愛される少年は運命を捻じ曲げに行きます!   作:春山三冬

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7:トーナメント①

「第458回プルチネルラ学園上位者トーナメントを始めます。生徒の皆さんにそれぞれトーナメントの表を渡しましたので、確認して試合開始5分前には控室に入るようにしてください。

 

それでは、解散!!!」

 

その声と共にトーナメント参加者が散らばっていき、観客席に戻る。

表を確認したところ、僕は第9試合、エリーは第16試合らしい。

 

僕らを含めた3級が今18人。2級が10人。1級が4人。(1級4人は四天王と呼ばれてるらしい)

だから、今回のトーナメントの参加者は総勢32人らしい。

 

僕の相手はスタウロン。そして、このトーナメントからは武器が解禁なので、スタウロンがどう化けるかは楽しみだ。

サイフォスは第一試合で3級と戦っているが、現在は負け気味になっている。

 

とてもじゃないけど打開は厳しそうだ。

打開するならさっきのスタウロンの最後の一撃くらいの火力で一気に戦況を変えるほかなさそうだ。

だが、実際のところサイフォスが本気かどうかもわからない。

 

あいつはフードをかぶっているせいで顔があまり見えないから、全力かどうかが分かりづらい。

全力でない場合も大いにある。理由は簡単で、ぎりぎりの勝負を演じて、いざという時まで実力を完全に隠している奴がたまにいるからだ。

ただ、この感じはきっと今ので全力なのだろう。結局負けてしまっていた。

 

次の試合は2級対1級。試合開始直後1級が普通の格闘技だけで2級をねじ伏せていた。

瞬間移動を疑うほどの移動速度と、能力相手に素手で挑んでいるので、移動速度か格闘技のどっちかが能力なのだろう。

 

それから6試合が終わり、残りの3人の1級が出て、1人は相性が悪かったせいか2級に負けていた。

そして、今の3級対3級が終わったら僕の試合だ。

 

相手はスタウロン。どの程度の強さなのかが知れるので楽しみで仕方がない。

ワクワクしながら控え室で待っていると、扉がノックされ金髪エルフの男の教師の1人が入ってきて、

 

「試合だ。早く出な」

 

とだけ言ってきた。

僕はそれに従い控室を出て、会場に向かった。

 

向かっている最中、ミスリルがふと問いかけてきた。

 

『あの男の教師、莫大な魔力量じゃなかった?あれが勝利の女神様?』

 

うーん。確かに魔力量は莫大過ぎたけど、女神なんだからあの男ではないでしょ。

 

『うーん?確かに?んー。でもなんか引っかかるなぁ…なんか、見た感じ女なんだけどなぁ…』

 

ミスリルが言うから女なのか?わかんない。

 

とりあえず、今は試合を楽しもう。

そう決めて、会場に足を踏み入れる。

 

僕が出てきたと同時にスタウロンが出てきた。

試合は盛り上がりに盛り上がっていて、結界越しでもうるささが伝わってきた。

 

スタウロンを見ると、剣のようなものを持っていた。

ただ、少し違うのが、刃が片方にしかなかった。普通の剣は左右対照になっていて、両方に刃があるのだが、スタウロンの剣は片方にしか刃がなく、これまた扱いが難しそうなものだった。

何かよくわからないので、とりあえず聞いてみることにする。

 

「はじめましてスタウロンくん。聞きたいことがあるんだけどその少し変わった剣ってなに?」

「いいよ。アシューで。僕はテスって呼ぶから。で、この武器は刀っていう武器。異国の技術で作られたもので切れ味が非常に良いんだ。僕は愛用しているよ」

「そう。そりゃすごいね。聞きたいことはそれだけだよ。ありがとう」

「いえ。対戦よろしくお願いします」

 

そう言ってお互い離れる。

試合開始の合図と共に、アシューは炎をこちらに一直線に撃ってくる。

普通にパワーマニピュレーションできどうをずらす。アシューに打ち返すのもありだが、少しでも情報が欲しいため戦いを長引かせることにした。

ただ、どれだけ近づこうとも、ほとんど同じ攻撃ばっかでつまらない。だから僕は手の内をアシューにのみきこえるよう教えた。

 

「僕の能力は力を操作する能力だよ。ただ、肉体の力は操作できないから、その剣と能力捨てて肉弾戦に持ち込んだらどう?アシューの方が体格いいんだから勝てると思わない?」

「はっ。そんなの誰が信じると思う?」

 

そう言ってアシューは初めて刀で一撃を入れてきた。

いつのまにか炎を纏わせていたその刀で正確に僕の首を狙ってくる。

 

ただ、僕は普通に風魔法を使用しアシューの体を吹き飛ばす。

武器は基本使用しないけど、これは少し使用したほうがいいと感じた。

だから、岩魔法を使い、それを風刃で整形し、剣にする。

 

また突っ込んできたアシューの刀に合わせて、こちらも剣を振る。

武器同士が触れ合った瞬間。僕の岩の剣が溶けた。

 

『どうやらさっきから炎を撃ってこない理由は、刀の温度を上げるためだったみたいだねぇ』

 

「めんどくさ…」

「何がめんどくさいんだい?」

 

いつのまにか再び間合いに入ってきてたアシューの刀が僕の顔に向かってくる。

このままでは負けるので、仕方なくまた風魔法を使い、アシューの体をぶち抜いた。

 

試合終了。一応僕が勝ったが、どうやらアシューは全然強いらしい。

剣術の腕に関しては想像以上だった。

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