リィエル・レプリカと転生日誌 作:氷月ユキナ
指輪から来る行動予測の結果を読み取りながら、俺はリィエルを襲う。
「いぃやあぁ!」
「はぁっ!」
リィエルが俺にフェイントを入れて斬りかかるが、その全てを読んでいる俺のほうが一枚上手。
「"読んでる"っ!」
最小限で最適な動きで斬撃を避けて、リィエルを剣で吹っ飛ばす。
「く……っ」
リィエルは俺の剣を自分の剣で防御して後ろに跳んで、威力を殺す。
それからもリィエルも負けじと俺に斬りかかってくるが、次にどう動くのかが分かる俺には敵わない。
攻撃をすべて避ける俺とは違い、リィエルは傷付き血だらけになっていく。
そして、ついにリィエルは倒れていまった。
「ぐ……ぅぅ……」
「……安心して、殺さない。あくまで妨害」
倒れても此方を見てくるリィエルに、俺は冷静にそう告げる。
今言った通り、俺の役割はジャティスの邪魔をするであろうリィエルとルミアの妨害だ。
殺害しろとは命じられてないし、そもそも殺す気はない。そんなの"面白くない"し。
それにしても、こんなもんか。想定よりも簡単だったな。
いや、ジャティスの魔導器による俺の
ま、どっちでもいいか。リィエルはもう戦えないし、後は曇らせの為にそれっぽいセリフを──
「──《
「──ッ!?」
爆音がした方向から、震動が発生している風球が飛んでくる。
俺は【フィジカル・ブースト】で強化されている身体能力でその場から避け、攻撃してきた人物を見る。
その人物は──
「ル、ミア……?」
「……ん、"読めなかった"」
ルミア・ティンジェルだった。……いや、なんで?
ルミアはリィエルに駆け寄る。
「リィエルッ! 《
リィエルに【ライフ・アップ】を掛けて回復させた。
「ルミア……なんで……」
「リィエル、私、貴女が死ぬなんて許さないよ。絶対に死なせない!」
「……? これ、力が……」
ん? ルミアの手が光って……え、まさか《
……ルミアの《
その力は、魔術演算能力を一時的に超増幅すると同時に、
それにより、今の俺たちが使っている
リィエルは
……だが、それでも一気に不利になった。どうしよ、これ。
「……大丈夫、リィエル。私が後ろから援護するから」
「ん、お願い。わたしはティアを止める」
いつの間にかリィエルとルミアの相談が終わったのか、全回復したリィエルが剣を構え、後ろからルミアが何時でも呪文を唱えられるようにした。
「ティア、待たせた」
「……ん、そんなに待ってない。それで、まだ戦うの?」
「ん。……わたしには、どうしてティアがわたし達の敵なのかわからない。けど、これは駄目だと思うから」
「そう……来て、リィエル!」
「ん! いいいいいやぁあああああ──ッ!」
先ほどとは比べ物にならない程の速さでリィエルがこちらに向かってくる。
だが、それも俺は読んでいた。
「"読んで──はぁ!?」
リィエルの攻撃を防御しようと錬成した剣を盾にしたら、その剣が切り割れて粉々になる。
「──ッ!?」
俺はすぐさま【フィジカル・ブースト】を使い全力でリィエルの横を素通りして詠唱する。
「《
これは俺が錬金改【
名前は錬金改弐【
俺はその双大剣を持ち、再び突進してくるリィエルを向かい打つ。
斬撃斬撃斬撃ッ。お互いの剣が打ち合われ、火花が飛び散る。
その中で片方の剣が折れて使い物にならなくなってしまった。
……ッ! やっぱり、リィエルの方が早い!
だけど……。
「ッ!」
「斬った……ッ! ぐっ……」
こちらも斬撃を貰ってしまったが、リィエルにも斬撃を当てられた。
けど、攻撃を当てられるなら俺にも勝ち目は──
「《
……俺の目は、死んで一週間経った魚のようになった。
白魔【ライフ・ウェイブ】──遠距離から回復効果を飛ばせる高等
それをルミアは使った。あー、さっき援護するとか言ってたね。そういえば。
つまり、アレか。《
「いいいいいやぁああああああああああ──ッ!」
リィエルが大剣を担ぎ駆けてくるが、俺にはもう何もできない。
片方の剣は砕け、もう片方はヒビが入っている。
新しく剣を創る詠唱をする暇もない。
「く──ッ」
せめてと思いヒビが入っている剣で攻撃を受けるが、勢いを全く殺せずに俺の身体は吹っ飛び、勢いよく奥にあった壁に衝突した。