デート・ア・ウィザード〜絶望を希望に変える魔法使い〜   作:黒崎士道

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どうも、お久しぶりです。
最近はなかなか良いアイデアが思い浮かばなく、更新に遅れていましたが、やっと話を進められます。

では、どうぞ。


古代のドライバー

士が神代邸にやって来て、数日が経った。

それからはファントムやパラドクスの動きに一切の音沙汰もなく、ただ平穏な時間が過ぎていた。

 

そして朝、晴人はいつも通りガルーダたちに起こされると制服に着替えて朝食を作るためにキッチンへ向かう。

眠たい目をこすりキッチンについた晴人だが、そこには既に晴人と同じ来禅高校の制服を着たコヨミが朝食の準備を終えていた。

 

「あ、ハルト。おはよう」

 

「ああ、おはよう。今日もコヨミが作ってくれたのか?」

 

「まぁね。私だって料理くらいできるし、イギリスでも私が作ってたでしょ」

 

「そうだな…」

 

晴人は冷蔵庫からコーヒーを取り出して、カップに注ぐとそれを口にする。コーヒーの苦みが眠たくなった目を覚まさせた。

 

「…おはよー」

 

リビングの部屋からそんな声が聞こえると、あくびをかきながら士が入ってきた。髪は少々寝癖があり、まだ眠たいのか目をこすっている。

 

「士君、おはよう。もうすぐでご飯ができるから並べるの手伝ってね」

 

「りょーかい」

 

そう言うと士は皿に盛り付けられた朝食をテーブルの上に並べていく。そして三人は朝食に舌鼓を打っていると、リビングの扉が開き切嗣が入ってきた。

 

「おはよう、みんな」

 

「おはよう師匠」

 

切嗣はそのままテーブルに着くと、今朝の新聞を開き朝食を口にする。

 

「そういえばさっきナタリアからメールが来ていたんだが、今日にはこちらに帰ってこれるそうだよ」

 

「ふーん。ねえキリツグ、結局ナタリアは何をしに遺跡に行ったの?」

 

ナタリアが現在家を空けている理由を知らないコヨミの問いに切嗣は答える。

 

「ああ…実はね、ナタリアが行った遺跡には古代の魔法使いに関する石板が封じられていてね。彼女は遺跡の調査、及び石板の回収に向かったんだ」

 

「古代の魔法使い……ですか…」

 

切嗣の言葉に、士は考え込むように呟く。まるでそのことについて何か知っているような様子だった。

 

「ん?どうしたんだ士」

 

「あ、いや、ちょっと心当たりがある気がしたんだけど…やっぱ気のせいだったよ」

 

「…?」

 

「あ!ハルト!早くしないと、遅刻しちゃうよ!」

 

「えっ⁉︎」

 

コヨミの言葉に晴人は時計を見ると、時刻はもう晴人たちがとっくに学校に登校する時間を少し過ぎていた。それを見た晴人は手にしたトーストを口に咥えて鞄を持ち急いで玄関に向かう。

 

「やっべ!コヨミ、早く行くぞ!」

 

「うん!キリツグ、士君、いってきまーす!」

 

「ああ、気をつけていくんだよ」

 

「おー、いってらっしゃーい」

 

晴人とコヨミはそのまま急いで学校へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

神代邸に残された士と切嗣は朝食を食べ終えると食器を片付けていた。

そして、皿洗いをしている中、不意に切嗣が士に問いかけてきた。

 

「さて…士君は今日どうするつもりだい?」

 

「んー、そうですねぇ…家事を手伝ってからちょっと用事があるので出かけてきます」

 

「そうか。それはさっき言っていた心当たりのことかい?」

 

切嗣のその言葉に、士は思わず切嗣の方を振り向いてしまった。それは、肯定を意味する。

 

「……やっぱお見通しですか」

 

「ああ、君が異世界から来たということと、世界には私たちのような存在ーーー仮面ライダーと言われる戦士が存在することは晴人から聞いているからね。君の用事とはその仮面ライダーについてのことなのかい?」

 

切嗣の推測に士は降参だと言わんばかりにため息をつくと、そのまま自分の考えを切嗣に話した。

 

「……はい。多分、俺の予想通りならそのナタリアって人が見つけた古代の石板っていうのは古の魔法使いに変身するための物だと思います。もしそうならファントムもそれを狙ってくる筈です。魔法使いに変身するための道具なんてほっておくわけがないですから」

 

士はそう言う。士はあらゆる仮面ライダーの知識を持っているが『古代の魔法使い』と聞いて思いつく仮面ライダーは一人しかいなかった。魔法使いと敵対するファントムがそんな魔法使いを増やすような道具をみすみす野放しにするはずがない。

 

「そうか……だが心配はいらないよ。ナタリアもグール程度なら蹴散らすこともできる。それにこちらに戻って来るのは午後だと聞いたからファントムが現れても晴人たちが戦えるよ」

 

士の心配とは裏腹に切嗣はそう言う。その自信は一体どこからと聞きたいが、その言葉は切嗣がそのナタリアという人物を信頼しているが故の言葉なのだろうと思い、何も言わないことにした。

 

「そうですか…じゃあこの世界の天宮市がどんな感じなのか、散歩がてら見てきますかな」

 

「なら、午前中は私と剣道でもしないかい?最近はあまりできなくてね…」

 

「いいですよ。俺も剣道なら少しできますし、後で後悔しても知らないですよ?」

 

「そうか、それは楽しみだ」

 

ディケイドとして剣の武器を扱う士の自信満々な言葉に切嗣は微笑みながらそう言った。

だが士はこの後、切嗣のことを甘く見ていた自分に対して大きな後悔をする羽目となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと…着いた……」

 

「う、うん……」

 

晴人とコヨミは学校に到着し教室に辿り着くと、時刻はHRが始まる五分程前だった。

だが、流石にあのまま走り続けていては間に合わないと思い、晴人はコヨミを抱きかかえながらソニックウィザードリングを使って高速で移動してやっと学校に着いたのだ。

道中、コヨミが顔を赤くしながら何かを言っていたが、遅刻のことが頭でいっぱいだった晴人にはその声は届かなかった。

 

「おはよう。兄さん、コヨミ」

 

「おう、おはよう士道」

 

「おはよう士道君」

 

晴人とコヨミは席に着くと、二人の席の近くにいた士道が挨拶をしてきたので二人も挨拶を返す。

 

「なあ兄さん、今日って空いてるか?」

 

「別に用事はないけど…なんか用でもあるのか?」

 

「ああ、実は琴里の奴が兄さんと『はんぐり〜』に行きたいって言ってさ…」

 

「私も行きたいぞ!」

 

士道と会話をしている最中、突然十香が元気な声で会話に入ってきたので三人は驚いた。

 

「うおっ!って十香か…おはよう」

 

「おはよう、十香ちゃん」

 

「みんな、おはようだ!それより、『はんぐり〜』に行くということだが…」

 

「え?ああ、十香も行くか?」

 

晴人が十香にそう聞くと、十香は笑顔で答える。

 

「うむ!今日こそ『はんぐり〜』の全てのドーナツを制覇してみせるのだ!」

 

「いや、どんだけ食うつもりだよ!」

 

「ふふ、十香ちゃんらしいね」

 

コヨミは十香の相変わらずの食欲旺盛さに笑みを漏らす。そんな会話をしているうちに、HRを告げるチャイムが鳴り教室にタマちゃん先生が入ってくる。

 

「は〜い、みなさんおはようございます。それじゃあ、HRを始めますよぉ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…やっと帰ってきたよ。天宮市」

 

大きなキャリーバッグを引き、しばらくの間家を空けていたナタリアは天宮市の商店街を見渡していた。

 

「ーーにしても、しばらく家を空けるだけでこうもあいつらが恋しくなるなんて…本当に母親ごっこが板についてきたかね……」

 

ナタリアはそう言うと苦笑を浮かべる。切嗣と出会う前の自分ならこんな思いはなかっただろうと心の中で呟きながら。

 

「まあ、面白いものも回収できたわけだし…いいかな」

 

ナタリアはそう言いながら、その片手にある銀色のアタッシュケースに目をやる。

そう、彼女が天宮市から離れていたのはこのケースの中身を探すためだったのだ。この中身のものは、おそらく魔法使いに関係している代物だ。ならば、一刻も早くこの中身のものについて詳しく調べなければならない。

 

「さーてと、晴人たちの土産にドーナツでも買って行くか」

 

ナタリアは不意に晴人が常連だというドーナツ店『はんぐり〜』を見つけると、晴人たちに買って行こうと足を進める。

 

「きゃああああっ!」

 

そんな時、悲鳴が聞こえると思うと、ナタリアの前に数体のグールが現れた。グールたちは周りに逃げ惑う人々がいるというのにナタリアにのみ狙いを定めていた。

 

「ふん。やっぱり、狙いはこいつか……」

 

ナタリアはアタッシュケースを見てそう呟くと、コートの内側ポケットから一丁の拳銃を取り出した。幸い、周りに人はいなくなったのでナタリアも存分に戦うことができる。

 

「かかってきな。グール程度なら可愛がってあげるよ」

 

ナタリアの言葉を引き金に、グールたちはナタリアに襲いかかる。ナタリアは槍を振るってくるグールをアタッシュケースで殴り、華麗な動きでと体術でグールを翻弄していく。

晴人が修行時代に体術を教え込んだとはいえ、ナタリアのその洗練された体術は人間の身でありながらグールを追い詰めていく。

そんな時、ナタリアの背後からグールが魔力弾を放とうとしていたが、それに気がついたナタリアは拳銃の引き金を引き、発射された弾丸がグールを貫き、そのまま爆発させた。

 

「どうだい?対ファントム用に魔法石を加工して製造したこの弾丸の味は。…『魔光弾』と名付けるか」

 

普通の弾丸はグールには効かない。だが、ナタリアが魔法石で指輪を製作する際に余った魔法石を特別な弾丸に混ぜることでファントムにも有効な銃弾を生み出したといことだ。

 

「成る程、グールどもでは相手になりませんか」

 

ナタリアはグールたちを全滅させると、背後からそんな声が聞こえて後ろを振り向く。

そこには騎士のような姿をしたファントム、ヴァルキリーが後ろに手を組んで佇んでいた。

 

「あんたかい、こいつらをけしかけたのは」

 

「失礼、私も紳士なもので美しい女性を傷つけるのは気が引けてしまうのです。私の名はヴァルキリー、以後お見知り置きを」

 

「ファントムにしては律儀だね。……狙いはこれかい?」

 

ナタリアは手に持ったアタッシュケースをヴァルキリーに見せつけるように掲げると、ヴァルキリーはそれに頷いた。

 

「ええ。グレムリン様からの情報によれば、そのケースの中には古代の魔法使いに関するものが入っているようでしてね。これ以上魔法使いが増えるのも我々にとっては好ましくないことですので、是非そのケースをこちらに渡して頂きたい」

 

「渡せって言われて、渡す奴がいるのかい?」

 

ナタリアの答えは勿論、NOだ。ナタリアの返答にヴァルキリーは呆れたようにため息をつく。

 

「……まったく、聞き分けの悪い方ですねぇ。ならば、力づくで奪うまでです」

 

「やってみな……できるならね」

 

ナタリアは不敵な笑みを浮かべてそう言うと、ポケットからドッグタグのようなものを取り出して、額に当てる。

瞬間、ナタリアの身体が淡く発光すると、その身に魔術師の鎧ーーCR-ユニットを纏った。黒と赤で構成された先鋭的なフォルム、その腰にはそれぞれ特徴的な兵装が装着されており、その手には先ほどまで手にしていたアタッシュケースの他に赤く光る光剣、レイザーブレイドが握られていた。

 

「な……っ⁉︎それは、魔術師の……!」

 

「これが私の専用CR-ユニットーーー《ネプチューン》。まあ、ちょっとばかし改造したばかりで調整が済んでいないが……あんた程度なら十分だ」

 

驚愕するヴァルキリーを他所にナタリアはそう告げると、背中に取り付けられたスラスターで宙を飛ぶ。そして、ヴァルキリーに不敵な笑みで言う。

 

「晴人の言葉を借りるなら………さあ、ショータイムだ」




どうだったでしょうか?
次回、遂に古の魔法使いにある人物が変身します!
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