愛される少年は運命を捻じ曲げに行きます!   作:春山三冬

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19:もっふふもっふ〜

授業はその後も続いていったが、何度も人生をやりなおしている僕からしたらものすごく簡単なものだったからどれもつまらなかった。

 

とは言っても、普通のクラスよりも進みが圧倒的に速いことはわかっている。

だって、授業の内容がどれもこれも濃い。レイラは去年も同じようなことを教わってたらしく問題はなし。

エリーと僕はさっきも言った通りやり直しているので問題なし。

 

問題はアシューとキールだった。

あの2人は正真正銘普通の子。こんなバカみたいな量の情報を一気に詰め込まれても理解できるわけがない。

あ、あと忘れてたけどソフィアはずっと寝てたからなんとも言えない。

そもそも猫の手じゃペンは握れないから話聞いてるだけじゃ暇なんだろう。

 

そして、ようやく午前の授業が終わり、休憩に入る…かと思いきや、どうやら今日は午前授業らしい。

理由は先生が国からの依頼で何やら野盗を潰して回るとかなんとか。

 

もちろん参加したいと言ったが「もう少し基礎的なことを身に付けてからだ」と言われてしまった。

その後すぐに先生は「各自寮に帰れ。自由時間だから満喫しとけよ」といって教室を出てしまった。

そして、その頃ようやくソフィアが大きなあくびをしながら起きてきた。

 

「おはよ…眠い」

 

と今にも閉じそうな目を必死で開けながら僕の膝の上に丸まり出すソフィア。

ほんと、文句なしに可愛い。もふもふはやっぱり正義だ。

 

とか思いつつ無防備に寝ているソフィアのお腹をなでなでする。

気持ちよさそうに身をよじるソフィアを見ているとついつい頬が緩んでしまう。

 

ぼーっとなでなでしていると、まだだれも帰ってなかったようで、みんながみんなソフィアを撫でたそうにこちらをみている。

どうぞ?とジェスチャーで伝えてみる。すると向こうはしっかりわかったのかみんなでそっと手を伸ばす。

 

その瞬間、いきなりソフィアの目がカッと見開かれ、盛大に逃げ出した。

 

そして少し距離を空けたところから

 

「オイラのご主人に色目を使うようなメス猫どもになんか僕の体は触らせてあぜませーん」

 

とエリーたちに向かって少し嘲笑うかのようにいうソフィア。

そんなソフィアに「メス猫はソフィアでしょうが!」って突っ込みたい気持ちを抑えていると頭の中に『『『メス猫はテメェだろうがぁぁあ!!』』』というエリーとミスリル。それに何故かシトリーの声まで響いてきた。

 

シトリーに関してはよくわからないけど、僕だけがこのツッコミに至ったわけじゃなくて良かった…

なんてしょうもなさすぎることに安心していると、いきなり目の前に黄色い巨大な尻尾が現れ、突撃してきた。

多分、避けようと思えば避けれるんだろうけど、もふもふに包まれたいという衝動には抗えず体がもふもふに吸い込まれていった。

 

そして、もふもふで視界が埋まったと同時に、僕はそのもふもふを抱きしめて、全身で堪能しながらもふもふの中で深呼吸をした。

猫吸い的な感じだと思ってくれたらわかりやすいと思う。

 

まぁとりあえず僕はキールの大きくてもふもふなしっぽを抱きしめながらその中の空気をこれでもかというほど堪能していた。

そして、もちろんエリーやアシュー、レイラに剥がされそうになるが、魔力を垂れ流し、それを「力の操作」で凝縮して擬似的な壁を生成し、邪魔されないようにする。

 

『嗚呼、もう一生ここの空気だけ吸って生きていたい』

 

なんてついつい心の中でつぶやいてしまうほどには天国だ。

まぁもちろん、ミスリルやエリーからめっちゃくちゃガチギレされているが、そんなことはもう軽く受け流してしまっている。

 

そこまでして堪能してからようやく気づいたのだが、

 

「あれ?キールの尻尾って骨通ってないの?」

 

そう、キールの尻尾を触る限り、骨は9本ある尻尾のうちの一本しか通っていないように感じた。

その純粋な疑問にキールは普通に答えてくれた。

 

「なんか、骨はない代わりに肉というか皮膚というか、そんなものから尻尾がはえてるんよ。ほんで動かんから普段は一本にまとめちゃってるけど、今はテスが好きそうやから開放的にしてあげてるんやで?感謝しーや?」

 

そういうとキールは少し得意げに胸を張り、ふふん!と言いたげなドヤ顔をしてくれた。

普通に可愛くてちょっとびっくりしちゃったけど、相手はクラスメイトだと自分に言い聞かせ、自分の感謝の言葉を伝えた。

 

「もう感謝の極みです。今ならなんでもキール様のいうことを聞きますので何なりとお申し付けください」

「ほんまか!?ほんまか!?何してもらおっかなぁ〜。あんなことや〜こんなことにしよかな〜?」

 

僕の言葉にすっごく嬉しそうにしながらもモジモジしたりクネクネしたりしながら僕に何をさせようか悩むキールを横目に僕は尻尾をたくさん撫でながら尻尾の中の空気を吸いつつ、全身でもふもふを楽しんだ。

 

ただ、頭の中にはものすごくうるさいミスリルとエリーの切れる声が響いていて、僕の作った壁は3人と一匹がかりで叩き破らん勢いでボッコボコにされていた。

多分、突破されるのも時間の問題だろうなぁとか思いつつもどうしてももふもふをやめられない僕でした

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