今と昔で変わった喫茶店で、看板娘と元居候が出会った   作:ボルメテウスさん

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交差

「それで、先日の未確認の事は聞きましたか」

 

そう言いながら、千束の隣にいる人物、たきなは彼女に尋ねる。

 

「あぁ、あれね。

びっくりしたよ、まさかクウガが出るとはねぇ」

 

そう言いながら、千束は思い出したように、笑みを浮かべる。

 

「クウガ?

それって、もしかして4号の事ですか?」

 

「そうそう、たきなもやっぱり知っている」

 

「えぇ、勿論。

この世界で、最も警戒しなければならない存在ですから」

 

「えぇ」

 

それと共に思わず千束は思わず脱力したように腕を下げる。

 

「やっぱり、リコリスのほとんどはクウガを警戒しているんだ」

 

「反対に千束さんは、なんで警戒しないんですか。

あの事件があったのに」

 

そう言いながら、たきなが見つめた先。

 

それは、既に平和の象徴として崩れかけている建造物を。

 

「リコリスは基本は4号に対しては戦わないように、厳命されています。

理由は未だに不明ですが、それでも、かつての事件、2号がその力で変異させ作り出した超巨大兵器。

それは、リコリスである私達にだけ知られており、だからこそ、2号と同じ存在である4号に対しては現在も警戒しています」

 

「そうだね。

私もあの時の事は覚えているよ。

あの時、私もタワーの中にいたから」

 

そう言いながら、懐かしむように見る。

 

「あの時は本気でやばかったよ。

これまで出なかった未確認相手だから、本当に苦戦して。

さらには、黒い2号も一緒に暴れてね!

もう、死ぬんじゃないかと思ったよ!!」

 

「千束さんがそこまで」

 

「うん、なんとか注意をこちらにするだけしかできなかった。

けど、そんな時に救ってくれたのが、クウガだったんだ」

 

それと共に懐かしむように言う。

 

「床が崩落して、地面へと真っ逆さま。

あっ、これ死ぬなって思った時に、強く抱き締めてくれた」

 

「それが4号だったと」

 

「うん。

赤い瞳で、私と同じでね。

その瞳が、今でもね」

 

「確か、赤い姿ですか。

一般的に知られている4号の姿ですね。

そう言えば」

 

「なになに?」

 

そう話していると、たきなが気になった事を言う。

 

「なんで、4号をクウガって、呼ぶんですか?」

 

「本人から言われたから」

 

そう、千束は笑みを浮かべながら、答える。

 

そんな、彼女達の会話を行うベンチの近く。

 

そこに座っているのは五代だった。

 

千束と五代は互いに気づかないまま、五代はスマホの通話相手と会話をしている。

 

「それじゃ、やっぱりあの未確認は別の遺跡にいたんですね」

 

『あぁ、そうだ。

あの未確認も、過去の文献で既に出ていたのよ。

それも、かなり厄介なの』

 

そう言いながら、五代はそのままスマホの画面を見る。

 

そこには先日戦った未確認と似た姿をした存在の絵。

 

『超古代に存在したグロンギ達の事を伝える為に遺跡にあったのとは違って、こちらは結構知られているのよ』

 

「あぁ、確か土蜘蛛だっけ?

これが、グロンギなの?」

 

『そう、日本に残っている妖怪の類いの話は、九郎ヶ岳遺跡とは別の場所で発見されたの。

当時の人達は、それについて警戒心があって、封印は解かなかったようだけど、壁画などに残されたのを元に妖怪という形で、現代まで伝えてきたの』

 

「そっか。

妖怪の類いは、そういう意味で」

 

それと共に五代はそのまま空を見つめる。

 

『五代君、君は、その、会ったんだよね』

 

「んっ?」

 

『リコリスに。

私も一条さんから聞いてね。

五代君はそういうのは』

 

「・・・少しね。

その、ほら。

俺が戦っている時にもね。

襲われた事があるから」

 

『えっ、それって』

 

「うん、結構驚いたよ。

なんだって、普通の女の子がね、銃を持って襲ってきたんだから。

警察とは全然違うよ。

その時に、楠木さんという人に会って、なんとか協定なのかな。

それで、リコリスの対象にはならなくなったかな」

 

そう苦笑しながら、空を見つめる。

 

『五代君は、そのやっぱり嫌なのかな』

 

「うん、とっても。

今も、この日本を守っているのが、女の子達だと思うとね。

本当は青春を謳歌するはずの子達を。

けど、悲しいけどさ」

 

同時に五代はかつての事を思い出す。

 

「日本だけじゃ、ないんだよ。

俺が旅をすれば、それこそ、もっと小さな子が、戦わないといけない国なんて」

 

それは、五代が世界中を旅をしていた。

 

狩りならば、まだ多少だが納得する。

 

部族として動くから。

 

だけど、戦争の少年兵を見るのは、今でも心が痛む。

 

「俺はクウガとしての力がある。

けど、ただそれだけ。

戦争を止める事も、ましてやあの子達から銃を取り上げる事もできない」

 

五代自身、その力は確かに人知を超え、人間で彼に敵う存在はいないだろう。

 

だが、そんな五代でも、彼女達の戦いを止める事はできない。

 

「それでも」

 

少しでも誰かが生きる為に戦う。

 

それこそが、五代がこの日本に戻ってきた訳だ。

 

『そうだね。

そして、五代君が以前戦ったグロンギが言っていた言葉も分かったよ』

 

「という事は」

 

『うん、究極の闇。

五代君があの時に戦った0号と同等の存在。

それを蘇らせる為のゲゲルを行っていると思うの』

 

「そんな、事が」

 

『グロンギは、ほとんど分からない事ばかりだよ。

五代君が戦ったグロンギも種族の一つに過ぎない。

そして、一条君からの情報と、奴らがいた遺跡での文献を元に考えても、そのグロンギ達はゲギバスゲゲルというのを行おうとしていた。

その条件は戦う赤いリントの少女を殺す事。

そして、それが該当するのは』

 

「リコリスという事か」

 

そう、五代は強く、呟く。

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