縦横無尽に大地を駆けた戦士達。だが戦いという麻薬を知れば、戦場以外では生きられない。
陸戦隊に所属するミラーナ、イヴ、ヴェンナに告げられたのは新たな任務。それは最前線への輸送車輌の護衛だった。半信半疑、三人はキロヴォグラードへと向かう支度を始めた。その時にミラーナは、忘れ去った夢の欠片を取り戻す。
トランクケースを片手に私は輸送トラックへと走る。結局イヴが催促に来てから十数分ほども準備に時間がかかってしまった。
「悪い、待たせた」
どうせあの二人は車の運転なんてできないだろうし、私は即座に運転席へと腰を下ろす。やはり助手席にイヴェンナ達はいた。
「おめかしなんてガラじゃないっしょ」
ヴェンナがニヤニヤしながら私の顔を覗き込む。別にこれといって何かしたわけじゃないが、彼女には何か変わったように見えるのか? 別に化粧とかはしていないのだけれども。
「人は性格や見かけによらねぇぜ?」
端にサナギのように毛布に包まっているイヴが変な笑みを浮かべながら言ってくる。あの姿は完全に眠る気でいるなこれは。事前に受け取っておいたキーでエンジンをかけて出発する。これから長い旅路が始まる。到着後はどうなっていることやら。
……結局休みなくトラックを走らせて、辺りが暗くなった頃にキロヴォグラード基地に私達陸戦隊は辿り着いた。ずっとハンドルを握っていた私はもう疲労困憊でうまく歩けないまま、キロヴォグラード基地の執務室の扉を叩く。
「オデッサ基地の装甲歩兵部隊隊長、ミラーナ・ネストロヴナ・クラノヴァ大尉です」
少しすると「どうぞ」という壁に阻まれてくぐもった声がする。それを聞いて雰囲気だけ重い扉を開いて部屋へと入る。
「よく来てくれました。私はここの装甲歩兵隊責任者のカプトリナ・ラキーシンです」
そう言って私達を迎えたのはキロヴォグラード基地の装甲歩兵部隊のリーダー、カプトリナ・ラキーシン少佐だった。資料で名前だけは知っていたが、こうやって直に対面するのは初めてだ。薄茶色のロングヘアーにキリッとした碧眼の瞳は、蛙どころか蛇すらも睨み殺しそうなほどだ。その容貌を一目で見ればわかる。あれは起こらせたらマズイ部類の人間だと悟り、不慣れなお世辞が口から飛び出てしまう。
「こちらこそ、少佐と同じ作戦に参加できて光栄でござい……です」
言葉を噛んだのを敬礼で誤魔化すが、ラキーシン少佐も同じように敬礼で返してくる。何とかなったな、と胸をなでおろしつつも何もせず突っ立っているイヴェンナ達に目が行き、アイコンタクトで”敬礼しろ”と伝える。だが従ったのはヴェンナだけで、イヴは直立不動を決め込む。
「こら、イヴ。上官だよ」
「いいんですよ、大体のことは報告で聞いていますので」
ラキーシン少佐が温和な人で助かった。普通なら何かしらの罰則が待っている。勿論、連帯責任だから私達三人全員が処罰対象になるだろうけど……。対してイヴは少佐の毅然とした態度が気に入らないのか、軽く舌打ちを打っている。
「それよりも軽く作戦の確認をしましょう」
そう言って少佐はオラーシャ西部の記された地図を机に広げる。こんなに広い国だというのに、人が住んでいるのはごく一部。その中でもネウロイはピンポイントで人が住んでいる地域にのみ現れては、侵略をしてくるというたちの悪い奴らだ。
「作戦はカミャンカへの偵察・観測用の設備の護衛……あなた達はその進路確保と偵察が任務です」
ラキーシン少佐は指で進行経路をなぞる……。待て、今彼女はなんて言った?
「ん?」
「え?」
「あ……?」
私達、陸戦隊三人は言葉が重なった。聞いていた情報とは異なるものが、ラキーシン大尉の口から放たれたからだ。イヴェンナ達の視線が針のように、私へと突き刺さる。彼女らの不信感は私へと向けられている。
「えーっと……護衛の任務では無いのですか?」
恐る恐る尋ねると「こちらは進路の確保が主任務と聞いていましたが?」と少佐は首を傾げながら答える。それを皮切りにイヴェンナ達の表情がくわっと変化した。露骨に嫌そうな顔をするヴェンナ。イヴは今にも噴火しそうな火山の如く小刻みに震えている。
暫しの間、沈黙が空間を支配するが、そんな中で気を利かせるのはラキーシン少佐。
「……それよりも疲れたでしょう、今日はシャワーでも浴びてゆっくり休んでください。作戦の詳細はまた明日にでも。これがあなた達の部屋の鍵です」
少佐が垂らしてくれたこの蜘蛛の糸、逃すまいと私は即座に「すみません、そうさせて頂きます」と返答。そうして差し出された鍵を受け取ると、私達はそそくさとその場を後にしようとする。がしかし私だけ少佐に引き留められた。まだ何かあるのかと振り返ると「紅茶かコーヒーどちらがお好み?」という予想の斜め上をいくもの。
「え? 強いて言えば紅茶ですかね……」
質問に答えると彼女はニッコリと笑い「じゃあ用意しておきますね」と返して私を帰してくれた。突拍子もない意図の読み取れない質問だったが、私をもてなすために聞いてくれたのだと自分を納得させる。
部屋を出ると二人が見知らぬ誰かと話している様子だった。早くも揉め事を起こしているのかと、半ば呆れながら近寄ると私の予想は見事に外れていた。イヴェンナ達は相手の女性に一方的に話しかけられているようで、二人は苦虫を嚙み潰したような顔でそれを聞いている。
「いやぁ、キミ達が来てくれてもぉー私は感謝・感激・深謝・喜悦・狂喜・礼賛・光栄ーって、早速だけど私の制作した武装達をキミ達視点で評価してほしいんだけど、いいかな? いやノーとは言わせない、絶対にキミ達の役に立つものだから可及的速やかに見てほしい!」
何このやかましい女は? 見た感じ二人の知り合いではなさそうだけど、物凄い早口だけでイヴを抑え込んでいるのは素直に感銘をせざるを得ない。何てったってさっきまでいきり立っていた火山を冷やしてしまったのだから。
ともあれこの様子ならイヴェンナ達二人にさっきの話について追及される心配はなさそうだ。さっさとこの場を離れてシャワーでも……
「あ、隊長」
ヴェンナが私を見つけたようで、こちらへと視線を移す。しまった、見つかってしまったか。しかしこのまま無視して離れれば無問題……。
だが突如として嫌な気配と視線を感じる。感じたことのないプレッシャーに私は冷や汗を滝のように流してしまう。
「やぁ~、キミが噂の陸戦隊のリーダーだねぇ? よろしく、私はブリタニア空軍の兵器開発者ブレンダ・エンフィールドだ、よろしく頼むよぉ。早速で悪いんだけど新作の歩兵携行式の武装類をキミの視点で見てくれないかって思ってるんだけどぉ」
女のターゲットが私に移った! これもヴェンナの策略、いや報復だというのか。ブレンダとかいう自称兵器開発者は私の手をがっちりと掴んで離そうとしない。これがブリタニア流の握手だとでもいうのかよ!
「沈黙ということは、答えはイエスってことだよね? それじゃあ私の研究室まで案内しよう!」
手を引かれて魔王城に連行される私をイヴェンナ達は手を振って見送る。
「それじゃあ隊長、頑張ってね~」
「さっきの件はこれでチャラにしといてやるからよ」
「そんなぁ! イヴェンナ~」
私は精一杯抵抗するが相手の女はびくともしない。身長差もあるだろうけど、純粋に筋力で私は劣っている。ならばこちらは魔法力で対抗するしかない。内に秘められた力を開放すると狼の耳と尾が自然と表に顔を出す。これなら奴の拘束から逃れられ……ない!
「お前、まさかウィッチか!?」
「そうだとも。大した戦績はないけど、これでも航空ウィッチの端くれさ」
なんてこった。さらっと流したが最初にブリタニア空軍なんて言ってたのを今更思い出す。喉までため息が出かかったが、それを飲み込んで私は目を閉じて思考を張り巡らす。どうすればこの状況を打開できるか、脳裏に刻まれた記憶の溝をグルグル駆け回る。
その結果、導き出した答えはただ一つ。死なばもろとも。
「提案なんだけどさ。私一人じゃ評価の比較が出来ないと思わない? ほら、人によって読んだ本の感想が違うように」
ブレンダは歩みを止める。そのまま私の手を離して考え込む仕草をとった。
「確かに……広く普及させる量産モデルを作るためには多くの人が使いやすいと感じるデザインや機能にしなくてはならない。そのためにはより多くの人から意見をもらい平均を……」
何やらブツブツ呟いているが、今が逃げ出すチャンスだ。私はブレンダの邪魔をしないようにゆっくりとその場を立ち去る。かくして魔王城行きの片道切符から逃れられた私は用意された部屋へと歩みを進めた。
***
翌日、私達は午前中の作戦会議と昼食を終えて、ある場所へと向かっていた。そばを歩くイヴとヴェンナは作戦内容について延々と愚痴を零している。
「にしてもお偉方の無茶振りは行くとこまできたな。除け者だって頭数にはなるんだぜ?」
「ウィッチを捨て駒にするなんて、マジとち狂ったとしか考えられないよね~」
彼女らの言う通り今回の作戦には問題点・不明瞭な点が多すぎる。まず一つ大問題なのが、私達陸戦隊の三名だけでネウロイ侵攻地の目と鼻の先まで行かなくてはならないこと。偵察のみならまだしも、目的地のカミャンカまでの進路確保もしなくてはならない。つまり目の前にネウロイがいれば倒してこい、ということだ。
二つ目は作戦の最終的な目標。私達の進路確保が確認でき次第、輸送部隊が出発するらしいが何を運ぶのか少佐は頑なに明らかにしない。輸送トラックが六輌も出張るのだから、そこそこ大掛かりなものを運ぶのは確かだ。だが最前線に何を運ぶ? 観測器具? それとも地雷でも敷くつもりか。
何にせよ、作戦自体は"可能な限り"で遂行しなくてはならない。元より信頼されていない身。これを完遂できるだろうだなんて上も考えていないはず。危なくなったら撤退すればいいだけ。後はあのラキーシンとかいう胡散臭い女に、足元をすくわれないようにすればいい。
「こんな作戦を引き受けるあの女も信用ならない。おそらく上とグルだから気をつけろ」
イヴは「当たり前だ!」と返してくる。だがしかし、一番心配なのが彼女だ。感情に流されやすいから、ああいう策士っぽい奴には騙されやすい。ヴェンナはそんなことないから大丈夫そうだけど。
「で、今どこに向かってるの?」
ヴェンナの質問に対し私は「魔王城」とだけ答えた。私の意味深な発言に二人はこそこそと話し始める。何を話そうがこうやって、のこのことついてきてる時点で彼女らは詰みだ。
作戦前にブレンダから聞いた部屋に私達は辿り着く。そして魔王城の戸を叩き、返答を待たずにそのまま開く。
「約束を果たしに来た」
「やぁやぁ、皆さんお揃いで。」
イヴは魔王城の主の姿を視界に入れた途端「ゲッ……!」と顔を歪ませて唸る。ヴェンナはすぐさま踵を返してその場から去ろうとするが、私はそれを許さずに襟首をがっちり掴む。
「謀ったな! 謀ったなミラーナ!」
「迂闊~っ……」
昨日のお礼はきっちりと返さしていただく。
「そう嫌そうな表情をしないでおくれ。これでも私はキミ達の役に立とうとしているのだよ」
「へぇ~、そうかい。じゃああのガラクタがどう約に立つか教えて欲しいもんだなぁ」
イヴは無造作に机に並べられたガラクタ……もとい武器たちを指さす。あれらはまるで子供が遊んだ後の散らかされた玩具のようになっている。彼女は"自称開発者"であって、軍の正式な開発者ではないかもしれない。
「いいだろう。どちらにせよ、この子達はキミ達の意見によって更なる高みへと至ることができるのだから。さぁどれからにしようか?」
ブレンダは手を大きく広げて私達へと期待・切望が痛いほど伝わってくる眼差しを向けてきた。どれでもお好きなのを、ということらしい。イヴはそれを汲み取ってか、すぐそばに置かれた杭(?)の付いた武器を手にする。彼女は「で、これは何だ?」と口にするとブレンダがすぐさま飛んでくる。
「正式名称は装甲貫通型杭発射機だ。これはネウロイの装甲とコアを同時に貫通破壊が可能な革新的ウィッチ用兵装なのだよ~。あ、試し撃ちはできないから」
「ふ~ん。あんたの国の言葉でなら"パイルバンカー"といったところか?」
「?……まぁそうなのかも……しれないねぇ」
ブレンダは首をかしげている。多分パイルバンカーという名称が、財産貯蔵庫という意味にもなってしまうからだろう。まぁ装甲貫通なんたらよりかは呼びやすいから、そっちに改名した方が私もいいと思う。
釣られてヴェンナも「じゃあこれは?」と大型の拳銃を指さす。勿論ブレンダはすぐに答える。
「あぁ、グラップリングピストルだねぇ。これは……」
私はどれも同じようにしか見えなかったが、一つだけ目を引くものがあった。それは部屋の隅に一つ置かれた人の身長ほどの、布で覆われた何か。近づいてみると埃は被っていないことから、放置されてはいないものだとわかる。軽く手で触れると布の柔らか手触りの中に、ゴツゴツとした無機質な感触。もっとよく触ると形状の全貌が大まかに理解できてくる。それ自体は余り大きくなく、細長い蛇のような形状だ。武器ではないのは確かだ。
中身が見たい。好奇心を抑えきれない私は布を強く掴む。そしてそのベールを剥ごうと力を込めると、その手をブレンダがその手を掴んで妨害してくる。
「これはダメだ」
「どうして?」
「……まだ作製途中で人に紹介できるものではない」
ブレンダの自信はどうやら"これ"にだけは向かないようだ。まぁそうだろう、たった一つだけ布なんてかぶせて目に入らないようにしている。まるで出来の悪い兄弟の一人をいないもの扱いする親のように。
「ちょっと見るだけなら構わないだろ?」
「これだけはダメだ」
さっきとは違い、声のトーンや表情も暗い。これは彼女の気分をここまで落とすほど、出来が悪いのか。それとも後ろめたい何かがあるのか。
「じゃあ取引だ、私はコイツが気に入った。だからトリセツ・弾薬もろともすべて頂く。その代わりミラーナは"それ"を諦めるってよ」
イヴは勝手に話を進める。こういうところが彼女の困ったところだ。
「わかった、応じよう。何ならクラノヴァ大尉やクラーギナ少尉、キミ達も何か好きなのを持っていくといい」
ヴェンナは数秒部屋全体を見渡すがピンとくるものは無かったのか、眉一つ動かずに「私はいらない」と答えた。私は何をいただくかはもう決まっている。
「同じく……」
私は布を掴む手を緩め、手の平をブレンダへと見せる。そうして彼女が私の腕から手を離した……その瞬間を狙い、私は再び布をまくろうとする。結局、咄嗟に反応したブレンダに止められてしまう。だが昨日の強制連行の仕返しができたと思えばそれでいい。がそれ以上に真面目な航空ウィッチさんをからかうのは面白いから大戦果だな。
「はははっ! ミラーナは一筋縄ではいかねぇな!」
「ホント最高!」
イヴとヴェンナは腹を抱えて、その笑い声を部屋中に響かせる。私も流石に笑みが零れてしまう。
「っ……キミらはやはり問題児たちだな!」
「すまん、すまん。もうやめるよ」
そう言って私は謎のベールから視線を逸らさずに離れる。歯がゆいがここが引き際だろう。だが私の胸を打つ鼓動は、いまだに激しさを保ったままだ。
「いいタイミングだし、私はここらでお暇させてもらおうかな~」
ヴェンナはそう言うが既に扉を開けて、部屋から体が半分出かかっていた。イヴもパイルバンカーを担いで、同じく部屋を後にしようとする。
「言えてるな。私もそうさせてもらうぜ~」
二人が出ていくのをブレンダと一緒に見つめていると、彼女は大きなため息をつく。これで振り回される側の気持ちも痛いほどわかったはずだ。今日からは行動を改めて欲しいものだ。
「もうやめておくれよ」
「やめておくよ、それじゃあまた」
私はイヴェンナ達の後を追うようにしてブレンダの部屋を出る。
二人がどこに行ったか、探すため廊下の左右を見ようとすると、また誰かが早足で私の方へとやってくきた。今度は何の用なんだか。
「さっき騒音はあなたが原因ですか?」
こちらに話しかけてきたのはまたしてもウィッチか? つくづく私はウィッチに好かれているようだ。
「いえ、違います」
「でもエンフィールド中尉の部屋から出てきましたよ……あなた、見ない顔ですね」
そう言って私の顔をまじまじと見つめてくる。そういえば彼女の制服は初めて見るものだ。どこの国の所属だろうか? 今朝の作戦会議にはいなかったから十中八九、航空ウィッチなのは確かなのだけど。色々と考えを巡らせているとブレンダが扉から顔を出してきた。
「あ。……やぁ、ナスターセ曹長。すまないねぇ」
私がブレンダの方へ向き「知り合い?」と訊くと彼女は頷く。
「ついこないだに配属された子なんだ。すごく真面目だから私をよく叱りにくるんだよぉ」
「エンフィールド中尉のお知り合いなんですね。どうりで」
その"どうりで"は何だ。私がブレンダと同類だと思っているのか。
「自己紹介が遅れました。私はダキア空軍所属、アルティミジア・ナスターセ曹長です」
「私はオラーシャ陸軍のミラーナ・ネストロヴナ・クラノヴァ大尉」
話し終えるとナスターセ曹長は私の手を掴んで無理矢理握手をしてくる。私は少し眉をひそめると「陸軍の方には大変お世話になっていますので」と彼女は返してくる。別に私は大したことはしていないけど、彼女なりのなにかがあるんだろうと無理に自分を納得させる。
「彼女は元々陸戦ウィッチだったんだよ。そこから適正が航空ウィッチだとわかってから転身したんだ」
「そうなのか……」
頭の中だけで考えていた言葉が、せき止められずに口から出ていた。
「ナスターセ曹長は本当に優秀だよ。努力家だし、私の作品達も偏見なしに見てくれる数少ない人だからね。もっと大人になれば私を超える発明家になれるかも?」
「発明家にはなりません!」
そうか、陸から空へか……まるで昔の私のようだ。私は叶えられなかったが、彼女は叶えたのか……いや別に空を目指していたから航空ウィッチになった訳ではない。適性があるから、飛んでいる。
ならば何故、私はいまだに地を這っている。私にも飛べたのではないのか? アリだって羽が生えて飛ぶやつはいる。
その時、私の中で固く蓋を閉じていた記憶が溢れ出る。四、五年前の苦しくも美しかったひと時。まだ夢を純粋に追いかけられたあの頃を……。
[公開情報]ブレンダ・エンフィールド
ブリタニア空軍に所属していると思われるウィッチ。兵器開発者。物凄い早口。書類上ではラキーシン少佐の部下ということになっているが、キロヴォグラードで二人が会話している姿を目撃した者は少ない。