黒花さんが『勉強ばっかやってると頭狂うから気分転換に遊び行くか』と言い遊園地のチケットを持ってきた。
確かに気分転換は必要だと思うけどそれ私が余裕なの知って言ってるでしょ。
千景も受験生だけど夏までに結論を出すとの事。
まぁゲームの腕もだけどプログラミングも何気に出来ちゃうから高校行かなくても道は多いだろな。
連れてこられたか遊園地はかなり大きめので、基本的なものはもちろん見た事の無い乗り物もあった。
珠子と銀は目を輝かせ子供のように大はしゃぎしてる。
まぁ見た目も子供なんだけど。
そもそも私、遊園地行くの始めてだった事に気づいた。
引き取られる前に行ったかもしれないけど覚えてない。
聞いたら皆もそんな感じだったから良かった。
「最初はジェットコースターからか」
「もう乗るんですか?」
「体力ある内に乗った方がハッスルするだろ」
確かに絶叫マシンと呼ぶくらいだしね。
いっぱんてきなローラーコースターでちょうど6人乗りだったから前から珠子・杏、銀・千景、私・黒花さんとなった。
「なぁ美穂知ってるか」
コースターに乗り坂を登る途中に話しかけられた。
「なんですか?」
「ジェットコースターで1番怖い席について」
「さぁ、知りませんね」
「なら教えてやろう」
頂上に到達し景色がよく見え、風も心地よく感じる。
「1番後ろだ」
その瞬間、前方向に体が強く引っ張られた。
「めっちゃ楽しかったー!」
加速や重力の感覚が体に強く来たけど純粋に面白かった。
「美穂意外と絶叫いける口だったり?」
「というより鍛え上げられたからかな」
「どんな特訓したの?」
「変身した状態で崖から紐なしジャンプ」
「殺す気じゃんか!」
「私たちですらしませんって…」
「生きてるからセーフ」
確か後ろから蹴飛ばされて落とされたんだっけ。
帰ってきて抗議したら『空間認識能力を向上する訓練だ。自分がどんな状態か、どうすれば安全なのかを瞬時に把握しないといけない』って反論された。
確かに大切だし実戦で扱え助かったのは事実。
でも未だに思う事がある。
他にやり方無かったの?
場所は変わりお化け屋敷。
暑くなり始めているからピッタリ。
メンバーをスマホのあみだくじ機能で決めた。
その結果、私は杏と入る事になった。
「美穂さんいますよね…?」
「これで私を掴んでる腕が違いました、なんて冗談やめて欲しいけど」
「ですよね…はぅぅ…」
「大丈夫。大きな音に気をつければいいんだから」
「怖くないんですか?」
「作り物の恐怖はね」
本物の恐怖は身近に潜んでいる分余計恐ろしい。
それに比べお化け屋敷は分かりやすいから逆に安心する。
『グオオオオ!!』
「きゃあああ!!」
「ぐえっ…!杏!首絞めないで!ギブ!ギブ…!!」
「はっ!ごめんなさい!」
驚いてしがみつくのはいいけど首はやめようね…
対策として私がちゃんと手を握り、びっくりしても片手で済むようにした。
ちなみに他のメンツはというと…
──────
千景・銀
『そこ来るわね』
『おおー…本当に来た』
『敵の出現位置を把握してないと攻略出来ないから』
『さすが千景さん!頼りになる!』
『そう?お化け屋敷の楽しみ方として破綻してるけど…』
『全然楽しいんでそのまま!』
『良かった。なら全部当ててやるわ』
珠子・黒花さん
『なぁ…千早…』
『…』
『無言で前行くなよ…』
『…』
『なぁってば!』
ドン!!
『うわっ!びっくりしたぁ…って千早?どこ行ったんだ…』
『ここに居るが?』
『どわっ!今度はなんだよ!』
『今度はってお前何様だ』
『黙って前に行ったと思ったら急に消えたんだぞ。冗談にも程があるって』
『いやお前が冒頭でビビって1人走り出したから後追って来たんだぞ』
『は?』
『あ?』
―――――
後半組は謎現象が発生したらしく珠子のSAN値がピンチとなっている。
「ハハハ…タマ死ぬかも…」
「変な事言わないでよ。そんな言うならお祓い行こうよ」
「良い巫女紹介したろっか?」
「黒花さんもお祓い対象ですからね」
「はいはい。ほらなんでも奢ってやるから気直せって」
黒花さんが本当に奢り好きなものを食べさせたら即効で元気になり、ハイテンションに変わった。
「お化けなんている訳ないよな!」
「おうさ!もし来たら殴ってやれや!」
戻ってよかったけど本当にいいのかな…
霊に好かれるのは良くないと思うけど。
「って人の事言えるかーい!」
「なんだ。絶叫乗りすぎて知能落ちたか?」
「そんな訳ないじゃ無いですか」
夕焼けが地平線に沈む中、皆で最後のアトラクションへ向かう途中。
フリーフォール、ウォーターライド、バイキング等沢山乗った。
ひたすら叫び楽しんだからヘトヘト。
気抜くとその場で寝そうだけど眠気を振り払い最後のアトラクションへたどり着く。
それは小高い丘に建てられた大きな観覧車。
夜景も見えるし瀬戸内海も一望でき最後に乗るにふさわしい。
6人で乗るには狭いけど感動をその場で共有できる。
登っていくにつれ、辺りが暗くなっていき遊園地が色とりどりの光に包まれ始める。
「良い景色だね」
「宝石箱見たいです」
「やっぱ高いな!あそこなんか賑わってないか?」
「パレードですよ!ここ特等席だ!!」
「そんな動くと揺れるから静かにして欲しいんだけど」
「無理なのは一番理解してる癖に」
それぞれ楽しんでいる感じ。
やっぱ皆といると落ち着くや。
「これがずっと続くといいなぁ…」
そう呟いた瞬間、ゴンドラが一度揺れ停止した。
「美穂ぉ~?」
「なんで私!?」
「フラグ回収早すぎるって」
「綺麗過ぎて見本にしたいくらいよ」
「よっ、フラグRTA世界一」
「えええ…」
供えられたスピーカーからしばらく待っていて欲しいとアナウンスがあった。
多分誰かが乗る時ミスったんだろな。
時間あるし私のしたい事やっちゃうか…
「あの、黒花さん」
「あ?」
「受け取って欲しい物があるんです」
鞄から取り出したのは黒色のお守り袋。
少し目を丸くさせながらも受け取ってくれた。
「これは?」
「感謝の印です。本当はクリスマスに渡すべきだったんですけど忙しくて…」
あの時は忙しいという言葉で言い表せない程だった。
「黒花さんには感謝しかありません。私を人殺しの兵器から普通の女の子にしてくれました」
人を殺す事でしか生きてる価値が無かったのに学校で友達や家族と過ごす日々が大切なのを教えてくれた。
そして、勇者の力も破滅ではなく友の為に使うよう教えて貰えた。
「私がこうして生きていけるのも黒花さんのお陰です。本当にありがとうございました」
「…言葉は嬉しいんだが2人っきりで言うセリフだろ」
「何言ってるんですか。皆あなたの子供見たいなものですよ」
全員黒花さんには何らかの形でお世話になっている。
私はただ長く一緒に居たし、代表で言ってるだけ。
「子供ならちゃんと巣立つまで見てやらんとな」
「えぇ、その時が来るまでとことんお世話になります」
「そっか…」
いつものキリッとした顔から柔らかい笑みに変わった。
「私を愛してくれてありがとう。これからもよろしくね」
声も柔らかくなり別人見たい。
これが本来の黒花千早の姿…
再び揺れ観覧車が動き出した。
──────
運転をしながらバックミラーをチラリ見ると5人が寝ていた。
あんなはしゃげば眠くはなる。
よく帰省とかで父親だけ運転してる光景があるけどまんまそれ。
眠くは無いけど疲労はあるが気持ちは晴れ晴れしてる。
300年という途方もない時間繋いできた果てがコレなら満足だ。
誰にも縛られず共に歩む日々。
それこそが私の望む世界なのだから。
ゆゆゆいでも触れた遊園地回でした。
アトラクションは何となくで書いているので悪しからず。
そして投稿した今日はゆゆゆにとってまさにFateな日。
本当は鬱っぽいのを投稿しようとしましたが追々出します。
ゆゆゆ小説を描きながらこの日を迎えられて良かったと思いました。
散々擦っておいて逃げたくないんでね!!