ラバーリアの栄光   作:天冥の王

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第三話   ロデニウス大陸

中央歴1639年3月26日

 

  クワ・トイネ公国 首都クワ・トイネ 政府官邸

 

 「今日で丁度2ヶ月か...我が国も大きく変わったな...」

 

 ラバール連合王国からの経済援助により、インフラの整備が行われていた。クワ・トイネ公国の各経済都市に繋がる線路、330mもある大型タンカーがマイハーク港に数隻出入りしており、今日もラバール連合王国に向けて穀物が輸出されている。首都であるクワ・トイネでは、あちらこちらに高層ビルが立ち並び、列強国と肩を並べることのできそうなほど発展していた。

 

「これらが、たったの2ヶ月でできるラバール連合王国の技術力に驚きますね。」

 

「そうですね。近頃、彼らの首都「ラバール」と我が国の首都「クワ・トイネ」を結ぶ航空便ができるそうですぞ。彼らがパーパルディアのような覇権主義ではなく平和主義で良かった。」

 

「ヤゴウ君。ラバール連合王国の事は頼みましたよ。彼らがいなければ、我が国は滅んでしまう。」

 

「わかっております。なんとか成功させてみます。」

 

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中央歴1639年3月26日 (西暦2032年4月27日)午前7時

 

  ラバール連合王国 首都ラバール 外務省第一合同庁舎

 

 2ヶ月に一度行われる、外務省主催の国内外での功績を披露する会議が行われた。

 半年に一度行われる、御前会議に向けての情報整理も兼ねており重要な会議である。ここには、外務省、内務省、財務省、大本営・連邦軍議会省、国交省、税務省の各大臣が参加している。

 

「外務省です。我が国が、クワ・トイネ公国・クイラ王国と条約を結び、2ヶ月が経ちました。現在の外務省の動きとしましては今後、両国との交流を深めるべく技術交流会や学校法人による学習交流会、旅行支援制度等の後押しをすることを考えております。これらは既に学術省、文部省、国交省には通達しており許可をいただいております。両国の首都の直行便が出来次第、随時展開したいと考えております。以上です。」

 

「内務省です。国内での転移による被害は回復し転移前に近い状態に戻すことが出来ました。ですが、所々のインフラが修復できずにいます。この辺りは、国交省と協力していきたいと考えております。以上です。」

 

「大本営・連邦軍議会省です。現在、海・空軍による周辺諸国の調査を行っておりますが、気になる国を2ヵ国見つけましたので報告させていただきます。」

 

「ほう。なんですかな?」

 

「先ずは、同盟国であるクワ・トイネ公国の隣国『ロウリア王国』です。商人や町人などを通じて情報収集していたところ、この国はここ数年、軍拡に進んでいるとのことでした。およその数でありますが、兵員数、軍艦数、航空機数がクワ・トイネ公国の数十倍程度まで膨れ上がっております。これが約1ヶ月前でした。おそらく現在はもっと多くいるでしょう。これにより懸念すべきことは、ロウリア王国がクワ・トイネ公国に軍事行動を行った場合です。」

 

「それはどの位の確率で起きると予想されているのですか?」

 

「ほぼ確実に3ヶ月以内に起きるでしょう。」

 

「なるほど...」

 

「もし、ロウリア王国が軍事行動を行った場合、安全保障条約に基づき我が国も動かなければならない。しかし、我々動けるのは確実にクワ・トイネ公国に被害が出た場合です。あくまでも、我が国が締結しているのは安全保障です。しかも我々が転移前に日本と結んだ安全保障より軽いものです。」

 

「実害が出るまで動けないのか...」

 

「でしたら、国際停戦監視軍を復活したらどうですか?あれですと、発展途上国の治安維持を名目に守備隊をクワ・トイネ公国におけます。」

 

「内務省のオキ大臣、簡単に言ってくれますが、他国に軍を置くのがどれ程リスキーなのかご存知なのですか?」

 

「わかっておりますよ。でもそうしないと、安保条約だけでは間に合わないでしょう。」

 

「わかりました。我々、外務省が交渉しましょう。何とか説得してやりますよ。」

 

「ありがとうございます。では、オキ大臣の案で行きましょう。」

 

「では、もう一つの国の説明に行かせていただきます。国名は『パーパルディア皇国』と言います。列強第四位の国家です。多数の属国を従えており、第三文明圏のトップに君臨する国家となっております。」

 

「なんか聞き覚えのある国だな。」

 

「旧隣国、現在は我が国を構成するストラスブール連合王国みたいな国だな。」

 

「パーパルディア皇国の国家体制は、皇帝を中心とした絶対君主制です。人口はロウリア王国より少ない。しかし、この国の軍事面が非常に厄介です。」

 

「と、言いますと?」

 

「兵員は100万人相当でしょう。また戦列艦や砲艦などの多数の巡洋艦を保有しております。中でも100門級の戦列艦に装甲板を張った船もいます。どれ程、強固なのかはまだわかりませんが、要注意です。航空機の代わりとしてワイバーンを多数保有しており今後も軍備増強を図ると思われます。」

 

「もし、我々が何もせずにいるとパーパルディア皇国が、この第三文明圏を統一するでしょう。」

 

「500年前の我が国みたいにか?」

 

「おそらくは。」

 

「だとするならば今後は、我が国はどう動いたら良いのか?」

 

「それは、この会議で議論するべきことではありません。あくまでもこの会議は、発表会の良な物なのですから。その件での議論は、御前会議で行いましょう。」

 

「そうだな。」

 

「では、最後に財務省からです。現在はクワ・トイネ公国、クイラ王国との貿易により前年度と変わらず貿易黒字となっております。また、国内経済協定でも貿易黒字が続いております。国家予算も前年度と変わらない額を来年度出すことが出来ます。以上です。」

 

「本会議はこれで以上となります。何か御座いましたら、個人でお聞きください。では解散させていただきます。」

 

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 クワ・トイネ公国 ラバール連合王国大使館

 

「タナカ大使、クワ・トイネの外交官ヤゴウ様が、急ぎお話ししたいことがあるそうです。」

 

「ヤゴウ氏がですか?わかりました。すぐに行きます。」

 




次回予告

 突然、クワ・トイネ外交官ヤゴウに呼ばれた、タナカ外交官。
 そこで衝撃的な情報を聞いてしまう。

 クワ・トイネ公国にいったい何が!?

次回 クワ・トイネ公国の危機

*あくまでも予定ですので変わるかもしれません
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