デート・ア・ウィザード〜絶望を希望に変える魔法使い〜   作:黒崎士道

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どうも、おひさしぶりです。
デート・ア・ライブも11巻が発売し、鎧武とバロンの激闘も感動しました。

では、どうぞ


太古龍の魔法使い

「行くぜ!」

 

ドラグーンはファブニールとスケルトンに向かっていくと、その進行を邪魔するようにグールたちが立ちはだかり、ドラグーンは手にした剣、ダイスセイバーを横に一閃した。

 

繰り出される斬撃は見事にグールに命中し、火花を散らせる。

死角から一体のグールが槍を振るってきたが、即座に反応したドラグーンは片手で強引に槍を掴むとダイスセイバーで斬りつける。

 

「ふっ!」

 

続いてグールの群に駆け出すとダイスセイバーで擦れ違いざまに次々とグールを斬り払う。

銀の軌跡が閃く後には、爆散するグールたちの魔力が白い魔法陣となりドラグーンドライバーのバックルに吸い込まれていく。

 

「貴様!」

 

そこでスケルトンがドラグーンに槍を振るう。ドラグーンは咄嗟にダイスセイバーで槍を防いだが、スケルトンは自分の身体をバラバラに分散させると、分離した骨たちが一斉にドラグーンに襲いかかった。

 

「ぐっ!だったら!」

 

攻撃を受けて後ろに飛び退いたドラグーンは右手に三本の角を持ったカブトムシのようなものが描かれた五角形の指輪を嵌めると、それを右側にあるシリンダーに差し込んだ。

 

《ビートル・GO!》

 

その音声とともにドラグーンを橙色の魔法陣が通過した。

魔法陣が通過し終えると、ドラグーンはその左肩に三本の角を持ったコーカサスオオカブトの頭部を模した装甲を装着していた。

それだけではなく、その左手にはドラグーンの左肩の装甲と同じ三本の角のうちの一本が刀身となっているコーカサスオオカブトを模した剣が握られていた。

 

「なにっ⁉︎」

 

「こいつが俺の魔法さ。俺は色んな動物たちの力をその身に宿すことが出来るんだよ」

 

ドラグーンはそう言うと、ダイスセイバーと左手に持った銃剣、ビートルブレイガンを構えスケルトンに走り出すとダイスセイバーを振るう。

スケルトンはそれを槍で受け止めると、そのままドラグーンを蹴り飛ばした。

 

「うおっ!」

 

ドラグーンは蹴り飛ばされた勢いで後ろに飛び退くと、スケルトンに向けてビートルブレイガンの切っ先を向けた。

それを見たスケルトンは何だと疑問に思っていると、なんとビートルブレイガンの刀身ではない二本の角部から弾丸が連射されたのだ。

 

「なっ⁉︎ぐおおおおっ!」

 

それを見て驚いたスケルトンはドラグーンの放った弾丸が命中して一歩後ろに下がった。

 

「次はこいつだ!」

 

《エレファ・GO!》

 

ドラグーンは次に違う指輪をバックルのシリンダーに差し込むと、青い魔法陣が体を通過する。魔法陣が通過し終えると、左肩の装甲はコーカサスオオカブトから象の頭部を模したものへと変化し、左手にはビートルブレイガンではなく青色の鎖鉄球、エレファアイアンが持たれていた。

 

「さあ、いくぜ!」

 

ドラグーンはエレファアイアンをぶんぶんと振り回すと、スケルトンに向けてぶつける。それによってスケルトンの槍を持っていた右腕がバラバラに吹き飛ばされた。

 

「ぐうっ!」

 

「これでトドメだ!」

 

《エレファ・ウェポンストライク!》

 

ドラグーンは右手に装着した指輪をバックルの右側にあるシリンダーに再び差し込み、上空へ高く跳躍する。

そしてエレファアイアンをスケルトンに向かって蹴り飛ばすと、エレファアイアンは次第に巨大化していき、出現した巨大な象の幻影とともにスケルトンを叩き潰した。

 

「ぐああああああああああああああああああッ‼︎」

 

ドラグーンの攻撃を受けたスケルトンは断末魔とともに爆発する。ドラグーンは勝利を確信し次はファブニールの元へ向かおうとする。

 

「まだです龍騎!油断しないでください!」

 

「なにっ⁉︎」

 

レイの叫びでドラグーンはスケルトンが爆発した方を振り向くと、やはりウィザードたちの時と同様に身体の骨たちが再びスケルトンの身体を構成した。

 

「無駄だ。俺は核を破壊しない限り永遠に死なない!」

 

「なんだよそれ!思いきりチートじゃねーか!」

 

ドラグーンはスケルトンが振るう槍を必死でかわしながらそんなことを言う。

そしてその戦闘の様子を、少し離れた場所から見ていた晴人たちは呆然と眺めていた。

 

「すげぇ…」

 

「あの人、士道君と同じアーキタイプの魔法使い…」

 

士道とコヨミがドラグーンを見てそう呟く。確かに、ドラグーンの使用しているドライバーは古代の魔法使いである士道と似た形状のものだった。

驚くのも無理はないのかもしれない。

 

「ーーって、感心してる場合じゃないだろ!俺たちも加勢するぞ!」

 

と、そこでドラグーンの戦闘を呆然とした表情で見ていた晴人がハッとしてその場から立ち上がる。

 

「え?ちょ、どうしたんですか?」

 

突然立ち上がりだした晴人たちに側にいたレイは戸惑う。晴人たちはレイの戸惑いに構わず、ドライバーに指輪を翳す。

 

『変身!』

 

《ハリケーン・プリーズ♪フー♪フー♪フーフーフーフー♪》

 

《セット!オープン!L・I・O・N!ライオン!》

 

《ランサー・ナウ》

 

「え、えええええええええーーーーー⁉︎」

 

レイは晴人たちが魔法使いに変身したことに驚きを隠せず叫びを上げた。当然それはドラグーンも同様だった。

 

「お前らも魔法使いだったのか!」

 

「まぁね、手伝うぜ。あの骸骨野郎には借りがあるしな」

 

ウィザードはそう言うと、ウィザーソードガンをくるりと回して先ほどは燎子の妨害があったことで言えなかった決め台詞を言う。

 

「さあ、ショータイムだ!」

 

ウィザードはスケルトンに向かって走り出すと、ガンモードのウィザーソードガンを放った。

放たれる銃弾にスケルトンが怯んでいる隙にジャンヌとビーストがジャンヌランスとダイスサーベルでスケルトンを斬り裂く。スケルトンと距離をとったウィザードとジャンヌはスタイルチェンジをするために左手の指輪を付け替えようとした。

 

「ふん!」

 

「ぐあ!」

 

「きゃあ!」

 

スケルトンの骨の矢をくらったウィザードとジャンヌは吹き飛ばされ、装着しようとしていた指輪もその手から離れてしまった。

だが二人は即座に動き、落ちてきた指輪を手に取った。

 

「よっと!」

 

「キャッチ!」

 

互いに取った指輪を左手に装着、ハンドオーサーを左手側に傾け直して指輪を翳した。

 

《アーチャー・プリーズ♪》

 

《ボルケーノ・ナウ》

 

『えっ?』

 

瞬間、ウィザードとジャンヌは間の抜けた声を発してしまった。ウィザードは現れた赤い魔法陣が体を通過すると、左手に赤い弓、ジャンヌアローが握られており、ジャンヌは炎を纏った魔法陣を通過すると、白銀の装甲に赤い宝石のような装飾が施された姿となっていた。

 

「って、これハルトの指輪じゃない!」

 

フレイムスタイルとなったジャンヌは声を上げ、一方でアーチャースタイルとなったウィザードはジャンヌアローでスケルトン目掛けて矢を放った。

 

「はっ!」

 

「くっ!」

 

スケルトンは矢を槍で撃ち落とすと、ウィザードはスケルトンに近づき弓の刃でスケルトンを斬り裂き、隙が生まれたスケルトンに旋風脚で吹き飛ばした。

 

「おお!なんかいいじゃんこれ!コヨミ、この指輪俺にくれない⁉︎」

 

「ちょっ、ハルト⁉︎私の指輪返してよ!」

 

「お前ら呑気だな…」

 

戦闘中にも関わらずそんなやりとりをしているウィザードとジャンヌにドラグーンは呆れた様子で言う。

そうしている間にも、ビーストはスケルトンと戦闘を繰り広げていた。ダイスサーベルで槍を防ぎ、スケルトンに蹴りを入れると、ビーストはすぐさま右手の指輪をバックルのシリンダーに差し込む。

 

《ファルコ・GO!ファッ!ファッ!ファッ!・ファルコ!》

 

「はっ!」

 

ビーストはファルコマントを纏うと、横薙ぎに振るわれたスケルトンの槍を上空へ飛躍することでかわし、落下の勢いを利用してダイスサーベルを振り下ろしスケルトンを斬り裂く。

 

「チィッ!」

 

スケルトンは先ほどの動作で隙が生まれたビーストに槍を振おうとした時、そこにウィザードとドラグーンが互いの武器で槍を防ぎ、二人同時にスケルトンを蹴り飛ばした。

 

「フィナーレだ!」

 

《ハリケーン・シューティングストライク!フーフーフー!フーフーフー!》

 

ウィザードはジャンヌアローのハンドオーサーを展開させ、指輪をハリケーンウィザードリングに付け替えると、それをハンドオーサーに翳す。

ジャンヌアローの弦を引くと、矢先に風の魔力が集束されていく。

 

「俺も、こいつで決まるぜ!」

 

《コブラ・GO!》

 

ドラグーンは左手に蛇が描かれた指輪をシリンダーに差し込み、紫色の魔法陣を通過する。左肩の装甲はコブラを模したものとなり、左手には銃身にコブラが描かれた紫色のライフル銃、コブラライフルが持たれていた。

更にドラグーンはコブラウィザードリングをシリンダーに再度差し込む。

 

《コブラ・ウェポンストライク!》

 

ドラグーンはコブラライフルをスケルトンに向けると、銃口に魔力が溜められていく中、照準をスケルトンに合わせる。

 

「はあああああッ‼︎」

 

「うおおおおおッ‼︎」

 

ウィザードがジャンヌアローの弦を離すと風の魔力を纏った一閃が、ドラグーンがコブラライフルの引き金を引くとコブラの幻影を纏った紫色の一閃がスケルトンに向けて放たれた。

二つの閃光はそのままスケルトンを貫くーーーーー筈だった。

 

「ふん!」

 

そこで今まで戦闘に参加していなかったファブニールが動いた。

ファブニールはジークサーベルに赤黒い炎を纏わせ、それを振るうと、巨大な炎の斬撃が放たれウィザードとドラグーンの攻撃を相殺したのだ。

 

「嘘だろ⁉︎」

 

「チッ!やっぱ化物かあいつは!」

 

ウィザードとドラグーンはファブニールの攻撃に驚愕していると、ファブニールはジークサーベルを消失させそのままウィザードたちに背を向けた。

 

「……もう良い。帰るぞ、スケルトン」

 

「よろしいのですか?」

 

「ああ。バロンを退けたというウィザードの実力も確認できた。………そして何より、裏切り者が見つかったからな」

 

ファブニールはそう言うと、ウィザードたちの方を振り向いた。いや、正確にはウィザードたちの後ろにいるレイを見ていたのだ。

ファブニールの視線を感じたレイはびくりと身体を揺らす。

 

「逃げられると思うなよ……ウンディーネ。サー・ワイズマンを裏切った貴様に待つのは消滅だ。そのことを忘れるな」

 

ファブニールはそれだけ告げると、スケルトンを率いてその場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーそしてその頃。

 

「あ〜〜〜〜………スッキリしたぁ〜〜〜♪」

 

ウィザードたちがスケルトンと激闘を繰り広げていた中、襲いかかってきた全てのグールを完全に滅殺し終えた燎子は夕陽を眺めながらものすごく良い笑顔でいた。

 

無論、そんな燎子の無双ぶりを見た隊員たちがトラウマを覚えたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございました龍騎さん。龍騎さんが来てくれなかったら危ないところでした」

 

「いいって、そんなの。俺はたまたま通りすがっただけだよ」

 

あの戦闘の後、変身を解いた晴人たちは無事に十香たちと合流し龍騎たちに礼を言った。因みによしのんはレイが見つけてくれた。

 

「……ねえ、龍騎。何か忘れてる気がしません?」

 

そこでずっと考える仕草をしていたレイが龍騎に言った。

 

「ん?忘れてるって…………あッ⁉︎」

 

龍騎は何かに気がついたように言うと、顔色が真っ青になった。

 

「やべぇ!セルシウスの奴宿に置きっ放しだった‼︎」

 

「あーー!そうでした‼︎早くしないと、セルシウスがカンカンに怒ってますよ‼︎」

 

「ああ、急いで宿に戻るぞ!って、そうだった」

 

バイクに乗り込もうとした龍騎は何かを思い出したようにポケットを探った。

 

「そういえばお前に会ったら渡して欲しいものがあるって預かったものがあるんだよ」

 

龍騎はそう言ってポケットからあるものを取り出すと、それを晴人に渡した。渡されたものを見て、晴人たちは驚愕した。

 

「これって…魔法石⁉︎」

 

龍騎から渡されたのは魔法石と思われる不思議な紅い石だった。しかも、その魔法石はこれまで見たどのものよりも魔力の質が違い、魔法石は紅蓮の炎のような輝きを秘めていた。

 

「ああ。なんか前に黒いコートを着た銀髪の奴が突然来てよ、そいつが晴人って奴に会ったらそれを渡してくれって言ってたぜ」

 

黒いコートを着た銀髪。その容姿を聞いて晴人が思い当たる人物は一人しかいなかった。バロンとの戦いの前に晴人にダークウィザードリングを渡したあの青年だった。

 

「なあ龍騎さん!そいつの名前聞かなかったか⁉︎」

 

「えっと…確か……クロノスって言ったかな」

 

「クロノス………」

 

晴人はその名を呟いた。もしかしたら、あの青年はファントムたちのことを何か知っているかもしれない。

 

「んじゃ、俺たちはもう行くから。縁があったらまた会おうぜ!」

 

龍騎はそう言うと、サイドカーにレイを乗せてバイクでその場から去った。

 

「よっし!じゃあ、俺たちも行くか!」

 

晴人の言葉に全員が頷くと、晴人たち一行は改めて天宮極楽温泉に向けて出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして天宮極楽温泉に到着後、全員で混浴の温泉に入った晴人たち一行は先に来ていた龍騎たち一行と遭遇していた。

 

「あれ、龍騎さん⁉︎」

 

「おっ、なんだよ晴人。お前らも来たのか」

 

晴人たちと太古龍の魔法使いこと、火角龍騎との付き合いはこうして始まるのだった。




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