愛される少年は運命を捻じ曲げに行きます!   作:春山三冬

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魔法、技名は一部適当です!まじめな部分と適当な部分の落差がすごいです!


10:トーナメント④

内部アリーナに入り、ほとんど同時に来たエリーと向き合う。

そして司会の試合開始の合図と共にエリーは指を鳴らそうと構えた。

 

『初撃で沈められないよう力ガンガン使っちゃいなよ』

 

うん。『力の操作(パワーマニピュレーション)』を使うしかないよね。

とりあえず、さっき痕跡を見た感じだと、真っ直ぐに風の跡があったから前方きたの力を全力で別の場所に逸らしてから、反撃を開始しよう。

そう頭の中で結論づけた瞬間エリーの指が鳴った。

 

速攻力の操作(パワーマニピュレーション)を使い、前方に飛んでくる風の軌道をずらす。

そして、遠くからじゃわからなかったけれど、よくみると風に色があった。これなら防御もしやすいので大助かりだ。

 

さあ反撃するぞとエリーの方に向き直った瞬間、ミスリルが大声を出した。

 

『テスっ!!!あれっ!!あれあの子神様に愛されてるっ!!!』

『んもうっ、うるさいわねぇ。ミスリル、いちいちこんなことで驚かないでちょうだい』

 

うわっ!エリーにも神様ついてる!てか、エリーについてる神様の声Hだ!

 

『浮気だ!!!テスの浮気者!!!』

『あらあらあら。嬉しいこと言ってくれるじゃない。私もお気に入りになりそうだわエリー』

『でしょう。テスは今まで3回の人生をやり直してきた中で、1番いい人だって一目で分かったから』

 

うわっ!?エリーも頭の中の会話に入ってくるの!?

 

『神同士がつながった時点で憑かれてるもの同士も繋がるって知らなかった?』

 

マジかっ6回目の人生にして初めて知った…

 

『へぇ〜そうだったんだ。ボクも初めて知ったや』

『もーミスリル。あれだけルール本ちゃんと読み返しなさいって言ったのに』

 

マジで大丈夫かこのボクっ娘駄女神!?てかルール本なんてあるの!?

 

『誰が駄女神じゃゴルァァァァ!!!??』

『テスの神うるさいね…』

 

もう何百年もこのうるさいボクっ娘駄女神といるから慣れたよ…

 

そんな感じで、脳内で4人でお話ししていると、エリーについてる神様がこの地味に楽しい時間に終わりを告げた。

 

『ねぇ〜?そろそろ試合に戻ったらどぉ?会場がざわついてるわよ』

 

「あ〜。うん。いくよっテス!!」

 

あっ。ミスリルミスリル!通信切って!ほらっ!

 

『あぁ、はいはいはいはい!…おっけできた!』

 

「よしっ、うん!全力で行くからね!エリー!」

 

うーん。わりと楽しかったからちょっと残念だけど、仕方ないか。

試合始まってから、初撃を打ってから動かなくなったらそりゃ会場も混乱するでしょ。

しゃーないしゃーない!

 

「ってうわっ!?」

 

指を鳴らさずに能力がいきなり飛んできた。

てことは、やっぱり縛りじゃなかったんだ。かと思えばパチンという音共にまた風の斬撃が飛んでくる。

 

「ふふっ。テス、教えてあげるよ。女神に愛されるものは、指定の攻撃を決めた動作をするだけで放てるんだよ。私の場合、こう指を鳴らすと、風の斬撃が前方に飛ぶように設定してるの。だからっ、こんなこともできるんだよっ!!」

 

喋りながらもガンガン斬撃を飛ばしてきていたが、しゃべり終えた瞬間、5回分の指を鳴らす音が聞こえ、ものすごいスピードの5回連続の斬撃が飛んできたかと思うと、炎の魔法、雷の魔法の順番で魔法が飛んできて、一瞬にして、こちらが押され気味になった。

 

今の攻撃が続くと、かわすのでいっぱいいっぱいになって、反撃ができなさそうだ。

どう打開すべきか考えてる間も、どんどん攻撃は飛んでくる。

 

とりあえず、痛覚無効魔法を自身にかけ、魔力を垂れ流し、それを力の操作で凝縮し、固めて擬似的な盾を作り、エリーにまっすぐ突っ込んだ。

 

「テス、私は風の支配者だよ?そんな無謀な突撃は、無駄!一瞬で吹き飛ばしてあげるっ!!」

 

そう言ってエリーは指を鳴らしつつ、シンプルだが、家くらい簡単に吹き飛ばすような風を僕に向けて放ち、その中にたまに風の斬撃を混ぜて、確実に突き放そうとしている。

 

『テス、ここだよ。いい加減チキってても仕方ないから。暴走覚悟で使いなよ』

 

う、ん。わかった、やるね!

 

「いくよっ!エリー!」

「きなさいっ!私も全力で立ち向かうからっ!」

 

そう言って、僕とエリーはお互いに一歩全力で踏み出し、エリーは両手を前に突き出し、それを確認した僕はどんどんエリーの方を突き進んだ。

そして、突っ込む僕に向かってエリーが叫んだ。

 

「風神の涙と共に無へと帰せ!!風神之啼哭(トゥルーザ・シトル)!!!」

 

その声とともに、頭上に雨雲が広がりそこから台風のような形に変わったかと思うと、中心の穴から一直線に竜巻が僕の元へ生成された。

その威力は凄まじく、同時に降る雨や雷すらも全て巻き込みながら一直線に落ちてくる。

 

長径86m、短径54mの内部アリーナの約三分の一を埋め尽くす巨大な竜巻が僕を確実に殺しにくる。

ただ、僕は死ななかった。通常なら、この竜巻は、風の斬撃を含んでいて、それをしかもたまに飛ばしてきているので、普通に受けようとすると、竜巻本体に当たる前に木っ端微塵になってる。

ただ、僕は魔力で作ったシールドがあるため数秒程度なら持つ。

 

だから、僕は竜巻が完全に降りてきた瞬間、それに合わせて叫んだ。

 

「我が神の力で、其方の力を打ち消さん!!相反之力(タイリアン・ミリス)!!」

 

そう唱えた瞬間、エリーの竜巻は、雨雲ごと全て消え去った。

そして、天気は最初の通り晴れに戻り、エリーの大技は跡形もなく消え去った。

 

「なっ、なにをしたの…?」

「今の技は、指定した力の真逆の力を加え、完全に相殺する技だよ。あの竜巻なんていい例だ。さっきのは時計回りに回っていたけど、僕の技で、風の力が流れる方向、つまり、竜巻の回転方向の真逆の方向に、全く同じ強さで力が加えられたから、お互いが相殺し合う結果に終わったんだよ。一部例外もあるのだけど、ほとんどのことはこの技でなんとか相殺できるよ」

 

そう説明しながらエリーの心臓部に攻撃し貫き、エリーとの戦いは無事に勝利した。

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