リィエル・レプリカと転生日誌   作:氷月ユキナ

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逃走

 あの後、完成したらしくライネルに容器から出されて服(?)を渡された。

 

 感情? あったままだよ。理由は分からん。

 

 ちゃんと身体が動いて、少し感動したのは俺だけの秘密だ。

 

 身体が自分の意識で自由に動くのって、こんなに嬉しいことだったんだなぁ……。

 

 しかもライネルにより『アストラル・コード』とやらを付与?されたらしく、今は知らなかったはずの魔術の使い方や剣技を知っている状態だ。

 

 それと、本来俺は感情がない機械のような感じのはずなので、ライネルの前では頑張って演技した。

 

 もうやりたくない。あのバレるかどうかのドキドキするの超疲れた。

 

 そして今、ライネルに合図したら来るように言われて、ライネルとリィエルが共にグレンを迎え撃ったところだ。

 

 そんな訳で。

 

「ん。逃げよう」

 

 よし、声も出るしちゃんと喋れる。

 

 ……リィエルみたいな口調で、おまけに顔も無表情だけど。

 

 う〜ん、残りの二人はどうしようか。

 

「貴女達はどうするの?」

「………」

「………」

 

 へんじがない。ただの しかばね のようだ。

 

 頭を撫でてみる。

 

 ……なんも反応してくれない。

 

 本当にただの機械みたいだ。

 

「……ん、行こう」

 

 一人で逃げることにした。

 

 幸い、ライネルが出ていった方向とは別のドアがあるのでそこから逃げられる。

 

 けど、逃げる前に持っていく物がある。

 

 1つ目はお金。理由は言わなくても分かるだろ?

 

 棚にあったお金を鞄に詰めて出来るだけ持って行こう。

 

 多分研究の為に使うお金なんだろうけど、俺のこれからの生活費に使わせてもらうぜ!

 

 そして2つ目が俺の霊域図版(セフィラ・マップ)だ。

 

 ロクアカの、俺と同じく『Project:Revive Life』で生まれたリィエルは、小説の13巻で『エーテル乖離症』に陥っている。

 

 これは、"肉体と霊魂の結合が緩んで、霊魂が肉体から乖離していってしまう"という病気だ。

 

 けど、俺の魂は『Project:Revive Life』で出来ているので簡単に言うと十の霊域(セフィラ)の境界(?)が滅茶苦茶になってるらしい。

 

 しかも、この『エーテル乖離症』は『Project:Revive Life』の弊害の様な物なので100%起きる。

 

 つまり、霊域図版(セフィラ・マップ)がないと治療出来ずに俺は死ぬ。

 

 その事実に若干震えながら、急いで俺が入っていた機械に付いているモノリス型魔導演算器で呪文を唱えながら指を動かして霊域図版(セフィラ・マップ)を探す。

 

「……あった」

 

 ライネルに付与された『アストラル・コード』が、これが俺の霊域図版(セフィラ・マップ)だと言っている。

 

 俺は霊域図版(セフィラ・マップ)をコピーし鞄に入れ、逃走する準備が整ったことを確認した。

 

 さぁ、逃げよう。そうだ、何か捨て台詞を――

 

「あいるびーばーっく」

 

 そう呟き、俺は目の前の扉をゆっくりと開けた。

 

 ……ここにはもう帰ってこねぇけど。

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