この話には微エロ表現が混ざっております。
読まれる際は気をつけてください。
「~♪」
「随分上機嫌だね。何歌ってるの?」
「サンチョの歌。作詞作曲乃木園子だぜ~」
「うん、良く分からない事が分かった」
園子と腕を組みながらイネスでショッピング中。
昨日、何の脈絡もなく買い物の誘いを受けた。
受験生なのに呑気だと思ったけど園子は瞬間暗記型だった。
私は自分で解いて覚えるタイプだけど周りから見たらどっちも天才って呼ばれる奴。
「今日は何買うの?」
「んー、色々~」
「了解ー。じゃゆっくり行きましょか」
こういう時は園子の後に着いて行くに限る。
何度も来てるはずなのに初めて来たかのように目を輝かせショーケースの前で何度も止まる。
園子はスタイルいいから何着ても似合いそう。
お人形みたいとは口が裂けても言えないけど。
「たかみーは買わないの?」
「私は園子を見てるだけで十分だよ」
「それって恋人として~?」
「せめて姉妹って言ってよ…」
「ええぇー。つまんないー」
腕の締め付けが強くなった。
そこは離れるでしょうに。
談笑して歩いていた気になるお店を見つけた。
「ウェディングドレスか…」
純白のドレスが飾られていた。
女の子ならだれもが憧れる衣装。
「いつか私も着るのかな」
脈無しだからしばらくお世話にならないけど。
しかし勇者だけならまだしも殺人の前科あるしまともな生活は出来ないだろな。
1人身でも生きていけるしいっか。
「…そうだね」
園子のテンションが下がった気がする。
普段もこのトーンを出す事もあるけどなんか違う。
まるで腫れ物に触ったような。
「なんかあった?」
「うんん!ただ考え事してただけ!次行ってみよー!」
今回は手を放し逃げるようにその場を後にした。
園子の隠し事は本当に分かりにくい。
本気とネタの堺がかなり曖昧だからこそ難しい。
しかし今回は露骨過ぎる。
まるでバレて欲しいと言わんばかり。
私は園子の気持ちに警戒しながらも買い物を続ける。
途中フードコートで昼食を食べた。
「どうせうどんでしょ」
「今日はラーメンだー!」
「それは意外。でも麺なのは変わらないか」
悩んだけど王道の醤油にし、園子は塩に決めた。
トレーを持ち席につく。
ラーメンって重いから運ぶのが大変。
「「いただきまーす!」」
細麺なのにモチモチ感があって、スープもしょっぱ過ぎないから飽きない。
大衆向けだから無難に美味い。
「たかみー」
「ん?」
「あーん」
園子が口を開けて待っている。
なにが欲しいのか言わない。
具材も麺も同じ、となるとスープ?
しかしあーんでスープはちょっと無いでしょ。
「…これのこと?」
半分賭けだけど麺をすくって見せる。
「あーん」
変化無し。
合ってるのかくらい言ってもいいのに。
こういう時は恋愛小説を思い出すんだ。
彼氏が彼女にすべき行動…となれば。
「フゥ、フゥ…どうぞ?」
これしか思いつかない。
違ったら拗ねてやる。
「あーむっ」
犬のようにパク付き食べてくれた。
これで良かったのかな?
「美味しいなぁ〜。たかみーの愛情がのってるからかな」
「愛情って…」
今の行為に愛要素があったの?
想いはのせたけど愛はちょっと重くない?
「まぁ美味しいなら良かった」
「もっとちょうだいよー」
「麺尽きるからダメ」
「なら私のあげるよ〜」
「ただの交換じゃん」
たわいもない会話をしながら食べ続ける。
今日は一段と甘えが強い気もする。
結局何も買わずに終わりただの散歩になった。
「これで良かったの?」
「うん。満足だよ」
「それならいいけど。じゃ
何がしたいのか分からなかったけど満足ならそれでいい。
さて、今日の夕飯は――――――
「待って」
パシリと右腕を掴まれた。
かなり強めだったからびっくりした。
「園、子…?」
顔を伏せてるから見えないけど小刻みには震えている。
「行かないで…」
ボソボソと呟き続けてて、呪詛のように感じてしまった。
地雷踏んだのかな…
「大丈夫、ここにいるよ」
頭を優しく撫でる。
撫でる度震えが弱くなってく。
「もう1個用事思い出した…まだ付き合ってくれる?お姉ちゃん…」
その呼び名を使うって事は心が切羽詰まってるって訳だ。
「もちろん。満足するまで付き合うよ」
「ありがとう…」
連れてこられたのは乃木本家。
実の父親を殴って以来の訪問。
「あの、今日は…」
「2人とも居ないから安心して」
ホッと胸を撫で下ろした。
会ってたら気まずいとかのレベルじゃない。
広い敷地を歩き園子の部屋へ着いた。
女の子らしい雰囲気があってシンプル。
変に尖ってなくて良かった。
「座って座って~」
園子に急かされクッションに座る。
ふかふかして体が沈んでく。
これめちゃいいやつだ、めっちゃ欲しい…
「座り心地よさそうだね」
ハッと意識を戻すと園子が笑みを浮かべながら見ていた。
まさか蕩けた顔してた…?
自分の顔をむにむに摘まんで表情筋を刺激する。
「大丈夫。少し弛んでただけだよ」
「ダメじゃん!まぁ妹に見られるならいいけど」
頭を掻きながらはにかむ。
これが黒花さんだったら煽り確定だった。
「…」「…」
そこから会話が続かない、いや続けさせない。
陸橋の時と同じく黙って待つ。
「…あのね。近々お見合いする事になったんだ」
目線を逸らし話し始めた。
私は表情1つ変えずに聞く。
「これでも乃木家の当主になるからね。何れ来るとは思ってたけど早かったなぁ…」
中学生相手に5年後の未来を大人が決めつけるのは許せない。
恋ぐらい自分で決めさせろってんだ。
「会ってみて判断はするよ。いい人かもしれないしね。でも…」
一瞬園子の体が揺れたと思ったら私の体が後ろへ倒れていく。
受け身だけ少し取り、倒れたまま待つ。
太ももに園子が乗り私を見下ろしている。
髪が垂れ照明を背にしてるから顔が薄暗い。
「お姉ちゃんが大好き。愛してるの」
実の妹からの告白。
冗談じゃない本気の想い。
「いつも1人で周りは色々くれるのに私を見てくれない。でもお姉ちゃんは私に生きろっていってくれた。今入れるのはそのお陰だし私の存在理由になってる」
ゆっくりと私の右耳に近づいて来る。
「ねぇ、お姉ちゃん」
今まで何度も呼ばれたけど嫌な予感を感じる。
そこから先の言葉を聞いてはいけない、そう思うくらいに。
「
「!!」
耳元で過去最大の爆弾が投下された。
流石にポーカーフェイスでいられる訳が無い。
「何を言…」
「本気って気付いているんでしょ?」
私の顔を灰色の目に捉える。
確かにそうだけどその発言は正気を疑う。
というかどこから突っ込めばいいの…
「大丈夫。私の中で育てるから」
「いや、そういう問題じゃ…」
「お姉ちゃんの種を貰うだけ。後は私に任せて」
「待って!意味分からないよ!」
寝ころんだまま腕をガシリと掴む。
「冗談じゃないのは分かる…!けどこんなの望んでない!」
「なんで?ずっと一緒にいるって約束したじゃん」
「違うよ…そういう意味じゃない…!」
「生理だって来てるし処女だよ?」
もうやめて…
心に直接針を刺されていく感覚。
姉妹でいたのを望んだのにどうしてこうなるの…
「嫌だ…元に戻ってよ…」
視界が歪み鼻声になっていた。
腕の力が抜ける。
何処で間違えたの、私のせいなの?
愛情が足りなかった?もっと話せばよかった?
もう分からないよ…
「あ、ああぁ…」
目を擦ると園子が頭を抱え始めてた。
「やっちゃった…こんなはずじゃ…」
私の太ももから離れ後ろへ下がる。
体を起こすと目を大きく開き首を横に振っていた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…!最低な事言っちゃった…!」
魔性のような顔はなくただ謝罪を述べるだけ。
「離れて欲しくないだけ…忘れられたくないだけなのにっ…!お姉ちゃんを…襲って…!うあ…あああああッ!!」
大粒の涙を零し頭を自分で殴ってる。
「園子ッ!」
即座に飛び起き止めにかかる。
勇者でない今なら抑え込むのは容易。
意図せずさっきとは真逆の立ち位置になった。
「見ないでっ!こんな汚い私見ないでよっ!!」
周りから綺麗とか可愛らしいって評価された顔も涙でぐちゃぐちゃ。
「自分の欲求のためにお姉ちゃんを利用するクズな妹だよ!最低で!最悪の!!出来損ない!!!」
私に向かって言っているのに出てくるのは自分への浴び雑言。
これじゃ自傷だ。
「愛して欲しいなんてわがままなんだ!私に愛される価値なんて無い!」
「この…大バカ野郎が!!」
赤く染まった頬を思いっきり叩く。
かなり強めにやったから殴る音に近い。
そのまま胸ぐらを掴む。
「さっきから言わせればなんだ!最低?汚い?勝手に決めつけるな!」
「事実でしょ!あれが本来の私なの!」
「ッ!」
「ひいたよね。それが正しい反応だよ」
私の顔も歪むのが伝わる。
「どうして自分で傷を抉るの…?」
「どれだけ周りが優しくしてくれても私は悪い子なんだよ。他人を好きになれても自分は好きになれない。前なら自殺してたけどその気は無いから安心して」
いつも本音を隠してて卑怯な手を使わないと開かない蓋。
その中にあるのはドロドロの薄汚い夢。
「本当に汚いならそんな悲しそうな顔しないよ」
「…!」
自虐するならそんな辛そうにやらない。
「嫌われたくないのに嫌われたい、矛盾な心を持つのが人間だもん。仮に分離させてもそれは人じゃない。園子の歪みは園子そのものだ」
「…嫌いにならない?」
手を離し頬を優しく撫でる。
怒ったり叩いたりしたから熱をもっていた。
「驚きはするけど嫌いにはならないよ。弁解するとひいてないからね」
これは本当。
別に淫乱だろうと神様だろうと関係ない。
私は園子が大好きだから。
馬乗りをやめ園子の体をあげる。
髪や着衣が乱れててだらしない。
まぁ私がやったんだけど。
「じゃあ、こんなことしても?」
フワリといい匂いが鼻をくすぐったいのと同時に口元が暖かくなる。
手を伸ばし重ね合わせる。
冗談でやる軽いものでは無く恋人がするキス。
リップ音が部屋に響く。
かなり長めに感じたけど限界がきたのか園子が離れていく。
「…いいの?」
「…まだ足りない。」
ようやく素直になった。
人のこと言えないけど甘え方が下手なんだよ。
「なら溺れてみよっか」
堕落する前に園子の家に泊まると銀に連絡しとかないと。
料理できる人が入れば問題ない。
『了解!楽しんでこい!』
楽しむねぇ…
どんな形であれ許可降りたしいっか。
「お姉ちゃん…」
背中から私にしがみついてきた。
息が荒く体をピッタリとくっ付けている。
「我慢出来ないんだよね」
「うん…」
拘束を解き、改めて園子の顔を見る。
顔の紅さは変わらないけど目がトロンと溶けている。
口元も緩み涎が垂れ落ちそう。
「おいで」
その言葉で理性が切れたのか私の視界が真っ暗になった。
何処までも堕ちる奈落の穴に私は自ら飛び降りた。
──────
目が覚めたらベットに寝ていた。
部屋は真っ暗でカーテンも閉められてる。
いつ閉めたのか覚えてない。
体を起こそうとしたけど鉛を括り付けられたように重い。
頭が冴えてきたのか部屋が臭いと感じ始めた。
「派手にやったね…」
横にはお姉ちゃんが寝息をたてていた。
生まれたままの姿なのに寝心地よさそう。
私たちは昨夜一線を越えた。
姉妹の枠には留まらない私の愛を受け止めてくれた。
そして狂い合った。
壊される感覚が体に染み渡り気持ちよかった。
この気持ちは小説にまとめるのは不可能に近い。
「私だけの秘密だもん」
少し首をあげ大好きなお姉ちゃんの無防備な頬にキスをする。
「んんー…」
一瞬起こしちゃったと思ったけど寝返りをうっただけ。
ホント可愛いんだから。
時間感覚が無いけどもうひと眠りしようかな。
「おやすみ。夢でも会おうね」
そんな戯言を言い私は二度目の夢へ堕ちていく。
ついにやってしまった…
衝動でキャラを百合化させる悪行。
最低だ、俺って…(エクスタシーシンジ君状態)
そもそも甘えたがりな園子に姉が出来たらそりゃこうなるでしょ。
満足はしている、後悔はない。
だから殺るなら一思いにやれぇ!!