ラバーリアの栄光   作:天冥の王

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そういえば、ラバール連合王国第七艦隊の所属艦級の説明をしていなかったはず。
改めて説明しておきます。

第七艦隊 編成

 旗艦 エストシラント級戦艦二番艦テンシン
 外観は、アイオワ級戦艦。127㎜連装両用砲の代わりに30mm連装CIWSが積んであります。また、二番艦テンシンは第三主砲がない代わりに飛行甲板となっており、4機ほどVTOL機を飛ばせます。

随伴艦

 軽空母 サツリュウ型 サツリュウ
 外観は、『空母いぶき』に登場する、いぶき型護衛艦です。相違点はCIWSがが3基増設されている事だけです。

 二等戦艦 ラスカル
 外観は、サウスダコタ級戦艦です。こちらもセストシラント級同様に127㎜連装両用砲の代わりに30mm連装CIWSが積んであります。

 重巡洋艦 キシジマ型 (キシジマ エシジマ コオジマ)
 外観は、高雄型重巡洋艦の主砲を三連装砲にした感じです。また、VLSやCIWSが増設されています。
 軽巡洋艦 アワジシマ型 (アワジシマ ネノジマ ハシダテ モガミ)
 外観は、まや型護衛艦を延長し連装砲を前甲板に二基、後甲板に一基乗せた感じです。
VLSやCIWSも勿論、積んでいます。しかし、VTOL機は積めることが出来ません。
 駆逐艦  キシナミ型
 外観は、島風型駆逐艦。魚雷発射管の代わりに4連装誘導噴進弾砲を二基ずつ搭載したものです。また第二主砲はCIWSに代わってます。他にも25㎜対空機銃からボフォース40㎜機関銃に代わってます。
      イソカゼ型
 外観は、島風型駆逐艦。12.7㎝連装砲はオートリローダーのおかげで分間20発になってます。また、第二主砲はCIWSに代わってます。魚雷発射管は6連装です。


それでは、本編に行きます。



第四話   クワ・トイネ公国の危機

中央歴1639年3月26日 午前11時

 

 クワ・トイネ公国 ラバール連合王国大使館 応接室

 

 クワ・トイネ公国外交官ヤゴウ氏に「話がしたい」と呼ばれたタナカは、応接室でまっていた。

 

コンコン

 

「どうぞ」

 

ガチャ

 

「忙しいところを申し訳ない。」

 

「いえ大丈夫ですよ、ヤゴウさん。今日は、どういったご用件でしょうか?」

 

「我が国の隣国『ロウリア王国』を、ご存知でしょうか?」

 

「ええ、少しは存じております。」

 

「ならよかった。実はそのロウリアが、クイラ王国とクワ・トイネ公国に戦争準備のために国境線沿いに軍勢を集結させております。」

 

「本当ですか!?もし開戦でもしたらどうなりますか?」

 

「我が国とロウリアの兵力は歴然です。敗北するでしょう...。」

 

「そんな...」

 

「ですので、タナカさん。どうか援軍をお願いできませんか!我々だけでは、自国も勿論、クイラ王国も守ることもできません。」

 

「軍事支援ですか...実はですね、こちらもヤゴウさんに相談したかった事があるんです。」

 

「なんと。それは一体?」

 

「貴国クワ・トイネ公国とクイラ王国にラバール連合王国軍を駐屯させることです。」

 

「!」

 

「安全保障条約を拡大して、我が国の軍を貴国の軍を強化すること。そして、いざ貴国で戦争が発生したときにすぐに駆け付けることを名目に我が国の軍を駐屯させるのです。部隊名は「国際停戦監視軍」です。元々は転移前にあった軍事組織だったのですが、貴国の周辺諸国が安全保障にかかわるので監視するために設置する予定でした。」

 

「なるほど!」

 

「良い機会ですので急遽、首脳会談を行い安全保障条約の見直し再度締結することにしましょう。また、軍の派遣についても連邦議会で協議しましょう。」

 

「ありがとうございます!すぐにカナタ首相に伝えましょう!」

 

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中央歴1639年3月26日午後5時

 

  ロウリア王国 王都ジン・ハーク ハーク城 御前会議

 

 空は夕焼けで赤くなっており、少し暗い。しかし城では、松明のともしびで明るく、今回の御前会議でこの国の行く末をきめていた。

 

「ハーク・ロウリア様準備はすべて整いました。」

 

 そう語るのは、パタジン。白銀の鎧をまといこのロウリア王国の軍を指揮する、将軍である。

 

「2国を同時に敵に回して、果たして勝てるだろうか?」

 

 威厳を持ち、ハーク・ロウリア34世ロウリア王国国王はパタジンに尋ねた。

 

「一国は、農民の集まりです。少ないですが軍を持っておりますが障害にはなりません。もう一国は不毛な土地に住む者。どちらも亜人比率が高い国に我が国が負けるわけがありません。」

 

「宰相よ、1ヶ月前に接触してきたラバールという国の情報はあるのか?」

 

 ラバール連合王国は、ロウリア王国にも接触していたが、クワ・トイネ公国とクイラ王国に国交を有していたため敵勢勢力として、門前払いを受けていた。

 

「ロデニウス大陸のクワ・トイネ公国から東北東に約2000㎞の所にある、新興国です。2000㎞も離れておりますが故、軍事的に影響を及ぼすことはないでしょう。また、彼らは我が部隊のワイバーンを見て、ワイバーンを使用する軍を初めて見たと驚いていました。竜騎士が存在しない蛮族国家と思われます。詳しい情報はあまりありませんが。」

 

「そうか。ならば問題はないな。しかし、これでついにこのロデニウス大陸が統一され、忌々しい亜人どもが、根絶やしにされると思うと、私は非常に嬉しいぞ。」

 

「大王様、統一された暁には、あの約束も、お忘れなく、クックック」

 

 真っ黒なローブを被った男が国王に向かってささやいた。

 

「解っておるわ!」

 

(クソが!三大文明圏外の蛮地と思ってバカにしおって。統一したら、そのままフィルアデス大陸にも攻め込んでやる!)

 

「パタジン将軍!今回の概要を説明せよ!」

 

「はっ!説明させていただきます。今回の作戦用総兵力は50万人であります!本作戦ではクワ・トイネ公国に40万人を、残りを本国防衛用兵力となります。クワ・トイネにはまず、国境から近い人口約10万人の都市、ギムに向かい強襲制圧を行います。なお、兵站については、あの国は、どこもかしこも畑であり、家畜でさえうまい飯を食べております。ですので、現地調達としています。ギム制圧後、その東方250㎞の位置にある首都クワ・トイネに向けて一気に物量をもって制圧します。奴らは、町を守るための壁を建ててておりません。せいぜい町の中に城を建てている程度です。籠城されたとしても、包囲すれば問題ありません。また、航空兵力も我々のワイバーン数的に持って対応可能です。それと並行して、海からは6600隻の大艦隊にて、北方向を迂回し、マイハーク北岸に上陸し経済都市を制圧します。なお、クイラ王国はクワ・トイネ公国に食糧を輸入しているのでクワ・トイネからの輸出を止めるだけで、干上がります。」

 

「次に、クワ・トイネの兵力ですが、奴らは全部で6万人程度しか兵力がありません。即応戦力は1万人程度だと考えております。今回準備した我が方の兵力を一気にぶつけると、どのような作戦を前にしても圧倒的物量の前では無意味であります。6年の準備が実を結ぶでしょう。」

 

「そうか...そうかそうか! ふっふっふ、はっはっはあーっはっはっは!今宵は我が人生で一番に良い日だ!!世は、クワ・トイネ、クイラに対する戦争をきょかする!!!」

 

「はっ!」

 

 うぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!

 

 王城は喧噪に包まれた。

 

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中央歴1639年3月27日 午前7時

 

 クワ・トイネ公国政治部会会場

 クワトイネの政治部会のメンバーは全員落ち込んでいた。ただ三人は除いて。

 

「現在ロウリア軍は、ギムから西に10㎞の所に軍勢を終結させております。総数は40万人...だそうです。」

 

「さらにロウリア海軍は6600隻もの大艦隊が確認されたとのことです。」

 

「6600...だと...どうやったらそんな数が揃うのか...」

 

「どうやら、パーパルディア皇国の援助があった模様です。」

 

「対する我が国の軍艦数は80隻、ラバール連合王国から譲り受けた近代艦を含めても90隻...」

 

 ロウリアとの圧倒的数の差に勝算が見いだせず、絶望し黙っていると、カナタ首相が口を開いた。

 

「ラバール連合王国との安全保障条約の改正がきまりました。本日の午後2時に首脳会談を行い、改正するとラバール連合王国外務省から通知がきました。」

 

「おぉ、それは、どのような内容なのでしょう。」

 

「それは私、リンスイがお答えしましょう。」

 

「ラバール連合王国の軍が、我が国を脅威から守るために派遣され一時期の間、駐屯するということです。」

 

「おぉ!」

 

「さらにそれとは別に」

 

ゴンゴン!ガチャ!

 

「失礼します!カナタ首相宛てにラバール連合王国からの親書です!」

 

「読み上げよ!」

 

「はっ!ラバール連合王国は連邦議会の結果、友好国であるクワ・トイネ公国の国民が脅威にさらされ死ぬことを望まず、さらに数千万人から数億人の我が国民の餓死を阻止するため、安全保障の観点から、公国への支援を惜しまない。もうすでに一部の軍の派遣が住んでいる。これよりも多くの支援を望むならば、軍事支援要請をすれば、増援を送る用意が出来ている。以上です!」

 

「おぉ!素晴らしい!」

 

「よし!もう我々に猶予は残されていない!急いでラバール連合王国軍の受け入れの準備を行え!領土、領海、領空すべての通行の自由を許可しろ!」

 

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中央歴1639年3月30日

 

 クワ・トイネ公国 経済都市マイハーク マイハーク港

 

 3月28日にロウリア王国は、クワ・トイネ公国に宣戦布告した。

 ここマイハーク港には、ロウリア海軍の大艦隊を迎え撃つために公国海軍第二艦隊が出港するためにたくさんの水兵が動いていた。帆船ばかりの艦隊の中に一際目を引くほど大きい鉄船が4隻並んでいた。

 名は、「マイハーク」「エジェイ」「ダイタル」「ミズ・トイネ」

 ラバール連合王国からクワ・トイネ公国に輸出した駆逐艦である。外観は陽炎型に酷似しているが輸出型のため主砲は60口径8㎝連装高角砲に換装され、魚雷発射管もボフォース40㎜3連装対空機関銃に換装されている。

 

「これほどの数が揃うと、やはり壮観だな。」

 

「第二艦隊全艦80隻が揃っていますからね。また、ラバール連合王国から供与された4隻の近代艦もいますから。しかし、相手は6600隻...いくら供与された船とはいえ、今、実戦に行ける船が4隻だけだときついですね。」

 

「明日にはロウリアが来る...一体何隻の船が...いや、何人が生き残ることが出来るのだろうか...」

 

 港に集まった80隻の艦船を見ながら、第二艦隊提督のパンカーレとその側近ブルーアイは、話していた。彼らは相手の強大さにどうしようもない気持ちが込み上げていた。

 

「失礼します。ブルーアイ様、公国海軍本部からの伝令です。」

 

 一人の兵士がブルーアイに駆け寄り、伝令書を渡し本部へ帰っていった。

 

「ブルーアイ、それには、なんと書いてある。」

 

「はっ!『先日に出港したラバール連合王国海軍 第七艦隊・第八艦隊・第九艦隊、以下総数75隻が到着する。また本日昼に、第242護衛艦隊・第252護衛艦隊・第三航空戦隊 以下総数98隻が増援といてマイハーク沖合いに到着する。彼らは第二艦隊より先にロウリア海軍に攻撃を行うため観戦武官1名を搭乗させるように司令する』とのことです。」

 

「凄いな、合計して173隻も来るのか。我が艦隊の2倍か...しかし、それだけなのか」

 

「はい、そのようです。」

 

「援軍を出してもらうのには感謝するが、敵の40分の1程度しかないんだぞ。それに観戦武官を一人送れというのか?こちらよりいくらか安全とは言え、それでは観戦武官に死ねと言っているように聞こえるではないか!私だったらそんなことは絶対にさせんぞ。」

 

「........私が行きます。」

 

「正気か!?相手は6000を超える大艦隊だぞ!」

 

「私は剣術では海軍主席です。白兵戦になれば生き残れる可能性が高い。それに、増援の艦隊の中に航空母艦と言う、三大文明圏しか持っていない竜母に似た船が来ています。きっと彼らには勝算があるでしょう。」

 

「すまないな。」

 

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ーー

 

同日 6時

 

 マイハーク港は騒然となった。

 

「なんだあれは!!」

 

「島だ!島が近づいてくるぞ!!!」

 

 前回、来航したところを見ていなかった水兵たちは近づいてくるラバール連合王国海軍の戦艦「サウスラバール」を見て大騒ぎになった。

 

「なんという大きさなんだ...」

 

「提督、あれほどの大きさの船を私は見たことがありません。」

 

「私もだ...ラバール連合王国は、あのような巨大艦を保有しているのか...」

 

 パンカーレとブルーアイが驚きながら話していると、妙な形をした鉄の塊が「バタバタ」と音をだしながら飛んできて、港の開けた場所に着陸した。

 

「こんにちは、ラバール連合王国より援軍として来ました。観戦武官の方を1名迎え上がるよう指示を受けて参りました。」

 

「初めまして、私はクワ・トイネ公国海軍第二艦隊の作戦参謀をしております、ブルーアイと申します。援軍感謝いたします。私が観戦武官を務めさせていただきます。」

 

「わかりました。では、これから艦に乗艦しますのでこちらにお乗りください。」

 

「わかりました。よろしくお願いいたします。」

 

 妙な形をした鉄の塊改め、「YAKC-4」回転翼機は、ラバール艦隊に向けて飛んで行った。

 

「なんという速さだ...」

 

(ワイバーンより乗り心地がよく、速い!それでいて、数人乗れるとはすごい技術力だ!)

 

 ブルーアイは、陸からでは数隻しか見えなかったラバール艦隊を窓から見て驚いた。

 

「なんという大きさだ。公国の船がおもちゃに見えるほどの大きさだ...」

 

 一面に広がった総勢173隻のラバール艦隊(ラバール特別援助連合艦隊)が彼を迎えに上がった。

 

「これから乗艦していただくのは、この艦隊の総旗艦の戦艦サウスラバールに乗艦してもらいます。もうすぐ着きますので用意をお願いします。」

 

「わかりました。」

 

(サウスラバールか...あれか?...あれは..魔導砲か?...すごい数が付いているな、まるでハリネズミだ。)

 

 戦艦サウスラバール

 サウスラバール級戦艦のネームシップ。

 全長260m

 全幅34m

 兵装 41㎝45口径三連装砲 4基

    長10㎝連装両用砲(電探搭載) 8基

    40㎜CIWS 30基

    60㎝4連装誘導噴進弾砲 4基

 空母機動部隊に随伴できる戦艦を求め作られた艦。外観はメイン級戦艦の全長を縮めたような感じ。艦歴が長く建造されてから実に100年間ラバール連合王国を守っている。8回以上の修理・近代化改修を経て現在の形となっている。

 

 サウスラバールに乗艦したブルーアイは艦橋に案内された。艦橋に入ると、そこにはこの艦の艦長がいた。

 

「ようこそ観戦武官殿!ラバール連合王国から援軍として来ました。戦艦サウスラバールの艦長とこの艦隊の提督をしております、ロイド・アルべリアと申します!」

 

「クワ・トイネ公国海軍から来ましたブルーアイです。援軍感謝します。」

 

 ”ロイド・アルベリア”ラバール連合王国海軍中将であり、第四連合艦隊の提督である。彼の愛艦である「サウスラバール」とは、30年の付き合いである。今回は第四連合艦隊所属の第三航空戦隊が、ラバール特別援助連合艦隊の中央艦隊、すなわち主力艦隊に抜擢されたため、彼がそのままこの艦隊の提督となっている。

 

「今日はもう、夜となりますので出撃は明日になります。今日はお休みください。副長!彼を用意した部屋に案内しろ。」

 

「了解しました。どうぞこちらへ」

 

「それでは、失礼します。」

 

(これほどの艦隊を用意してきたんだ。おそらく...いや、確実にロウリア海軍に勝てるかもしれない!)

 

 そう思いながら、ブルーアイは艦橋を後にした。

 

 艦橋に一人となったロイド提督は窓の先に映るマイハークを見て呟いた。

 

「明日は一方的な海戦となるだろう...。しかし、慢心はダメだな。絶対にこの美しい町マイハークを必ず守って見せる!」

 

 手には今回の海戦に参加する艦艇と作戦に関する書物を握りしめていた。

 




次回予告

 総勢173隻の艦隊がロウリア海軍6600隻を襲う!

 果たして、ラバール連合王国海軍が勝つのか?
 それとも、ロウリア海軍か?

次回 ロウリア沖海戦

*あくまでも予定ですので変わるかもしれないです。
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