リィエル・レプリカと転生日誌 作:氷月ユキナ
「ちょ、ちょっとレオス! 貴方、何言ってるの!?」
「そうつれないことを言わないでください、システィーナ。事実、私達は互いの両親が決めた許嫁同士ではありませんか?」
ひそひそ、ざわざわ、と、周りがコソコソ話を始めた。
恋バナってどんな世界でも人気だよなぁ。
「お、親同士が決めた……って、ま、マジかよ……?」
マジだよ。
けど、ロクアカ原作では酔った勢いで決めてたし、実際はコレどうなんだろう。
「だが、お前……いくら親が決めたからって……それマジで言ってんの? 馬鹿なの? マジでこのヒス女と結婚する気? やめとけって……こいつとくっつくなんて、人生の墓場入りどころか冥界第九園入りだぞ、ロクなことにならんぞ?」
「その心底、哀れむような顔は何!? 一体、どういう意味よ!?」
……グレン先生の顔を見ると、結構ガチでレオスの事心配してんの草生えるな。
「ははは、冗談でこんなことは言いはしません。それよりも、私の伴侶を侮辱するような言動は慎んでいただけますか? 彼女に対する侮辱は、私に対する侮辱と同義です」
「うっ……す、すまん……」
正論だな。俺だって友達とかにあんなこと言われたらムカつくし。
「ちょ、ちょっとレオス、そう本気にならないで! グレン先生はその……悪気はないっていうか、お馬鹿っていうか、これが平常運転っていうか……」
「……グレン先生?なるほど……となると、貴方があのグレン=レーダスさんですか」
「な、なんで俺の事知ってるんだよ……?」
「私が講師を務めるクライトス魔術学院でも、貴方の事は噂になってますので。ライバル校であるアルザーノ帝国魔術学院に突如現れた、期待の新人講師。魔術理論の根本的な理解を重視した、実践派の魔術講師……習得呪文数を競う昨今の詰め込み魔術教育の場には、中々居ないタイプの人です。貴方の講義、是非一度拝聴してみたいと思っていました」
「いや……別にンな大層なモンじゃねーんだが……。それよりも、アンタ一体、なんなんだ? この白猫とどういう関係なんだ? クライトスって言ったな……まさか、本当にあのクライトスなのか?」
「おそらくは、あなたが想像している通りのクライトスですよ。クライトス伯爵家の嫡男にて、この度クライトス魔術学院から、アルザーノ帝国魔術学院へ特別講師として派遣されたのがこの私、レオス=クライトスです。どうかお見知りおきを」
……えっと、これ俺も自己紹介とかしたほうがいいのか?
言える事はレオスの専属メイド……くらいなんだが。
よし、黙って空気になるのが正解だな。念の為に気配を消しておこう。
「ま、まさか……クライトス伯爵家の御曹司様が直々にいらっしゃるとは……」
「それとシスティーナと私の関係ですが……先程申し上げましたとおり、私は彼女の
「だっ、だから、それは――」
「私は今でも本気ですよ、システィーナ。貴方を心から愛しています」
「うぅ……」
恥ずかしそうだけど、満更でもなさそうなシスティーナ。
後でジャティスに頼んで、レオスにシスティーナが恥ずかしがるような事言って貰うのも"面白そう"だな。
暇つぶし程度だけど。
「ぽかーん……」
グレン先生は置いてけぼりだな。ま、どーでもいーけど。
「ああ、失礼。私とシスティーナは、いわゆる幼馴染みの関係でしてね……。というのも、我がクライトス魔術学院初代学長を務めたロイ=クライトスと、システィーナの祖父レドルフ殿は、アルザーノ帝国魔術学院で学んだ同期の親友同士でした」
あ、そうなの? そんな細かい設定忘れてたな。
「それに、レドルフ殿にはクライトス魔術学院創立の際、色々と力になっていただいております。その縁あって、クライトス家とフィーベル家には、昔から家ぐるみの交流があったのです。昔は私もよく、幼い頃の彼女の遊び相手を務めたものです」
「ふーん……そーゆー馴れ初めかぁ……なるほどねぇ……」
なるほどねー。原作知識はあるけど、昔その2つの家で交流があって、そこで仲良くなった、みたいなことしか覚えてない。
……原作知識、過信しないようにしないとなぁ。
「だ、だから違うんですって! 誤解です! 婚約っていうのは、その――」
「良かったじゃねーか、白猫ッ! 見事な玉の輿じゃねーか! クライトス伯爵家っつったら有力貴族でお金持ち! お前、そんなとこに嫁げるとかマジ幸せモンだな! 一生、遊んで暮らせて超うらやましいわ!」
ロクでなし魔術講師と
グレン先生、本で読んだときは違和感とかないけど、実際にこんな人いたらクズにしか見えねぇ。
緊急事態の時はカッコ良いんだけどなぁー。
「あっはっは、実は先生、お前のこと、とぉっても心配してたんだぜ? なにせ『お付き合いしたくない美少女』、『説教女神』、『
あー……。システィーナの二つ名、まとめて聞くと可哀想に思えてきた。
「正直、将来、お嫁の貰い手いんのかなって心配だったんだが……いきなり解決ッ! しかも、おおよそ考えられる限り最高の条件! 先生は素直にお前を祝福するッ!」
いや、それは無理。たぶん……というか絶対、その前に『
いや、人間としてはもう死んでるんだけどさ。
「いやぁ、蓼食う虫も好き好きとはよく言ったもんだ! 良かったな、白猫! あっ、そうだ、この話上手くまとまったら、俺が結婚披露宴で祝辞を述べてやっても――」
「《この・馬鹿ぁああああああああああああああああああああーーッ!》」
……まぁ、ここまでは特に変わったこともなく原作通りだな。
「……わたしにはよくわからないけど、システィーナ、かなり怒ってる……なんで?」
「………え? おれ?」
「ん、貴女」
リィエルに話しかけられたーッ!?
あ、えっと、何か言わないと……。
「えっと……恥ずかしい…から?」
「? ……よくわからない」
「……そう」
咄嗟に言ったけど無難な答えじゃない?
……気を取り直していこう。よーし、原作介入して、"面白く"して楽しもうか!
今回は原作と殆ど変わらないです。
次回は……頑張って変えようと思います!