Reinkarnation & Abenteuer【完結】   作:吾妻原昌孝

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初めての連載です。


プロローグ

「嘘だろオイ冗談じゃねぇッ!」

 南来(なんくる)細異(さいい)は、焦っていた。

 会社に遅れそうになっているのである。

 理由は単純。目覚ましをかけ忘れたのだ。

──普段はあり得ないミスを・・・ッ! 疲れてたのか・・・? いや、昨日は日曜。つまり。

「マジで大ポカやらかしたァァァアアアッッッ!!!」

 彼は、休日はだらしなく過ごすタイプの人間である。少し遅めに起床し、日曜朝9時からの特撮番組を良い歳(36歳)になっても構わず観る。ライトノベルは、好きなものを発売日に購入する。プラモデル、ビッ○○○○チョコも同様である。そして、月曜に備えて十時には床につく。その時、スマートフォンのアラームを欠かさず設定している──なんなら、毎日同じ時間になるように設定している──のに、今日に限って、設定を解除していたのである。

 そんなわけで、現在、細異は、絶賛全力疾走中なのである。バイクや自家用車を使えばいいじゃ無いかと思われるかもしれないが、彼は税金が面倒臭くて持っていない。少々面倒くさがりな気質がある。

「ここを曲がれば近道・・・ッ!」

 駅ビルの角を曲がり、近道を図る細異。しかし、「急がば回れ」という諺の通り、彼は近道を狙うべきではなかった。

「キリィィィャァァアアアア!!!!!!!」

「ウェ?」

 奇声をあげた男に、ブスリ、と腑を刺されたのだ。視線を下に向けると、ナイフが深々と刺さっているように見える。いや、事実なのだ。脳味噌では理解できても、心が理解したくないというやつである。

 更に、不運は続く。

「うわっ」

 刺された衝撃で、運悪く、道路に倒れ込んでしまったのだ。しかも、通勤ラッシュの時間帯。自家用車で通勤する者も、少なくはない。

 ぐしゃり、とタイヤが頭を踏み潰す。曲がってはいけない方向に、グルリと首が曲がった。

「人がッ!」

「110番を、誰かッ!」

「救急車はッ!」

 人々が、口々に叫び、行動を開始する。いや、それは少数派だ。大半は、安いスプラッターのような光景に、絶句している。足を竦ませ、その場から動けない。

 正直な話、こういう光景は見ていて楽しいものではない。それでも、人の好奇心は、見ようとするのである。

 細異は、自身の体が徐々に冷えていくのを感じ取っていた。いや、それだけではない。轢かれた衝撃もあって内臓がシェイクされた感覚を、血液が溢れ出していく感覚を、頭蓋骨が割れていく感覚を、脳髄がずり落ちる感覚を、首の骨が180度回転する感覚を、首の皮膚が回転したことによって千切れていく感覚を、視界が消滅していく感覚を、眼球が潰れていく感覚を、鼓膜が破れる感覚を、味わっていた。

 彼の理想の死に方は、「畳の上で子や孫に見守られながらの涙の老衰」であった。

 しかし、それを叶えることなく、南来細異は、36歳の生涯を、あっけなく閉じたのであった。

 

 その日の昼のニュース

 

『次のニュースです。今朝、〇〇町の会社員、南来細異さん36歳が、通り魔に刺され、車に轢かれたという事件により、死亡したことが、警察の調べで判明しました。車の方は過失致死が適用される可能性がありますが、通り魔に関しては───」




いかがでしたか?
この後、細異は転生することになります。
彼が転生したその先で見るものは果たして!?
次回を、お楽しみに(いつ投稿するかは決めておりません)。

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