私の周りではいつもなんかしら事件が起こる。
トラブル体質持ちがいるとはいえ限度がある。
これは回避不能だからこそ起こった正しく地獄が顔を覗かせた話。
「暑っ〜…」
「溶けるって〜…」
「2人とも溶けてるよ〜…」
「人の事言えないわよ…」
「いや全員ね」
4人はエアコンの前に正座し冷風を浴びてる。
夏休みに入って数日で梅雨明けを宣言されたと思ったら外は灼熱地獄。
エアコンを自分たちの部屋でかけるから電気代がバカ上がるのが予測出来たから昼間はリビングに集まるよう指示した。
ちなみに溶けてるけど4人とも外に行っていない。
私は暑くならないうちに開店と同時に買い物にいった。
「美穂〜アイスくれぇ〜」
「腹壊すからまだダメ。今欲しいならエアコン1度上げて」
「この状況で上げるのかよ〜」
「グータラ生活はさせないから」
「ケチー」
額の汗を拭い冷蔵庫に入れていく。
扉を開けた時の冷気が心地いいんだよね。
突然ガンッ!と大きな音が家に響くのと同時にエアコンが静かになっていった。
「タマっち先輩?」
「なんもしてないぞ!?」
「リモコンは…あれ、切れてる?」
「故障?」
そういえば冷蔵庫の冷気も止まってる気が…
「まさか…!」
ためしにリビングの電気をつけてみたけど反応が無い。
急いで1階の洗面所へ向かい、スマホのライトでそれを照らす。
予想通りブレーカーが落ちていた。
脚立を物置から持ってきて銀に支えてもらいレバーを上げる。
本来なら通電しエアコンが動くはずなのに反応が無い。
何度もオンオフを繰り返しても変化が見られない。
「よりによって壊れたのこっちか…」
ブレーカーが壊れるのは滅多に無い。
大赦が購入してからどれだけ経っているか分からないが年季があったのかもしれない。
暑さなのか焦りなのか分からないけど汗がダラダラ溢れてきた。
こうしてる間にも部屋の温度は上がっていっている。
「まずは冷蔵庫にある食材を保護して!」
「それなら保冷剤をかき集めましょう!」
「だったらクーラーボックス持ってくる!」
「重いから私も一緒に行くわ」
「タマのプリンは何としても守る!」
皆が動いている間電気屋に連絡し修理の約束をつける。
来るのは夕方とふわっとした言い方だけど今日中に直るなら充分。
時刻は10時半、業者が来るまで早く見積もっても5時間といったところ。
最高気温は確か30度超だった。
普通に生活してても熱中症になるレベル。
「食材避難終わったー!」
「ありがとう。今から誰かの家にお世話になりにいく?」
「近場で行ける人は…燐?」
「あの家に5人かぁ…それはちょっと申し訳ないかな」
言えば歓迎してくれそうだけどね。
「ここで耐えるつもり?」
それは避けたいけど、早めに来るかもしれない。
ここでじっと考えていても仕方ない…
「まず窓を全開にして換気!」
北と南に窓があるから網戸を閉め空気を流す。
少し温いけど熱風が吹かないだけマシかな。
「保冷用シートをつけて待機!最悪私が残ればいいから皆は避難の用意を!」
「待て待て!1人で残る気!?」
「この家の持ち主は私、事態そのものはやむを得ないとは言え責任はある。殿を務めるには相応しいでしょ」
「高木さん正気なの?」
「もちろん。皆に何かあったら嫌だからね」
「それは美穂さんもですよ… !」
「…」
「タマだって同じだ!こうなったら意地でもいてやる!」
珠子が胡座組んで座ってしまった。
こうなったら私の負けは確実。
「…自分の健康第一でね」
汗で目が痛いほど染みた。
クーラー停止から1時間。
風が吹いてるから耐えられるけど団扇で仰いでも熱風が当たるだけで機能してない。
直射日光に気をつけ影で涼んでる。
「アチイ〜…」
「冗談抜きで溶ける〜…」
服が汗で皮膚に張り付き気持ち悪い。
皆水分は取ってるけど減りが早い。
「はぁ…はぁ…」
「伊予島さん大丈夫?」
「だ、大丈夫です…」
「本当に無理すんなよ」
「分かってるよ…」
段々気温が上がってきているからか座ってるだけでも体力が削られていく。
杏は人に戻っても病弱体質は健在らしい。
「あと何分耐えればいい…?」
「4時間」
「もう限界だぁぁぁ!!!」
珠子が服を思いっきり脱ぎ下着姿になった。
本来なら破廉恥だとかみっともないとか飛びそうだけど今回は無い。
だって皆なりたいのを我慢してたんだから。
「抜け駆けはズルいですって!」
銀も続いて脱いだ。
スポーツブラみたいだから外から見られてもギリ言い訳ができそう。
「涼しい?」
「変わらないけど着てるよりかはマシくらい」
「ほー」
私も何の気なしに脱いでいた。
暑さは変わらないけど肌のベタつきが無くなって楽になった。
「まぁマシだね」
「2人も脱げよー」
「さすがに…っ伊予島さん!?」
「はふぅ…」
まさかの杏が脱いでいた。
1番最後だと思ってたから余計驚き。
それに何か色っぽい…
「おおお…揺れてる…」
「飛びつき厳禁だからね」
「しないけど…なぁ?」
「ズルイですね…」
それは思う。
自分で言うのも何だけどそこそこ大きい部類だと思うけど杏のはレベルが違う。
どう食ったらこんなものが実るのかね。
「千景はどうするの?」
「はぁ…どうにでもなりなさいよ…」
渋々に近い感じで脱ぎ全員下着姿になった。
この光景見たのが男なら即死だったよ。
お昼は素麺を作ろうと思ったけど氷を使うからやめてシンプルに食パンを軽く食べた。
珠子が足りないとブーブー言ってたけど外で買ってこいと脅したら静かになった。
そして13時を向かえ地獄の世界に突入した。
太陽の暑さを吸収し温まった熱が倍になって空気を更に暑くする。
熱を出したような感覚になり息すらやっと。
熱中症待ったなしだって。
「動けばよかった…」
「もう遅いって…」
座る気も無くただ寝そべるだけ。
水分となりそうなのは枯渇しかけ。
砂漠に放置された冒険家の気持ちが今なら分かる。
「こんなとこで死にたくないってー…」
「それは無いと思いたいわ…」
「これ以上は危険です…冷却シートも使い果たしたので…」
バーテックスでもここまで追い込まれないって。
頭クラクラしてきたし…
「皆シャワーでも浴びて…」
そう言おうとした瞬間、インターホンの音が鳴った。
よろよろと立ち上がり画面を見ず通話ボタンを押す。
「はい…」
『ブレーカーの修理に来ました〜。お約束の時間より早いですが大丈夫でしょうか?』
「ぜ…全然ッ大丈夫ですッ!むしろお願いしますッ!!」
今日一元気ある声が出たと私でも思うくらいの声量だった。
暑さから解放されたいから急いで玄関に向かおうとした時思い出した。
「急いで着替えてーー!!」
このまま行ってたらただのエロい女だと思われていたに違いない。
危ない危ない…
「「あ"あ"あ"あ"〜〜〜…」」
銀と珠子がエアコンの風向口に顔をつけそうなくらいまで近づけて感じてた。
しかも椅子に乗ってまでしてるし。
「2人ともそろそろ離れてくれないかな。こっち汗臭い臭いしか来ないから」
「仕方ないだろ〜我慢してたんだからこれくら許せよ〜」
「なら自室の使いなよ」
「また落ちるかもって言われたろ?」
原因はブレーカーの混線だった。
一時的なものとはいえこの時期はエアコンをかけすぎて落ちることもあるから気をつけるよう言われた。
今はリビングの1台をガンガン回して冷やしてる。
「せめて距離離しなさい」
「いやなこった」
「もう節操ないよ…」
この事件でペットボトルとシートが枯渇したし保冷剤もギリギリだった。
貯蓄も増やさないともしもの時足りなくなるかも。
イネスちょうど行くし買い足すかね…
ハプニング回にしては無理やりだったかなと…
皆も夏場はブレーカー落とさないよう気をつけよう!!(やらかし経験あり)
ただいま薫製は改造人間としてルビコンで傭兵業を営んでいます。
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