デート・ア・ウィザード〜絶望を希望に変える魔法使い〜   作:黒崎士道

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こんばんは。
決闘編は長くなりそうなので二つに分けました。前篇はウィザードとディケイド以外のライダーたちの戦闘です。
では、どうぞ!


それぞれの物語〜前篇〜

「いくぞ!」

 

「やれぇ!」

 

ディケイドの言葉とともに五人のライダーたちはグールの軍団に突っ込んでいき、リバイアサンの指示によってグールたちも仮面ライダーたちを迎え撃つ。

 

 

 

 

 

《ファルコ・GO!ファッ!ファッ!ファッ!・ファルコ!》

 

《ソイヤ!イチゴ・アームズ!シュシュっとスパーク♪》

 

ビーストはファルコウィザードリングで右肩に隼の頭部を模した装飾のある赤いマント、ファルコマントを纏い、鎧武はイチゴロックシードでイチゴの鎧を纏ったイチゴ・アームズへと変身した。

 

ビーストはファルコ・マントの能力で空を飛び、上空からグールたちをダイスサーベルで斬りつけていき、鎧武は両手に持った武器、イチゴクナイを使った二刀流やクナイを投げつけたりと素早い攻撃を繰り出す。

 

そしていつの間にかビーストと鎧武をグールたちは取り囲まれるように集まり、二人は互いに背中合わせになる。

そこで鎧武がビーストに声をかける。

 

「やれるか?この数」

 

鎧武の言葉に、ビーストは仮面の中で不敵に笑みを浮かべた。そして、鎧武の方を見て言う。

 

「ああ、余裕だ!」

 

ビーストはそう言うと、片手に持つダイスサーベルのダイス部分を回転させて、リングスロットにファルコウィザードリングを差し込む。

そして鎧武の方も戦極ドライバーに装着したイチゴロックシードを外し右脇に連行してある刀、無双セイバーを引き抜くとそこにロックシードを装着する。

 

《6!ファルコ・セイバーストライク!》

 

《ロックオン!イチ・ジュウ・ヒャク・イチゴチャージ!》

 

『うおおおおおおおおおおおおっ‼︎』

 

ビーストは目の前に展開させた魔法陣を一閃するとともに六体の隼を象った魔力弾をグールたちに放ち、鎧武はイチゴロックシードを装着した無双セイバーを上に向けて振るうと上空にイチゴを象ったエネルギーが出現すると同時に弾け飛び、そこから幾つものクナイのエネルギーがグールたちに降り注ぐ。ビーストと鎧武の攻撃を全てくらったグールたちは為す術もないまま倒れて消滅した。

 

「人間どもがぁぁぁ‼︎」

 

そこでリバイアサンがビーストと鎧武に向かって大剣を振るい、二人は吹き飛ばされてしまう。リバイアサンが倒れたビーストの背に大剣を振り下ろそうとすると、咄嗟に鎧武が無双セイバーのグリップを引きリバイアサンに向けて光弾を発射する。

 

「はあっ!」

 

「なにっ⁉︎」

 

発射された光弾に大剣を弾かれたリバイアサンの懐はガラ空きとなり、そこでビーストはダイスサーベルでリバイアサンの腹部を貫く。そして鎧武も無双セイバーでリバイアサンを斬り裂き、更に追撃として二人同時にリバイアサンに蹴りを入れる。

 

「貴様らぁ…ただではすまさんぞ……‼︎」

 

「上等だ!いくぞ俺!」

 

「ああ!」

 

リバイアサンは手元に青い火球を溜めると同時に、ビーストはファルコウィザードリングを別の指輪に取り替え、鎧武も新しいロックシードを取り出す。

そして、リバイアサンが火球を放つと同時に二人は別の姿へ変身する。

 

《バッファ・GO!バッ!バッ!バババ・バッファ!》

 

《ソイヤ!パイン・アームズ!粉砕・デストロイ♪》

 

爆炎とともに現れたのは、右肩に牛の頭部を模した装飾のある赤いマント、バッファマントを纏ったビーストと、パインの鎧を纏いパイン・アームズとなってその手にパインの鉄球、パインアイアンを持った鎧武だった。

 

「はあああ!」

 

鎧武は走りながらパインアイアンをリバイアサンに向けて遠距離からぶつける。パインアイアンをくらったリバイアサンは怯み、大剣を横に大きく振るおうとするとビーストがダイスサーベルそれを受け止めた。

バッファマントの能力によって肉体が強化されたビーストのパワーは巨体のリバイアサンと互角に鍔迫り合いをしていると、鎧武が無双セイバーでリバイアサンを斬り裂き、無双セイバーのグリップを引いて光弾を至近距離で浴びせる。

 

「くらえ!」

 

《4!バッファ・セイバーストライク!》

 

更に鎧武の肩を踏み台にしてビーストが跳躍すると、上空から放った四体のバッファの魔力弾を放つ攻撃と共に、鎧武もパインアイアンを振るう。

 

「ぐああああああっ!」

 

リバイアサンは二人の強力な攻撃を一気にくらい、大きく吹き飛ぶと、地面に膝をつく。

 

「決めるぞ、俺!」

 

「ああ!メインディッシュだ!」

 

《ソイヤ!パイン・スカッシュ!》

 

《キックストライク・GO!》

 

鎧武はパインアイアンをリバイアサンに向けて蹴り飛ばすと、パインアイアンが巨大になりリバイアサンに被さる。そして鎧武とビーストは同時に高く跳躍すると、リバイアサンに向かって『アイアンブレイカー』と『ストライクビースト』のダブルライダーキックを放つ。

 

『だああああああああああああああああああああっ‼︎』

 

二人のダブルライダーキックがリバイアサンに炸裂、リバイアサンの身体はそのまま貫かれていく。

 

「馬鹿な⁉︎俺は、絶望の黙示録を手に入れて……!がああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

何かを言いかけようとするリバイアサンに鎧武とビーストは背を向ける。

するとリバイアサンの全身から火花が散り、亀裂が走る。

やがて許容量を超えた身体は耐え切れなくなりリバイアサンは断末魔とともに爆発すると、そこからパインのエフェクトが出現し、リバイアサンの魔力が魔法陣となりビーストのバックルに吸収される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてディエンドは、目の前にグールの群れが迫る中、左脇のホルスターからカードを取り出し、ディエンドライバーの銃身に挿入すると、銃口を正面に向け、トリガーを引く。

 

《KAMEN RIDE・DEN-O》

 

その電子音声と共にその銃口から飛び出したのは弾丸ではなく、一つの虹色の影だった。その虹色の影は徐々に輪郭を持ち始めると、現れたのは赤い装甲を身に纏っており、装甲の各所にはレールのような筋が入っていた。赤い複眼を持ち、手には黒い柄に赤い切っ先のついた武器を握っている。ライダーの一人、仮面ライダー電王だった。

 

これがディエンドの能力の最たるものだ。別の世界のライダーを召喚し、手駒とする。

 

「俺、参じょーーー」

 

「痛みは一瞬だ」

 

《FAINAL FORM RIDE・de、de、de、DEN-O》

 

「ぐはああっ⁉︎」

 

電王がポーズを決め、決め台詞を言おうとした瞬間、背後にいたディエンドはディエンドライバーの銃身に更にカードを挿入すると、なんと電子音声とともに電王の背中を撃ち抜いた。

 

すると電王は一瞬にしてその姿を変えた。それは先ほどの姿とはかけ離れた赤い鬼の容姿を持った姿だった。

電王は「イマジン」と呼ばれる精神体が「特異点」と呼ばれる存在に憑依することによって変身できる仮面ライダーだ。今、電王が姿を変えたのはイマジンの中でも気性が荒く我慢が嫌いな「モモタロス」という名のイマジンだった。

 

「ーーーってぇなぁ‼︎この野郎!最後まで言わせろよ‼︎てかこれ地味にいてぇんだぞコラ‼︎」

 

電王はモモタロスに変身を終えると、先ほどの銃撃が痛かったのか、すぐさまディエンドに掴みかかる。だがディエンドはそれを軽く受け流す。

 

「はいはい、ほら行けって」

 

「あぁん?何が?」

 

モモタロスはディエンドが示した方を向くと、そこには視界を埋め尽くすほどのグールの軍団がいることに気がつく。

 

「なんだよ?なんだよ?鬼だらけじゃねぇか!気色悪!」

 

モモタロスは蠢くようにして動くグールを見てそんなことを言う。自分も鬼みたいな姿じゃないか、と思うディエンドだが、またモモタロスがうるさくなりそうなので黙っておく。

 

「さあ、鬼合戦の始まりだ。そっちはよろしく」

 

「よくわかんねぇけど、まとめて相手してやるよ!いくぜ!いくぜ!いくぜぇ!」

 

モモタロスは威勢良く言うと、手にした刀を振り回しグールの軍団に突っ込んでいく。

それを見届けたディエンドは、先に行ったディケイドとウィザードを追いかけようと駆け出す。だが次の瞬間、ディエンドは腹部に強烈な衝撃を感じると、そのまま吹き飛ばされてしまう。

 

「くっ…!」

 

ディエンドは強力なダメージによって変身を解除させられる。大樹は視線を向けるとそこには手をこちらに向けていた黒いコートを着た青年がいた。

 

「ーーーで、何の用かな。こんな戦闘中、突然訪問してくるなんて正気の沙汰とは思えないんだけど」

 

大樹は、攻撃を放った黒いコート姿と対峙する。黒いコート姿の主は、背が高く歳若い青年だった。灰色の景色の中でも映えるほどの鋭い目つきをしており、傲慢そうな口調で青年は言葉を発した。

 

「用など、最初から知れているだろう。ディケイドとウィザードがいるはずだ。手合わせ願おう」

 

「悪いけど、今の士と晴人君は戦える状態じゃないんだ。お引取り願えるかな?」

 

「素直に従うと思うか?」

 

「だろうね。君はここで引き下がるような男じゃない。パラドクスメンバー、ノエル。――いや、仮面ライダーゼフィルス」

 

その言葉にノエルと呼ばれた青年は僅かに眉を動かし、大樹を睨みつけた。

 

「ふん、そこまで分かっているならばなおさらだ。そこを通してもらう」

 

「さっきも言ったろう。今の二人はとてもじゃないが戦える状態じゃないんだ。その代わりと言っちゃなんだが――」

 

そう言う大樹のその手にはディエンドライバーが握られている。

 

「僕と戦わないか?自分で言うのもなんだが、少なくとも僕は士よりもいい相手になると思うよ」

 

大樹のディエンドライバーの銃口がノエルを真っ直ぐに捉える。それを見たノエルは鼻で笑いながら言った。

 

「面白い。だが、俺は目の前の敵が一人増えようとも、何も変わりはしない。結果は初めから決まっている」

 

その時、ノエルの元へと羽音を響かせながら飛来してくる物体があった。それは蒼い蝶の姿をしていた。だが、大樹にはあれがただの蝶ではないということがわかった。あれは『カブトの世界』に存在するゼクターと呼ばれる機械だ。

 

蒼い蝶、ゼフィルスゼクターは風を強固な翅で切り裂きながら、ノエルの手元で静止した。それをノエルは掴み、翳すように構えて言った。

 

「変身」

 

《HENSHIN》

 

ノエルはゼフィルスゼクターを腕に巻かれたブレスレッドのバックル部へと横から差し込んだ。瞬間、腕のブレスレッドから全身に向けて六角形の粒子が結合し合い、鎧となって構築されていく。

 

直後に現れたのは戦車のような鎧を纏ったごつい姿をした灰色の巨体だった。それのひとつしかない紫色の複眼が大樹の姿を映える。

 

大樹は笑みを浮かべながら、懐から一枚のカードを取り出した。ディエンドライバーの銃身をスライドさせ、その中にカードを挿入し、銃身を元の位置に戻す。

 

《KAMEN RIDE》

 

すると、電子音声と共に銃身にディエンドを模したオレンジ色のホログラムが展開された。

そのまま、大樹はディエンドライバーの銃口を天に向け静かに言った。

 

「変身!」

 

その言葉と共に引き金を引く。

 

《DIEND》

 

瞬間、音声が周りの騒音を割って鳴り響き、銃口から青い板状のものが射出され空中で固定される。それと同時に、虹色の影が大樹を中心として動き回る。

 

虹色の影が大樹に固定された瞬間、大樹の姿は黒のディエンドになっていた。その直後、青い板状のものがディエンドに向けて落下してくる。それがディエンドの身体を貫き、黒いディエンドの姿が青く染まる。眼の無い異質な顔が、ゼフィルスを視界の中に捉える。ゼフィルスもまた、紫色の複眼でディエンドを睨みつけていた。この景色の中、二つの視線が交錯する。

 

「まずは、こちらからやらせてもらう」

 

 ディエンドはそう言いながらカードを取り出し、ディエンドライバーに挿入するとディエンドはゼフィルスに向けてその銃口を向け、引き金を引いた。

 

《KAMEN RIDE・RIOTROOPERS》

 

その電子音声と共にその銃口から飛び出したのは三つの虹色の影だった。その虹色の影は徐々に輪郭を持ち始める。

その三つの影はその姿を現すと、体色が茶色であり、複眼の色が灰色である戦士が現れた。

 

「『ファイズの世界』のシステム、ライオトルーパーか。そんな雑魚で俺に立ち向かうとは、嘗められたものだな」

 

ゼフィルスの発した挑発に憤ったように、ライオトルーパー三体がゼフィルスに向けて駆けて行く。

 

ゼフィルスは舌打ちをひとつして、ブレスレッド部のゼフィルスゼクターの翅に指をかけ、そのまま二つの翅を合体させるように折り曲げた。

 

「キャストオフ」

 

《Cast Off》

 

瞬間、その音声がゼクターから発せられ、ゼフィルスのごつい装甲が浮き上がったかと思うと、次の瞬間にはその装甲が一挙に弾けとんだ。圧縮空気によって撃ち出された装甲はそれだけの質量を持つ弾丸と同義だ。ライオトルーパー達はその装甲の弾丸をもろに受けて砕け散った。ディエンドは自分に向けて飛散してくる装甲を空中で的確に撃ち落とす。装甲の飛散が止み、先ほどまでゼフィルスがいた場所にディエンドは目をやった。

 

そこには先ほどまでのゼフィルスとはまるで異なる姿のライダーが立っていた。蒼と黒の金属質な装甲に身を纏った細い体躯のライダーである。それはまさにゼフィルスの名前の通りの姿だった。《Change Butterfly》の音声が鳴り響き、一対となった複眼が紫に輝く。

 

ゼフィルスは展開された翅がまるでカタールのようになっているゼフィルスゼクターを構え、ディエンドを見据えたまま言う。

 

「今度はこちらの番だ。この速度について来れるか、試させてもらう」

 

ゼフィルスがベルトの左側面へと手を伸ばす。それに気づいたディエンドがカードを挿入し、銃の引き金へと力を込めたが、それはあまりにも遅い反応だった。ゼフィルスがベルトの左側面を押した瞬間、《Clock Up》という音声が鳴り響く。

 

刹那、世界が静止する。ディエンドの銃から放たれた弾丸は、止まっているが如く遅くなる。その空間の中を、ゼフィルスは疾走した。

地面を蹴りつけてゼフィルスは真正面に浮かぶディエンドの放った弾丸をゼフィルスゼクターの刃で切り裂き、弾く。《Clock Up》によって時間を止められた空間の中、超加速で動くゼフィルスにとって銃弾による攻撃を防御するなど児戯にも等しい。

全ての弾丸を叩き落されたことなど露知らず、静止したままのディエンドの身体へと、ゼフィルスはゼフィルスゼクターの刃を滑り込ませた。

 

ゼフィルスはゼフィルスゼクターの胸部に付けられたボタンを押し、ゼフィルスゼクターの刃にエネルギーが溢れ出し最後にゼフィルスゼクターのスイッチを押す。

 

「ライダーブレイク」

 

《Rider Break》

 

瞬間、ゼフィルスゼクターから放たれた赤い筋がディエンドの身体を横一文字に走る。ゼフィルスはもう一度、ベルト左側面を押す。すると《Clock Over》の音声が発せられると同時に、全ての現象が元の時間を取り戻していく。それと同時にゼフィルスの背後で、何か重い物が落下する音が聞こえた。振り返ると、ディエンドの身体が仰向けに倒れている。

それを見たゼフィルスは薄くため息をついた。

 

「この速度について来れないとは。大口を叩いた割にはあっけない幕切れだったな」

 

ゼフィルスは最早、興味をなくしたように、そのままディケイドとウィザードに向かって歩みだそうとした。

 

「――確かに。思ったよりあっけなかったね」

 

「ーーーっ⁉︎」

 

その声にゼフィルスは足を止めた。瞬間、後頭部に冷たい鉄の感触を覚えた。見ずとも分かる。それは銃口だった。

ゼフィルスは僅かに首を動かして、銃を突きつけている人物を視界に捉えた。

そこには先ほど倒したはずのディエンドが立っていた。

 

「……馬鹿な。何をした?」

 

「この二枚を《Clock Up》の直前に使わせてもらった」

 

そう言ってディエンドは片手にカードを二枚持って翳している。

一枚は『イリュージョン』のカード。もう一枚は『インビジブル』のカードだった。

 

「まずは『イリュージョン』で分身を作る。そして僕の本体は『インビジブル』で姿を消し、分身の真後ろから君に向けて銃撃する。こうすれば分身が撃っているように見えるってわけさ。中々洒落たマジックだろ? ただ、入れ替わるのが少し難しくてね。成功確率は大きく見積もっても三割って所だったんだけど。――思ったより君が弱くて助かったよ」

 

「貴様ッ……!」

 

「怒っても駄目だよ。この距離ならベルトのクロックアップ起動ボタンを押す前に、君を撃ち抜ける」

 

ディエンドはディエンドライバーの銃身をスライドさせ、カードを装填する。

 

《FAINAL ATTACK RIDE》

 

その電子音声が鳴り響くと同時に、ディエンドは冷たく言い放った。

 

「じゃあ、さよなら。自信満々な男が地面に這いつくばって終わるっていう最期も、中々面白いじゃないか」

 

その言葉を聞いた瞬間、ゼフィルスは脳内が怒りで白熱化していくのを覚えた。そして気づいた時には、ゼフィルスゼクターを後ろのディエンドに向けて振り返り様に放とうとしていた。絶対に間に合わない。それを完璧に理解していたにも関わらずの行動だった。

 

《di、di、di、DIEND》

 

青いサークルが自分の頭を捉えているのを視界の端で見た瞬間、銃口から放たれた光線がゼフィルスの思考と視界を一挙に白く染めた。

 

『ディメンションシュート』を放ち、ディエンドはゼフィルスが先ほどまでいた場所を見ると、そこには何もなかった。その時、ディエンドの後ろで何かの気配が感じた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ……」

 

ディエンドは後ろを振り向くと、そこには身体の装甲の左側が焼け焦げているゼフィルスがいた。おそらくクロックアップでギリギリ避けたのだろう。だが、ゼフィルスは変身を解除され、とても戦える状態ではなかった。

 

「くっ…!ここまで、か……」

 

ノエルは息が絶え絶えになりながらそう言うと、背後に現れた灰色のオーロラの中に溶け込むように消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな、なんとかなってるみたいだな!」

 

そしてウィザードとディケイドは装置の前に立ちはだかるルシファーと対峙していた。ルシファーの強さはウィザードとディケイドが二人がかりでもなんとか戦えているほどのものだった。

 

「確かにな。このままならこちらが不利になってくる。だがな、俺が何の準備もなくお前たちの前に立つと思うか?」

 

「なんだと?」

 

ルシファーの言葉にディケイドは思わず聞き返す。そしてルシファーは何かを取り出す。

 

「見せてやろう。お前たちの戦闘データで開発した試作型のロックシードを!」

 

そう言ってルシファーが取り出したのは、ウィザードの顔が描かれているロックシードだった。ルシファーはそのままロックシードのスイッチを押して解錠する。

 

《ウィザード!》

 

すると、またもやルシファーの頭上に何かが出現し、今度は銀色の枠に赤い宝石のような大きな物体が出てきた。

それは、人々の絶望を希望に変える魔法使い、晴人自身が変身するウィザードの頭部だった。

 

「な、あれは…⁉︎」

 

《ロックオン!》

 

「変身!」

 

《ソイヤ!ウィザード・アームズ!シャバドゥビ・ショータイム♪》

 

ウィザードの頭部がルシファーの頭部に被さると、それが展開する。そして現れたのは、赤い複眼となり紅い宝石のように輝く鎧を纏ったルシファーだった。

ルシファーは横に手を翳すとそこに赤い魔法陣が出現し、ルシファーはそこに手を入れると、ウィザードと同じ武器、ウィザーソードガンを取り出した。

 

「なにっ⁉︎」

 

「ウィザード。お前なりに言うならーーーさあ、ショータイムだ!」

 

ルシファーはウィザーソードガンをくるりと回し、そう告げた。

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