今と昔で変わった喫茶店で、看板娘と元居候が出会った 作:ボルメテウスさん
「んっ、ポンチョ?」
その日の仕事はいつも通りだった。
既に夜遅くという事もあり、客もほとんどいない状態という事もあり、店は少しのんびりとした空気となっていた。
そんな中、五代はふと、千束の格好を見て、呟いた。
「そうなの、組長さんの所に配達に行くので」
「そう、良かったら、俺が送って行こうか?」
「本当に!それじゃ、お言葉に甘えてぇ」
それと共に、すぐに出口へと向かう。
「組長さんの所に配達に行ってきますねぇ」
そう、千束が店から出ようとすると、たきながジト目でなぜか千束を見つめていた。
「えっ何々?」
「いいえ、別に」
「いいから、早く配達に行ってきな」
そう、たきながなぜ、ジト目で見つめているのか分からずに首を傾げる千束だったが、そんな千束に対してミズキはそのまま行かせるように促す。
「すぐに支度しますから、待っていてください」
「あぁ、大丈夫大丈夫、この格好だったら、たぶん大丈夫だから」
「?大丈夫って、何が?」
「あぁ、寒さ対策にね」
そう千束の言葉に対して、五代は首を傾げる。
そんな五代の言葉に対して、千束はすぐに適当な事を言って誤魔化す。
それと共にたきなが納得するように頷く。
「それじゃ、五代さんと行ってくるねぇ」
「それじゃ、少し行ってきますね」
「あぁ、気をつけて」
千束と五代はそう言うと共に、すぐにドアから出る。
それと共に、外に出していたバイクへと乗り込むと同時に、すぐに走り出す。
「えっと、確か、組長さんの所って」
「あぁ、その道を右に曲がってねって」
そう、バイクでの移動から数分だった。
千束の携帯に着信が入る。
「もしもしもしもしもし?」
「千束!敵はお前を狙っているぞ!」
「えっ?」
千束に電話をかけた人物であるミカからの言葉に一瞬だけ、首を傾げる千束。
だが、その間に、五代は背後から迫る気配に気づく。
「千束ちゃん、ちょっと捕まっていて!」
「えっちょっ!?」
その瞬間、五代は迫り来る脅威に対して、急ターンして、その脅威から避ける。
だが、脅威はそれだけではなかった。
まるで群れで行動するように、現れる車。
それらは全て、五代達を、狙っていた。
「うわっ、嘘でしょ!」
「っ」
それに対して、五代の運転はまさしく冷静であった。
眼前に次々と迫る車に対して、その僅かな隙間を通り抜け、時には車を踏み台にして乗り越える。
「うわぁ、マジかぁ、五代さん、もしかしてハリウッドスターだったりする?」
「まぁ、世界を旅していたら、色々とね」
そうしている間にも、車は次々と迫っていた。
そんな千束達を追う集団のリーダーである真島は笑みを浮かべていた。
「おいおい、マジかよ、これはとんでもない獲物が一緒にいるとはなぁ」
「あぁ、とんでもないって、どういう意味だよ?あのリコリスの事か?」
「そっちも化け物染みているけど、乗っている男はマジモンの化け物だぜ。これは本当に平等じゃないだろ」
そう、この場において、真島もまた、五代の正体を知っている人物の1人である。
「おい、化け物って、一体どういう意味だよ!?」
「そう言われてもな、こっちとしては、あんっ?」
そうしていると共に、真島は何か聞こえ、身構える。
周りを見渡しても、何も存在しないはずの暗闇。
だが、僅かに聞こえる水音。
ふと、目を向ければ、その音が出ているのはマンホール。
そして、それと共にマンホールがいきなり宙高く舞い上がった。
「なっ」
それは、その場にいた全員が驚きを隠せなかった。
マンホールを吹き飛ばしたと思われる張本人。
それは、暗闇の中で緑色の身体をしており、鳥のような嘴、背中には巨大な甲羅。
その特徴から。
「河童」
そのまま、カッパグロンギは、そのまま五代達が乗るバイクに襲い掛かる。
「なっ」「うわぁっと!?」
それによって、バランスが崩れてしまい、吹き飛ばされる千束と五代。
公園まで逃げていた事もあり、近くにある草がクッション代わりとなって千束を受け止め、五代も吹き飛ばされる。
「マジかよ、あの噂、本物だったのかよ、というよりもあれって、未確認生命体だろ、なんでこんな所に」
「あぁ、それもあるけど、まさかこうして、また目の前でこの戦いが見られるとはなぁ」
それと共に、真島の興味は千束から五代へと目を向けていた。
草は動き、やがて、一つの人影が飛び出す。
だが、それは姿が見えなくなった五代ではなく、クウガであった。
「はぁ、4号がっ、えっでも、あそこって」
「おいおい、そこは極秘にしろよ、さすがにその情報はフェアではないからな」
そうしている間にも、カッパグロンギとクウガの戦いが始まる。
その状況に対して、戸惑いを隠せない真島の部下達。
「痛ぁ、酷い目にって、うわぁ、少し目を離した間に」
それと共に見つめた先には、クウガとカッパグロンギが戦闘している光景に、さすがに千束は驚きを隠せなかった。
クウガは、カッパグロンギよりも素早い拳と蹴り。
それによって、カッパグロンギに攻撃を行う。
カッパグロンギは、それに対して、全て受け止める。
背中にある甲羅で防御して。
「これは、不利かもしれない」
千束は見る限りでも理解出来る。
それは真島も同じだった。
そうしていると共に真島はため息を吐く。
カッパグロンギの甲羅による防御力が、クウガの攻撃力を越えていた。
「こういうのは、好きじゃないからな」
それと共に、真島が取り出したのはナイフだった。
「おい、何をするつもりだ?」
「平等にする為だよ、おい4号」
真島の言葉に、クウガは真島の方を目を向ける。
すると真島は、そのままナイフを投げる。
「えっ、真島さん!?」
「さっさと使えよ、4号」
それに対して、疑問に思うが、それよりも早く動く。
「超変身!」
その言葉と共にクウガの姿は変わる。
それは赤ではなく、紫。
同時に身体に装着する鎧。
紫のクウガこと、タイタンフォームだった。
それに対して、カッパグロンギは驚きを隠せない様子であった。
だが、クウガの行動は早かった。
「ふぅ」
そのまま、ゆっくりとクウガは接近する。
それと共に、カッパグロンギは口から次々と水弾を吐く。
だが、その攻撃に対して、クウガは正面から受け止める。
それに対して、カッパグロンギは後ろへと下がっていく。
そんなカッパグロンギに対して、真っ直ぐと、その手に持った剣を突き刺す。
「がぁぁぁ!」
すぐにカッパグロンギが、背中にある甲羅で受け止める。
だが、クウガの剣が、それを遙かに超えて、貫いた。
それによって、カッパグロンギは爆散する。
その爆風と同時だった。
千束に近くに、車が来ていた。
「ちっ、もうおしまいかよ」
それと共に、真島はすぐに千束の方へと目を向ける。
それは、他のテロリストも同じく、その銃口を千束に目を向け、その引き金を引く。
銃弾の嵐は、全て、車へと向かっていた。
だが、クウガがすぐに前に出て、それらを全て受け止める。
「なっ」
それを見て驚愕しながらも、クウガは、そのまま銃弾を受けながらも、剣を上に投げる。
先程の、カッパグロンギを倒した事によって、その高い切れ味を知っているテロリスト達はすぐにその場から離れる。
だが、それに対して、真島はその場を動かずにいた。
剣は地面に刺さったが、誰1人として傷つけなかった。
そうしている間にも、千束達はその場を退散していく。
「よぅ、その姿で会うのは、あの時以来だなぁ」
「・・・」
「だんまりという訳か。
まぁ、別に良いけどな、まっ、一応はこれであの時の貸し借りはなしにしようぜ」
「貸し借り?」
その疑問に答える前に、真島はすぐに去っていく。
その言葉の意味を、五代は、今は、まだ知らない。