異世界教師   作:バズらなカッター

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処女作です


第1話

「知らない天井だ…」

 

重たいまぶたを開くと真っ先に目に入ったのは古めかしい石造りの天井だった、確か俺達は授業中で…教室の床に謎の魔法陣みたいなものが現れて…俺が混乱する生徒達を鎮めて居たらその魔法陣みたいなものが光り出して…そして…

 

「って生徒のみんなは無事なのか!?」

 

俺は前の出来事を思い出し、石の床から跳ね起きると周りを見回した

 

「良かった…34人、岩沼中学2年1組の全員が揃ってる…」

 

俺の周りには少し前の俺の様に倒れている生徒達が居た、ここがどこだか分からないが、ひとまず俺と一緒にあの光に呑まれた生徒達が無事だと言う事が分かって俺は一安心した

 

「でも一体ここはどこなんだ…?」

 

俺達は教室に居た筈だ、なのに今俺達は古めかしい石造りの部屋に居る、それに教室で見た魔法陣、そう…まるでRPGにでてくる様な感じだ

 

「まさか…」

 

俺は一つの可能性を推測した、しかしその推測はあり得ない…あり得なければならない…そもそもこんな推測など立派な大人、しかも一介の先生である俺がすべきでは無い、そうだ…この方法ならこの場でその推測が間違っていると証明できる…

 

「ステータス…オープン…」

 

俺が震える声で言うとピコンッと音がして虚空から文字が書かれた半透明の板が現れた、それは俺の狂った推測を肯定してしまうものだった…そう…ここは異世界であるという推測を…

 

「マジかよ…オイ…」

 

この現状を夢だと処理して今すぐにでも寝てしまいたい気分だったが、俺は先生としての責務を全うせねばと自分に喝を入れて持ち直した、そしてひとまず生徒達を起こす事にした

 

「みんなぁ!起きろぉ!!」

 

俺の授業中に寝ている生徒を起こす為に鍛えられたクソデカ声を前に起きぬ人間など居ない!

 

「ね、寝てたのか俺!?」

「せ、先生すみません!?」

「お、怒らないでぇ!?」

 

生徒達は千差万別の反応で飛び起きたのだった、混乱させたのは俺自身だが混乱する生徒達を鎮める為に俺はもう一度叫んだ

 

「ひとまず全員整列しなさい!」

 

俺は一旦飛び起きた生徒達を整列させた、させたは良いものの現状をどう伝えれば良いものか…?

 

「先生、質問よろしいでしょうか?」

 

俺があれこれ悩んでいると学級委員長の「天野龍斗」が手を挙げながらそう言った、どうせこのまま悩んでも解決できない気がしたので俺は彼の質問を聴いてみる事にした

 

「あ、ああ良いぞ」

 

俺がそう答えると彼は少し周りを見回してこう言った

 

「ここは一体どこですか?」

 

俺はどう答えたものかと口籠っていた、すると整列した生徒の中から「桐崎優子」が手を挙げたのだ

 

「桐崎さんか、何か言いたい事があるのか?」

 

俺がそう言うと彼女は顔を紅く染めると今にも消えてしまいそうな声でこう言った

 

「ここって…異世界なんですか…?先生がみんなが起きる前にステータスオープンって言ったら半透明の板が急に現れましたよね…?」

 

俺はショックを受けた、なにより生徒の1人に自分の恥ずかしい台詞を聴かれていたのもショックだったが、それを生徒全員の前で暴露された事がかなり恥ずかしかった

 

「な、なんでそれを知ってるんだ!?もしかして1人だけ起きてたのか!?というかクラス全員が居る前で言わないでくれぇ!?」

 

「ご…ごめんなさい!?だってみんなが寝てるから起きるに起きれなかったんですよぉ…それに先生がここは異世界だって言いにくそうにしてたからぁ…」

 

「そ…そうか…なら仕方ない…それと急に怒鳴ってごめんな…」

 

涙目で弁解する彼女を見て頭が冷えた俺は彼女に急に怒鳴った事を謝罪するのだった、突然何かが俺の頬を掠ったのと同時に生徒の誰かの悲鳴が聞こえた

 

「キャーッ!!」

 

生徒達の殆どが一斉に走り出す、しかし何人かは何かありえないものを見たかの様な表情で固まっており、生徒達が走り出した向きとは逆方向、出入り口がある方向に顔を向けていた、俺もその方向を見てみると…

 

「ゴブ…リン…」

 

そう…その方向には存在しないはずの緑色の小柄な人型の生物「ゴブリン」が1匹存在していたのだ…

 

「俺が、俺がゴブリンを出入り口から引き剥がすからみんなは出入り口から外に出るんだ!!」

 

どうする…?どうやってゴブリンの気を引くんだ…?俺は無意識に後ずさった

 

「ッ!?」

 

後ずさった時に何かを蹴ったのだろうか?足元からカツーンと音がしたので俺は足元を見た、するとそこには小石が落ちていた

 

「そうだ…!これで…!!」

 

俺は小石を拾うとゴブリンに投げつけた

 

「ゴブリンッ!こっちに来いっ!!」

 

しかし投げつけた小石はゴブリンの周りに落ちただけでヤツにダメージを与える事はできなかった、心なしかゴブリンが俺を嘲笑ってる気がする

 

「クソッ!他に何か投げられるもの無いのか!?」

 

俺は地面を見渡すが石らしきものは一つも転がっていない、もはやこれまでかと思ったが、ゴブリンが俺に何かを投げつけてきた事を思い出して俺は振り返って後ろの壁を見た

 

「あった…!斧だっ!!」

 

この斧がもし俺に命中していたらと思うと恐ろしいが、今はそんな事考えている暇は無い、俺は素早く斧を壁から引き抜くと投げようとした、が…

 

「待て…冷静になれ俺…ヤツの動きを良く見るんだ…」

 

俺は一度冷静になりゴブリンの動きを観察する事にした、右に2歩、後ろに3歩、左に5歩…そこだ!!

 

「当たってくれよっ!!」

 

俺は腕に力を最大限込めて斧を投げた

 

「よっしゃあっ!!命中した!!」

 

投げた斧はゴブリンの頭に見事命中しヤツの頭をかち割った、少しというかかなりグロいな…生徒達に悪影響が無ければ良いが…というか誘き寄せるだけの筈だったのに倒しちゃったな…

 

「おい!先生がアイツを倒したみたいだぞ!!」

 

「本当!?先生スゴい!!」

 

俺がゴブリンを倒したのに気づいたのか生徒達が俺に駆け寄ってきた、しかし何人かの生徒は俺の予想通りゴブリンの無惨な死体を見て顔を青くしている、意外と死体を気にしない生徒が多いな…もしや危険が去った事で死体が気にならないぐらい高揚しているのか?

 

「青い顔してるヤツは吐くなら言えよ?介抱してやるからな」

 

俺は顔を青くしている生徒にそう呼びかけた、すると先ほどの戦闘の疲れに今頃身体が気づいたのか、俺は倒れそうになったが生徒の前で倒れる訳にはいかないと自分に喝を入れた、が…結局倒れはしなかったものの尻餅をついてしまった…

 

「先生っ!?大丈夫ですかっ!?」

 

すると先ほどまで青い顔をしていた生徒の1人だった天野さんがそう叫びながら俺に駆け寄ってきた

 

「ああ…大丈夫だ…それと…1人じゃ立てなさそうだから手を貸してくれないか…?」

 

俺は本当は自分だけで立ち上がりたかったが、どうも身体に力が入らないので恥を忍んで彼に手伝ってもらい、やっとの思いで立てたのだった




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