黒の空を孤独に飛ぶ。視界は良好、雲一つない快晴。これならネウロイが見つけやすくていい。地上へと視線を移すと、灼けた大地が昼の戦闘の激しさを物語っている。

 

「最近は戦線が膠着しているなぁ……」

 

 7月に入り、ただでさえ崩れやすかった天候が更にその激しさを増す。今日の午前中は大雨、ネウロイの動きが鈍るから攻撃には好機なのだが、雨水で作られた泥濘は戦車の機動力も奪うのもまた事実。陸戦ウィッチもずっとシールドを貼れないだろうから守ってもやれやしない……。

 暫くすると、辺りがすこしずつ明るくなっているのを感じる。もう時間だろうし、基地に戻ろう。なんだか眠くなってきたし。帰路を辿っていると、私は地上で動く物陰を見つけた。ネウロイにしては小さいしなんだか動きが遅い。警戒しつつもう少し近づいてみるとどうやら人の様だった。こんな場所、こんな時間に何をしているのだろうか。

 

「何をしているのですか?」

 

 少し距離を置いて話しかける。

 

「見てわからない?」

 

 目を凝らすと陸戦ストライカーユニットを装備したウィッチが、人を二人も担いでいるのがはっきりと見えるようになる。もしかして昼の戦闘からずっとこうしていたのか?

 

「味方には連絡しなかったのですか?」

 

「通信機器は戦闘で全部失ったの。味方ともはぐれたし、こうするしか……」

 

 ウィッチは荒い声で喋る。どうも聞き覚えのある声なのだが誰だかさっぱり思い出せない。前方に回って顔を確認するとそのウィッチはイネッサと名乗っていた人だった。彼女も私の顔を見るなり、ハッとした表情をする。

 

「フリーダ!?」

 

「……ベレージナ准尉でしたか」

 

 一人担ぎます、そう言いかけた瞬間に耳をつんざく高音の鳴き声が響く。音の出所が分からず、辺りを見回す。だがそれらしき物体は見当たらない。空耳だった?

 

「聞きましたか?」

 

 ベレージナ准尉にそう問いかけると「勿論」と即答で返って来た。ならばどこかに潜んでいるはず、集中して怪しい場所を睨む。横たわる屍、戦車の残骸、岩陰、木々の隙間、そして上空……影も方もない。ならばと私は『未来視』を使う。だが映像が荒くひどく見えにくい。辛うじて見えるのはネウロイと戦う私達……だが敵は私を見ておらず、標的はベレージナ准尉か? 彼女とみられる人物はピストルで応戦するが、上半身をビームで消し炭にされる。

 また誰かが死ぬと言いたいのか、この能力は。そうなれば私はさしずめ死神じゃないか。けれどもたとえそうなるのが運命だとしても、私は抗わずにはいられない。私は運命など信じない。

 

「敵はどこ!?」

 

 ベレージナ准尉が担いでいた二人を岩陰に寝かせて、ピストルを手に取る。このままじゃ予知通りになってしまう。かといって彼女を先に行かせ、その後にネウロイが出てきたとしよう。もしそいつが逃げる者を標的にする性質だったら? それこそ予知通りだ。

 ならばどうすればいい。どうすれば彼女を救える。

 不意に戦車の残骸が嫌な金属音を放ちゴソゴソと蠢く。絶対にあれだ。あの中にネウロイが隠れていたのだ。私は残骸へと機関砲を向ける。戦車から昆虫に似た六本の脚を突き出して、こちらへと突進してくる。こうなればあれは敵で間違いない。私はトリガーを引いて銃弾を浴びせるが、向かってくる速度も落ちなければ怯む様子もない。戦車の装甲が邪魔をしているのだ。なんとも小賢しいネウロイだ。

 

「天板を狙って!」

 

 ベレージナ准尉が叫ぶ。そうか、ネウロイが纏う戦車はカールスラントのⅣ号戦車。あれは天板が薄く、私の20mm弾を撃ち出せる機関砲なら撃ち抜ける。私は高度を上げて天板が狙いやすい位置に着くが、未来視のことを思い出す。これだと映像通りでは? ネウロイは真っ直ぐ彼女らに向かっている。

 だったら!

 

「確実に仕留める!」

 

 私は帰りの燃料を度外視し、出力全開でネウロイへと接近する。悠長にコアを探していれば、いずれにせよ地上にいる者達は死ぬ。もしそれが彼女らの運命だとするならば、私はどうなる? 同じように死ぬか? 生き残るか? ならばその答えを今、見せろ!

 ネウロイのコアの位置は? 映像が見せたのは私がコアを破壊する様子。その位置は天板のキューポラの真下。そこにコアがあるのか!

 

「ここか!」

 

 ネウロイとの距離は2メートルもない。この超近距離射撃ならば確実に内部まで貫通する。

 銃声が聞こえた。ベレージナ准尉がピストルでネウロイを攻撃しているようだった。予知に時間が迫っている。考えている暇はない。私はキューポラへ向けて弾丸を食らわせると、昆虫戦車の動きが止まりその場に崩れ落ちる。ベレージナ准尉まで残り100メートルほどだった。

 

「やった……」

 

 私は生まれて初めて運命に抗った。未来視の映像を覆すことに成功したのだ。

 数秒してネウロイは戦車の中で四散する。

 

「どうしてピンポイントでコアの位置が分かったの?」

 

 それを聞かれた時、私は咄嗟に噓をついてしまう。自分に未来視の固有魔法があるなんて言えば確実に好奇の目で見られる。

 

「偶然です……」

 

 だが未来に抗えたのも、偶然なのかもしれない。今までもそうできなかったし。それともあの映像はベレージナ准尉ではなかったのかもしれない。ならばあれは誰の未来なのだろうか? 或いは私の最期の姿か……。

 

 

 私達は何とかエンゲリスまで帰投することが出来たが、ベレージナ准尉が戻ったのは昼頃だった。あれからトラックを呼んだものの、彼女は一人だけを担いだまま進み続けて入れ違いになって戻ってきたのだ。運ばれた兵士達二人は何とか無事だったが、准尉の疲労も凄まじかったのだろう。帰って来るなりシャワーも浴びずに眠ってしまったそうだ。かくいう私も夜間哨戒の後は泥のように眠るのがルーティーンとなっているため、その話を耳にしたのは次の夜間哨戒のために起きた時だった。

 日が沈み、暗闇が周囲を覆い支配する。ナイトウィッチと呼ばれる魔女達はこの時間帯から活動し始めるのだ。まぁ私はナイトウィッチではなく、ただ単に夜に飛行・戦闘が可能だからこういったことを任されているだけなのだが、彼女らへの憧れは多少ある。暗い夜を遠くまで見渡し、地平線の向こうまでの飛行物体を感じ取る。それらはどういう感じなのだろうか。

 準備を終え、いざ発進するという所に「ちょっと待って!」という大声が私の出撃を妨げる。

 

「フリーダでしょ?」

 

「そうですけど」

 

 息を荒げてやってきたのはベレージナ准尉であった。彼女は呼吸を整えてから話し始める。

 

「昨日のお礼が言いたくて」

 

「それだけのために来たんですか?」

 

 別に今じゃなきゃいけない理由はないし、私の顔も名前も知っているからいつでも機会はあると思うのだけど。それとは別に彼女はどうして私がここにいると分かったのだろう、もし当てずっぽうでここまで来たのなら相当なギャンブラーだ。

 

「それだけって……大事でしょ?」

 

 彼女は顔を上げて、走ってぐしゃぐしゃになった髪を簡単に整えている。そんなふうになるほど急いでいたのか、はたまた寝ぐせなのか。

 

「別にそれぐらい、いいですよ」

 

 単なる偶然で助けることが出来たのだ。助けられない未来視を覆したのではなく、助けられたから出来た。それに私は感謝される価値のある人間ではない。誰も救えずに能力に振り回され続けるだけの私には。

 

「それじゃあ任務があるので」

 

 私は魔導エンジンの出力を上げて飛び立とうとする。だがベレージナ准尉が目の前に移動して進路を妨害された。

 

「どうしても今、言いたいの」

 

 彼女の真っ直ぐな視線を浴び、私は思わず立ち止まる。どうしてこんなにも曇りのない、光のある目をできるのか。

 

「ありがとう、フリーダ。助けてくれて」

 

 いざ感謝の言葉を向けられて、私は何と返せばいいのか分からず「はい……」とだけ素っ気ない返事をする。

 だがどうしてだろうか。なんだか気恥ずかしさと謎の高揚感のような……嬉しさといった方がいいような、感情が自然と湧き出てくる。誰かに感謝されるなんて、夢にも思っていなかった。だがこみ上げてくるこの気持ちは……。私はそれをどこかでそれを期待していた?

 

「ごめんね邪魔して」

 

 ベレージナ准尉が慌てて横にずれて、はにかんだ顔をする。

 

「いや……全然」

 

「いってらっしゃい、気をつけてね」

 

「ありがとう、……イネッサ……」

 

 自然と喉から言葉が出てきた。いつもなら無言で済ませる場面なのに。

 

「あ、今名前で!」

 

 イネッサが私の顔を覗き込もうとするので、空いた腕で顔を隠しながら進む。

 

「リヒテンベルガー曹長、出撃します!」

 

 

***

 

 

 哨戒任務中、私の頭はイネッサのことでいっぱいだった。どうして?

 彼女のことが気になっているから? いやでも私達は女同士だし……というかこんなのじゃ私がイネッサのことを好きみたいじゃないか。たった一度だけ感謝されたからって、何を本気マジになって惚れてんだか……。

 それでもなお彼女の透き通った瞳が、揺れる髪が、優しげな声が忘れられない。それらを頭の中から取り除こうとすればするほど、余計に意識してしまう。

 

「あっ~もう! もどかしい!」

 

 頭を抱えながらロールを繰り返す。そうすれば煩悩も吹き飛ばせるような気がしたから。

 

「何がもどかしい」

 

 急にインカムから誰かの声がして、驚いた私は歩行姿勢を崩してしまう。声の主はフーベルタ・フォン・ボニン中佐だった。

 

「いえ、何も……」

 

 緊張で少し声が震えて言葉も自然に出てこない。彼女の姿をこの目で見たことはあったが直接話すのはこれが初めてだった。

 

「何も無い訳ないだろう。あんなに苦しそうに喚いていたのに」

 

「別に大したことじゃないんです。中佐に相談させるほどのものでは……」

 

 何と返ってくるか心配で気が気でなかったが、中佐の返答は意外なもので拍子抜けさせられた。

 

「そうか。だが余り悩みすぎるのも苦だぞ。いっそ大胆に行動してみるのもありかもな」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 胸をなでおろす。そしてインカムが音を拾わない程度に深呼吸して、全身の力を抜く。

 

「リヒテンベルガー曹長だったな。積極的な夜間哨戒任務への参加、感謝する。これからも頼むぞ」

 

「了解です」

 

 私はインカムを切ってそのまま任務を続行する。

中佐にも感謝された。ひょっとして私は自分の思っているよりも、無価値な存在ではないのだろうか? そんな淡い期待に胸を躍らせていたのも束の間。固有魔法が私に次の未来予測を勝手に見せてくる。

 

「今度は何っ?」

 

 鮮明に見えるのは、飛んでいる自分の姿。辺りは暗いから時間帯は夜なのだろうが月の形からするに今日、これから起こることなのだろう。映像は進むにつれて不鮮明になり、途切れそうになるが最後に見えたのは、私が不意に振り返る姿だった。

 

「何? これは?」

 

 未来視に従って私は体を捻って振り返る。それはまさに青天の霹靂。私の目の前には中型のネウロイが音もなく、ぴったりと1~2メートルの距離を空けてついてきていたのだ。まるで子を見守る親のように。

 言葉すら失う出来事と恐怖で私は目を見開き、それを視界の中心に置くことしかできない。何故ネウロイは攻撃してこないのか? なぜ一定の距離を取ってついてきているのか? 疑問は幾つでも浮かぶのに、体は全く動かない私は蛇に睨まれた蛙だ。

 

「!―!!!…!―!…――!―!…!!」

 

 ネウロイは何か叫びにも似た、奇怪な声を上げるが何もしてこない。こいつは何か妙だ、時間稼ぎをして仲間を呼んでいるのか? もしくは会話を試みているのか? いや、有り得ない。人間を見境なく襲うこいつらを信用なんてできない。私は機関砲のグリップを握りしめ、ネウロイへと銃口を向ける。だが相手は何もしてこない、これはチャンスだ。

 

「気味の悪い奴!」

 

 覚悟を決めて引き金を精一杯絞ると、銃口炎とともに弾丸が飛び出す。それらは真っ直ぐネウロイへ向けて進むが、敵は容易く回避する。

 

(あの距離で当たらないなんて!)

 

 しかし敵は武器を突き付けられた時点で、回避することは決定していたから避けられたのだと後で納得した。私一人でこいつの相手をしたとて、あのような速度と静音性の高い飛行能力をもつ相手には敵わない。ならば私の持つ能力で優位を得るしかない。前の戦いだってそうした。

 未来を見る。戦う自分自身とネウロイ……敵は私の背後を取ろうとする動きが目立つ。だとすれば敢えて背後を取らせて、不意に振り返って攻撃を仕掛けるのはどうだろうか? その先を確認すると攻撃は命中している。未来視通りに行けば私は勝てる。

 私はすぐさま実行に移す。不規則に動くネウロイをわざと視界から外して、背中を明け渡す。それは空戦では敗北、即ち死を意味する行動であるが私には勝算がある。後ろに回ったのを確認すると、ロールを使って振り返って機関砲を食らわせる。これで当たる……はずだった。

 私の目の前には何もいなかった。ネウロイは未来視とは別の行動を取っていたのだ。高い唸り声が頭上から聞こえる。ゆっくりと上へと視線をやると、ネウロイがまるでそこに固定されているかのように微動だにせず浮いていた。それは体の至る所にある赤い部分を光らせ、無数の光線を放つ。

 ああ、これで終わりなのか。私は回避する間もなく、ギュッと目を閉じることしかできなかった。

 しかし、いつまでたっても痛みも苦しみもやってこない。瞼を開け、自分の体を確認するが何の外傷もない。ネウロイへと目を向けると、相変わらず同じ場所に佇んでいる。

 

「どういうこと?」

 

「!―!…!―!!…―!!―」

 

 私に答えるように、また鳴き声を上げるが何を言いたいのかさっぱりだ。だがなんとなく敵対心がないのがわかる。さっきのビームも遊びのつもりだったのか?

 

「!!―!―…!!!…!―…!!―!―…―!―――…―!――!」

 

 また何か言っているが、ネウロイの金切り声はどれも同じで言葉というよりも、動物の鳴き声に近い。だから何か意味を持っているのだろうけど、ネウロイは動物と違って研究が進んでいない未知の存在だから全くだ。

それから暫く時間が経ったが、ネウロイは相変わらず何もせずに後ろを付いてくる。ここまでされるとなんだか犬みたいで可愛さすら覚えてくる。だが肝心のその姿は黒と赤、そして錨に棘を増やした禍々しい風貌。だがその格差が逆にいいのかもしれない。

 

「どこまでついてくる気?」

 

 今度は私から対話を促すが返答がない。その先の読めない様は不気味なままだ。このまま基地までついてこられても困るし、連絡を取ろうか。しかしここまで友好的(?)なネウロイをみすみす失うのはどうなのか? それとも研究対象にされ、苦しむくらいなら楽に葬った方がいいのか? どの選択を取ればいいのか、思い悩む。その時に、ボニン中佐の言葉を思い出す。思い悩むくらいなら、いっそのこと大胆に行動してみるのもいい。

 私の選択は決まった。ネウロイを速度で引き離す。ストライカーユニットのエンジン出力を上げて、加速する。私が使うDo17は加速性能には特化していないが速度はそこそこ出るはずだ。顔だけ振り返るとネウロイも同じようについてきている。まだ足りない。限界まで速度を上げなくては。けれども一向に互いの距離は広がらない。もう倒すしかないのか。

 

「こちらリヒテンベルガー曹長、エンゲリス基地聞こえますか?」

 

『こちらエンゲリス基地、聞こえます。どうぞ』

 

「現在ネウロイに追撃されています。対空砲火もしくはウィッチ隊の援護を要請します」

 

『了解。航空ウィッチ隊の増援を送ります』

 

 私がネウロイを基地周辺へと引き連れるが、相手は追いかけるだけで何もしない。少々心が痛むがこれが最善の策だ。

 少しするとウィッチ隊と思しき影が五つ見えてくる。これでケリがつくはず。

 

「!―!…―!―!」

 

 ネウロイが鳴き声を上げると、正面から飛んでくるウィッチ隊から指示が来る。

 

『避けろ!』

 

 

 それを聞き、私は一気に急降下する。恐らく射撃が飛んでくるからだ。予想通り銃声が鳴り響く。

 

「!!―!!…!!…!!―…――!―!…!―!――」

 

 それと同じくしてネウロイがひときわ大きな金切り声を上げて、射撃を回避しながらビームを乱射する。それら攻撃はウィッチ隊に向けられ、確実に直撃する形で放たれた。ビームはシールドで防がれたものの、私には見せもしなかった敵意を何故今になって他のウィッチ達へと向けるのだろうか?

 あのネウロイにとって私は何か特別な存在なのだろうか。別にあれを助けたことも無ければ、親戚でもない。

 

『攻撃が当たらない!』

 

 インカムから聞こえる援護に来たウィッチ達の怒号が聞こえた。どういうことだと思い、見上げるとネウロイとウィッチ達の攻防が見える。確かにあれは全ての射撃を回避しているようだった。その無駄のない動きと正確な攻撃に、敵ながら私は見とれてしまった。それはまるで”未来が見えている”かのような……。

 

「あなたも未来が?」

 

 私はネウロイへと向かってそう叫ぶが反応がなく、逆効果だったのかついに私にも攻撃を仕掛けてきた。咄嗟に反撃をすると弾が敵の一部を削る。

 

「……」

 

ネウロイはもう一度叫び声を放つと、急旋回して去っていった。一体あれは何だったのか、結局わからず仕舞いだった。ただ私の胸にはもやもやしたものが残っていた。

 




[公開情報]イネッサ・ベレージナ准尉
オラーシャ陸軍に所属する陸戦ウィッチ。年齢は15歳(1941年時)。誰とでも打ち解けるコミュニケーション能力と人を気遣う優しさがある。以前から目の死んでいたフリーダのことを気にかけていたが、国も所属も違うことからなかなか話しかけられずにいた。
使用ストライカーユニットはT-28装甲戦闘脚。
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