愛される少年は運命を捻じ曲げに行きます!   作:春山三冬

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2話前の話、私は頭がイカれてたのか知らないけど、72柱の神なのに、なぜか74柱と書いていました。
ごめんなさい、思いっきり間違いでした。


16:猫と家族

結局あのあと全力で誤解解いて、みんな仲良く友達になると言うことでなんとか全員が納得した。

ただ、エリーは

 

「ちっ…なんでこうも上手くいかないのかしら」

 

とか呟いてた気がしなくもないが、とりあえず今は気にしないことにした。

それからメイドさんも加わって少しみんなでお話ししたあと、エリーがそろそろ帰らなきゃ行けなくなったらしいので解散することになった。

 

ただ、去り際にエリーが

 

「ねぇテス、今から私の家にお茶しに来ない?もちろん、他のみんなは抜きでね?あっ、でも、テスのご両親はもちろん同行してくれていいわよ?」

 

とか言ってくれたおかげでまたレイラたちに色々言われることになった。

ただ、今回は親が途中で迎えに来てくれたので無事みんなから逃走することに成功したのだ。

まぁ、明日が怖いけど

 

とりあえず、僕はお母さんとお父さんと3人で仲良く家に帰った。

ただ、やっぱりまだ小さいから手を繋ぐことを強制されてしまった。2人とも僕がそんなことしなくてもいいことは知ってるくせに…

 

普通の子供なら喜ぶところなのだろうけど、僕は何度も転生してるおかげでただただ恥ずかしい。

本当に、こう言う時だけは前世の記憶があるのを恨みたくなってしまう。

 

『でもでも〜、お母さんたちは普通に大事な我が子と触れ合ってたいだけだと思うよ?』

『そんなのわかってるよ〜。それに、明日からは夏休みまで気軽に会えなくなるんだから仕方ないとは思うよ〜?』

『とか言っちゃって、実はそれなりに誰かの体温が感じられるのは嬉しいんじゃないの?』

『はい!?そんなわけないし!!』

『もうもう〜照れなくてもいいんだよ?僕にはテスの全てがお見通しなんだから〜!』

 

ちっ、と心の中で舌打ちして、ミスリルとの会話を止める。

ただ拗ねてるだけに見えるだろうが、本当にただ拗ねてるだけである。

 

実際、ミスリルが言った通り人とこうしてくっついていられるのはとても嬉しい。

今まではずっと戦ってばっかりで、それに疲れて今回初めて普通に生きると決めたのだから。

だからこそこう言う何気ないことがとてつもなく嬉しく感じる。

 

1回目の人生は、弟子がいて、そいつと2人で過ごしていたから寂しくなんかもなかったし、むしろずっと楽しかった。

ただ、2回目になると流石にもう弟子はいなくなっていた。

まぁ、仕方ないと思う、あいつはただの人間だったから普通に寿命が尽きてなくなっていたのだろう。

 

『ねぅテスぅ…あの子今何してるのかな?』

『えっ?何言ってるの?』

『だって、まだあの子生きてるかもしれないよ?』

『えっ、それ、本当?』

『もしかしたら、アンデットになって記憶もないまま彷徨ってるかもしれないって話だけ。ま、流石にあの地に居なかったから死んでるのは確定だけど』

 

でもそっか…生きているかもしれないんだ…もし生きてたら会えるかな?

たとえアンデットになってても会いたいな…

 

「お師匠、私はずっとあなたを待ってますからね」

 

そう言って早くに死んだ僕を見送ってくれた彼女の顔を思い出す。

すると、どうしても会いたい、そんな思いが生まれ、僕の今世の目標が一つ増えた。

ただ、今はこの家族との時間を目一杯楽しもう。

 

 

 

家に着くと早速お母さんが料理に取り掛かった。

 

「今日はテスが好きなもの尽くしよ〜!張り切って作っちゃうから、楽しみにしといてね!」

 

と言って鼻歌を歌いながら料理をしている。

一方お父さんと僕はテーブルの準備をしたりちょっとしたお手伝いをしていた。

 

そしてそれから少しして、お昼ご飯ができたらしい。

 

テーブルを見ると、僕の好きな料理がたくさん並んでいた。

僕は2200年近くも生きてるくせに、ちょっと年甲斐もなくはしゃいでしまった。

そのあとは、家族みんなで仲良くお昼を堪能し、後片付けもみんなでやった。

 

そのあとは、今日学校であったこと話になった。

 

「なぁテス、一体お前はいつからそんなに強くなったんだ?私たちでは何をしたかさっぱりだったんだが。」

「そうそう、私も気になってたの」

「えっとね、あれはね風魔法を使って、それを僕の能力で圧縮して——————」

 

そうやっていろいろな質問に答えていって、友達はできたのか?だったりなんだったり色々話しているうちに、結構時間が経ってしまっていた。

 

夕方ごろになって、そろそろ晩御飯の支度をするといいお母さんが今度はお父さんも連れて台所に消えていった。

僕は暇になったので異国にあった書物を前に買ってもらって、読んでいたものの続きを読み始めた。

 

そして、少しするとひょこっと台所からお母さんが現れた。

 

「ねぇテス。お使い頼まれてくれないかしら?」

「んー?いいよ〜。何買って来ればいい?」

「いつも行ってる市場はわかるでしょう?あそこでハムとバケットを買ってきて欲しいんだけど」

「ん!わかった!」

「あっ、気をつけて行くのよ〜!ないとは思うけど車とかバイクには一応気をつけて、変な人には着いて行かないようにね〜。いってらっしゃーい!」

「はーい!いってきまーす!」

 

ちょっと心配されすぎな気がしなくもない見送りをされて、僕はゆっくり歩き出した。

夕方のため少しもう日が沈み始めていて、辺りは少し暗くなってきている。

 

早めに帰ろうと思い、少し歩くスピードを上げ、市場で言われたものを購入した。

お使いできてえらいね、とおまけにりんごをひとつもらい、帰路に着く。

 

りんごを齧りながらぼーっと歩いて帰る。

人がいなくなったあたりで、少し風が強くなってきた。

髪がぐちゃぐちゃになるし鬱陶しいので能力で風が当たらないように操る。

 

ただ、少し加減をミスしたのか、一瞬制御が効かなくなり風が勢いよく溢れた。

そして、あまりにも完璧すぎるタイミングで一匹の猫が僕の前に現れた。

 

どうにかしてとめようとしたけど、流石に間に合わない。

猫の半身が僕のせいで一瞬にして吹き飛んだ。その瞬間——————

 

『いったぁぁぁぁぁ!!!??』

 

頭にものすっごい大音量で、聞いたこともない声が響いてきた。びっくりして目を閉じ耳を塞いでしまう。

そして、ふと前に目をやると、さっき半身吹き飛ばした猫が完全に元通りになっている。

 

「えっ、猫ちゃん?大丈夫?」

『お…オイラはソフィア!あ、あんたはオイラと同じ神がついてるんだろ!』

「えっ…猫?」

『そーだ!オイラはあんたがさっき力の制御ミスって半身吹き飛ばされた猫だ!』

 

僕はこのおそらく神つきと思われる猫をじっと眺めた。

灰色の毛にお腹あたりは白い黄色と青のオッドアイの猫。

品種はわからないがとりあえずもふもふで可愛いことがわかった。

 

「えっと、ソフィア?だったか?僕のうち来る?」

『えぇっ!?いいのかっ!!?』

「うん、いいよ。可愛いし、暇な時話し相手になってくれるなら」

『ちょっとテス!!!話し相手なら僕がいるでしょうが!!』

『うわっ、あんたの神うるさいな…まあうちのみたいに何も喋らん奴よりかマシだろうけど』

『あれ?君の神は?』

『オイラの神は自分より下のいきものと会話するのがいやらしくて、最初に能力を発動した時説明だけして何も喋らなくなった、アンドロマリウスっていう神』

『僕はテス。で、このうるさい神が力の神のミスリル』

『あれ?アンドロマリウスなんて神いたっけ?』

『えっとですね…』

「あっ、話長くなりそうだから家帰ってからね。あんまり遅くなるとお母さんたち心配しちゃうから」

 

そう言って長くなりそうな話をぶっちぎって家に向かうことにした。

ただ、さすがに野良猫臭いから家に帰ったら速攻お風呂に入れてやると決めて、ソフィアを抱っこして家に帰った。

 

「ただいま〜お母さーん。おとうさーん。ちょっと先お風呂入るね〜」

「おかえり〜!今ちょっと手が離せないからテーブルの上に買ったものは置いといて!あとお風呂行ってらっしゃい!」

 

言われた通り買ったものをテーブルに置き、早速お風呂場へソフィアを運んだ。

 

『わーわー!!ぬ!脱ぐな!!エッチ!!!全裸になるな!!』

「はいはい、暴れない暴れなーい。体綺麗にしてあげるから」

『にゃー!!変なとこ触るなぁ!!すけべ!!変態!!』

「あれ?ソフィアってもしかしてメス?」

『今更気づくにゃ!!!と言うか!名前で既に女の子だろ!!』

 

そう言いながら全力で抵抗するソフィアを抑えながら体を念入りに洗っていく。

ついでに僕もお風呂に入ることにして、2人で入ろうとしたのだが、めちゃくちゃ暴れるので今日は短めにしてお風呂を上がった。

 

体をタオルで拭き、炎魔法と風魔法の応用で、熱風を出し、乾かしてあげる。

すると、出会った時よりずっともふもふになって可愛くなった。

 

そして僕は可愛さに負けてもふもふなお腹に顔を埋めた。

スると頭をバシバシ殴られて、『変態!変態変態変態へんたーい!!!』って叫びに叫ばれたから流石にやめてあげた。

 

リビングに戻ると既にご飯ができていた。

そして、まぁお風呂場であんだけにゃーにゃー叫ばれたから、もうお父さんとお母さんも気づいていた。

僕は、ご飯を食べる前にしっかりソフィアのことを話して、納得してもらってから一緒にご飯を食べた。

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