今と昔で変わった喫茶店で、看板娘と元居候が出会った 作:ボルメテウスさん
続きは未定であり、戦闘もほとんどありません。
ただ、もしもあったら面白いなと思った程度で書かせて貰いました。
もしも、感想などを書いてくれたら、嬉しいです。
2000年。
20世紀最後の年にして、その年は日本における最も凶悪な事件が数多く起こった年でもあった。
それは、現在でも大きく形が残っている電波塔事件が最後の大事件であるとすれば、その事件は最も犠牲者の多かった事件あった時期でもあった。
その犠牲者の数は現在でも数えきれず、それを行った存在も確かに確認されていた。
未確認生命体。
超古代に存在した好戦的な先住人類。
いずれも異形の姿に変身できる怪人たちで、それぞれクモやコウモリなど動植物の能力を持っている。暴力による殺人を喜びとしており、強大なパワーを持つ支配者の元、古代より他民族の大量虐殺を繰り返してきた。
そして、彼らはゲゲルと呼ばれる殺人ゲームを行っており、決められた日数の間に決められた数の人間を殺す。
まさに、現代における殺人犯達が復活した事を意味していた。
中でも最も凶悪な事件としてあげられるのは、都内で3万人もの犠牲者を出す大惨事。
そして、その後も多くの市民を殺し続けた最もイカレタ殺人犯であった。
当時の警察にも多くの犠牲者がおり、未確認生命体に対して有効な攻撃手段の開発も未確認生命体との戦いの終盤でようやく完成し、対応できた。
そんな日本を恐怖で支配した未確認生命体の中でも2体。
市民にとっても、多く記憶に残り、殺人を起こしながらも、市民には未だに信頼されている存在がいた。
彼らは未確認生命体2号、未確認生命体4号。
その身体は他の未確認生命体と比べれば、まるで古代の鎧を思わせ、その顔はまるでクワガタ虫を連想させる。
彼らの目撃例は多く、その殺人を行った相手。
それは、同じ未確認生命体のみだった。
戦闘は数多くの市民が目撃しており、未確認生命体同士の争いだと当初は思われていた。
未確認生命体2号に関しては、姿は途中から姿が見えなくなり、主に未確認生命体4号による姿が多く確認されていた。
そして、未確認生命体4号が戦闘を行い、未確認生命体を倒す事によって、市民は次第に安堵もあった。
同時に警察もまた未確認生命体4号と連携した戦闘が行われるようになり、殺人事件を広げるのを防いだ。
そして、その未確認生命体4号もまた既に目撃はされていなかった。
3万人以上を殺人した未確認生命体0号。
それが、未確認生命体4号が最後に殺した相手であった。
当時、未確認生命体4号の最後の戦いをくり広げた光景を見た刑事による証言により、その戦いの記録は現在でも残っていた。
白く染まる雪の中で、黒い未確認生命体4号と白い未確認生命体0号。
互いに殴り、身体から血を流しながらも戦い続けた。
そして、最後には未確認生命体0号は殺される。
それによって、未確認生命体4号の戦いは終わりを告げた。
その後、未確認生命体4号が日本に現れる事はなかった。
多くの犠牲者を生み出した未確認生命体の中でも、2号と4号は未だに謎が多く、それを調べる者も多かった。
その中で、リコリスの1人である錦木千束はそんな未確認生命体4号の事について思い出す。
「この人はどんな気持ちだったんだろうなぁ」
そう呟きながら、彼女は思い出す。
実は、公式で記録に残されていないが、彼女は既にいなくなったはずの未確認生命体4号に10年前に出会っていた。
崩壊した電波塔の中で、なぜか出現した。
既にテロリストはいなくなったが、テロリストが仕掛けた爆弾によって、崩壊していた。
その中で、ファースト・リコリスと呼ばれた彼女でも脱出は難しかった。
そんな彼女を救ったのが、他でもない未確認生命体4号だった。
真っ赤に染まっている鎧に、人間を思わせない赤い目。
だが、既に意識が薄まっていたが、確かに感じた。
自分を抱き抱えた手の温かさ。
「いやぁ、にしてもなぁ。
今更になって、思い出すとはねぇ」
そう言いながら、その当時の事を思い出した彼女は自分でも呆れたように声を出す。
その時に感じた彼女自身の感情がなんだったのか。
10年の時が過ぎ、自分の命があと少しになった事で自覚すると共に思わず苦笑いをする。
「私の初恋、まさかの未確認生命体って」
そう独り言を呟きながら、今は働いている喫茶店リコリスの前に来ると、1人の男性が立っていた。
年齢としては40代を思わせる男性だった。
しかし、老けているという印象はなく、むしろがっしりとした体格の男性であった。
「あのぉ、リコリコに用事ですかぁ」
そう新しい客だと思い、笑顔で近づく。
「えっと、リコリコ。
ここって、ポレポレって言う喫茶店じゃなかったけ」
「あぁ、実は10年前ぐらいに建て替えられまして、今はリコリコになりました」
「そうだったのか。
そっか、なんだか、少し寂しいかな」
そう言った男性は少し寂しそうにしながら、頷く。
「良かったら、家でコーヒー飲みますか?
家のコーヒー、とっても美味しいんですよ!」
想い出の店が変わっている事もあって、寂しさを出している男性を放っておけないと感じた彼女はすぐに男性の手を握る。
「・・・うんそうだね。
だったら、頂こうか」
そう言いながら、千束に誘われるがままに男性はそのまま店の中に入ろうとする。
「あれ、そう言えば、叔父さんは?
私、錦木千束です!」
「あっ俺?
俺は五代。
五代雄介!」
そう、五代は笑顔で答える。