七 夜 改 変   作:ゲルゲルググ

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アークナイツモンハンコラボ早くやりてアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!(開幕論外化)

取り敢えず初投稿でもして落ち着くか。


Yeen

『よぉ転生者、俺の体は楽しんでるかい?』

「あ、アンタは……」

 

 その姿は寸分違わず、ウェンと同じ形をしていた。ただ、その顔に貼り付いた微笑み……穏やかな殺意を含んだ微笑みをしている事以外は。

 

『ハハッ…そぉら!!』

「ガッ――?!」

 

 ゆっくりとウェンに近づいて来た男は、無防備にフヨフヨと浮いていた彼の腹を蹴り穿ち、吹き飛ばす。

 

『おいおい、しっかりしろよ。死んだ身でありながら、図々しくも俺の体を使って生き続けている奴の姿とは思えんぞ』

「ガハッ!ゴホッゴホッ!なっゴホッ!…何するんだよ!?」

『何をするか……なんだろうな?なんの意味があって、あの悪夢の主サマは俺を態々呼び出したのか……』

 

 やれやれといった風に肩をすくめて首を横に振る男…もといYeen。だが次の瞬間、彼はポケットに再び手を突っ込むと、飛び出しナイフを取り出し、刃を展開させウェンへ向ける。

 

『だがまぁ、俺を起こしたって事は…殺せって事だよな?』

「ッ――」

『極死』

 

 瞬間、Yeenの姿が消えると同時に、ウェンの喉を投擲されたナイフが刺し貫く。ウェンはワンテンポ遅れてから状況を理解し、声の代わりに血を吐き出す。

 声もまともに出せぬまま痛みに溺れるウェン。そのまま行けば直ぐに絶命する事だろう。痛みと二度目の死という焦燥感の中、彼の感覚は正確に、精密に、己の頭が掴まれたという実感を脳へと伝え――

 

『七夜!』

 

 何処かから舞ってきた青白い花弁と共に、首を捩じ切られる。

こうしてウェンは、呆気なく二度目の死を迎えた。

 

「――ァッ?!ッッ――ハァッ…!ハァッ…!」

 

 そして当たり前の様に蘇ったウェンは、自分の喉を手で抑える。穴は無く、流れ出る血は無い。息も出来るし声も恐らく出せるだろう。

 だが、首を捩じ切られて殺されたと言う事実は、未だ首に残る感覚と、この黒い空間を彩るかの様に彼の周りに飛び散った血液が証明てくれた。

 

『…ここの主サマとあの女(・・・)から聞いたが、アークナイツだったか?この世界じゃ、アンタも俺の体も異物。故にアンタの…いや、七夜改変達の世界の法則ってモンは、MUGENのシステムが優先されるみたいだな?そしてここは、あの主サマがアンタの心に作った悪夢だ。MUGENの優先度は段違いだろうな。だから安心しろよ、死んだ回数なぞ気にする必要は無い』

「はぁ?どういう事だよ?」

『おっと、悪いね☆まぁ簡単に言えば……この空間は、格闘ゲームで言う所の練習モードだ。死ぬ事を気に病む必要は無いってコトだな』

「練習―…おい待て、まさか…!」

 

 練習モード…その名を聞いて、ウェンはこの後起こる事を理解する。練習モードの特徴と言えば、仕切り直しだろう。MUGENの練習モードも同じで、例え10割りコンボしようが、凶悪技術で消し飛ばそうが、このモードは直ぐに、何度も仕切り直す。

 ラウンドも勝利条件も無い。死んでも死んでも何度でも蘇る。

 

 つまりはまぁ、そう言う事である。

 

『丁度暇していてな、今からオマエを殺し尽くす。それに…さっきの血で服は赤くなってしまったが、オマエのその姿は忌々しいアイツにそっくりだ。実に殺しがいがある!』

「待っ――」

 

 今度は一瞬にして懐へ近づき、ウェンの腹をナイフで刺して、引き抜いてから蹴り飛ばす。そしてウェンが飛んでいく速度よりも速く前へ飛翔し、上からその首を刎ね飛ばす。

 

 こうして、只々殺されるだけの時間が始まった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

(あー、このタイミングで殺されるか)

 

 そう淡々と思いながら、ゲーミングは犬を蹴飛ばし、霧に紛れて向かって来たレユニオンを高速で動き回り極彩色に切断する。

 

「ふぅ…そこのカップル二人、怪我は無いかい?」

「あっ、ありがとう御座います……」

「た、助かったよ…って待て!誰がカップルだよ?!」

「下らないボケにツッコめる余裕があるならお前は大丈夫だな。その子を守って――」

「ッ!アンタ後ろ!」

 

 助けたフェリーンの女性、医療オペレーターのMedicと、帽子とバンダナ、サングラスで頭全体を隠している男性、前衛オペレーターのGuardの安否を確認し………Guardの声を聞いて瞬時に振り向きながら、極彩色に輝くナイフを振るう。

 

「ウェ、ウェンさん?!どうして――」

「いっいや違う、ウェンじゃない!多分二人が言っていた、3人の内の1人だ!」

 

 キィン!と言う甲高い音を鳴らしながら、極彩色のナイフと一見普通のナイフがぶつかり合う。

 そしてそのナイフの持ち主は、ウェンやゲーミングと同じ顔をした…だが二人とは違って、真っ当と言える様な黒い学ランを身に纏った男。

 

(よぉ兄弟。さぁ、殺し合おう)

(ったく、このタイミングでお前が来るかよ影夜!)

(ま、死貴が色々交渉した結果だ。こっちも信頼を勝ち取る為、仕方無いと思ってくれよ)

(しょうがない。お手柔らかに頼むぞ)

(魔眼レベル1で手を打とう)

(……充分鬼畜じゃないか)

(譲歩はしたさ。じゃ、いつもの台詞で始めようか)

 

 二人の口が弧を描く。だがその微笑み合いは霧に隠れ、すぐ近くにいたMedicとGuardも見ることは無い。

 

 その真意は誰にも見られる事なく、殺し合いが始まる。

 

 

「「あ〜あ、出会っちまったか」」

 

 

 鍔迫り合っていたナイフを振り払い、二人共その場から跳躍。霧を裂きながら木の幹を使って横向きに跳躍、高速移動し、お互いに手に持つ凶器を突き立てんとすれ違いざまに腕を振るい、切り傷をつけ、火花を散らす。

 

 縦横無尽に跳ね回る中、影夜の体から半透明な複数の影夜が分裂するように現れ、それぞれ別々の方向から様々な攻撃を仕掛ける。

 

「チッ、気軽に次元屈折現象起こしやがって!」

 

 つい七夜らしくない悪態をつきながら、慣れた動きで四方八方から来る斬撃を回避し、極彩色のナイフを4本投擲。ナイフは地面と木の幹、そしてナイフ自身と衝突し跳ね返り、己に近づく影夜の分身を一時的に掻き消す。

 

「おらっ」

「そこだ」

「遅い」

「斬刑に処す」

 

 上から襲かかり、左右から斬りかかり、地中から斬り上げ、前後から斬撃の塊を押し付ける。それらをゲーミングはサマーソルトの要領で蹴り上げ、逆さまになった体を捻りながら左右へ一本ずつナイフを急所に向かって投擲し、下からのナイフをナイフで弾き飛ばし、態勢を立て直しながら着地と同時に前方へ七色に別れた光弾を7つ飛ばす。

 

「うおっ?!」

 

 7つの光弾が前方の影夜を掻き消すと同時にゲーミングは後方へ大ジャンプ、後ろから来る本体の影夜を飛び越えた。それと同時に光弾は弾道を変え、本体の影夜へ殺到する。

 

 影夜は驚きつつも冷静に光弾を斬り消し、最後の光弾を斬り裂きながら後ろへ振り向きまたもや複数の影夜を分裂させながら一瞬で距離を詰めにかかる。

 

「盛り上げるか!」

 

 ナイフを複数投げて影夜を掻き消し、残り7体の影夜へ掌を向けて、極彩色のビームを発射。きっちり7発のビームで全ての半透明な影夜を消し去るゲーミング七夜。

 そして本体の影夜へ向かって極彩色の光を纏い光速化、霧の中でもはっきりと見える鮮やかな光の軌跡を残しながら光の速度で駆け回り、影夜を斬り刻む。

 

 最後はアッパーカットの要領で影夜を下から斬り上げ空中へ飛ばし、極彩色の光で刀身を伸ばした刃で一閃。極彩色の星を創り上げた。

 

「や、やった……!」

「すげぇ……」

 

 霧の奥で起こった戦闘を薄っすらと見ていたGuardが簡単の声を漏らす。流石は絶望の七夜軍団と数十年も戦い続けてきた人達だと、彼は思った(尚でっち上げの嘘偽り設定)

 

「はぁ…はぁ…これで終わりだ、影夜試験体」

 

 息を切らしながらも、頭から地面に激突した影夜へ振り返るゲーミング。影夜は未だ生きてはいるが、もう長くは無さそうな程ボロボロだ。

 

「お、おーい!やったなゲーミング!」

 

 GuardとMedicが互いに支え合いながら立ち上がり、ゲーミングへゆっくりと近づく。

 

 ゲーミングは軽く返事をしようと振り返え――

 

「ハハッ……」

 

 ようとして動作を止め、影夜を見る。

 影夜の周りには黒い影の様なモノが撒き散らされており、体が手足の先から溶解し始めている。手が出せる様な状態には見えない。手など出せない筈だ。

 

「もう少し…もう一秒だけでも続けていたかったが……あぁいや、勿体無いくらい上等か。時間切れで消えるより何倍もマシな最後だ」

 

 影夜の体が完全に溶解し、地面へ消えていく。だがゲーミングの顔に浮かんだのは安堵ではなく……焦燥。

 

「ッッ!!お前ら来るな!」

 

 二人が、振り返って叫んだゲーミングに驚いて足を止めた瞬間だった。

 

「………え?」

 

 二人の目の前で、ゲーミングの体が上から潰される形で砕け散る。彼の立っていた場所には、砕け散った彼の代わりに黄色い刃の様な……詳しく説明するなら、真ん中に778と数字が書かれた巨大な黄色い薙刀の様なモノだろうか。それが鎮座していた。

 一瞬なにが起こったか理解出来なかった二人だが、黄色い刀身?に飛び散った赤いモノを見て段々と理解する。

 

「あ…あぁぁぁ……!」

「ウソ…だろ…?」

「あ〜あ、女の子泣いちゃったか」

 

 黄色い薙刀が上へ浮くと同時に、聞き覚えのある声が響く。だが声の主はゲーミングでは無く、同じ顔と声をした男。

 

「安心しろよ。俺達は一回までならどうとでもなる。まぁ2回目はお陀仏だろうがな」

「お前…なんで?!」

 

 完全勝利と書かれた看板を掲げ、地面から影夜試験体が生えてくる。

 

「卑怯とは言うまいな?」

 

 恐怖に染まるMedicを支えながら、Guardは思う。ゲーミング七夜も常識が通用しない様な強さをしていた。だがそれ以上に、目の前の男は常識外過ぎたのだと。

 

(じゃあ、適当に全員一回殺して……ん?)

 

 完全勝利の看板を逆手に持ち替え、目の前の二人を殺しにかかろうとした瞬間、無駄に良い眼が霧の奥を捉える。

 

「あれは……」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 黒く味気無かった空間は、いつの間にか目が痛くなる程の赤色に染まっていた。

 

『……駄目だなコレは。燃料の無いストーブのがまだマシだ』

「なにがッ……ストーブだよ!文句言うくらいなら、さっさと返せっての!」

 

 そう叫びながら、俺は逆手に持ったナイフでYeenへ突撃する。が、適当に避けられた挙げ句、足を引っ掛けられて態勢を崩し、脊髄にナイフを突き立てられ、そのまま頭を真っ二つに切断される。

 

『こうも無意識に手を抜かれちゃ、こっちだってお手上げだ。どうにもならん』

「―――ッッ…クソガッ?!」

 

 目が覚め、起き上がりと共に背後にいたYeenへ攻撃を試みるも、顔面にハイキックがクリーンヒット。俺は地面の血をまき散らしなら派手に吹っ飛んで行った。

 

 い、いてぇ!クソッ、さっきからずっと殺され続けて…いったい何時までこんな事が続くんだよ!

 気が狂いそうだ。いや、いっそ狂えたら良かった。殺されても殺されても正気を保ち続けるこの精神が気持ち悪い……!

 

『要するに、お前はマトモ過ぎるって事だ。七夜の体で生きるのは余りにも似合わない』

「なら……ならもう、俺を元に返してくれよ!俺は何時まで…アンタとこんな事をしなきゃならないんだよ!」

 

 無意味だろう。もうわかった筈だろう。結局俺は、偶然Yeenの体で生き返っただけの男だ。物語としちゃ面白くない人生を送ってきた人間だ。人を殺すどころか、傷つけるだけでも嫌なんだ。

 そして嫌な筈なのに、さっきのでレユニオンを沢山傷つけて、その上で何も思わなかったこの体が――

 

『………成る程な。そんなにもアンタの前世は幸せだったのか。いいねぇ。吸血鬼も魔術も存在しない、そして俺の様な存在は全て、液晶画面の向こうか紙の上の文字でしかない世界で生きた人間。七夜志貴であれば鼻で笑って殺しでもしただろうが、生憎俺はYeenだ。俺を作った魔王サマのお陰で、アンタのその平和的価値観は理解出来なくはない』

「だっ――」

『だからこそ……』

 

 Yeenは俺の言葉を遮り、そしてフラフラと立ち上がる俺を優しげな青い眼差しで見据える。

 

『だからこそ殺せよ、転生者』

「――ッッ!!!だから!嫌なんだって言ってるだろうが!!!」

『そうか、なら仕方無い。アンタも、アンタの夢も、ロドスも、ここで終わりだ』

「何?!」

 

 その瞬間、Yeenの後ろの空間が黒以外の色で彩られる。モニターの様に映るその映像には、ゲーミングが黄色い刃に断ち斬られる様子が流れ、画面が切り替わって俺が戦った奴がドクターとアーミヤに近づく様子が映し出される。

 

『おっ、良い演出してくれるじゃないか』

「そんな……」

『まぁ見ての通り、時間はちゃんと進んでいる。そして此処から出るには、俺を殺すしかない。だから終わりなんだよ、お前』

「そんな………」

 

 折角立ったのに、また膝から崩れ落ちる。

 

 殺せ殺せって……無理に決まってるだろ。俺だって最初は、他の七夜達に聞かさた時は安心したさ。殺しても死なない、だから遠慮する必要が無い。そう思っていた。

 でも、あの感触は本物で、俺は命の取り合いをしているんだと分からされた。最初に倒したレユニオンを見て、俺は一瞬、本当に死んだのではと思ってしまった。

 

 一度そう思ったら、もう止まらない。みんなは格闘ゲームの様な生死観だから大丈夫と言っていた。だけど本当にそうだろうか?もし、ある日突然、ちゃんとした生死観になったら……もし、一度殺した相手が二度と立ち上がらなくなってしまったら。

 

 そう考えたら、俺は―――

 

『おい』

「ッァ?!」

 

 いつの間にかすぐ目の前にいたYeenに、突然片手で襟首を掴まれて持ち上げられる。

 

『所詮ただの人間だと思っていたが、弱音をウジウジと聞かされ続けからいい加減殺したくなって来た。だがまぁ、最後に1つ言っておこうと思ってな』

「なに…を」

『別にその巫山戯た甘さを捨てろとまでは言わないが、いい加減切り替えたらどうだ。此処はもうお前の生きていた平和な世界じゃない。他の奴らから世界観くらいは聞いてる筈だ。この世界は未だに戦争していて、その上で鉱石病による迫害が続いている。この世界の人間は皆、無邪気な子供みたいに人を傷つけ、そして殺す。そんな世界で人を殺したくないってのは無理な話だって事だ。殺意を持って殺しに来る相手を殺さずに制圧したいなら、それこそ機械か何かでないと不可能だろう。だがお前は人間、なら殺すしかないだろうが。そうでもしなけりゃ人なんか救えない』

「で、もっ……俺は…!」

『此処まで聞いても殺したくないってのなら……大人しく死んでしまえよ、お前』

「ッ――」

『お前の同情するほど酷い世界で、前世とは違う力のある体を与えられて、お前みたいな奴でも遠慮なく力を行使出来る都合の良い設定までもがある。此処までお膳立てされても人を殺せないなら、お前が生きている意味は何処にあるんだって話だ』

 

 ウェンをぞんざいに投げ捨て、悠々とした足取りで離れて行くYeen。

 

「それでも…嫌なモンは嫌なんだよ……」

 

 でも………アンタの言った事は正しいよ。人を進んで殺す程俺は非情になりきれない奴だし、助けたいって我儘も持ってる阿呆だ。でもそれだけじゃあ無理なんだってのは、充分わからされた。

 

 だから後は、俺自身の問題だ。でも……あ〜嫌だ嫌だ嫌過ぎる!人を助ける為に人を殺す、俺が最も嫌いなやり方だ。

 でもそんな駄々が何時までも通じない事だってのもわかってるさ。伊達に歳重ねてねぇよ。

 

「……嫌な事をやるのは、何年間もやって来た事だ。だから……だからな、教えろよYeen!!」

 

 もう一度立ち上がり、ナイフを握って、Yeenに問う。

 

「俺が殺せば、本当に誰も死なずに助けられるんだな?!」

『最初から言ってるだろ。それはアンタ次第だ』

 

 なら…それなら……!未来のもしもは棚上げだ!

 

「なら、俺は嫌な事くらいやってやる!本当に不本意だがな!助けるために殺してやるよ!」

『なら、遠慮なしに燃え尽きてみろ!』

 

 また、ナイフがぶつかり合う。それでも中途半端な殺意じゃ敵うはずもなく、数回の殺意の応酬の後に首を捻斬られて殺された。

 

「まだだァ!」

 

 見えない速さで体をバラバラに殺される。体にY字の形で複数の穴を開けられ殺される。空間ごと体を砕かれ殺される。

 

 殺される。殺される。殺される殺される殺される殺される殺され殺され殺され殺され殺され殺され殺され殺され殺され殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺され

 

 腹にナイフを刺された後に蹴飛ばされ、跳躍して追いついたYeenに、首を斬られ殺され――

 

「てたまるかよォ!!」

『ッ?!』

 

 首を綺麗に切断する筈だったナイフは、俺の動脈を深く斬りつけるだけに留まる。いや充分痛えけどさァ!!

 

『お前ッ……!』

「その技はゴボァ!…もう見たってなァァァ!!!」

 

 血と一緒に声を叫び散らしながら、俺は凶悪な笑顔を浮かべるYeenの首に斬りかかり……同じく動脈を斬りつけた。

 

 

 

 

 

「ッハァ!……さぁ!後一回――」

『いいよ』

 

 あ?なんだよもういいって。あと一回やるんじゃないのか?!

 

『言ったろ。此処は練習モードだ、その気になりゃ何時でも帰れる』

「は、はぁぁ?!じゃあまさか、俺がアンタに殺され続けたのは――」

『それ以上は、考えないほうがいいと思うがね』

「アァァァァァ!!!!」

 

 つまり殆ど殺され損じゃねぇかコレェ!!クソっ……でも、ちゃんと得るモンはあったと信じたいが。

 

『まぁ、価値観の方は知らんが、俺にあんだけ殺されたなら、動きくらい変わってる筈だ』

「おかげ様でな。でもまぁ、動きだけじゃなく価値観も頑張ってみるさ」

 

 今度こそだ。アイツにリベンジして、今度こそ目標に向かって歩いてみせてやる。もうあんな、年甲斐も無く情けない思いはしたくねぇしな。

 

『なら行けよ兄弟。もう迷ってこっち来るなよ』

「わかってるよ……で、どっち行けばいいの?」

『そこら辺進んでれば出れる』

「成る程……」

 

 じゃあこっち進んでみるか。

 

『頑張れよ、お人好し過ぎる兄弟』

 

 赤く染まった服から血が落ち、青色が浮き上がる。白い髪は黒く染まり、赤かった目は青く変わる。そして………

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、殺し合おう」

「お前……」

「ウェンさん!」

 

 死体の周りを上書きするかのように空間がヒビ割れ、砕かれると共に殺人鬼の体を動かす男は、クラウンスレイヤーが肩に突き刺した凶器を握り、殺す覚悟を秘めた目を向けた。




【ようやく行ったか。あの腰抜け転生者め】
『初めてだったのか?ああいうのは』
【当たり前だ。他の6人は最初からイカれているか、お花畑のどっちかだったからな。マトモ過ぎるんだよ、お前の体を扱う奴は】
『まぁそう言うなよ。たまにはああいうのが居てもいいってな』
【フンッ】
『さて……じゃあ話の続きでもしようか、龍のお嬢さん。もっとこの終わった世界の事を教えてくれよ』
「……………」

 黒いドレスを纏った銀髪のドラコは、死んだような目を二人へ向けながら、口を動かし始める。
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