夏休みになったとはいえ暇な時はある。
勉強?あんなの唾つけてやればなんとでもなる。
私なリビングでスマホを弄りながらアルバムを見て涼んでいた。
「何見てるんだ?」
「私たちの変化だよ。ほらこの時覚えてる?」
「あー…アタシがはじめて勇者部の仕事をした時だったはず」
「その通り〜」
銀に見せたのは海岸で撮ったツーショット。
今みたいな自然な笑みでは無いけど心から笑っているのは伝わる。
「この写真も1年前なんだよね」
「何か半年前って感じなんだよな」
話していたら3人もリビングに集まってきた。
「そういえば私たちが来る前、2人がどうして来たのか知らないのよね」
「言ってなかったっけ?」
「はい、銀ちゃんの経歴を知ってるだけなので」
言われてみれば顔合わせ程度しかしてなかった。
出会って半年は過ぎてるのにこれは問題だ。
「この際遡っちゃうか。思い出振り返るのもアリだしね」
「それって美穂さんの物語になるのでは?」
「まぁそうなるね…でも皆の視点は皆しか無いから合わせれば面白さ倍増!なーんてね!」
「言い方…でも面白そうね」
「千早も欲しがってたしいいな!」
こうして私の銀の物語を録音しながら語り合うことになった。
『時は神世紀286年。香川にある乃木家に産まれた。記録によれば元気な赤…』
「誰が誕生から話せって言ったぁ!!」
「おお!銀がツッこんだ!」
「これはアタシたちの物語だろ!それやるなら他所でやれって!」
「はーい…」
take2
「えーっと、始まりは300年の4月だったね」
「そうそう。美穂がお役目を眺めてたんだっけ」
「うん。元々監視が仕事だったからね」
「趣味悪いな〜」
「仕方ないでしょ。黒花さんと大赦は対立してたんだから」
「まぁな。そしてその夜に〜」
「『動くな事件』が発生すると」
「ダサすぎる名前ね」
「千景ェ…」
「それで…ブッ…動くな事件の由来って?」
「私が銀に向かって最初に発した言葉だよ。あと珠子は吊るす」
「随分物騒ですね…」
「アタシが美穂の家に湧いたからですよ。神樹様も会わすにしても雑過ぎるんだよなぁ」
「しかも記憶無いからね」
「それな!何でアタシん時だけめんどくさいことすんだろな」
「神樹様が交流させたいとか?」
「いやそれやるなら3人もでしょ」
「亡くなったのが早いのもあるかもしれません」
「私も同じ意見。記憶持ってたら辻褄が余計狂うんじゃないかなって」
「どういう事?」
「2年前の記憶をもって召喚されたら真っ先に東郷と園子に会いにいくでしょ?あの時の2人は後遺症でボロボロになっていた。必然的に満開について知らなくちゃ行けなくなり神樹的にも不都合。それに接触したら余計混乱するからね」
「つまりアタシは神樹様から保護されてながら騙されていたってことか?」
「予想だからね」
「何か複雑だな…」
「お次は第1次レオ戦だね」
「アタシとの日常とか夏凛さんの参戦は?」
「今回は運命が大きく動いた瞬間をピックアップするから割愛だね。銀の日常は後で少し触れるから」
「大きなことがあったの?」
「神世紀で2度目の満開使用。そして私も擬似的に発動させ瀕死状態になった」
「瀕死ってヤバいじゃんか!」
「ヤバかったらしいね」
「っ…ごめん…」
「大丈夫だよ」
「…あの時は生きてきた中で1番アタシ自身を呪ったんだ。須美もちゃんと守れてないのに美穂が死にかけてる。無力過ぎて情けなかったよ。今も思い出すだけで胸が苦しい…」
「辛かったのね…思い出させてしまってごめんなさい」
「大丈夫ですよ。アタシもトラウマにはなってないので。それに二度とあの日を繰り返さないように過ごしてきたので!」
「小学生なのに凄い前向きなんだね」
「勇者やってた時はアタシが引っ張らないと行けなかったので名残ですけ。今は引っ張られっぱなしですけど」
「それでいいんだよ。前を行くのも疲れるからね」
「なら美穂も休みなよ?」
「考えとくよ」
「おいおい…」
「えーっと…次は園子と会った時かな?」
「ならアタシが話した方がいいな。確か逃げ足早いバーテックスを仕留めた後、アタシと友奈さんと須美が園子の場所に飛ばされたんです」
「逃げ足早いバーテックス…まさかタマの高級うどんを拒否した奴か!」
「アイツ生きてたのね…」
「個体は違うと思いますけど」
「食いつくとこそこ!?」
「まぁまぁ。その時にアタシの記憶が戻ったんです」
「乃木さんと手でも握ったの?」
「いえ、園子にミノさんって呼ばれただけです」
「名前だけで戻るとか万能すぎるだろ!」
「そうなると私たちは若葉さんになるのでしょうか」
「あの手記に触れても何もなかったからね」
「そういや千早にそれ聞いたら『手はある。直ぐにわ分かる』って言われたな」
「直に、ねぇ…」
「んじゃ終わり〜」
「おいおい、まだあるだろ〜?」
「まだあるんですか?」
「あの〜…はい…」
「アタシが居なくなって美穂のメンタルが壊れるとんでもない事件がありました」
「壊れる…って園子を襲おうとしたあの時みたいな?」
「もっと心から壊れてました。自分なんてどうでもいい、消えたいって雰囲気の」
「病んでるじゃない…」
「だって銀が目の前から消えたんだよ!?杏だって珠子が音沙汰なく消えたら怖いでしょ!?」
「分かります!」
「「即答!!??」」
「私も高嶋さんが居なくなると考えると…」
「最後は第2次レオ戦兼園子との喧嘩だね」
「ラスボス2体とか鬼畜なの?」
「正確には東郷もいたから3体」
「身内同士の殴り合いじゃんか…」
「東郷は友奈が何とかしてくれたけど園子は厄介だったね」
「しかも端末動かなかったんだよな 」
「ちょっと待って。初耳なんだけど」
「園子と戦う覚悟が無かったから変身出来なかったんだ。けど黒花さんに諭されて決めることが出来た」
「なるほど…私がボコされている間にそんなことが…」
「本当にごめんって」
「別に怒ってないよ。腹括ってくれてありがとう」
「園子には勝てなかったのか?」
「無力化が限界だね。満開20回は伊達じゃないよ」
「満開する度に精霊が増え体の何処かを無くす。園子さんはどんな気持ちだったんでしょうか…」
「きっとがむしゃらにやってたんだと思います。園子はぼーっとしてるように見えてかなり考えて行動してたんです。それだけやるって事は余程守りたい何かがあった…」
「…最後は和解してレオの渾身の一撃を攻略しに向かったの」
「そもそもレオって何だ?」
「あれ?バーテックスに名前無かったの?さっきの二足歩行も知ってそうなのに」
「これといった名前はつけてないの」
「へぇー…あっ、レオってのは火の玉を飛ばすバーテックスなの。12体の中でも頭1つ出るくらい強い」
「火の玉を飛ばす…見たことないよな?」
「私たちが戦ったのは進化体だから気づいてないだけかもね」
「やはり満開を?」
「皆使ってたらしいね。トドメは友奈が決めてくれたんだけど爆風だけでも凄くてしばらく気失ってたもん」
「今思えばよく勝てたよなぁ〜」
「力じゃ負けても思いなら勝ってたからね」
「かっこいいです」
「ありがとう。その後皆も供物が返って…いや復元され、友奈も新たな体を得て帰ってこれた」
「その清算が祟り…」
「元気になれて良かった!なんて喜んでたのにな…」
「神の目は森羅万象全てを見渡す。次に起こる厄災に備えて前貸ししただけ。要は訣別の儀まで手のひらの上だったって話」
「300年続くのも神様のシナリオ…」
「けど最後の最後に書き換えれた。それだけで充分だよ」
レコーダーの停止ボタンを押し深く息を吐く。
蛇足気味だけど話せたと思う。
「今のが3人が来る前の戦いの記憶。いかがだった?」
「どの時代もハードだな」
「役割そのものは変わらないのね」
「私たちも素人でしたけど練習無く実戦入るなんておかしいですよ」
「アタシも途中からやったけど美穂の代は何もしてないな」
「成せばなんとでもなるから」
「便利な言葉ね…」
話してる時は感じないけどあっという間に時間は過ぎてく。
この話がいい思い出の枠に入って良かった。
辛い思いもしたけど頑張った甲斐があるってもんよ。
そしてこれからもずっと作っていかなきゃね。
永遠に残り続けるように…
100話記念は原点に戻るということで振り返り回でした。
構想を頭で構築し字として形にする。
美穂や友奈たちがどのように戦うかは映像としてあるのに言葉で表現するのがどれほど難しいことか改めて実感しました。
それでも自分に出来る最善を尽くしここまで来れた。
その最善をこれから先も出せるよう頑張ります!
100話突破記念として今回もアンケート取ります。
いつもみたいに止まるんじゃねぇぞ…を言わすためとかでは無く、今回は!新章の内容を皆さんに決めていただきたいです!!
プロットは全て出来ており言語化するだけの状態なので後は決めるだけ!
ここまで見てくれた皆さんの力を今一度お貸しください!!
アンケート期限は9/9までの2週間。
その間は各話のあとがきにアンケートが出るので投票お願いします!
ちなみに全部やれと言われたらやりますし言われなくてもやります。
だってネタ切れたくないもん。
これからも薫製のゆゆゆ道をよろしくお願いします!!
新章で見たい光景
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ここがゆゆゆいの世界か…
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西園寺の闇見て見ない?
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勇者システムに捧げられた者たちの物語
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日常を擦れ
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他にやることあるだろうが(意見求む)