オラーシャに日はまた昇る   作:vespa MDRN

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前回のあらすじ……
フリーダの決意が揺らぐ。彼女の弱みを確信した、イライザ・ゴドルフィン曹長は彼女の心臓を抉るが如く、鎌をかけ、畳みかけようとする。これぞ本来の魔女の姿か。
フリーダは塞ぎこみ、イネッサを避けるが無駄な労力。イネッサの直談判を受けて、最後まで運命を共にすることを誓う。


Ⅵ…もう視えなくとも

 季節は冬に移り変わり、肌寒さが目立つようになってきた。そして私達ウィッチの出撃の頻度も多くなり、イネッサとの時間は更に短くなる。それでも私達の愛は変わらないと信じている。

 今日も彼女は陸戦用ストライカーを履いて戦地へと赴く。毎日、毎日、無事に帰って来ることを祈ることしかできない自分に苛立ちすらも覚える。だがそれ以上に失いたくないという恐怖が、何よりも深く暗い。それでもイネッサが基地に帰ってくるたびに見せてくれる笑顔が、抱きしめた時の感触が、彼女がここにいるんだと実感させてくれる。そして今日も、私はイネッサの帰りを待つ。だがある日、それも終わりを迎えた。

 

『北方より敵襲! 迎撃用意!』

 

 太陽が沈み始めた頃、ネウロイは闇を纏うようにして夜と共にやってきた。サイレンとアナウンスが基地中に響き渡る。それを聞いた瞬間、私は部屋を飛び出すが未来視が勝手に発動する。この辺り一帯がネウロイの波に覆われる景色が、鮮明に映されるのを見て私の足は止まる。ここが陥落するという、未来が存在する可能性があるというのなら私はあれを取りにいかなければならない。私は一旦部屋に戻って、そこに残された”武器”を手にもう一度格納庫へと走り出す。辿り着いた先で準備を済ませて、茜が残る紺色の空へと舞い上がって敵の位置を確認する。

 

「あ……」

 

 私は雪崩のように街へと向かってくる、ネウロイの大群を目にして言葉を無くす。この量は流石にまずい。いくらなんでも数の暴力すぎる。だがここで退いたところで何になるというのだ。ケンプフェル軍曹の故郷を、そしてイネッサが戻るこの基地を守らなければ。

 機関砲を手に私は敵の大群の最前列へと攻撃を仕掛けるが、即座にビームによる対空砲火で攻撃を阻まれる。そうこうしているうちに街へのネウロイの侵入を許す。この基地の主力の陸戦ウィッチの四割はツァリーツィンにいるためか、ここの戦力は少なくなっている。航空ウィッチの数も少なく、火力も劣る。もはや足止めすらも叶わない。

 それでも私は抗うと決めた。たとえ街が陥落しても、このような所業をした連中を許すわけにはいかない。私は対空砲火をくぐり抜け、一矢を報いるために照準する暇もなく引き金を精一杯絞る。だがいくつかの敵を塵に還しても、数は一向に減らない。その内また、私はビームによって吹き飛ばされる。そして……。

 

『生存者へと告げる。市民の避難が完了した。チェリャビンスク方面へと撤退する』

 

 インカムから指令が飛んでくる。サラトフは完全に炎上しており、ネウロイは橋を渡って対岸のエンゲリスまで侵攻していた。もしチェリャビンスクまで撤退すればイネッサとは分断される。それだけは駄目だ。私は命令を無視してツァリーツィンへと向かうルートを飛行する。そしてこの思い出の地を一瞥して彼女のいる方へと向かった。

 

 

 

 その後、数時間かけてツァリーツィンへと到着した。そこには疲れ果てている兵士達が至る所おり、その中で私はイネッサを探す。少し歩いているとオラーシャ陸軍のウィッチを見つけたので話しかける。

 

「オラーシャ陸軍所属の装甲歩兵であるイネッサ・ベレージナ准尉を知りませんか?」

 

 ウィッチはそのやつれた顔を上げると虚ろな目で私を見上げる。イネッサが初めて話しかけた時の私はこんな感じだったのだろう。確かに放っておくことのできなさそうな人物だが、今はイネッサを探さなくては。

 

「……その人のことは知らないが、まだ何人かがここに戻っていないらしい。もしかしたら彼女もその一人かもしれない」

 

 つまりイネッサは戦闘中行方不明ないしは死亡したと。そんな馬鹿なことがあってたまるか。私自身の目で確かめるまで、彼女は生きているんだ。私はお礼を行った後ですぐさま踵を返し、ストライカーユニットへと走る。

 

「待て、単独での出撃は危険だ。あそこには強力なネウロイが……」

 

 呼び止める声をも無視して私はストライカーを履いて飛び上がる。補給は完全とは言えないが、ある程度は済ませた。作戦内容も把握しているので彼女のいる場所はある程度察しが付く。

 暫く飛んでいると戦車の残骸達が見えてくる。そういえばイネッサを助けた時も、こんな感じの風景だった気がする。過去を振り返っていたその時、私は忘れていたことを思い出す。あの時見た、誰かがネウロイに上半身をビームで焼かれるという未来を。もしあの予知が今日起こることだとしたらイネッサは……。そんな悪い予感が脳裏をよぎったその瞬間だった。私は見つけてしまった。オラーシャ軍の戦車KV-1のすぐそばに横たわる、ストライカーユニットを身に着けた”足だけ”を。

 

「……違うよね」

 

 着陸してそれを確認する。ストライカーは同じT-28装甲戦闘脚だがマーキングされている彼女のパーソナルマークは見えない。良かった違うんだ、と安堵するが違和感が残る。それもそのはず、彼女のパーソナルマークはストライカー左ユニットの内側にあるのだ。見えているのは逆側だ。

 

「ごめんなさい……」

 

 私は恐る恐る近づいて残されたストライカーと足をひっくり返す。そこには何も記されていなく、あるのは数字の羅列だけだ。彼女のものではないことに安心しているが、誰かがここで命を落としたのは事実。私はここで散った者のために祈る。

 

「リヒテンベルガー曹長!」

 

 遠くから私の名を呼ぶ声が聞こえるが、イネッサではないのは確かだ。振り向くとそこにはゴドルフィン曹長がストライカーを足に、こちらへ向かっている。

 

「曹長、イネッサは?」

 

「こっちです、ついて来てください」

 

 彼女に連れられた場所は低木が並ぶ物陰。そこには隠れるようにして座り込む数人の兵士達。そして横たわるイネッサ……。

 

「イネッサ……」

 

 私は彼女の名を呼び、傍へと寄る。すると彼女は目を開いて起き上がる。良かった、無事だったんだ。感極まって自然と涙が溢れてくる。

 

「フリーダ……? どうしてここに?」

 

 彼女を抱きしめた時に妙なことに気が付く。少し細い……いや足りないのだ、彼女の右側が。私の左手でイネッサの右手を握ろうとするが空を掴む。その時初めて彼女の右腕が、肩の付け根から消え去っていることに気づく。

 

「イネッサ……これは?」

 

「あはは……ちょっとしくじったんだ……でも止血はしたから大丈夫」

 

 何が大丈夫なんだ。右腕が無くなったんだ、もう同じものは二度と戻らないんだ。何を笑っているんだ彼女は。私は何度もイネッサの右手を握ろうと、掴もうと、努力するが、そこには虚空しかない。

 さっきとは違う意味を持つ涙が、頬を伝う。いくつもの感情は絡み合い、溶け合い、混沌へと至る。ひとしきり泣いた後、実感する。私を撫でてくれた。私と手をつないでくれた。抱きしめてくれた。あの右手はもうないのだと。

 

「フリーダ、泣かないで。私はまだここにいるよ」

 

 そう言ってイネッサは残された左手で私の頭を撫でる。そうだ、右腕を失っても彼女はまだ生きている。ならば彼女からこれ以上失わせるわけにはいかない。そのために私は運命に……未来に決着をつける。

 私は涙を拭いイネッサから離れる。

 

「フリーダ?」

 

 そして立ち上がり、ゴドルフィン曹長のいる方へと向かう。彼女へと近づくと気配で気づかれたのか、話しかける前にこちらへと顔を向けてくる。

 

「その様子だとケリをつけるつもりですね」

 

 彼女は不敵に笑う。全てお見通しだと言いたげな表情は少しムカつく。

 

「この周辺のネウロイは?」

 

「陸上型は殆ど撃破しましたが、厄介な航空型が一機残っています」

 

 厄介な航空型と言われ、真っ先に思いつくのがあの未来を視る錨型ネウロイだった。

 

「錨の形をした奴ですね?」

 

「ええ。前にリヒテンベルガー曹長が基地に連れてきた奴ですよ」

 

 やはりアイツか。この戦いは避けては通れないようだ。私は出撃のためにストライカーを置いた場所へと向かうが、ゴドルフィン曹長がその後をついてくる。

 

「戦うなら私も同行しますよ。勿論邪魔になることはしません」

 

「助かります」

 

 私達はストライカーを履き、武器を手に物陰を後にしようとする。

 

「待ってフリーダ!」

 

 イネッサが呼びかけてきて、私を引き留める。今、振り向いて彼女の顔を見ると戻れなくなる。覚悟が揺らぐと思う。決着をつけてイネッサを守りたいという気持ちもあるが、彼女と共に逃げたい気持ちもあるからだ。それに引き留める言葉をかけられたら、私はきっと戦えなくなる。

 

「いってらっしゃい」

 

 以外にもかけられた言葉は、私を送り出すものだった。これで決心がついた。私は最後に振り返り、イネッサの顔を目に焼き付ける。

 

「いってきます」

 

 私は小さく微笑み、飛び立った。

 

 

***

 

 

『敵私達を見つけたら恐らくリヒテンベルガー曹長を狙うでしょう。従って上空であなたが戦うのを、私が地上から援護します。くれぐれも私の攻撃で墜ちないように』

 

 インカムからゴドルフィン曹長が作戦を提示してくるので「了解」と短く返す。私は地上から1000メートルを飛行するが、初めてアレと遭遇した時はもっと高高度を飛行していた。頭を取られている可能性があるが、地上を攻撃していたのならそう高い場所にはいないはずだ。

 

『リヒテンベルガー曹長、私はあなたを誤解していました』

 

 急にゴドルフィン曹長が話し始める。また変なことを言い出すと思っていたが、そうではなかった。

 

「それは?」

 

『あなたが私の思っているほど軟弱ではなく、強い心を持っていることがわかったのです』

 

「そうですか……」

 

『なので以前の失礼な発言に対してお詫びしたい。それともう一つ……』

 

 インカムの音声が急に途切れると同時に、地上で謎の轟音が聞こえた。高度を下ろしてみると、土煙が上がっている場所があるのが見えた。まさかと思い、インカム越しに呼びかける。

 

「ゴドルフィン曹長? 応答してください」

 

『地下です! 地下から現れた!』

 

 まさか私達が来ることを予知されていたのか。そのうえで奇襲作戦を立てたとしたならば、一筋縄ではいかない。まあそれは承知の上だが。

 

「どこ?」

 

『あなたへと向かっています!』

 

 下へと目をやるがそこには何もない。念のため左右そして背後も確認するが姿が見当たらない。

 

『上です!』

 

 ハッとして見上げるが既に互いの距離は1キロも無かった。咄嗟にシールドを展開して攻撃を防ぐ。降り注ぐビームに耐えられず、私は地上すれすれまで高度を落とす羽目になる。

 

「速い!」

 

 ネウロイは火力も速度も以前とは比べ物にならないほどになっていた。これが奴の本気という訳だ。航続距離に特化した今のストライカーでは分が悪いかもしれない。そんなことを考えている間にも、敵の猛攻は立て続けにやってくる。

 

『援護します!』

 

 ゴドルフィン曹長はその手に持った20mm砲を射撃するが、ネウロイはその全てを回避する。やはり読まれている。ならばこちらも読み返すだけだ。固有魔法『未来視』を発動してネウロイの次の行動を予測する。左側からビームを四連射だ。狙いは全て私だ。先に攻撃を見越して照準すれば当たる。

 敵は予知通り、映像と同じ位置で同じ攻撃を繰り出すので私は射撃を開始する。しかし弾は空を切った。

 

「避けられた! 読み返したのか!」

 

 私が未来視を使うのも予想済みか。だったら敵の予想の上の上を行く行動だ。能力の連続重複使用は試したことが無いが、勝つためにはやるしかない。

 

「くっ……」

 

 複数の未来が頭にねじ込まれる。激しい頭痛と吐き気が襲う。ズキズキと圧迫するような痛みと、お腹から上へと登ってくる胃液に耐えられず、私は嘔吐する。少し飛行姿勢を崩すが、気合でなんか持ちこたえる。しっかり前を見て、敵を見て飛ばなければ。そうじゃなきゃ守れずに死ぬだけだ!

 

「視えた!」

 

 奴はゴドルフィン曹長の射撃を避けたのち、彼女へと向かう。そして私はあえてゴドルフィン曹長を狙うようにして射撃する。そうすることで偏差射撃が完成し、ネウロイへと攻撃が当たるという策だろう。だがそれも読まれているようで、ネウロイは一瞬動きを止めて、私の放つ弾丸の雨をゴドルフィン曹長へと向けた。この奇をてらう行動も予測されている未来が視えた。だったらやることは一つだ。

 

「ゴドルフィン曹長、十秒後シールドを展開!」

 

「?……了解!」

 

 私は映像通りに動き、ネウロイへと銃口を向けるが、ここではゴドルフィン曹長へと照準を合わせる。ゴドルフィン曹長の射撃が外れる、そして敵の意識は彼女へと移り変わる。逃げるゴドルフィン曹長とネウロイの追いかけっこが始まった。そしてここで奇をてらう。

 

「そこだ!」

 

 引き金を絞り機関砲を撃つ。数発撃ったのち私はすぐさま照準をネウロイへと戻してもう一度撃つ。ネウロイは予知通りにその場で停止していた。結果的に攻撃はどちらにも命中するが、ゴドルフィン曹長はシールドで弾を弾く。

 ネウロイは叫びの様な金切り声を上げると横回転を始め、ゴドルフィン曹長をテニスボールの様に吹っ飛ばしてくる。

 

「ゴドルフィン曹長!」

 

 彼女は私の方へと飛んでくるが、ギリギリ受け止めることが出来ずに地面に叩きつけられる。その時にゴドルフィン曹長から鳴った「ごきゃり」という鈍い音と、その後微動だにしない彼女を見てその末路を理解する。

 

「曹長……」

 

 その間にもネウロイは赤い光線を放ちながらこちらへ真っ直ぐ向かってくる。一瞬私は動作が遅れ、左肩とストライカーにビームが掠る。回避に専念しながらも私は次の未来を視る。だが映像は何も映されない。

 

「どうして!?」

 

 何度も固有魔法を発動させるが一向に未来は見えない。空を飛べている時点で魔法力切れではないのは明白だ。

 

「どうして未来を見せてくれない!? 私は次に何をすればいい?」

 

 そうこうしているうちに敵の攻撃は更に激しくなり、比例して光線がストライカーを体を掠る回数が多くなる。しかも回避するために行う空戦機動で体に負荷がかかり、開いた傷口から血がにじみ出て徐々に体力を奪われていく。

 

「――――――!!!!!」

 

 ネウロイが声を上げる。その方へと目をやると、加速をかけて急接近してくるのが見えた。

 未来が見えないというのは、私はこのまま死ぬということなのか。絶対に覆すことができないのか。

 目を閉じると最後に見たイネッサの笑顔が浮かぶ。私は約束を果たせない。ごめんねイネッサ。でも私がいなくても、いつかあなたを守ってくれる誰かと幸せに……。

 でもどれだけ幸せそうな顔のイネッサを想像しても、そこには私がいる。

 そうだ、私じゃなきゃいけない。イネッサの隣は必ず私でなければいけない。誰にも渡すことはできない。

 そして私達の幸せを邪魔する者は、誰であろうと許さない。

 私はイネッサと、ずっと、一生、永遠にいるんだ! 

 目を見開き、宿敵を捉える。

 

「私の、私たちの未来は! 私たちが決める!!」

 

 引き金を引き絞り、20mm弾をぶっ放す。突然のことにネウロイは対応できず、もろに直撃を喰らった。その際に赤い光を放つ弱点コアが露出する。

 

「そこだ!」

 

 私がもう一度、射撃を試みようとするが突然ネウロイが金切り声を上げた。瞬間、その体に生えていた棘を一斉に飛ばしてくる。すかさず機関砲でガードするが銃本体が棘で破壊され、更にその破片が私のアシンメトリーな右目に刺さった。

 激しい痛みが頭全体に襲う。けれども、立ち止まってなんていられない。ここで決着をつけられなければ、私はずっと半端者になってしまう気がしたから。

 残った左目で敵を見据えた。武器と未来視を失った私に対して、ネウロイは勝ち誇ったつもりなのか、追撃もせずに逃げようとする。私はそれを全力で追いかける。未来視なんてもういらない。自分の未来は、私自身の力で切り拓く!

 それに武器はまだ残っている。左腰に下げた彼女ケンプフェル軍曹の置き土産が。

 銃を捨てて鞘から刀を抜くと、銀色の刃が輝く。それを両手で持って突き刺すようにして構えると、速度を上げてネウロイめがけて突っ込む。

 

「これで終わりだぁぁぁぁ!!!」

 

 ネウロイへ肉薄すると、速度を乗せた突きをコアへと押し込む。そこからひびが入り、コアは真っ二つに砕ける。私はそこから離れ、敵が粉々になる様を確認する。

 

「ありがとうケンプフェル軍曹……そしてイネッサ」

 

 そう言って刀を鞘へとしまうと、私はゴドルフィン曹長の体を持ってあの物陰へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

1945年4月 オラーシャ帝国オデッサ

 

 まだ寒さが残る季節だが、それでも外を歩くと生命の息吹を少しずつ感じられる。私は彼女と並んで道を歩く。もう武器を持って戦うことも、両手で私を抱きしめることもできないがそれでも私は彼女を愛している。

 

「本当に大丈夫なの?」

 

 彼女が話しかけてくる。

 

「大丈夫。いざという時は君の権限があるでしょ?」

 

 とは言うが事前にアポイントメントは確実に済ませたので問題はない。

 

「もう除隊した軍人の権限なんて無いようなものじゃん」

 

 苦笑いする彼女に、私は同じようにして乾いた笑いをして見せる。

 

「ははは。それじゃあ頼れるのは軍曹だけかな?」

 

「会うのは久しぶりなんでしょ? あなたのこと覚えているかな?」

 

「これがあるから大丈夫」

 

 そう言って私は布に包まれた脇差を見せる。今日はあの時からずっと預かっているものを、持ち主に返すためにやって来た。長らく居場所が分からなかったから探すのには苦労したが、ようやく見つけられた。

 

「本当? 髪型も変わってるし、それに眼帯もしてるんだからわからないよ絶対」

 

「それはこれからわかるさ」

 

 私達は足を止める。その場所はオデッサ基地。噂によると新人だらけの航空ウィッチ部隊『202飛行戦闘隊』があると聞いた。けれども脇差の持ち主は私が軍人だった頃から戦っていたから新人とは言えないだろう。

 

「ここ?」

 

「そうだよ」

 

 積もる話もあるだろうし、少し長いさせてもらうことになるかもしれない。だが大丈夫だろう。二人ならなんだって乗り越えられる。

 

「行こ、フリーダ」

 

 そう言って基地の入口へと進む彼女の背を追いかける。

 

「待ってよイネッサ」

 




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